私は中老男である。
家人が「包丁を買う」と言い出した。
もうすでに50代の主婦であるから、それなりのものを持っているはずだ。
。。。。。持っていないのである。
私も「これが絶対!」と言って買うべき包丁を勧めなかったせいもあるが。。。。
ちなみに、もう忘れている貴兄もいらっしゃるだろうが、わたしは「調理人」なので一応プロである。
包丁については一家言あるのである。
もともとあった包丁を「かぼちゃ専用にする」という。
この「かぼちゃを切る」という行為は、家庭と言わずプロの調理人でも「なかなかむずかしい」のではないだろうか。
私の相棒などはそれに失敗して手を切り「縫う」騒ぎにまでなってしまった。
これには「コツ」があるのだが、それはオマケに最後に記すことにする。
老夫婦にホームセンターで包丁をお勧めした話をずいぶん前にUpした記憶がある。
家庭用であれば基本的に「包丁は研ぐもの」であり、それ前提として「さびにくいモリブデン鋼」の「三徳包丁」で「4000円程度」のモノを薦めていた。
それは、今でも変わっていない。
ただ、我が家人となれば少々話が変わってくる。
まず、買った包丁は「わたしが」研ぐことになる。
そうなると。
もう少しグレードの良いモノを買った方が良い。
なんたってあ~~た「わたしが・・・・わ・た・し・が」研ぐのだから。
ハッキリ、言うと「ちゃんと」研げるんだもん。(プロ仕様だぜ)
・・・・・こんなことを言いたくてUpしているのではない。
結局勧めたのは
「MISONO440シリーズ 三徳包丁 18cm」
である。
MISONOは基本的にはプロ用だが、ちゃんと三徳包丁を作っていた。
そして「440シリーズ」は単純なモリブデン鋼よりグレードの上のハイステンレスモリブデン鋼を使っている。
その分、軽い上に研ぎやすい。
そして、ここがポイント「18cmの三徳」であること。
ふつう三徳包丁は15cmが通常で、それ以上の長いモノはあまりない。
18cmはかなり長いのだが、MISONO440は長いのに重くなくバランスがいい。
遅ればせながら「三徳」と「牛刀」の差はなんであるかを記しておこう。
答えは包丁の重心の位置である。
牛刀は刃元をつまんで放すと握りが下になって刃先が上に向くはずだ。
もともと、牛刀が「肉の解体用」にできているから刃先を使って裂き切るためにこのバランスなっている。
三徳包丁を同じようにつまむと。
そのまま並行になっているはずだ。(これは菜切り包丁と同じ)
(※例外もあります)
基本的に野菜などを細かく刻むときに刃を「平行に動かすこと」がやりやすいようにこのバランスになっている。
いかにも「肉食文化」と「魚・野菜食文化」の違いが出てると思いませんか?
三徳はどちらかというと和包丁(菜切り)に近いのだが、牛刀的な使い方もできるように折衷した形になっている。
さて、問題は・・・・・。
「価格」である。
「12,000円」(税別)
である。
かなり、家人は迷っていた。
よく分かる。
プロの私が買うのであれば、もしかするともう少し値の高いモノにしたかもしれないが。
50代の今買えば、もちろん一生ものである。
かなり真剣に研いでも娘に譲って娘が一生使える。(まあ、使い方・研ぎ方に寄るけどね)
最後には「私がいくらか出す!」と言ってやった。(出さなかったけど)
こうしたことを思い切るのはなかなかむずかしいのは分かるけれど。
プロが勧めるにはそれなりの「意味」があるのさ!
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを読んでいる皆さんも迷ったときは「思い切り」ますように。
May
かぼちゃの切り方。
文面だけで分かるようには、なかなかいかないけど・・・・。
まずかぼちゃのヘタを上下ともスプーンでくり抜いて取っておく。
包丁は、なるべく刃の厚いものが良い。(薄い包丁程、喰い込んでいくので切りにくい)
真ん中から刃先を立てて下まで突き刺す。
そのまま「かぼちゃを向こう側に倒していく」包丁を動かしてはいけない。しっかり包丁を握って動かないようにすること。
かぼちゃが完全に向こう側に倒れたら、同じようにひっくり返して半分に割る。
これを1/4になるまで繰り返す。
かぼちゃを切るときには(というよりすべての素材は)刃が素材を両方に「割り(裂き)ながら」切っって行く。
つまりどんどん「喰い込んでいく」から、逆に「割拡げながら」切らないと力を入れた包丁が思わぬ方へ行ってしまい怪我をすることになる。
蛇足が長すぎた・・・。