マキペディア(発行人・牧野紀之)

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国連

2011年08月16日 | カ行
01、事務局

 国連事務局には、事務総長を頂点に、ニューヨーク本部の2500人をはじめ、世界銀行、ユネスコなどの専門機関を合わせ、世界中に約3万人の職員がいます。加盟国から派遣されたり、事務局が直接採用した人たちで、髪の毛の色も肌の色もそれぞれ違いますが、身分はみんな国際公務員です。出身国の利害にとらわれず、国連の職務を忠実にはたすことにな っています。

 国連の予算は、各国の分担金でまかなわれる通常予算、別途各国が分担する平和維持活動(PKO)費、各国が任意に拠出する人道的活動費の3本立てで、2年ごとに編成されます。

 財源となる分担金の負担率は、加盟国の所得をしめす国民総所得(GNI)をものさしにして決めます。その上位は予算の4分の1近い22%を出しているアメリカがトップ、ついで16,6%を負担している日本、さらにドイツ、イギリス、フランスとつづきます。

 2007年の通常予算は約20億5000万ドル、PKO予算は約52億5000万ドルです。したがって、日本は合計で約21億ドル、円に換算すると約1500億円で、国民1人あたり約1100円を国連のために負担している計算です。

 各国の分担率は3年ごとに見直されます。しかし、最近は財政難のロシアをはじめ分担金を滞納する国がふえ、アメリカも拠出にしぶくなり、国連は財政危機に直面しています。また別会計になっているPKOの費用も、地域紛争への国連介入がふえているので、経費が増大し、各国に割り当てることすらたいへんになってきています。PKO活動費をふくめた滞納額は20億ドル近くにものぼります。

 しかし、国連も組織が肥大化して、能率が悪いのではないかという批判もあります。国連本部の地下室には、安全保障理事会や総会の決議案など文書を印刷する工場があります。ここでは年間3億枚もの文書を印刷するというほどで、ムダが多いのはたしかです。

 そこで、日本などの提案で、経費を削減するための事務局の人員整理や能率向上などリストラも進められていますが、実効はなかなかあがっていないのが実情です。

02、日本人職員

 国連の事務局職員の数は2500人で、国別の職員の数は分担金の割合によって決められています。日本人職員の割り当ては専門職で約300人ですが、現在(2007年現在)100人程度しか働いていません。全職員数のわずか4%です。同じくらい分担金を出しているアメリカは日本の3倍、300人が採用されています。

 ユネスコなど国連関連機関の繚職員数は1万8000人ですが、そのうち日本人はわずか500人程度(約2,8%)です。

 そこで国連は、日本人職員を増やすため人事部長など採用担当者を日本に派遣してじきじきに面接をしたりと力を入れているのですが、せっかく日本にあたえられている国際公務員のポストもなり手が少ない、と残念がっています。

 (原康著「国際機関ってどんなところ」岩波ジュニア新書より)

    感想

 職員の給与はどのようにして決められるのか、どのくらいなのか、といった事が落ちています。

 日本人の少ないのは、政治的に幼稚な国民だからではないでしょうか。教育を改善して、日本人を増やすべきでしょう。

 「外務省国際機関人事センター」のサイトは役立つそうです。