マキペディア(発行人・牧野紀之)

本当の百科事典を考える

河川の生態調査

2011年06月27日 | カ行
01、牧野の質問(2011年06月14日)

 静岡県が管理している河川の生態を毎年、調査していますか。その川に棲んでいる魚の種類と数量、水草の種類と数量、飛来する野鳥の種類と数量、土手に生えている草の種類と数量などです。

 自分で調査しないでも、適当な個人ないし団体にお願いして、毎年報告を聞き、統計を取って発表していますか。どこに発表していますか。

 分かるなら、馬込川と御陣屋川の生態の変化を過去5年について教えてください。

 前回の質問への答えまでは3週間もかかりましたので、せめて2週間以内に回答を下さい。

02、静岡県からの回答(川の生態調査について)(2011年06月21日)

 日ごろから県の行政にご理解とご協力をいただき誠にありがとうございます。6月14日にご質問をいただいた川の生態調査について、馬込川、御陣屋川を所管する河川砂防局よりお返事いたします。

 県内では天竜川や大井川など、国が管理する一級河川においては5年に1度の割合で定期的な生物調査(河川水辺の国勢調査)が実施されており、県が管理する主要な一級河川においても同時期に同様の調査を実施しております。調査結果については国土交通省が取りまとめ、インターネット上で一般公開されており自由に閲覧できるようになっております。(URL: http://www3.river.go.jp)

一方、県が管理する二級河川については、河川整備基本方針や河川整備計画などといった河川に関わる計画を作成する際など、必要に応じて既往の文献調査や現地調査を実施いたしますが、定期的な調査は実施しておりません。

ご依頼の馬込川と御陣屋川については、既往文献の調査等により当該河川の生態系について整理した資料がありますので別添のとおり提供いたします (5月31日に公開で開催した静岡県河川審議会にて使用した資料です)。

今後は、御陣屋川を含む馬込川水系において現地調査を実施し、調査結果について公表する予定をしております。

なお、御陣屋川については絶滅の危険が増大している貴重種であるミクリの群生地が見られ、種の保存や生物多様性の観点から、学識者を含めた「ミクリの里の川づくり」検討会においてミクリの保全に係る専門的な課題に対する検討、河川改修工事の際には移植による保全、移植後の生育状況調査等を実施してきましたが、調査結果等については貴重種の生息・生育箇所が特定され、その貴重種の乱獲や、生息・生育箇所を荒らす事を目的とした者に伝わることによって、絶滅を招く懼れがあることから一般には公表しておりません。

以上、ご要望に応えることができず大変申し訳ありませんが、今後もお気づきの点がございましたらご意見、ご質問をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

静岡県交通基盤部河川砂防局河川企画課

03、感想

 このような事を質問したのは、最近の県の護岸工事がコンクリートで固めるものだからです。これによって生物多様性が損なわれているのではないかと思い、それを数字で確かめたかったのです。

 先日も御陣屋川の土手を妻と歩きましたが、最新のコンクリート護岸は周囲とマッチせず異様ですらありました。ああいうのに出くわすと本当にがっかりです。楽しくないです。川勝知事に聞いて見るつもりです。

04、馬込川の水質について(静岡県の回答)(平成23年03月28日)

 先日、知事あてに頂いたメールについて、知事からお返事をするよう指示がありましたので、事務を所管する各課からお返事いたします。

 このたびは、お返事が大変遅くなりましたことをまずもってお詫び申し上げます。

 馬込川右岸共用導水路は、農業用水及び水道用水として、船明(ふなぎら)ダムの発電放流水から取水した水を流す水路であり、浜松市浜北区於呂地先までの7.7㎞につきまして、農林水産省との共有施設として県企業局にて維持管理を行っております。

 このうち、水道用水(全体の約6%)につきましては、共有区間の末端から上流300m地点において、企業局の浄水場に導水して、飲用可能な水質に浄水処理した後、浜松市及び湖西市に対して供給を行っております。

 また、浜名用水路は、農業用の水利を目的として右岸共用導水路から馬込川まで、豊富な水量の導水を行っております。

 このたびは、この右岸共用導水路から馬込川までの「水の色」を始めとした水質に係る御意見を賜りましたが、本県といたしましても、河川環境は単にBOD(※1)等の指標だけで評価できるものではなく、牧野様御指摘の「水の色」や「透視度」、「水のにおい」なども、人と河川の豊かなふれあいの確保の観点からみた場合、河川環境に係る評価の要因となるものと考えております。

 しかしながら、「水の色」につきましては、降雨による一時的な濁りや水量、水深、流速などの様々な要因により刻々と変化することが一般的であるとともに、人それぞれに感じ方が異なるものであることから、BODのように明確な数値等をもって一律的な評価を行うことは困難であると考えております。

 また、水質に係る化学的な分析につきましては、当該区域の環境保全業務を所管する浜松市が白羽橋及び茄子橋の2地点で経年的な水質調査を実施しているところです。

 その結果、右岸共用導水路は河川としての環境基準(指標はBOD)や農業用水としての基準を満たしており、また、溶存酸素も比較的高いことから、県といたしましては、現況では生物の生息や生育にとって特段の問題はないものと考えております。

 県といたしましても、このたび牧野様からいただいた御意見も踏まえ、地域住民の皆様に愛される馬込川の良好な環境の保持のため、今後も河川の現況や水質調査結果等を注視してまいりますので、引き続き御理解を賜りますようお願いいたします。

※1  BOD(生物化学的酸素要求量)とは、水中の有機物が微生物により分解される時に消費される酸素の量のことで、河川の汚濁状況を表す時に使われる指標(数値が大きいほど水質汚濁が著しい)です。

・H21年度BOD75%値:白羽橋1.2㎎/L、茄子橋1.5㎎/L(類型C:5㎎/L以下) 

静岡県くらし・環境部環境局生活環境課長 近藤 淳

交通基盤部河川砂防局河川企画課長  石井  隆 

交通基盤部農地局農地計画課長    内田 幸男

企業局事業課長           亀  研一

05、感想

 水の色は、手始めに見た事を伝えただけで、私の中心的関心事は「馬込川を憩いの川にする」ということです。水の色はその後、場合によっていろいろあることが分かりました。

     関連項目

馬込川を憩いの川にしよう

馬込川プロジェクトのために