マキペディア(発行人・牧野紀之)

本当の百科事典を考える

知事選の争点(その8、スポーツ・文化振興策)

2009年03月20日 | タ行
 大問題の教育改革を残して、それとの関係もあるこのテーマを取り上げます。

 静岡県のスポーツは特にサッカーが有名ですが、そのほかにも女子バスケに加えて、最近は男子のプロバスケットボールチーム(浜松・東三河フェニックス)も生まれ、大活躍をしています。しかし、全体として前進しているでしょうか。どうもそうは思えません。

 Jリーグはドイツのスポーツクラブを範に取って、各チームが地域に根を張り、そういうものの中核になることを目指しています。03月17日の朝日新聞に次の記事が載りました。

  - J2に所属する湘南ベルマーレは、総合型スポーツクラブとしての実績を積み重ねている。サッカーのほか、五輪選手が輩出したビーチバレー、トライアスロン、ソフトボール、フットサルの4クラブを持つ。

 きっかけは1999年だった。当時は「ベルマーレ平塚」としてJ1で活躍していたが、親会社が経営不振を理由に運営からの撤退を決めた。存続のための署名活動や、スポンサー探しなどに地域の人たちが奔走してくれた。

 2000年から地元資本で再出発。年間予算はそれまでの約3分の1の10億円ほどに減ったが、「みんなが支えようとしてくれて、うれしかった。だからクラブが地域に何かをしなければと考えた」と広報の遠藤さちえさん。「地元の人に幅広くスポーツを楽しんでもらえるクラブになることが恩返し」との思いが総合型のクラブ化につながった。

 まず2001年、湘南海岸で盛んなビーチバレーのチームが誕生。さらに海がある湘南の土地柄に合うというトライアスロンチームを作り、さらに厚木市を本拠に、地元で盛んなソフトボールチームができた。2007年のフットサルの全国リーグ「Fリーグ」が生まれるのと同時に、湘南ベルマーレとして参加した。

 各チームのスポーツ巡回指導や健康作り教室にも取り組む。サッカーの運営法人である株式会社「湘南ベルマーレ」とは別に、2002年にNPO法人「湘南ベルマーレスポーツクラブ」を立ち上げた。そのNPO法人が各スポーツの指導も受け持ち、現在は年間約700回を行っている。「ベルマーレをスポーツヘの入り口にして欲しい」との思いがある。

 02月22日、神奈川県平塚市のグラウンドで各競技チームの合同練習が初めてあり、選手、スタッフら計100人が参加した。一緒に走って記念撮影した。「合同練習は湘南を盛り上げるという一体感を持つという意義が大きい」とビーチバレー北京五輪代表の白鳥勝浩さん。

 NPO法人理事長でもある真壁潔・湘南ベルマーレ代表取締役は「企業スポーツが廃部になっているこういう時こそ、ベルマーレの存在する意味が大きくなる」と選手を前にあいさつした。(引用終わり)

 清水エスパルスやジュビロ磐田はどうでしょうか。まだそうなっていないと思います。

 そこで私の提案は、やはりJリーグの構想の徹底です。この2チームは観客動員数を増やす方法を考え、他のスポーツも含めたクラブにしていって欲しいと思います。そういう方針を実行するゼネラルマネジャーを選ぶべきでしょう。

 又、JFLのホンダFCは名前を変えて、Bjリーグのフェニックスと協力して、総合クラブ的なものを目指して欲しいと思います。

 県はそういう動きを促し、支援するべきでしょう。

 こう考えると、東部地域には核となるチームがないように見えます。しかし、東部だけに何かを新設するのも名案が浮かびません。そこで私案として出したいのは、県内に女子プロサッカーチームを4~6チーム作り、独立リーグを始めるという案です。

 最初の5年間は県の補助金を出したらどうでしょうか。1チーム選手25人、スタッフ5人、合計30人とし、年俸は300万円(月25万円)を補助するのです(野球の独立リーグの選手の月給は15万円くらいのはずですが、15万円では少なすぎると思います)。事業収入から、給与に上乗せしてもいいことにしたらどうでしょうか。

 他のスポーツ部門も順次作り、ユースやジュニアユースも作るといいと思います。そして、部活に取って代わる方向を目指すのです。

 一応5年をめどにこれを進めて、実績を見て、5年後に再検討するといいと思います。

 この元の原稿を書いたのはかなり前なのですが、その後「総合型地域スポーツクラブ」というのがあることを知りました。地域住民が運営し、多世代の人々が多種目のスポーツを楽しむそうです。文部科学省が後押ししていて、2009年02月現在、2233地域に出来ているそうです。

 同省の目標としては2010年までにすべての市区町村にこれを立ち上げるそうです(朝日、2009年02月27日による)。

 これの実態を調べて、これとどうかかわるかを含めて具体化するといいと思います。

 文化振興についても根本的には同じことが言えると思います。ここではサッカーに当たる中核としてオペレッタを提案します。その芸術的総合性と大衆性を考えてのことです。

 全県の公立高校と同数くらいの総合文化クラブを組織して、その中核にオペレッタ劇団をすえるのです。問題はリーダーを含むスタッフと経費負担です。高校教師からこの仕事をする人を出してもらって、そのため週に2日くらいを当ててもらうというのはどうでしょうか。

 大切な事はリーダーのレベルを休みなくアップすることでしょう(これは教育全てについて言えることです)。そのためには、毎年夏休みに一流の演出家などを招いて、1週間程度のワークショップを開いてもらうといいと思います。

 毎年秋には全県的な祭典を開いて競うことです。静岡県は舞台芸術とかを宣伝していますが、あれは大衆的でなく、金も掛かりすぎていると推察されます(正確な情報公開がないので分かりません)。浜松市も国際ピアノコンクールとやらをしていますが、これも、多分、同じだと思います。

 超一流の催しも一概に否定しませんが、まずは全体のレベルアップをしてからでも遅くないと思います。

 いずれにせよ、これも5年くらいで、結果を見て再検討すると決めておくといいと思います。

 もう一度スポーツの話に戻りますが、袋井のエコパはサッカー専用の球技場にして、しかも日本最高のサッカー専用球技場にするべきだと思います。陸上競技場との兼用は無理です。今のではサッカーの面白みが味わえません。

コメント
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