(1) 辞書を引くと「驚く」が自動詞で、「驚かす」が他動詞となっている。
(2) 問題は「驚く」と「驚かされる」との使い分けである。
私の感覚では「驚いた」で十分な場合に「驚かされた」と受け身表現を使う人が多い。この使い分けには何か原則があるのだろうか。
英語が入ってきて be surprised という表現に慣れた人がそれの直訳を使うようになって「驚かされた」という言い方を奇異に感じなくなったのではあるまいか。
しかし、以下の用例を見ると、漱石の頃もすでに使われていたことになる。すると、かなり古いのだろうか。
いずれにせよ、辞書はこういう事にも指針を与えてほしいと思うのである。
用例
1, 私は急に驚かされた。(漱石『こころ』上12)
2, 有ると思った財産は案外に少なくって、却って無い積もりの借金が大分あったに驚かされた(漱石『門』4)
3, 授業で大学1年生と一緒に文学作品を読んでいていつも改めて驚かされるのは(『知の技法』東大出版会)
4, 記者会見で辞任を表明した国防相は、涙を流してわびたという。/驚いた。軍がらみの事故でこれほどの透明性は初めての経験だ。
(朝日、2001年11月13日)
(2) 問題は「驚く」と「驚かされる」との使い分けである。
私の感覚では「驚いた」で十分な場合に「驚かされた」と受け身表現を使う人が多い。この使い分けには何か原則があるのだろうか。
英語が入ってきて be surprised という表現に慣れた人がそれの直訳を使うようになって「驚かされた」という言い方を奇異に感じなくなったのではあるまいか。
しかし、以下の用例を見ると、漱石の頃もすでに使われていたことになる。すると、かなり古いのだろうか。
いずれにせよ、辞書はこういう事にも指針を与えてほしいと思うのである。
用例
1, 私は急に驚かされた。(漱石『こころ』上12)
2, 有ると思った財産は案外に少なくって、却って無い積もりの借金が大分あったに驚かされた(漱石『門』4)
3, 授業で大学1年生と一緒に文学作品を読んでいていつも改めて驚かされるのは(『知の技法』東大出版会)
4, 記者会見で辞任を表明した国防相は、涙を流してわびたという。/驚いた。軍がらみの事故でこれほどの透明性は初めての経験だ。
(朝日、2001年11月13日)