井沢満ブログ

後進に伝えたい技術論もないわけではなく、「井沢満の脚本講座」をたまに、後はのんびりよしなしごとを綴って行きます。

日に1つ、新たな言葉を覚えよう

2017年08月18日 | 日本語について

今朝もいつものように、湯浴みで身を清め散歩に出ました。
陽は差していませんが、雲の向こうに日拝をし、心身ともに
清々しく、ありがたいことです。

ドラマはまだ先ですが、久々のドラマなので慎重を期して
細部までシノプシス(あらすじ)を練っていて、これは
その場の勢いで書くことがほとんどだった私には珍しいのです。

シノプシスに後足で砂かける、と書いてふと思ったのですが・・・・

これは「あとあし」 「うしろあし」 どちらで、読んでいますか?

あとあし、が正解です。

1日1つ、新たな言葉を覚えるをモットーに日本語の語彙を増やしましょう。

たとえば「鞠躬如(きっきゅうじょ)」という言葉は、ご存知ですか?

身をかがめて恐れ慎むさまを、表します。

使用例 鞠躬如として韓国側の主張を聞いているだけの、情けない外務省。

朴槿恵前大統領の前で、揉み手していた舛添さんも思い出しますね。

ただ鞠躬如はこういうネガティブな用法ばかりではなく、「鞠躬如として用を聞く」というふうにも用いられます。

典拠は論語です。

http://rongo.roudokus.com/rongo10_05.html

揉み手は、わかりますか?

(コトバンク)>左右の手のひらをすり合わせること。多く、頼み 事や謝罪・弁解などをするときの手つき。「揉み手をして頼みこむ」

媚びへつらう、時も使いますね。

 

 

ご変換ほか後ほど推敲致します。



5 コメント

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鞠躬如、懐かしい言葉ですね。 (大熊猫)
2017-08-18 10:13:56
先生、おはようございます。
久し振りに目にした言葉です。
どこで見たのかな、と思い、心当たりを調べたところ、ありました。三島由紀夫の「禁色」です。
悠一が出入りする、有楽町の喫茶店、ルドンの店主、ルディーの動作として出てきます。

店主自ら鞠躬如として「御勘定」を報告に行くのであった。この宮中礼法がとられる場合は(後略)

自分でも、何でこんなことを覚えているのかなぁ、と不思議ですが、見慣れない言葉なので、印象に残っていたのでしょうね。
論語からの出典とは知りませんでした。

揉み手に関しては、横溝正史の「女王蜂」で、大道寺家の執事が、揉み手をしながらちょこちょこと歩く、という描写が印象に残っていたらしく、すぐに出てきました。

先生は、私が忘れていた昔の語彙も思い出させて下さるんですね。
わくわく♪ (くるみのばぁば)
2017-08-18 10:23:42
「一日にひとつ新たな言葉を覚える」。

なんて素敵な響きでしょう!

こんなにわくわくするプレゼントは
他にありません。

鞠躬如…初めて知る言葉です。
後足で砂をかける…「うしろあし」と読んでいました!

知らなかったことを知る楽しさは格別。
なんとも言えない喜びをもたらしてくれます。

井沢先生、
今日も有難うございます。

皆様も今日一日お健やかで!
先生、ありがとうございます。 (総太郎)
2017-08-18 23:06:01
仕事の多忙さで、投稿も疎かになりがちですが、ここ数日の先生や皆様方の良きお言葉とご教示に心よりの感謝の気持ちで一杯です。

先生がご紹介してくださった英霊・防人の方々の遺された御言葉の数々には只・・。

まだ平成初頭の頃までは、終戦記念日の時期に地上波テレビで
先の大戦をテーマにした昭和の名作映画(東宝・東映の歴史大作等)を放送する等、日本人の魂を大切にしている印象がありましたが、今やもう・・・。

改めて英霊・防人の方々に思いを馳せます・・。

2010年の終戦記念にTBSが放送した
倉本聰先生の脚本・鴨下信一さん演出、ビートたけしさん主演によるスペシャルドラマ「帰国」が感動的で、リベラル派の倉本先生でさえ、英霊の方々に対する深い敬意をお持ちなのだと胸が熱くなったのを思い出しましたが・・。

(恐らく倉本先生のお力でなければ、近年のTBSでは実現不可能だった気が・・)

中島貞夫先生らから、倉本先生の執筆秘話も伺っておりますが、倉本先生なりの日本に対する熱いお気持ちがあるようです・・。

中島先生も松方弘樹さん、鶴田先生、高倉健さんらオールスターで「同期の桜」(昭和42年・東映)を手掛けられましたが、素晴らしい作品でした。


コメディ作品等で破天荒な演出が多かった久世光彦さんですが、意外に感心したのが、公衆道徳やマナーの描写には大変気を遣われたとの事で
(御本人の生前のエッセーやインタビューより)

ドラマの登場人物に煙草やごみの投げ捨てを絶対にさせず、寧ろ道端のごみを拾って屑籠に入れる演出や構成を意識されたとの事でした・・。

先生が御指摘の三島先生の様々な文章や言葉を野坂昭如さんと石原慎太郎さんも高く評価されていましたが、お二人曰く「自分達が文体を真似しても安っぽくなるだけ・・」旨、仰っていた記憶が・・。

大江さんの作品は不勉強、殆んど未読ですが、政治的な作品として、社会党の浅沼稲次郎委員長を刺殺した山口二矢をモデルにした「セブンティーン」を思い出しますね・・。

後足の読み方等、寧ろ正しい読み方を口にすると間違いのように周囲に思われないか・・?
気になったりします・・(-_-;)

簡単な言葉でも「世論」を
「よろん」、「せろん」とアナウンサーや識者の方々によって呼び方はバラバラのような印象で、
どちらが正しく相応しいのか?
尋ねられると悩みます・・。

これからも、皆様方と共にこちらで学ばせて頂きたいですm(__)m

では、皆様も暑さに負けられぬようご自愛ください。
お返事 (井沢満)
2017-08-19 20:07:06
忙しさにかまけ、ついついお返事をしそびれたり
遅くなっています・・・・

>大熊猫さん

「禁色」は私も読み、ルドンのマスターまでは憶えていますが、「鞠躬如」がそこで使われていたことまでは。

凄い記憶力ですね。

>くるみのばぁばさん

1日一つの言葉を覚えれば、年間360の語彙が増えます。計算通りには行きませんが、心がけるだけで語嚢は豊かになりそうです。

>総太郎さん

暑い中、ご多忙とのことご健康に留意あそばされますよう。
先生が思い出させて下さるんです。 (大熊猫)
2017-08-20 12:46:51
お返事ありがとうございます。
記憶力というか、連想が働いてしまうんです。
先ほども、ルドンのマスター、という先生のお言葉から、体操競技が浮かんだので、「禁色」を再度開きましたら、ルディーの「コールマン髭」という言葉。
これです、「コールマン」とは、体操の鉄棒競技での、手放し技の名前でした。