井沢満ブログ

後進に伝えたい技術論もないわけではなく、「井沢満の脚本講座」をたまに、後はのんびりよしなしごとを綴って行きます。

年の瀬の雨の日、インバネスで出かけた

2014年12月30日 | 日記

自らのインバネス姿をアップするのも気恥ずかしく、ネットのありもの画像で

代用していたのだが、コメント欄で多大に関心を示してくださった奇特な

方がいらしたので、思い切ってアップしてみる。

お見苦しくて申し訳ないことである。

 

甥っ子とその嫁が博多から上京して来たので、日比谷の蟹を食べさせる店に

連れて行った。

雨なので、着物はテトロンである。

長いこと忌避していたテトロンだが、最近は質も向上して雨の日には

神経を使わなくて済む。

焼肉屋の煙も平気。たばこを隣で吸われても、内心眉を顰めなくても済む。

銀座のおねーさん方、どうしてるのかと思ったら洗える着物をお召しだと

聞いた。ライティングの関係でそれなりの生地には見えるのだとか。

なるほどね。毎夜紫煙の中、安くもない和服と帯がニコチンにやられているだろうと、他人事ながら心配していたので ー笑ー

それにしても、女性が見るから高価な和服を着ている場合、男は

焼き肉や鉄板焼きには連れて行かぬよう。教養です。

いや偉そうには言えぬので・・・・・実は一度私がやられて

思い知ったのである。

安くはない和服を来て出かけたら、編集者が連れて行ってくださったのが

焼き肉。ぶきっちょな私は脂身を膝に落とし、数万円と1ヶ月もかけて

洗いに出したことがある。

もっとも数万円は、某有名クリーニングチェーンの価格で

専門の店に出せばうんと安いようだ。

いや、クリーニングは数万だったかなあ? 2万円?  だんだん自信が

なくなって来たが、安くはなかった記憶。

写真だが、帽子はウサギの毛を編んだ英国製。

インバネスは多分和製で、カシミアである。内側に「井澤」と

旧字体で刺繍していただいた。

カシミヤは軽く、そしてコートに更にケープを

羽織った形で、暖かい。よく考えたものだ。

ふとロンドンの石畳に馬車の音が聞こえる気がした、雨催いの曇天であったし。

草履も雨の日用の安物。

 

紙袋の中身は甥っ子の嫁が持ってきてくれた「糸島産あまおう苺」をねりこんだラスクが入っている。

甥っ子はまだ二十代半ば、嫁もそのくらい。

合コンで知り合ったのだそうな。お互い気が進まず出かけたら、運命の人が

そこにいたようで、半年後には結婚。

赤ちゃんが生まれた後に式と披露宴はあり、それに出たのが今年のあれは

いつだったか。単の和服で出たので暖かい頃である。

甥も嫁も若いので、お年玉を渡した。

赤ん坊にはレッグウォーマー。

蟹は毛蟹とたらば蟹とが入ったコースにして、更に一人前毛蟹のフルコースを頼んでこれは3人で分けて食べた。

これで私の三大好物、伊勢海老(鳥羽で)、ふぐ(神田で)、毛蟹(日比谷で)と早々と全て食して満足。

 

ちなみに、日本にあるほとんどすべてが、我が国の発祥でそれが日本に伝わった(日本刀や忍者まで!)と主張する某国が、折り紙もわが国発で

日本ではないと言っているようであるが、それはない。

端的にその国の民族服と和服を並べてみれば良い。

折って畳んでまた折っては、まさしく和服の畳み方。

帯の複雑な結び方も折り紙である。

彼の国の民族服はもっと単純であろう。

風呂敷も、とかの国は言い張っているが・・・・・いや風呂敷の多彩な

使い方結び目も日本独自であろうし・・・・・布一枚のことだから、あるいはお互い

別々に発祥していたのかもしれぬけれど・・・・・感覚的には

「和」だよなぁ、と私は思う。


「花嫁の父」再々放送

2014年12月28日 | ドラマ

昨日14時から「花嫁の父」再々放送であったが、報告によると

《ツイッター盛り上がっていましたね。若者たちが、「花嫁の父」ヤバイ、号泣!・・・等等。》

だそうで、3度めのオンエアで嬉しい限り。

この作品で向井理くんと出会っていなければ、新春放送の「わが家」はなかった。

 

 

 

今見るとなつかしく、あちこちからつい画像を拝借した・・・・・


インバネスとボ-ラーハット

2014年12月27日 | 日記

インバネスが欲しくて三越の和服売り場に出かけた。

もうサイズが不揃いになっていて、普通のウールのインバネスを求めるつもりが

カシミアになってしまった。普通ウールの倍価格である。

今頃冬物を求めに来るのが下手なのだ。

しかし流行り廃りがないので、一生もの。体型の変化にほぼ影響を受けない。手入れが良ければ孫子の代まで伝えられる。購入するときは息を整えねばならないが、結局さして高い買い物ではないことは、和服と同じである。

夏の和服に帽子が好評だったので、冬の帽子も求めた。

「ボーラーハット」で頭部が丸く、山高帽の一種であり英国発祥。

ダービーハットとも言うそうだが、これにインバネスを羽織ると
まるでシャーロック・ホームズだ。
ワトソン役は向井理くんに頼みたい。
求めたボーラーハットはウサギの毛で織ってあるそうである。

写真を写すのが面倒なので、ネットで拾ったイメージ画像で

およそこんなの。

 

インバネスだと和服にブーツでもよさそうな。

明治大正、和服にインバネス、革靴は普通の風俗であったように
記憶しているが、どうだったろう。

洋服にも着られる。

買い物には、ちょっと用件もあったので、着付け「衣香」の糸賀文音さんに
お付き合い頂いた。私が小説中の人物に和服を着せるとき、相談に乗って
頂く方で、「花嫁の父」(小説タイトルは「ゆきの、おと」)でも
お世話になったが、「わが家」でも着付けに関して教わった。

「わが家」より

 

鯛子の母親は着物で店に立っていたので、鯛子も着物は仕込まれていて、友子のまとっているのは千草鼠に南蛮船と小花、白銀の青海波の帯は本綴素早く見て取り、それに白い草履も趣味のいいことと感心している

笹島式着付け教室 衣香のきものめしませ 藤沢(湘南台)

http://bebeka.exblog.jp/


「わが家」取材記事

2014年12月26日 | ドラマ

毎日新聞 12月25日

 

 

向井理くんからは、面と向かってはあまり言ってもらえないのだが、紙面では随分手放し賛辞で、番宣用に盛ってくれたかなあと思いつつも、私は素直に思っていることを語ったので、向井くんの言葉もそのまま受け取ることにしようかな・・・

そのほうがハッピーだし。

役者と作家として相思相愛でよかった、よかった。

次、何書こうかなあ・・・・ってわずかに腹案はあるのだけど。

年上人妻との一夜の行きずりの恋が発端の、サスペンス調恋愛劇。

たとえば。

まあでも役者とのタッグもご縁のものだし、次があるかどうかは知らない。
ありそうな気はするけれど。

村川絵梨ちゃんもいいし(本当に可愛い、素顔も。芝居の質も好き)、田中裕子さん、長塚京三さんもぜひまたご一緒させて頂きたい。これだけ好きな納得できる俳優さんたちと仕事出来て、冥利に尽きる思い。

ところで、久々にちょっと書いてみたいなあと思う役者さん発見。
BLジャンルのコミックで売れている作品だというので、コミックと映画化作品と両方見てみた。「どうしても触れたくない」という作品である。

なるほど、こりゃ売れるだろうなあ、と思った。
かなり非日常設定なのだが、きれいごとに堕さず、生活感の中で
描いていて、コミックは会話もリアルだ。
映画では、原作の生々しいがリアルな会話をカットしていて、そこは惜しかったが。

ノンケ(普通の男)とゲイの青年のラブストーリーで、ノンケのほうが
演じるのが大変である。異性愛の男がある日突然、同性を愛してしまう、
それは現実にない話ではないにしろ、事例は僅少。それをフィクションで
説得力を持って演じるのは至難。

それを、軽くスラっと演じていた俳優が谷口賢志(たにぐち まさし)さんであった。
ご本人は軽くという如きことではないとは思うのだが、演技の
背後の葛藤を見せず、軽々とやれるのが才能なので。
モデルと舞台俳優と、そして映画に出ていらっしゃるようで
37歳ということだが、しきりにこの人に書いてみたい気がする。
久々に素材に萌え感。
素の喋り方その他も見たくてメーキングのDVDを手に入れてみたが、
やはり感覚が面白く、興味をそそられる。
多面体で、色んな側面を持っている人。
何かを引っ張り出せるぞ? と思わせてくれるのだ。
「素」と言っても、役者がいったんカメラの前に立ったら
「素」を「演じる」に決まっているのだけど、それを差っ引いても
面白い。何かがアンテナにひっかかる・・・・・。
来年は舞台を見に行ってみようと思う。
小舞台ばかりなのも、興味をそそる。要するにまだ業界が
未発見の役者さんなのだ。コアなファンクラブはあるようだが。

私がかつての、一線売れっ子で連ドラと単発をたくさん書いている頃なら、
即ご指名で作品に呼んでもらい、世の中に押し出すお手伝いをさせて
頂けたのだけど、
今や年間1作の寡作状態なので、思うようには行かぬ。
しかし、書いてみたい。書いてみたいと思える俳優に巡りあうことだけでも
幸せである。どういう役なら一番引良さを引き出せるかな? とあれこれ考える楽しさ、時に苦しむけれど。

脚本というのは役者の性別問わず、脚本家がその人宛てに書く恋文であるときが、一番うまく行く。

向井くん、相思相愛でわしゃほんま嬉しいよ。(俳優と作家としてである、念のため。BLの記述の後に、こんなん書くと誤解されるかも、と今ふと脳裏をよぎったので蛇足。よもや誰も思いはしないだろうけどw)