今日も一期一会

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本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

三浦しをん 著『ののはな通信』

2018-11-08 | 本の紹介
三浦しをんさんの最新作『ののはな通信』(KADOKAWA)読了しました。
時代は1980年代、横浜にあるミッション系の女子校で共通の趣味から「のの」と「はな」は友達になります。
庶民的な家で育ち勉強が得意な「のの」、外交官一家のお嬢さまで天真爛漫な「はな」、
対照的な二人はやがて友情を超えた唯一無二の特別な関係になり、
そこからふたりの女性の27年にわたる交流を書簡形式で綴る長編小説です。

地の文がなく、全文が手紙形式なので慣れるまでは読み辛かったです。(男性は無理かも)
私も中学から大学まで幼馴染と途切れず文通をしていて、途方もない量の手紙を書いていましたので、
その頃の自分とリンクして面白く読みました。
大学生や就職したての頃は、自分の思う通りに人生が続いていくような気がしていましたが、
四半世紀が過ぎ振り返ってみると、もう山あり谷あり分かれ道ありで、今があります。

この1か月の間に2回、旧友と会う機会(大人の女子会)がありました。
一つ目は、女子高校の部活動の同窓会、2.3年おきに必ず顧問の先生と同期十数人で集まっています。
今回は川越へ、午前中から市内散策もありましたが私はランチから合流、街は大混雑でした。
高校時代は昭和、あれからちょうどウン十年もたったことに改めて皆でビックリしました!
県のコンクールで入賞するほど頑張っていたし皆若かったので、それはそれはいろいろありましたが、
今はみんな仕事や家庭や趣味に励み、和気藹々とおしゃべりする元気なおばサマたちとなりました。
 
川越ならではの芋尽くしのお料理もご当地ビール「COEDO」も美味♪

もう一つは、私が最初に就いた仕事のお仲間で30年余ものお付き合いの奥様たち。
皆同じ職業で、今の若い男性の「カジメン」も「イクメン」も「昭和の男」には全く見当たらなかったため、
乳幼児を抱えながらのフルタイム勤務、育児、家事、嫁、すべてが「ワンオペ」だった毎日が大変だったこと、
あの時期をどうやって乗り越えられたのか、その頃の歌もドラマも全く知らないという話にもなりました。
退職して他の地へ転居されてしまった方に会えなかったのが寂しく残念でした。
 
お料理はフカひれのスープをはじめ全7品の中華コース、すべては載せませんが美味しかったです♪
酸辣湯麺の味付けに「辛さ控えめで」と注文付けてしまえるほど肝も据わった私たち。

皆、それぞれの場所でまだまだ頑張っていて、そんな女性たちの話は絶対に面白い。
私も子育てが終わり、我が子たちそれぞれに子どもが生まれ、支え続けた夫の仕事も一区切りついて、
やっといろいろ楽になり、これから自分のために人生を考えたい、さあこれからだと思っています!
そのためには健康第一!
ヨガを再開して3か月、心身ともにとても調子が良いです♪(痩せないけど・・・)
自宅でも時間を見つけて取り組み始めました。

生誕110年 東山魁夷展

2018-11-05 | アート
週末は、六本木の国立新美術館で「生誕110年 東山魁夷展」を観てきました。
今回の展覧会は東山の生誕110周年を記念し東京では10年ぶりとなる大規模な回顧展です。
初期から絶筆となった作品まで展示され、さらに唐招提寺御影堂の障壁画が特別に再現展示されるということで、
随分前から早期割引のペアチケットを買い、奈良出身で東山魁夷に思い入れのある友人と行ってきました。

東山魁夷作品との出会いは、ウン十年前の中学生の時(古い話ですみません!)国語教科書の中に、
「風景との出会い」というエッセイがありました。
その作品中の、円山公園の枝垂れ桜を絵にする時の文章に心を打たれて忘れられず、
「東山魁夷の絵をもっと見たい。」「満月の夜に円山公園の満開の枝垂れ桜を見てみたい!」と
長年思い続け、画集を買ったり展覧会へ行ったり松本の美術館へ行ったりしていました。
その絵「花明かり」も今回見ることが出来、さらにこの文章の出展本も探し当てることが出来ました。
 
『風景との対話』 東山魁夷 (新潮選書)

そして、唐招提寺御影堂の障壁画、
唐招提寺に行ったとしても滅多に見ることが出来ないそうで、それを見られるなんて貴重な機会!
完成までに10年の歳月を費やし、東山芸術の集大成とも言われている壮大な障壁画です。
見るまでは、寺の襖絵に青い色彩の海と山の絵は合うのだろうか?と思っていましたが、
そこには寺に祀られている鑑真和尚への強い思い入れがあるのだと知りました。
 
こちらが90歳で描き絶筆となった「夕星」
立っている4本の木が終戦前後に亡くした両親と兄、弟を表しているかのように思え、
その上に光る一つの星が早くに家族を亡くし一人で頑張って来た東山魁夷自身であるような気がしました。
木々の向こう、星の向こう、はるか遠くに吸い込まれるようで、しばらく絵の前を離れられませんでした。

20世紀を代表する国民的画家と呼ばれ、その絵には日本の自然の美しさが溢れて、何故か懐かしい気持ちに。
描かれた場所を特定しなくても、誰もが自分の記憶の中に似た風景を思い浮かべられるような絵ばかりです。
画家としての生涯にわたる作品約70点を堪能でき、心が満たされました。

その後ミッドタウン内のトリュフ専門店でランチしながら、二人で東山魁夷について熱く語りました。
 

湊かなえ 『ブロードキャスト』

2018-11-02 | 本の紹介
湊かなえさんの最新作『ブロードキャスト』読了しました。
「イヤミス(読後に嫌な気分になるミステリー)の女王」として、
人間の内面をえぐるような数々の作品を書いてきた湊さん、
この作品は今までにない爽やかな学園青春ストーリー、何だか拍子抜けしました。

キャッチフレーズは「陸上の夢が潰えた僕は、まさかの放送部へ、そこに居場所はあるか。
夢と友情、嫉妬と後悔、大人への反発。
湊かなえだからこそ書けた、心ふるわす新青春小説。」

放送部、という活動内容をあまり知られない部を舞台に、全国コンクールを目指す高校生たち、
そこには様々な葛藤があり、思春期ならではの悩みや喜びがあります。
高校生が読むには、登場人物たちへの共感が得られてとても良いと思いますが、
湊さんのドロドロ作風に慣れている身としてはやや物足りなく、中途半端な感じがしました。
私が湊さんの作品で一番心に残っているのは『リバース』で、これは面白かったです。

先日、某新聞の読書週間関連記事として、アンケート回答による「好きな作家ベスト10」が載っていました。
1位 東野 圭吾
2位 湊 かなえ
3位 司馬遼太郎 
4位 池井戸 潤 
5位 宮部みゆき 
6位 村上 春樹 
7位 浅田 次郎 
8位 有川  浩 
9位 赤川 次郎 
10位 伊坂幸太郎
今のベストセラー作家が多く選出されていましたが、司馬遼太郎さん、赤川次郎さんの人気は不滅ですね!

その他、先月の読書は以下の8冊、すでに紹介した作品が多いです。
これで今年85冊となり年間100冊の目標達成できそうです!
holyの本棚 - 2018年10月 (8作品)
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図書館だより「Library News 11月号」

2018-11-01 | 司書室より
今日から11月霜月、図書館だより「Library News 11月号」を発行しました。
こちらです→ Google版 Yahoo版
今月号の特集は先日記事にしたばかりの「第72回 読書週間」についてです。

今月の作家は今年生誕90年を迎える手塚治虫氏を取り上げました。
1928年11月3日、大阪生まれです。
言わずと知れた漫画・アニメ界の神・巨匠、日本におけるストーリー漫画・テレビアニメーションの創始者です。
『鉄腕アトム』『火の鳥』『ブラック・ジャック』『ジャングル大帝』『どろろ』『リボンの騎士』等、
その多くの作品の内、少なくとも一つは知っている人がほとんどでしょう。
今年は生誕90周年ということで、誕生日の11月3日を中心に全国各地で様々なイベントがあるようで、
特番アニメ、ライブ、記念グッズの販売、等々、盛り上がりを見せています。

生涯で約15万枚もの漫画原稿を描いたとされていて、作品化されたのは全604作。
その内分けは少年向け341作、少女向け36作、大人向け110作、低年齢向け32作、絵本39作、4コマ漫画17作、
1コマ漫画29作、それに細かいシリーズなどを入れると700タイトル以上となるそうです!
アニメーション作品は70作品を制作、天才的頭脳を持ち数々の功績を成し遂げました。
日本ばかりではなく海外の漫画家、アニメ作家、映画製作者等、
多くの人が手塚作品から多大な影響を受けているでしょう。

私が心に残っている作品は、初期の頃から晩年まで書き続けライフワークと位置付けた『火の鳥』
時代は古代から未来、舞台は地球や宇宙、生命の本質・人間の業が、
独特な思想を根底に壮大なスケールで描かれていて、まるで人類の誕生から滅亡までを見ているようです。
手塚氏自らの戦争体験によってもたらされた「生命の尊厳」が手塚作品のテーマの一つとなっています。

また『アドルフに告ぐ』は、ヒトラーが実はユダヤ人だったという設定が、とても興味深かったです。

これだけ人並み外れた仕事量をこなしていながら、決して家庭を蔑ろにすることはなかったというのも素晴らしい!!
誕生日とクリスマスなど記念日のディナー、お正月と夏休みの家族旅行など、
息子さんから「家族としても神。」と言わしめるほどご立派な方だったのですね。