星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
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ブダペスト展―ヨーロッパとハンガリーの美術400年 行って来ました。

2020-02-13 | アートにまつわるあれこれ
国立新美術館で開催中の 「ブダペスト展―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」に行って来ました。 これまで知らなかったハンガリーの画家の作品が多数見られたのもよかったですし、 16世紀以降、 20世紀の構成主義に至るまで 130点、 とても楽しめました。
思わぬ発見もありました…





備忘録として、 気に入った作品をちょっと書いておきましょう。 知らなかった画家の名前もたくさんあって、 今後 ほかの絵もたくさん見てみたいと思って。。


Bernardo Strozzi (伊) ベルナルド・ストロッツィ(Wiki>>) 「受胎告知」
 この画家の「受胎告知」Annunciazione は何作品かあるようですが、 この絵は縦長サイズの画面の右上に 大きく翼をひろげ雲にまたがった天使、 左下に驚いた表情で胸に手を当てているマリア、 動きのあるダイナミックな構図が印象的でした

El Greco (スペイン) エル・グレコ 「聖小ヤコブ」
 国立新美術館のツイートで観られます>> 大好きなエル・グレコ、 グリーンとブルーとローズ、シンプルな色彩なのに 光が差したようなかがやき、美しさ、、 このヤコブのおだやかで深い表情、、 近くでずっと見ていたかった

François de Nomé (仏) フランソワ・ド・ノメ (Wiki>>)「架空のゴシック教会の内部」
 聖堂や建造物ばかりを描く画家なのかしら… 「架空の…」というためか、 精緻に描かれていながら どこか神秘的な光がそそぐ教会…>> 

ヤン・アブラハムスゾーン・ファン・ベールストラーテン「冬のニューコープ村」
 カタログを買ってこなかったので原語での表記が見つかりません、、 この絵もツイートに載っていました>> 17世紀のオランダ絵画。 凍った川の上でスケートする人々、、 足サイズのちいさな橇みたいな形の靴を履いて、 足を左右にけり出しながら、すいーっと楽しそうな様子が描かれています。 すごーく遠景の川のずっと向こうまでスケートする人が描いてあって、 5ミリくらいの小さな人だけどちゃんと滑っているのがわかる 素朴で自然、でも巧みな絵ですね 
 

Mihály Munkácsy ムンカーチ・ミハーイ (ハンガリー) 「パリの室内(本を読む女性)」
 ハンガリーの巨匠の画家だそうです。 この「パリの室内」は女性がいる部屋の内装や敷物の細密な描写が見事でしたが、 作曲家フランツ・リストの肖像も重厚>> ほんと リストの指、長い、、
 

Paul Gustave Doré (仏) ギュスターヴ・ドレ 「白いショールをまとった若い女性」
 この絵にはびっくりしました。。 ドレと言えば、 ダンテの『神曲』や ポーの『大鴉』や 『聖書物語』といった幻想的な挿絵ばかりをいままで見ていた気がして、、 そういえば ドレの油彩って初めてかも… それも こんな みずみずしい淡い緑の、 光あふれて… 
そしてこの少女のなんという可愛らしさ(そして ウエストの細さ!) ドレの挿絵でも 赤ずきんちゃんなどは 少女漫画ぽい可愛さがありますが、 今回見た油彩は(大きな絵ですが) 少女漫画に出てくるような美少女、、 この可愛らしさはドレの理想形なのかしら、、>>
 ツイートの画像よりも 新緑のグリーンがすっごい綺麗でした。 ドレの油彩、 もっと見たい!

Barabas Miklos (ハンガリー)バラバーシュ・ミクローシュ 「伝書鳩」
 こちらのWiki に絵が>> 純白の鳩を抱く薔薇色の頬の貴婦人、、 でもちょっと危ういですね、、。 ビーダーマイヤー時代の一見つつましやかな…


チョーク・イシュトヴァーン (ハンガリー)「孤児」
 こちらも原語表記がわかりません。。 窓越しに青い夕闇か、 蒼白い光がさす窓と相反して暗い室内。 簡素なテーブルと椅子に座るふたりの孤児の少女。 淋しい絵なのだけどとても美しかったです
 

Arnold Böcklin (スイス)アルノルト・ベックリン 「村の鍛冶屋を訪れるケンタウロス」
 ケンタウロスはもともと好きなのですが、 この絵のケンタウロスは最高!! ひづめが痛いよ~、って鍛冶屋に頼みにきたケンタ>>  かわいい、、 かわいすぎる、、。 鍛冶屋のおっちゃん 蹄鉄つくってあげたのかしら…
 友曰く、「上半身は日に焼けたサーファーみたいだし…」 確かに、、。 髪型そっくり。。 こんなかわいいケンタウロスなら連れて帰ってご飯たべさせてあげたい、、(笑)
 でも、 この画家のほかの作品は 暗いテーマのものも多いのですね、 「死の島」とか(Wiki>>) (ご本人の自画像、、凛々しいですね) この画家の作品、たくさん見てみたいなぁ…


János Vaszary (ハンガリー) ヴァサリ・ヤーノシュ 「黄金時代」
 この「黄金時代」は ぜひ額縁を含めて鑑賞したいです>> 額縁もこの作家の制作だそうです。 アールヌーヴォーの額縁と 幻想的な色調、 捧げ物から立ち昇っている煙など どこか魔術的。 ウイーン分離派と重なる時代の作品だそうです。


Aurél Bernáth (ハンガリー) ベルナート・アウレール 「リヴィエラ」
 イタリアの海岸のリヴィエラの陽光溢れる絵を想像すると まったく違い、 ムンクのオスロ辺りを感じさせる 冷たい碧色のリヴィエラ。 帽子の紳士はコート着ているし、 冬のリヴィエラ…?
ハンガリー語で読めませんが、 この絵もふくめ いくつか作品がみられます。 ラフなタッチですが なんだか物語を想像させるイメージゆたかな絵ですね >>

 ***

このところ ポーランドやチェコ、 オーストリアなど 東欧の文学や文化に触れることが多くなってきた私ですが、 ハンガリーは 上記のフォトに載せた 東欧文学の本でも 2作品ずつくらいしか載っていなくて、 まだまだ未知な場所、、

でも 今回の イシュトヴァーン、 ヤーノシュ、 アウレール といった画家、 とても良かったです。 また他の作品もたくさん見てみたいし、 ハンガリーの現代文学にも また関心を持っていきたいな… 

東欧、、 北欧、、 ロシア、、 英仏の文学ももちろんですが まだまだ出会ってみたいものがいっぱい……



こないだ見つけた ひとつにくっついた苺。


(ほんとういうと ひとつき近く体調わるく… 風邪かどうかもわからず… でも 病院にいくのも今はそちらのほうがためらわれて… やっと やっと 外出できたのです…)



明日は バレンタインデー。


 胸いっぱいの愛を…