【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

鳩山首相がやっと指導力を発揮 福島国務大臣を罷免

2010年05月28日 20時44分57秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 鳩山由紀夫首相は28日、福島瑞穂・内閣府特命担当大臣(社民党党首)を罷免しました。鳩山内閣の閣僚が辞めるのは、昨年末の藤井裕久・財務大臣以来。閣僚の罷免は、郵政解散当日(2005年8月8日)に小泉純一郎首相が島村農相が「解散に反対する」として提出した辞表を突き返して罷免して以来、5年ぶりで現行憲法下5人目。

 明治憲法下では、首相は、内閣の同輩中の首席とされ、太平洋戦争下では陸軍大臣が辞任すると、内閣も総辞職に追い込まれ、陸軍主導政治を招いたことから、戦後の日本国憲法では、理由を問わずに辞めさせることができるようになりました。

 福島大臣の「消費者担当」は、内閣府設置法で必置(必ず置かねばならない)と定められていることなどから、平野博文官房長官が兼務することになりました。

 今後の焦点は、社民党が連立に残るかどうか。仮に社民党が連立維持を臨んだ場合は、辻元清美・国土交通副大臣を中心に、新しい社民党議員の大臣を入れることになりそうです。

 昨年12月以来、「普天間問題」を散々振り回してきた社民党。鳩山首相の決断は、あまりに遅い物でした。5ヶ月の時間の浪費。そして、本土復帰以来、最高潮と思われる「本土から差別されているのではないか」という沖縄の意識。その決断力の遅さで失った物はあまりにも大きいです。

 一方、「忠義の家臣」として総理を支えてきた岡田克也外相と北澤俊美防衛大臣。岡田外相は、「福島罷免」に先立つきょう午後2時半から記者会見し、「私は昨年12月に県外移設は難しく、嘉手納統合案(が現実的だ)と申し上げてきた」「海兵隊は即応力が要るので、沖縄にいなければならない」と述べ、総理と社民党を突き放しました。

 私自身、沖縄訪問歴3回、うち1回は橋本龍太郎総理に同行。そして、沖縄本島中の基地やその自治体を見て回り、平和の礎(いしじ)は、「あ」から「わ」まで全員の名前に目を通した経験があります。そして、また、アメリカと太平洋を愛して生きてきました。平和と沖縄と日米同盟を愛する一人として、鳩山さんの優柔不断ぶりは極めて残念だし、軽蔑します。

鳩山首相、福島消費者相を罷免 辺野古移転の反対めぐり(朝日新聞) - goo ニュース

 鳩山由紀夫首相は28日、連立政権を組む社民党党首の福島瑞穂・消費者担当相を罷免した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移転先を同県名護市の辺野古周辺とする政府方針に、福島氏が応じなかったため。


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