ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「早く質問しろよ」野次「ていねいに説明しようとして出てきた発言だ」、民主党は会期内での審議を要求

2015年05月31日 10時40分36秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 平成27年2015年5月31日のNHK日曜討論は「集団的自衛権の安保法制の実務者」による話し合いが放送されました。

 安倍晋三首相(自民党総裁)が民主党の辻元清美さんに対する「早く質問しろよ」の野次について、岡田克也代表の最側近である、

 民主党の大串博志さんは「三権分立にもとる発言だ」と強く非難。これに対して、自民党の岩屋毅さんは「ていねいに説明しようとするなかで出てきた発言だと思う」と首相をかばいました。

 安保法制2法案(189閣法72号・189閣法73号)の国会審議について、6月24日(水)までの会期内に収まらないとの意見について、
 民主党の大串さんは「会期延長を受け取らない。基本的には会期内で議論すべきだ」と話しました。
 自民党の岩屋さんは「まだ会期延長の話をするときではない」とし、今後は会期延長を持ちかける可能性があることを示唆しました。

 維新の党の丸山穂高さんは「多岐に渡りすぎているようで、うちの党が提出を予定している離島防衛の法案(領域警備法案)は民主党さんとともに提出して、首相のいう切れ目のない安保法制の切れ目をふさぐ。なるほど納得というかたちで国会審議を進めたい」としました。

 共産党の赤嶺政賢さんは「徹底審議のうえ廃案に持ち込みたい。8月上旬(に参院でも採決し成立させる)などとんでもない話だ」と牽制しました。

 公明党の遠山清彦さんは「政府には冷静かつ精緻な説明を求めたい」としました。

 ここまでの衆議院我が国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会(安保特)の審議について、大串さんは「やはり分かりくいの一言だ。日本人を運ぶ米艦防護、ホルムズ海峡の機雷封鎖に続き、北朝鮮のミサイルも、他国領域領海領空内での武力行使の例外に出てきた。例外があるなら、法案に書き込むべきだ」としました。

 丸山さんは「ホルムズ海峡だけでなく、南シナ海で中国が封鎖したらどうなるか」の議論を深めたいとしました。

 赤嶺さんは「集団的自衛権は歴代内閣が憲法違反だと言ってきた」「存立危機事態は時の政権の判断により解釈が違ってくる」と批判しました。 

 照屋寛徳さん、荒井広幸さん、主浜了さん、浜田和幸さん、山田太郎さんも出演しました。司会はNHKの島田敏男解説委員と中川緑アナウンサー。

以上 


特区法案可決・・・当初会期残り3週間、「2度の参考人質疑」が流行、維新若手が修正案積極提出

2015年05月29日 21時22分32秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 

 第189通常国会は残り3週間となり、衆議院から参議院送付の目安になる時期になりましたが、閣法78本のうち、22本(参議院先議含む)が審議入りしていません。議員立法のうち「IRカジノ施設法案」「参議院選挙制度改革法案」(未提出)、条約などを含むと、40本近くが審議入りすらしていない状況で、6月24日(水)までの閣法成立100%は絶望的。ただ、参考人質疑を2回やるという異例の法案審査が今国会では流行。与党としては野党に質問時間をたっぷり渡すことで、円満な成立をめざしているようです。そろそろ国対が「法案の仕分け」を始める時期ですので、国益のみならず私益も入れて、今国会の対応のしかたを考えてほしいです。「梅雨入り」が政治闘争の幕開けです。


【平成27年2015年5月29日(金)法律公布】

 天皇陛下は「改正農林水産省設置法」を公布されました。審議では「議案番号189閣法24号」でしたが、公布により「平成27年5月29日法律30号」になりました。10月1日(木)施行。

【同日 参議院本会議】

 「通信・放送・郵便事業の海外輸出の官民ファンド法」(189閣法27号)が投票総数232、賛成199、反対33で可決し、成立しました。谷合正明総務委員長は「質疑では、機構の必要性、他の機構(クールジャパンなど)との関係が議題になった」と報告しました。

 これに先立ち、「電力システム改革プログラム第3弾(仕上げ)の電気事業法・ガス事業法改正案」(189閣法29号)の趣旨説明と代表質問がありました。

【同日 衆議院安保特別委(我が国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会】

 すでに速報エントリーでお伝えしており、Twitter でも多くの賛同をいただいておりますが、民主党の後藤祐一さんの質疑の途中で、委員会が休憩し、午後1時に開会を宣言した者の再び休憩し、午後1時15分過ぎに散会しました。週明け6月1日(月)は午前9時に設定されています。

 後藤さんは、平成10年1998年2月26日の衆議院予算委員会で、岡田克也委員の「中東で産油国に危機が発生して我が国に石油が来ない。1997年日米ガイドラインでいう周辺事態に含まれますか」との問いに、当時の外務省北米局長(当時は政府委員)が「そういう事態は周辺事態には該当しない」と答弁。平成11年1999年政府統一見解も含めて岸田外相の認識を問いました。これについて、岸田外相が答弁の修正を拒みました。そこで中断したまま、安保法制第1週が終わりました。岡田克也さんは午後4時からの定例記者会見で「整合性のある説明がないといけない」と語りました。

 今次改正法案で(189閣法72号、189閣法73号)では、「周辺事態法は重要影響事態法」に、「存立危機事態は武力攻撃事態・存立危機事態法」にかえます。仮に周辺事態でホルムズ海峡に行けなければ、「武力攻撃・存立危機事態法」で行くことになりますが、これは首相の防衛出動命令となります。

 これに先立ち、公明党2期生が質問に立ち、「自衛官と話したが、自衛官も 国益のためにやってほしいと言っている」としました。だったら、憲法を改正して、専守防衛のための自衛隊をキッチリ書き込むことの方が先ではないか。

【同日 衆議院本会議】

 「ダンスホール規制を外し、いわゆるキャバクラなどの規制を強化する、風俗営業法改正案」(189閣法26号)が共反対、自公民維賛成で可決。「規制除外は公布日に施行、規制強化は公布から1年以内の政令で定める日に施行」。

 「郵便法および信書法改正案」(189閣法62号)は、民共の反対、自公維の賛成多数で可決し、参議院に送られました。

【同日 衆議院地方創生に関する特別委員会】

 「特区法改正案」(189閣法65号)、「第5次地方分権一括法案」(189閣法51号)、「地域再生法改正案」(189閣法53号)の質疑終局。

 民主党の福田昭夫さんが(1)塾立学校特区削除(2)外国人の家事支援単純労働者入国管理緩和特区の削除(3)町医者の外国人研修医特区の削除ーーの修正案を出しました。維新の党は地域再生法改正案の修正案を出しました。

 採決では、まず、民主党の修正案が民賛成、自公維などの反対で否決。続いて、維新の修正案が民維の賛成、自公などの反対で否決。

 政府原案は、自公民などの賛成で可決しました。

【同日 衆議院文部科学委員会】

 「小中一貫教育のための学校教育法改正案」(189閣法49号)が共社の反対、自公民維の賛成多数で可決しました。共産党の反対討論を聞いていると、「小中一貫という縦の統合によるリストラ」という指摘があり、たしかにそれがイチバンの狙いかもしれないな、と感じました。

【同日 衆議院経済産業委員会】

 「特許法改正案」(189閣法44号)が可決しました。共の反対、自公民維の賛成多数。特許の帰属を社員から会社に移す法案で、ノーベル賞を受章した中村さんと日亜の話も出ました。共産党は「経団連主導政治だ」と反対しました。

【同日 衆議院厚生労働委員会】

 「労働者派遣法改正法案」(189閣法43号)と「同一労働同一賃金推進法案」(189衆法22号)が同時に審査されました。高橋千鶴子さんが「パソナの竹中さんの声がけによる派遣会社丸儲け」との指摘があり、審議が深まると、パソナの名が出てきました。 次は来週6月2日(火)午前9時から、2度目の参考人質疑をやることになりました。徐々に採決が近づきつつあります。ていねいな審議のうえ、最終的には確実な成立を図る、自民党国対の戦術が見え隠れします。

【同日 衆議院倫選特(政治倫理の確立および公職選挙法改正特別委員会】

 「18歳19歳に選挙権を付与する公職選挙法改正案」(189衆法5号)について参考人質疑がありました。

【同日 衆議院内閣委員会】

 「女性の職業生活の活躍推進法案」(189閣法8号)が趣旨説明されました。

【同日 衆議院国土交通委員会】

 「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案」(189閣法58号)が審議入りしました。

【同日 衆議院環境委員会】

 「災害がれきを念頭に置いた、廃棄物処理法および災害対策基本法の改正法案」(189閣法59号)が審議入りしました。いまだに東日本大震災の教訓を法律化する議題があります。これとは別に、きょうは、鹿児島県屋久島町に属する口永良部島が噴火しましたが、すでに全島民が避難しました。このNHKニュース速報で、おそらく生電話で出演していた識者が「東日本大震災の後の地震や噴火がしばらく続いている」と発言しました。こういうのもニュースに乗りにくいのですが、事実でしょう。ただ、一つだけ、本震より大きい余震は無いということは覚えていただきたい。

【同日 衆議院法務委員会】

 午後1時設定でしたが、流会しました。

以上
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[お知らせおわり] 


【速報】民維共3党が平和のために審議拒否 みんなで応援しよう!賛同した人はリツィート!

2015年05月29日 10時35分18秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 民主党・維新の党・日本共産党の「平和3党」は、平成27年2015年5月29日(金)午前10時過ぎ、衆議院平和安全特別委員会が開かれている衆議院第一委員室から退席しました。

  民主党の後藤祐一さんが、現行周辺事態法の「周辺」の概念について、1998年(おそらく衆議院ガイドライン特別委員会で)の政府委員(現在の外務省の政府参考人)が岡田克也委員に対する答弁と、1999年政府統一見解について齟齬があることから、大臣に確認を迫ったところ、明確な答えがありませんでした。これについて、与党議員からも「前の答弁なんだから、取り消せばいいんじゃないの」とのヤジが出ましたが、大臣は混乱している様子で、答弁が整理できない状態になりました。

 この後、維新の党の下地幹郎理事が、民主党の長妻昭筆頭理事、共産党の赤嶺政賢委員をさしおいて、浜田靖一委員長(自民党)に猛然と抗議。与党理事は大臣を取り囲みなにか抗議しているようでしたが、民維共3党は一致団結して退席しました。与党理事が呼びに行っています。

 中断時に、答弁席には、中谷国務大臣、岸田外相、上川法相が座っていました。安倍首相は参議院本会議での電力システム改革プログラム法案の代表質問に行っています。

 インターネット審議中継の時代になってから、審議拒否は一方的に野党が叩かれることが多くなり、審議拒否をしなくなりましたが、戦争立法回避のためのやむにやまれぬ戦術と考えれます。

 今国会の空転は、衆議院予算委員会での当初予算の基本的質疑3日間が終わった直後に農相が辞任したため、翌日空転。翌々日に「基本的質疑の補充質疑4時間」で正常化して以来、3か月ぶりの空転となります。 他の委員会は開かれています。午後10時35分現在。

 午前11時20分過ぎ、浜田靖一委員長は「暫時休憩」を宣言しました。再開は未定。午前11時半現在。 

[追記 午後1時半]

 午後1時に、民維共も含めて全員が着席。浜田委員長が「再開」を宣言した直後に、長妻理事、下地理事、赤嶺委員が抗議して「休憩」。午後1時10分過ぎに、委員長が「散会」を宣言しました。

 国会議事録によると、平成10年1998年2月26日の衆議院予算委員会で、岡田克也委員の「中東で産油国に危機が発生して、我が国に石油が来ない場合は周辺事態になるのか。周辺事態における日本の平和と安全の、「安全」というどういう意味か?」という趣旨の一連の質問に対して、外務省北米局長と橋本首相、小渕外相らが「湾岸、中東などで起きている事態について言えば、日本の平和と安全に重要な影響を与えるかどうかという観点からいえば、そういうことは基本的に生じることは想定しえない」「そういう事態は周辺事態には該当しない」などと答弁したことについて、後藤さんが岸田外相の見解を問うた問答だと思われます。

 なお、当時の国会は、現在の政府参考人と異なり、外務省北米局長は「政府委員」としての答弁で、省・局・人に関係なく、全省庁を統轄した「政府」としての見解として答弁しています。

 ホルムズ海峡機雷封鎖により石油が日本に来なくなった時に、首相あるいは政府は「周辺事態あらため重要影響事態(とする案)」を使えないことになり、首相の防衛出動命令である、「武力攻撃事態対処法に付け加える存立危機事態(という案)」を使うことになり、日本平時で、首相が自衛隊に防衛出動を命じなければならないことになります。おそらく後藤さんはこういう展開に持っていきたくて質問したと考えられます。

 次回の委員会は、後藤さんに対する外相答弁から始まることになりそうです。外務省内でも対応が迫られます。次回の開催は未定です。

[追記おわり] 


安保法制で、首相・外相、自作自演が確定したトンキン湾事件の椎名答弁修正せず 18歳19歳法案が質疑

2015年05月28日 17時06分53秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[写真]「トンキン湾事件」を口実に始まった集団的自衛権の発動である「ベトナム戦争」による米軍の空爆跡地、手前は筆者(宮崎信行)、ベトナム中部の旧首都・フエ、1995年8月撮影。

【平成27年2015年5月28日(木)衆議院我が国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会】


 「安保法制2法案」(189閣法72号・189閣法73号)の総括質疑2日目がありました。NHKテレビ・ラジオで合計14時間放送されたわけですが、視聴した人はさっぱり訳が分からなかったのではないでしょか。不誠実答弁で、与野党の溝は、まったく縮まらなかったと思います。

 興味深かったのは安倍晋三首相が横畠裕介内閣法制局長官(昭和49年司法修習生)の答弁を嫌がり、秋葉剛男外務省国際法局長(昭和57年外務省)に答弁させようとした場面です。午後2時40分ごろ、維新の党の江田憲司さんの個別的自衛権と集団的自衛権の違いについて、通常兵器の時代と違い、弾道ミサイルの時代では、北朝鮮から大砲で公海上の米艦が攻撃を受けながら、同時に「ノドン」弾道ミサイルで日本列島を狙えるので、違いが不明確になっているとの指摘です。

 横畠さんが答弁しようとするのを、安倍首相がひっしに嫌がり、浜田委員長に対して、ひっしに外務省国際法局長を指名するように迫りましたが、横畠さんが答弁。

 「自国に対する攻撃から始まるのが個別的自衛権であり、他国に対する攻撃から始まるのが集団的自衛権である。ただ、自国を守るために必要な他国防衛もある。我が国の防衛にあたる米艦を防護できる」としました。

 これに対して、外務省国際法局長は「国際法の有権解釈権はICJ(国際司法裁判所)ではなく、日本では外務省にある」と、省益を主張しました。安倍さんが内閣法制局が嫌いで、外務省国際法局長が好きなのはよく分かりました。

 民主党の後藤祐一さんは周辺事態法を重要影響事態法に改正する条項について、「周辺」の概念が変わるとして、武力攻撃事態法の改正条項に入っている存立危機事態との関係性をたずねました。

 辻元清美さんは、日本有事の武力攻撃事態のみならず、日本平時の「存立危機事態」も「急迫不正の侵害事実」(刑法36条の正当防衛の要件)ならば、法律が成立・施行すると、「専守防衛でなくなる」と指摘しました。

 そのうえで、辻元さんは、安倍さんに対して「総理落ち着いてください。どっしりしていた方がいいですよ」とアドバイス。

  ところが、質問時間の最後に、安倍首相が閣僚席から「早く質問しろよ!」と暴言。辻元さんが発言をとめ、長妻理事が抗議。この後の、緒方林太郎さんが冒頭に謝罪を求めたところ、安倍首相は謝罪しました。

 志位和夫さんは、国連憲章51条にもとづく集団的自衛権の行使として国連報告されている、アメリカのベトナム戦争を取り上げました。志位さんは「ベトナム戦争はアメリカによる侵略戦争だったことが動かしがたい歴史的事実だ。第2次世界大戦の2・5倍の弾薬と最大50万人の兵員が動員された。その発端となった、トンキン湾事件は、ベトナム北部のトンキン湾で、北ベトナムの魚雷艇が一方的にアメリカ軍に攻撃したとして、(ケネディ大統領の命令で)集団的自衛権を発動し、北ベトナム空爆、いわゆる北爆を始めたものだ」と語りました。

 そのうえ、当時の椎名外相がトンキン湾事件について答弁しているが、このトンキン湾事件はアメリカの自作自演だったことが後に明らかになり公文書(いわゆるペンタゴンペーパー)として保存されているとし、岸田外相に、当時の答弁の修正を迫りました。

 これについて、岸田外相は「トンキン湾事件について、日本外務省は有権解釈権を持たない」と答弁。安倍首相は「トンキン湾事件については、当時の外相が当時の立場で述べただけだ」とし、政府として椎名答弁を修正する必要がないと答弁しました。

●公明党が委員長を務める委員会だけ、法案採決


【同日 参議院総務委員会】

 公明党の谷合正明さんが委員長をつとめるなか、「通信・放送・郵便の海外輸出官民ファンド法案」(189閣法27号)が可決しました。

【同日 衆議院総務委員会】

 公明党の桝屋敬悟さんが委員長をつとめるなか、「郵便法および信書法改正案」(189閣法62号)。まず、維新の党が単独で修正案を提出。修正案と政府原案を審査したうえで、採決。維新の党の修正案は、維新の党のみの賛成少数で否決。政府原案は、民共の反対、自公などの賛成多数で可決しました。このように、衆参とも公明党の委員長のところだけ、法案が採決され、公明党が法案審査のスローペースに危機感を持っているように感じました。一方、維新の党も1期生の吉村洋文さんが修正案を出しており、松野体制のもと、のびのびとやっている雰囲気が浮き彫りになりました。

【同日 衆議院政治倫理の確立および公職選挙法改正に関する特別委員会】

 5法案趣旨説明されています。うち、共産党提案の「政治資金規正法改正」など2法案は同党の単独提案で趣旨説明されましたが、これは15年ぶりだと「しんぶん赤旗」が報じています。が、きょうは「18歳19歳に投票権を付与する公職選挙法改正案」(189衆法5号)が審議されました。

 共産党の塩川鉄也さんの質疑に対して、民主党の武正公一さんは「民主党は結党以来、党員の資格を18歳以上にしており、18歳19歳の政治に対する能力は実績で確認している」と答弁しました。 自民党の船田元さんや、公明党の北側一雄さんも答弁しました。

 あすも午前9時半からも質疑。

【同日 衆議院厚生労働委員会】

 「労働者派遣法改正案」(189閣法43号)と「同一労働同一賃金推進法案」(189衆法22号)のうち、前者について参考人質疑がありました。

 派遣ユニオン書記長の関根秀一郎さんのほか、経団連やリクルートが出席しました。きょうはこれのみで散会しました。ていねいな質疑が必要です。

【同日 参議院内閣委員会】

 「マイナンバー法と個人情報保護法の改正案」(189閣法34号)について、午前は参考人質疑、午後は法案審査がありました。この後、財政金融委員会との連合審査会を後日開くことが決まりました。 3党合意の要である「給付つき税額控除」の検討状況も議題になるでしょう。

【同日 参議院法務委員会】

 「裁判員裁判法改正案」(189閣法41号)の参考人質疑がありました。

【同日 参議院外交防衛委員会】

 「防衛省設置法改正案」(189閣法33号)の参考人質疑がありました。採決前に、中谷防衛相の出席のもとでの質疑が必要になります。

【同日 参議院財政金融委員会】

 国政調査案件(AIIBについて)の参考人質疑がありました。同委員会はすでに今国会提出予定の閣法の審査を終えています。

【同日 参議院経済産業委員会】

 一般質疑のみで散会しました。

【同日 衆議院原子力問題調査特別委員会】

 一般質疑がありました。

以上。


安倍晋三首相が不適切ヤジ「早く質問しろよ!」、辻元清美さんに

2015年05月28日 13時33分47秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 安倍晋三首相(自民党総裁)は平成27年2015年5月28日(木)午後1時半過ぎ、衆議院我が国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会で、

 「早く質問しろよ!」との不適切な、不規則発言を、民主党の辻元清美さんに対して飛ばしました。

 辻元さんは、武力攻撃事態対処法に追加する条文が入っている「存立危機事態」と、現行武力攻撃事態対処法に入っている「武力攻撃切迫事態」が不明確だなどと質問していました。 

  この後の、緒方林太郎さんの質疑で、まず、謝罪を求めたのに対し、安倍首相は「まず委員長に指名権があることを勉強した方が良い」と語り、「辻元委員が質問時間(の終わり)が来ても、延々と質問を続けたので、早く質問しろよと言ったのだが、言葉が過ぎたのなら、謝罪したい」と語りました。

 今回は衆議院第一委員室での開催ですが、衆議院予算委員会とは違い、理事が委員長席を取り囲む、場内協議が行われ、審議が中断する場面が増えています。

 議事は再開し、正常化しています。 


岡田克也がいれば日本は救われる、安保特別委がスタート、18歳19歳選挙権法案が審議入り

2015年05月27日 21時59分21秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 きょうは安保関連2法案の審議で、岡田克也さんが野党の先陣を切ったので、それを中心にします。それと同時に、参議院本会議で、サラリーマンの負担が今年度から3年間上がり続けるプログラム規定を盛り込んだ改正国民健康保険法が成立したので、そこも書いておこうと思います。

●岡田さん、自衛隊員のリスク、米国の戦争巻き込まれ論、他国の領土領海領空、アメリカの先制攻撃への対応で首相に質す

【平成27年2015年5月27日(水) 衆議院我が国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会】

 安保法制2法案(189閣法72号、189閣法73号)の実質審議が始まりました。自民維共が質疑し、公明党の質問も聞きたかったですね。

 岡田克也さんは「国民に分かりやすい議論が必要で、私も心がけていく」と宣言しました。

 

 岡田さんは、安倍首相の「自衛隊員のリスクはこの法案で高まらない」との答弁を追及。「現在の日米同盟もリスクはまったくないわけではないが、岸信介首相による60年安保で、そのリスクを上回る抑止力を得たのではないか」と語りました。これについて、安倍首相は「1952年旧安保条約と1960年安保条約との比較でリスクが高まったということはない」というまったくすれ違った答弁をしました。

 このようにきょう一日、安倍首相はすれ違った答弁を繰り返し、「議論が深まったかどうか」で言えば、まったく深まらなかったでしょう。NHK国会中継を視聴した人も、難しい言葉ばかりで訳が分からなかっただろうと推測します。どうも首相は安保2法案を理解できていないようです。

 安倍首相は、昨年7月1日の閣議決定の、新武力行使の3要件を満たさないと自衛隊を海外派兵しないと言明。これについて、岡田さんが「アメリカは先制攻撃を認めている国だが、アメリカが先制攻撃をしたら日本は支援するのか」と問いました。岸田外相は「国際法上、先制攻撃も予防攻撃も認められていない」と答弁しました。ここで、岡田さんが「アメリカが先制攻撃に参加するよう日本に求めてきた場合は巻き込まれないのか」とさらに問うと、安倍首相はひたすら3要件を繰り返すだけの意味の分からない答弁を繰り返しました。

 岡田さんは、このほか、他国の領土領海領空に行く海外派兵の可能性と、後方支援地域が「非戦闘地域」から「現に戦闘行為が行われている現場」以外で、答弁を引き出し、今後の材料になりそうです。7月1日の閣議決定から昨日まで私は「現に戦闘行為が行われていない現場」としてきましたが、中谷防衛相の答弁を聞くとより広いイメージに感じたので、今後は「現に戦闘行為が行われていない現場以外」が後方支援地域だ、ととらえていこうと考えます。

 大串博志さんは、例示として、大量破壊兵器が後になかったと分かった、イラク戦争で開戦時に新ガイドラインにもとづきアメリカから日本に参加を呼びかけられた場合に国連憲章違反だと異議を唱えることができただろうか、と質問しました。ところが安倍首相はまったく質問の意味を理解していない答弁を繰り返しました。

 長妻昭さんも分かりやすい議論をすることが大事だとしました、

 維新の党の松野頼久代表につづき、柿沢未途幹事長の質疑では、首相がついに、おそらく意図的に答弁書を長時間朗読し続ける場面があり、議場が騒然としました。


 共産党も志位和夫委員長が質問し、民維共とも党首が登場しました。

 ところで、きょうの衆議院インターネット審議中継に、浜田靖一委員長がボールペンをカチカチする音がずっと入っていて、聞き苦しかったです。昼休みもご覧のようにボールペンをカチカチするのが癖なのでしょうが、自民党が緩んでいる気がします。



 あすも午前9時からNHK入りで審議です。長島昭久さん、後藤祐一さんも登場します。

●民維共同提出の同一労働同一賃金法案が審議入り

【同日 衆議院厚生労働委員会】

 「労働者派遣法改正案」(189閣法43号)の審査が続きました。この後、

  「同一労働同一賃金推進法案」(189衆法22号)が審議入り。民主党・維新の党共同提出です。



  筆頭発議者はおなじみの維新の党の井坂信彦さん。

 趣旨説明では

 「我が国ではバブル経済崩壊後、経済の長期低迷で非正規雇用が多くなっている。現在、役員を除く雇用者の3分の1が非正規で、賃金は正規の6割にとどまっている。景気低迷期には雇用の調整に使われ、キャリアアップの機会が少ない。このような賃金格差が社会の格差の固定につながっている。労働者がその雇用形態にかかわらず、充実した職業生活が営めるようにこの法律案を出しました。雇用形態にかかわらず、職務に応じた賃金を受け取れるようにします」とし、このほか、国の責務、国の実態調査・研究、企業の制度の共通化の推進、派遣労働者の派遣元、派遣先に待遇の規制を強化し、均等待遇を実現するための法律案を1年以内につくる」としています。

 同一賃金同一労働推進法案の全文は次の民主党ニュースで読むことができます。

●サラリーマンよ、これでいいのか!?

【平成27年2015年5月27日(水)参議院本会議】

 「持続可能な医療保険制度のための改正国民健康保険法」(189閣法28号)が投票総数228、賛成146、反対82で成立しました。民共は反対しました。これにより、今年度から3年間にわたり、組合健保の後期高齢者支援料の報酬割が3分の1、3分の2、総報酬割と引き上がるプログラムが法制化されたので、高所得サラリーマンの負担が増します。ただ、成立にいたるプロセスで、サラリーマンの声が届いたという気はしませんでした。長時間労働・短時間インターバルが民主主義の最大の敵かもしれません。市町村国保が都道府県国保になります。年間3000億円の赤字の国保ですが、私はフリーランスなので国保ですし、我が基礎自治体は知らぬ前に広域自治体内有数の高齢化自治体になりましたが、これは広域自治体が運営した公営住宅によるものと考えられるので、なんとも、ごちそう様ですという印象です。

 参本では、これに先立ち、

 「改正金融商品取引法」(189閣法56号)が全会一致で、

 「改正オリパラ特措法」(189閣法15号)が投票総数229、賛成217、反対12の賛成多数で、

 「改正ラグビーワールドカップ特措法」(189閣法16号)が全会一致で成立しました。

【同日 衆議院経済産業委員会】

 「特許法改正案」(189閣法44号)の質疑が行われました。なお、先週の金曜日にすでに趣旨説明がされていましたが、ブログに入れ忘れていたので、先週金曜日付で付記して補足しました。

●18歳19歳選挙権法案が審議入り、各党提出の政規法改正案も

【同日 衆議院政治倫理の確立および公職選挙法改正特別委員会(倫選特)】

 総務大臣の所信や第47回衆院選報告、それに対する質疑がありました。

 この後、合計5法案が審議入りしました。

 全党派が共同提出した「18歳19歳に投票権を与える公職選挙法改正案」(189衆法5号)、民主党提出の「企業献金の例外規定を分かりやすくする政治資金規正法改正案」(189衆法18号)、維新の党提出の「企業献金を禁じる、政治資金規正法改正案」(189衆法3号)、共産党提出の「政党助成法廃止法案」(189衆法1号)、共産党提出の「政治資金規正法改正案」(189衆法17号)。このうち、今国会で、維新の党単独提案、共産党単独提案の議員立法が審議入りするのはこれが初めて。

 あくまでも「18歳19歳に投票権を与える公職選挙法改正案」が最優先になります。

 次に民主党の企業献金の補助金企業例外規定の整理の法案。

 その次に、近く提出される「参院区割り改定の公選法改正案」(近く提出)は参院先議ですが、すぐに審議できるよう交通整理されるでしょう。

 なお、きょうの委員会では、次の5法案は審議入りせず、事実上廃案になるものと見られます。前会から継続審査になっていた維新の党提出の「公選法と区割り審設置法改正案」(188衆法1号)、維新の党提出の「歳費法改正案」(188衆法2号)、同じく維新の党提出の「歳費法改正案」(188衆法3号)、維新の党が今国会に提出した「歳費法改正案」(189衆法2号)の5本は議題になりませんでした。維新の党創業者の橋下徹さんが「県議の政治活動費不正事件」を「国会議員の文書交通滞在費廃止論争」へと論理のすりかえをしたのですが、統一地方選が終わり、橋下さんの政界引退表明により、時代が変わったということでしょう。繰り返しますが、この段落に書いた法律案は議題になりませんでした。


●あれだけ署名運動があった、ダンスホール規制除外法案、閣法として審議入り後はあっさり可決

【同日 衆議院内閣委員会】

 「ダンスホール規制を外し、他の店の規制を強化する風俗営業法改正案」(189閣法26号)が可決しました。あれだけ提出まで時間がかかったのに、審議入りしたらあっと言う間です。これについて、共産党の池内沙織さんの反対討論にはかなり賛同できるところがありました。「ダンスホール除外はいいが、その署名運動を逆手にとって、警察庁が(ダンスホール以外の風営法規制を強化して)自らの権力を強化するやり方を断罪したい」。

【同日 衆議院法務委員会】

 「刑事訴訟法改正案」(189閣法42号)の与党審議が行われました。次回は未定。

【同日 衆議院農林水産委員会】

 「農協法改正案」(189閣法71号)と「その民主党対案」(189衆法21号)の参考人質疑が、午前の部、午後の部2本立てで行われました。

【同日 衆議院地方創生に関する特別委員会】


 「第5次地方分権一括法案」(189閣法51号)、「地域再生法改正案」(189閣法53号)、「特区法改正案」(189閣法65号)の審査が続きました。参考人質疑の日程が決まったので、採決はもうしばらく先になりそうです。「外国人の家事従業者の入国を簡単にする特区」について、論点が集まりつつあり、ここも注目です。

【同日 衆議院文部科学委員会】

 「小中一貫教育学校を実現する学校教育法改正案」(189閣法49号)の参考人質疑などで審議を深めました。

【同日 参議院政府開発援助などに関する特別委員会】

 一般質疑がありました。

【同日 参議院国民経済・外交に関する調査会】

 柳田稔会長が参考人からの意見聴取などの議事をすすめました。

【同日 参議院憲法審査会】

 今後の運営について、議員同士の議論がありました。

【同日 法律公布】

 前日、東京都慰霊堂を訪れた天皇陛下。3つの法律を公布されました。

 「文部科学省独立行政法人改革法」(平成27年5月27日法律27号、189閣法39号)で、来年4月1日施行。

 「LRTなど地域公共交通官民ファンド法」(平成27年5月27日法律28号、189閣法19号)で、公布の日から3か月以内の政令で定める日に施行。

 「商工中金完全民営化先送り法」(平成27年5月27日法律29号、189閣法17号)はただちに施行されました。

以上

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 2007-2015

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[お知らせおわり] 


安保国会スタート、民主党「国際軍事協力法案だ」安保法制2法案がついに審議入り

2015年05月26日 17時26分06秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年5月26日(火)衆議院本会議】

 戦後最大の法案とされる、

 「我が国および国際社会の平和および安全の確保に資するための自衛隊法などの一部を改正する法律案」(189閣法72号

 「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊などに対する協力支援活動などに関する法律案」(189閣法73号)

 が審議入りしました。

 民主党の枝野幹事長は質問演説で「国際軍事協力法案と呼ぶべきだ」と命名しました。

 これに先立ち、自民党の稲田政調会長が質問し、「アメリカに参戦を迫られたら断れないとの声があるが、国権の最高機関である国会が決める」とし、安倍首相(自民党総裁)は「日米同盟をよりよくするのが平和安全法制で日米同盟がより機能することで抑止力が高まる」としました。

 4人目に登壇した公明党の佐藤茂樹さんは武力行使の新3要件は公明党が事前協議で法案に入れたものだ。武力攻撃事態法(の改正条文に)存立危機事態を入れたことで新3要件は法解釈上より確実に政府の判断をしばることができる」という趣旨の発言をしました。

 ここで私見ですが、公明党が極めて重大な「勘違い」をしていることに、私は気づきました。武力攻撃事態対処法は「日本有事」なので、総理大臣が自衛隊に防衛出動を命令できます。これには、閣議決定も国会承認もいりません。当たり前です、そのために総理大臣が設置されていると言ってもいいくらいです。ところが、存立危機事態は、日本平時ですから、日本平時なのに、総理大臣の一存で、自衛隊に防衛出動することができるように公明党はしてしまったことになります。策士策におぼれたという気がします。太田昭宏大臣の明解な答弁を求めたいところです。

 本会議場に戻って、佐藤さんへの答弁で安倍首相は「政府は以前より(現行法の)周辺事態は地理的概念ではなく、性質にもとづく概念であると説明してきた。(周辺事態を改正して重要影響事態とする改正法案で新設したいとする)重要影響事態でも引き継いでいく」と答弁しました。

 これは、公明党が錦の御旗にしてきた、小渕答弁を完全に否定したものです。

 小渕答弁は次のように、公明党の冬柴鉄三さんに対する答弁です。

[国会会議録データベースから引用はじめ]

145 - 衆 - 予算委員会 - 3号 平成11年01月26日

(前略)

○冬柴委員 (中略)
 その極東という一つの概念、この概念を今回の周辺事態という概念は超えることはない、どうですか、それは。ちょっと待ってください。総理にお願いします。総理大臣、お願いします。

○小渕内閣総理大臣 まず、この重要なガイドライン法を国会で御審議いただく過程におきまして、国民の皆さんの御理解が十分得られるように政府としては最大限努力をし、そのためにも御質疑をいただきながら誠実に答弁を申し上げているところでございます。

 そこで、まず周辺地域でございますが、周辺地域については、日本の周辺地域、こういうふうに限定をしておるわけでございまして、したがいまして、しばしば歴代外務大臣も答弁しておりますように、これは、中東とかインドネシアとか、ましてや地球の裏側というようなことは考えられない、こういうことでございます。(後略)

[引用おわり] 

 安倍首相は小渕答弁を否定したことになります。ただ、もともと日米政府は安倍さんの認識であり、小渕さんが衆参ねじれの苦しさでこのような答弁をしてしまったのでしょう。これを公明党は錦の御旗にしてしまったのは大失態だっと思いますが、与党協議会の詳細は分からないので、藪の中です。

 野党に戻って、2人目に質問した、枝野さんは民主党は政権担当時に、(平成22年防衛大綱で)基盤的防衛力から動的防衛力に移行し、(グレーゾーン事態に対応する)領域警備法案を(下野後に)提出した」としました。アメリカが集団的自衛権の発動のよるベトナム戦争の根拠とし、連邦議会が全会一致でつくった「トンキン湾決議」を引用し、「平和という言葉は戦争を正統化するための方便として使われてきた」としました。

 3人目の維新の党の太田和美さんは今夏までに成立させたいと安倍首相は言ったが、本当に国民の理解を得られると思っているのか。審議時間ありき、成立時期ありきではなく、国民の理解をえられた時に採決すべし」と語りました。

 5人目の共産党の志位和夫さんは私は、1997年ガイドラインの審議で、米国の要求を日本が拒んだことがあるのかと当時の橋本首相に質問したら、ハッキリと「一度もない」と答弁していた。徹底審議のうえ廃案にするしかない」と語りました。

 この志位・橋本問答も調べてみました。次の議事録です。

[国会会議録データベースから引用はじめ]

141 - 衆 - 予算委員会 - 2号
平成09年10月07日

(前略)

○志位委員 (中略) そこで、改めて総理に聞きますが、戦後アメリカが世界各地で行った武力行使の中で、日本がそれに批判的立場をとったケースが一回でもありましたか。あったとすれば、それを具体的におっしゃってください。

○橋本内閣総理大臣 (中略)
 国際法上違法な武力行使については一貫してこれに反対するという日本の基本政策を一般的に述べたものであります。
 その上で、第二次世界大戦後、我が国が国連に加盟いたしまして以来、我が国が、米国による武力行使に対し、国際法上違法な武力行使であるとして反対の意を表明したことはございません。

[引用おわり]

 このように橋本首相は、国連加盟(1956年)後に、米国による武力行使に対し、反対したことはないと答弁していました。

 ◇

 これに先立ち、衆議院本会議は、

 水俣条約の国内実施法である、「水銀による環境の汚染の防止に関する法律案」など2法案(189閣法36号、189閣法37号)を全会一致で、

 独立行政法人通則法にもとづく国土交通省の独立行政法人整理のための、「自動車検査独立行政法人法改正案」(189閣法46号)を賛成多数で、

 「平成25年度予備費使用調書」を賛成多数で、

 可決・承諾し、それぞれ参議院に送りました。

【同日 衆議院我が国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会】

 安全保障法制2法案(189閣法72号・189閣法73号)は即時付託されました。

 ところが、どうやら岸田外相ら外務省が本会議後に即時付託され特別委で趣旨説明されることを失念したようで、長時間開会が遅れ、岸田外相が冒頭に謝罪し、浜田靖一委員長も謝罪する事態になりました。

 この後、中谷防衛相が趣旨説明しました。あす午前9時から質疑。

【同日 衆議院法務委員会】

 「刑事訴訟法改正案」(189閣法42号)が趣旨説明され、あすから質疑されることになりました。

 上川法相の説明によると、取り調べ以外の証拠を増やす目的で、(1)裁判員裁判と検察独自捜査の刑事事件での取り調べの録音録画(可視化)、(2) 経済犯罪や薬物事件で、取り調べ者に特定の形を確約したうえで、取り調べる司法取引の導入(3)重大犯罪で、通信を傍受・録音し、取り調べなどで再生することができる通信傍受の拡大ーーが盛り込まれた法案です。

 このように非常に重大な法案が審議入りしましたので、詳しい人はこちらも注目してほしいものです。

【同日 参議院法務委員会】

 「裁判員法改正案」(189閣法41号)の審査がありました。

【同日 参議院厚生労働委員会】

 「持続可能な健康保険制度のための国民健康保険法改正案」(189閣法28号)が採決を迎えました。

 これに先立ち、薬師寺みちよ参議院議員が、修正案を出しました。以前、薬師寺さんは2013年初当選議員で第1号の議員立法提出者にもなりました。

 

 審議中に、上のように、他の議員の質疑中に、薬師寺さん(右)が参議院職員らに修正案の文面を見てもらっている、と思われるシーンが参議院インターネット審議中継に映っていました。こういうことはよくあります。薬師寺さん、ナイストライです。

 採決では、薬師寺さんの修正案は、自公民の反対、共社と薬師寺さんの賛成少数で否決されました。

 採決では政府原案が、民共社と薬師寺さんの反対、自公の賛成多数で可決しました。次の本会議で可決し成立します。各党が共同して附帯決議を提出し、議決しました。ただ、決議案を朗読したのが、日本医師会組織内の羽生田俊・自民党参院議員だったので面食らいました。附帯決議は自公民共などの賛成多数で採択されました。

【同日 参議院文教科学委委員会】

 「2020年東京オリ・パラ特措法改正案」(189閣法15号)が賛成多数で可決し、
 「2019年ラグビーワールドカップ特措法改正案」(189閣法16号)が全会一致で可決しました。次の本会議で成立。公布から1年以内の政令で定める日に施行するため、閣僚枠1人増は、もう少し先になりそうです。

【同日 参議院財政金融委員会】

 「金融商品取引法改正案」(189閣法56号)が全会一致で可決しました。これで、衆参財金委は今国会の閣法審査を終えたことになります。

【同日 参議院総務委員会】

 「通信・放送・郵便の海外輸出の官民ファンド法案」(189閣法27号)が審議入りしました。

【同日 参議院内閣委員会】

 「マイナンバー法と個人情報保護法の改正案」(189閣法32号)が質疑され、後日に参考人質疑をすることが決まりました。

【同日 参議院外交防衛委員会】

 「防衛省設置法を改正し、防衛装備庁を設け文官統制を廃する法案」(189閣法33号)が質疑され、午前中は、中谷防衛相がこの委員会で答弁する日程になりました。

【同日 衆議院総務委員会】

 「郵便法および信書法の改正案」(189閣法62号)が趣旨説明されました。質疑は後日。

【同日 衆議院地方創生に関する特別委員会】

 「第5次地方分権一括法案」(189閣法51号)、
 「地域再生法改正案」(189閣法53号)
 「特区法改正案」(189閣法65号)の質疑が続きました。

 以上

以上
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インターネット版官報

[お知らせおわり] 


税理士が大企業にした節税アドバイス、国税庁に報告させる法案、2017年以降の提出へ検討【追記有】

2015年05月26日 08時57分53秒 | 第194回臨時国会(国難突破冒頭解散2017年9月)

【追記 2016年12月28日】

 先週決定した、「平成29年度税制改正大綱」の中には、下に書いた内容は入っていないようです。

【追記終】

 政府は、税理士と経営コンサルタントに対して、経団連に所属する大企業などにアドバイスした節税策を報告する義務を盛り込み、報告を怠ったら処罰する法律案を提出する意向を持っています。平成29年2017年度の実施をもくろんで、平成29年2017年1月召集の通常国会に法案を提出したいかまえ。きょう付日経新聞が報じました。

 私は記事を読んで、「税理士法」という法律を読みましたが、これは、資格試験や認定、税理士会の組織を定めた法律。おそらく国税通則法の改正案や年次税制改正法案、あるいは、新法をつくる方向で、今後調整が続いていくとみられます。法文のボリュームはさほど大きくならないでしょう。

 国の法人税は、利益だけに課税します。ただ、過去の繰り延べ税金資産を控除できるため、1年ごとに、赤字と黒字を繰りかえす企業ならば、ずっと法人税を納めないことも可能になります。

 租税特別措置透明化法は平成22年2010年通常国会で成立し、翌年から施行。

 平成27年2015年の通常国会では、参議院に、野党各党(民維共など)が法人税の納税額を大企業に限って企業名付きで情報公開させる法律案を提出しましたが、未可決。

 このため、政府としては、親会社と子会社のとりひき、年度をまたぐ節税、設備投資と長期リース契約などについて、報告を義務付けたい意向です。

 仮に法律ができれば、国税庁の頻繁な通達よりも、年次税制改正を通じた時代の変化への対応が高まります。

 国庫は、2009年度に法人税収見積もり16兆円が決算で9兆円になるなど、極めて不安定な状況になっており、法人税の安定性は国会存続のうえで最大の課題となっていますが、企業が単年度の経常利益を重視し、国益を損ねる時代が続いており、対策は急務であり、絶対です。

[日経電子版から引用はじめ]

企業の節税策に報告義務 政府検討、税逃れ防止へ罰金も 

2015/5/26 1:30日本経済新聞 電子版

 

 政府は税理士に対し、企業に提供している節税策の報告を2017年度にも義務づける検討に入った。大きな税収減につながる節税を対象にし、報告を拒む場合は罰金も検討する。過度な節税へのけん制効果を見込み、税収減や企業間の不公平を和らげる。企業の租税回避の防止へ国際的な枠組みが整備されつつあることを踏まえ、米欧などと足並みをそろえる。

 与党の税制改正の議論を経て、早ければ17年の通常国会で関連法を改正する。節税策を作る税理士やコンサルティング会社に加え、節税策の提供を受ける企業も報告義務づけの対象になる可能性がある。税理士には顧客企業のリストの提出を求めることも検討する。

 米英や韓国などはすでに当局への報告を義務づけている。日米欧などが加盟する経済協力開発機構(OECD)は今年9月にまとめる企業の節税への対抗策のなかで、日本などにも義務づけを呼びかける見通しだ。主要7カ国(G7)が27日から独ドレスデンで開く財務相・中央銀行総裁会議でも、企業の租税回避をどう防ぐかが主要な論点になる。

 政府は今後、どんな節税策を報告の対象にするかを詰める。節税策で代表的なのがグループ会社から損失を移したり、航空機のリース費用を複数の会社で分けたりして利益を意図的に減らす損失取引という手法だ。

 1年間で億円単位の損失を意図的に作り出すような節税策が報告の対象になりそうだ。節税策を提供する税理士に企業が割高な報酬を支払っていたり、企業が提供を受けた節税策を他社に伝えないよう守秘義務を負っていたりする場合にも報告を求める見通しだ。

 1984年に各国に先駆けて報告義務を入れた米国では、年間1千万ドル(約12億円)以上の損失を出す取引などを対象にしている。カナダでは資産を取得してから4年間で実費以上の損失を出した取引などが対象だ。英国では1千万ポンド(約19億円)以上の価値の工場や機械を使ったリース取引などを対象にしている。

 税理士が企業から25万ドル(約3千万円)を超える報酬を得た場合を報告対象にする米国のように、税理士の契約内容に着目する方法もある。日本政府は先行する国々を参考に義務づけの金額基準などを設ける見通しだ。

 罰金も海外を参考にする。報告しなかった場合、米国は5万ドル、英国は最大100万ポンドを科している。

 米スターバックスの英国法人によるスイスやオランダの関連会社を使った節税のように、手の込んだ節税策が世界的に増えている。日本でも国税庁が関知しない節税策を使う企業が増えつつあるとみられ、報告を求めて把握できるようにする。

 節税策は違法ではないが法制度をかいくぐる脱法的な手法が多く、政府は報告を受けた節税策の情報をもとに法制度を手直しする。法制度の不備が解消されれば、手の込んだ節税策を防止する効果も見込める。

[引用おわり] 


平成25年度決算で、国有財産増減額計算書に誤り 再発を財務相が陳謝、国会に正誤表提出済み

2015年05月25日 16時30分42秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年5月25日(月)参議院決算委員会】

 平成25年度決算の審査は、「準総括質疑」まで来ました。

 与党・公明党の杉久武さんの質疑に対して、「バランスシートの前年同期比」にあたる、平成25年度国有財産増減額および現在額計算書」にミスがあり、訂正のための、正誤表を先々週金曜日の15日に提出していたことが分かりました。

 財務省理財局長は同計算書のある項目で、7367万円が7362万円になっていた部分があったとしました。麻生財務相は「件数に間違いがあった」としました。会計検査院長の答弁では、財務省が会計検査院に提出したものには誤りがなかったとしました。理財局長は、「国会に提出する前に財務省で体裁を整え、国立印刷局に送った」とし、この過程で誤りがあったようです。

 麻生財務相は「まことに申し訳なく、今後は担当者以外の職員も関与させ、再発防止に万全を尽くしたい」と語りました。

 国有財産増減および現在額総計算書は、2年前にもミスが見つかり、麻生財務相が全省庁に対して過去にさかのぼって計算しなおすよう命じました。内閣府のコンピューターシステムで、入札予定価格と実際の落札価格が違ったことにより、ミスだったとされています。このため、参議院決算委員会が長期間中断し、「平成23・24年度決算」として、2年分を1年間で審査することになりました。

 今回は、財務省内の不手際とみられます。また、財務省が検査院に送ったものと、その後に財務省が国会に提出したものが違うということです。執行省庁と財務省と会計検査院は、予算(概算要求含む)や決算をコンピューターシステムでやりとりできるように数年前からなっているはずですが、どのような不都合があったのでしょうか。 

 ◇

 同委員会では、厚労副大臣の答弁を、後から答弁に立った官僚が「さきほどの副大臣の答弁を訂正します」と訂正する珍しい場面がありました。また、岸田外相が安倍首相の発言の真意を問われ、感想を述べたうえで、「首相の発言録が手元にないので分からない」と答弁する場面もありました。

【同日 衆議院決算行政監視委員会】

 「平成25年度予備費使用調書」が議題になりました。

 予備費は閣議決定で歳出し、国会が承認します。

 維新の党の青柳陽一郎さんは、年度途中に発足した、国家安全保障局事務局(NSC)に11億円が支出されたことについて、「少ないのではないか」という立場から質疑しました。

 討論では、共産党が「一般会計予備費からNSCに11億円が支出されている」ことを問題視し、反対。特別会計予算書は「農業共済特会が含まれている」と評価し、賛成しました。

 このため採決では、一般会計予備費が、民共の反対、自公維の賛成多数で承認。特別会計予備費は民反対、自公維共賛成という極めて珍しい賛否により承認されました。次の本会議で議決し、参議院に送られる見通し。

 決算は衆参とも独自に審査し承認するのに、予備費使用調書は衆議院先議であることは、国会の七不思議のひとつとされ、由来は分からないようです。 


松野頼久維新の党代表、野党の「勢力」の結集 当ブログ試算、15区調整、30区自民党から奪えば政権交代

2015年05月24日 22時53分45秒 | 第48回衆院選(2017年10月10日公示)

 維新の党の松野頼久新代表は、平成27年2015年5月24日(日)、地元の熊本市で記者会見し、年末までの、野党勢力の結集に意欲を示しました。

 報道によると、松野さんは次のように語りました。

できれば年内にと思っている。いろいろな再編の形はあるが、民主党だけでなく、そのほかの政党を含めた幅広い結集ができればよいと思っている。国民から『野党が必要だ』と言ってもらえるような状況にしていくのが、われわれの仕事だ」

 「過去の選挙結果をみると、衆議院で100人以上いれば1回の選挙で政権交代が可能になる。野党再編で政権交代を目指すという党の基本方針を巡って党内に温度差はないと思う」

 松野さんのいう「勢力」は、会派だったり、政党だったり、両方の意味合いと考えられます。

 年末というのは、臨時国会を終え、来年7月の第24回参院選に向けて、組織基盤の強化が12月31日までということになるとの日程感だと思われます。維新の党が、いわゆる大阪都構想の住民投票でコマーシャルにどれほど使ったのかも、動きの底流になるかもしれません。岡田さん、松野さんは持続可能な政党・政治団体づくりにこれまでも個人的な実績をあげてきています。

 当ブログの調べでは、仮に昨年12月の第47回衆院選で、民主党、維新の党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたち、野党系無所属が小選挙区で一人に完全に一本化していた場合、自民党は270議席程度(現在は290議席)にとどまり、野党4党は140議席(現在は117議席)程度をとっていた可能性があります。ということは、まず完全に一本化し、自民党が1位になった小選挙区のうち、30区程度が野党系に移れば政権交代が可能になります。

 今後、比例復活を含めて複数の現職国会議員がいる選挙区での調整がカギになります。

 そもそも、第47回衆院選で、民主党と維新の党がバッティングした小選挙区はほとんどありません。

 愛知12区の重徳和彦、中根康浩両衆議院議員、大阪10区の辻元清美、松浪健太両衆議院議員、大阪11区の平野博文、伊東信久両衆議院議員の3つの選挙区で、どちらかが国替えや比例転出を求められることになり、自治体議員も含めた当事者が合意することは容易ではありません。

 このほか、北海道3区、群馬1区、千葉9区、新潟2区、長野3区、大阪19区で現職議員を含めた野党調整が必要になります。

 さらに、長野2区、大阪8区、大阪12区、兵庫3区、兵庫7区、愛媛2区、長崎4区、鹿児島1区では、元職や新人ら野党総支部長の調整が整えば、 統一候補の当選が有力になります。

このように、調整が必要なの15選挙区ほどになってきます。

民主党規約では衆議院統一会派には、両院議員の承認(基本的には全会一致)が必要なので、中根さん、平野さんへの配慮が不可欠。
 
 一方、参議院では、民主党の議席が大きく上回っており、全国比例での調整はまったく不要。選挙区に関しても維新の党の新人が意欲を示さない限りは調整はまず不要です。

 ただ、参議院民主党で、衆議院社民党と支持組織が重なる議員は、本人のみならず支持組織を含めて、否定的になるかも。参議院社民党で来夏改選の全国比例選出、福島みずほ、吉田忠智両参議院議員の再選戦術もカギとなりそうです。

 いずれにせよ、第189通常国会の安保法制、労働法制の野党共闘ができるかどうかがカギになります。

 以上


自民党国会対策委員長、安保法制2法案の強行採決を示唆 佐藤勉さん「大島理森議長の判断」

2015年05月23日 10時08分06秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 自民党の佐藤勉・国会対策委員長は、平成27年2015年5月23日(土)付の日経新聞で、「状況次第だ。こっちも努力はする。首相や党役員の意見も聞いて判断したい。衆院議長の判断が最大のポイントだ」と語り、安保法制2法案(189閣法72号73号)を強行採決する可能性を示唆しました。

 示唆(しさ)とは、政治家が方向性を示して世論の反応をうかがうことです。 

 佐藤さんは「米議会での首相の演説は歴史的な瞬間だった。あの場で発言できたのは誇りに思わなければならない。社長が言ったことを守るのが社員だとすれば、首相の思いに最大限対応するのが国対の役割だ。何が何でも意向に応えたい」と語り、4月29日の米議会演説で「今夏までに成立(成就)させる」と断言し、「公約化」したので、日本の国会が従うべきだとの考えを持っているようです。

 平成11年1999年に衆議院議院運営委員長をつとめ、衆参ねじれ時の自民党国会対策委員長だった、大島理森衆議院議長の「判断が最大のポイントだ」としました。大島さんは過去の議長よりも国会運営に詳しいとの自負があり、前任の予算委員長時代は政府与党に有利な運営を続けていました。

 仮に衆議院で強行採決するとなると、会期末からおおむね3週間から2週間前に、参議院に送るのが一つのめどと考えられます。

 法案は来週5月26日(火)の衆議院本会議で審議入りする予定。



安保法制、国会審議こう臨む 自民・民主国対委員長
 

2015/5/23 3:30
日本経済新聞 電子版 

 今国会最大の焦点となる自衛隊の活動範囲を広げる安全保障関連法案が26日に衆院で審議入りする。自民党の佐藤勉、民主党の高木義明両国会対策委員長が、審議方法や採決時期などを巡り主張をぶつけた。

■自民・佐藤氏「一括審議は当たり前」

■民主・高木氏「とても1国会で処理できない」

 ――週明けからの審議にどう臨むか。
 佐藤氏「国民目線でいかに大切かを分かってもらうという質問の仕方を考えている。だらだらと長く(審議を)やるよりは集中的に、みんなの意識が高い時にやるというのが私どもの方針だ」

 高木氏「10本の法律を1本に束ねられた。その中に賛成と反対の両方があっても二者択一になってしまう。質問のテーマが拡散し、国民にもわかりにくい。逐条審議、逐条採決も考えないといけない。(審議には)外相、防衛相だけでなく、官房長官の出席も当然だ」

 佐藤氏「審議をするのに必要な部分を項目別に分けているだけの話。総括的には1つの法案として出すのは当たり前だ。分けて説明しても国民の理解は深まらない。1つの法案なのでそんなに多岐にわたる質疑はないと思う」

 ――安倍晋三首相が米議会で「夏までに成立させる」と明言した。

 高木氏「ご都合主義で野党の立場を考えない発言だ。立法府は政府の従属機関ではない。立法府の矜持(きょうじ)を示したい。国連平和維持活動(PKO)協力法も3国会にまたがった。今回はそのとき以上の案件だ。とても1国会で処理できない。2~3カ月で成立させるとは国会軽視も甚だしい」

 佐藤氏「国会をまたぐことが慎重審議につながるということではない。米議会での首相の演説は歴史的な瞬間だった。あの場で発言できたのは誇りに思わなければならない。社長が言ったことを守るのが社員だとすれば、首相の思いに最大限対応するのが国対の役割だ。何が何でも意向に応えたい」

■佐藤氏「強行採決は状況次第」

■高木氏「まずは政府案の洗い出す」

 ――審議を尽くせば強行採決もあり得るのか。

 佐藤氏「状況次第だ。こっちも努力はする。首相や党役員の意見も聞いて判断したい。衆院議長の判断が最大のポイントだ。だめだと言われればやらない」

 ――維新の党は代表が松野頼久氏に代わり、民主党に寄ったとの見方もある。

 佐藤氏「松野さんの父は自民党の松野頼三氏。柿沢未途幹事長のお父さん(自民党の柿沢弘治氏)はだれか。下地幹郎さんも自民党にいた。DNAはどちらにあるか考えなければならない」

 高木氏「野党はこれまで以上に連携を取る。維新とは幹事長と国対委員長間の会談を早速やる。野党全体の発言時間を確保できるよう求めていく」

 ――民主党は対案をつくらず、対決姿勢を強めている。

 佐藤氏「それは民主党の事情だ。対案をつくるならちゃんとつくればいい。党対党の門戸は決して狭めない。民主党の長島昭久さんや松本剛明さんとか、どちらかというと問題意識は我々とかけ離れていない。ところがまったく反対の人もいる。党としてはこうだと打ち立てた上で議論に入るべきだ」

 高木氏「まずは政府が考えていることで曖昧な部分などを洗い出す。それだけでも相当な議論だ。今は修正協議は全く考えていない。物事にはアクセルとブレーキがある。与党はアクセルだ。我々の役割はブレーキで、アクセルを踏んでやる必要はない」

 ――圧倒的な議席数を持つ自民党は野党にどこまで配慮すべきか。

 佐藤氏「ずっと野党の声を聞いてきた。普通だったら全部(法案を)通せるんだから、(野党の要求を)聞かなくていい。譲らなければいけない事情もまったくないのに審議入りも26日まで譲った」

 高木氏「政権が陥落した時の前々回の選挙から様変わりした。特別委員会でも理事は(自民は5人だが)民主は1人だけだ。同情してほしい。物理上、どうしようもない」

 ――民主党が政権を担当したことは国会対策にどう影響したか。

 高木氏「政権を経験して追及が弱くなった面はある。物わかりの悪い野党にならなくてはいけない。野党になったんだから二重人格にならないと。問題点があれば審議をストップさせても、議論の時間を確保しなくてはいけない」

 ――自民党は首相官邸1強で議論が見えないという声もある。

 佐藤氏「安全保障法制は党内で十数年議論している。簡単な議論でここまできたとは思ってもらいたくない。総務会でも(議員が)発言できる場面がある」

 ――安保法制以外にも、雇用や農業関連で重要法案が多い。

 高木氏「ほかの法案が埋没しないよう何とかしなければいけない。労働法制、農協改革、刑事訴訟法改正案など、野党が弱いいびつな国会で大事な法案をばんばん入れるのも与党の戦略かもしれない」

 佐藤氏「法案としてちゃんと議論している。安保が進んだからといってほかの法案に関わるという話ではない。場面が来ればちゃんと採決する。その中でも、(過去の国会で2回廃案になった)労働者派遣法改正案は優先的にやりたい」

(聞き手は政治部 山口啓一、宮坂正太郎)

   ◇  ◇

 佐藤、高木両氏への個別のインタビューを基に対談形式に再構成しました。

以上。 


山尾志桜里さん女性の活躍推進法案は「男性の協力も」、ダンスホール審議入り、法相「忘れられる権利」検討

2015年05月22日 19時37分53秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[画像]「女性の活躍推進法案」で質問演説する、民主党の山尾志桜里さん、2015年5月22日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット

 山尾志桜里さんが登壇しましたが、意外や意外、本会議登壇はこれが初めてでした。山尾さんが政治家を志した「可視化」の法案が筆頭理事をつとめる法務委員会で入りますが、きょうは女性の活躍推進法案でした。

 「安保法制」「労働法制」以外にも重要法案が目白押し。きのう衆議院を通過した「マイナンバー」が参議院本会議でさっそく審議入りし、上川法相は「忘れられる権利」を法制化するよう検討していくと答弁しました。

【平成27年2015年5月22日(金)衆議院本会議】

 「通信・放送・郵便事業の海外輸出官民ファンド法案」(189閣法27号)が共の反対、自公民維の賛成多数で可決しました。

●山尾志桜里さんが初登壇

 この後、「女性の活躍推進法案」(189閣法8号)が審議入りしました。討論・質問などの毎週の本会議登壇回数は各会派の紳士協定があり、民主党1会派だけが質問しました。昨秋の同じ内容の法案は、8会派が質問し、うち6人が女性でした。自民党は男性で鈴木淳司さんでした。この人は、山尾さんの小選挙区のライバル。それもあってか、きょうは山尾さんが最前列から飛び出して登壇し、質問しました。

 山尾さんはまず男女の賃金格差を取り上げ、男性1年につき、女性が1年何日間で同一報酬をあげられるかの指標であるイコールペイデイを取り上げ「4月10日だ。賃金格差を是正し、女性が権利を持つことだ大事だ」「母親の支援には父親の長時間労働の是正が不可欠だ」として、法案には「男性の勤務時間目標をつくるべし」と語りました。「この法案の書き出しは、急速な少子高齢化社会の進展が・・・、と書いてある。女性は少子化のために労働するのではない」として、「女性が働くことで目的をかなえる希望、子どもを育てる希望を実現することが大事で、この法案の冒頭を少子化から書きだすことじたいが間違っている」と話しました。

 山尾さんは「女性の活躍推進には、選択的夫婦別姓(別氏)が必要だ。新しい名前で(グーグル)検索しても、以前のキャリアが出てこない。そのことに心を痛めている男性(夫)もいる。選択的夫婦別姓は、(自民党が)家族の絆がこわれる、と批判しているが、日本の家族の絆はそんなことでこわれてしまうようなものなのか」とし、速やかな法改正をのぞみました。

 また、内閣官房の「すべての女性が輝く社会づくり推進室」の看板かけの際に、安倍晋三首相(自民党総裁)が、有村治子担当大臣を「看板娘だ」と言ったとの報道がある、として、「看板娘ではなく仕事ぶりを示してほしい」としましたが、これに対する答弁はありませんでした。有村大臣は「女性が働きやすいよう各政党にも呼びかけたいし、地方議会では育児休暇もできている」などと答弁しました。

【同日 衆議院内閣委員会】

 政府提出法案として警察庁が執筆した「ダンスホールを法律による規制から除外する風俗営業法改正案」(189閣法26号)が審議入りしました。

【同日付 公布】

 天皇陛下は、

 「改正裁判所職員定員法」(189閣法21号)を平成27年5月22日法律25号として、 公布され、ただちに施行されました。

 「電気通信事業法・電波法・放送法を改正する法律」(189閣法66号)が平成27年5月22日法律26号として公布されました。施行は1年以内の政令で定める日。ケータイ、ケーブルテレビの契約を8日間以内ならタダで解約できるようになります。

●上川法相、忘れられる権利の法制化に前向きな答弁

【同日 参議院本会議】

 まず、「マイナンバー(社会保障税共通番号法)と個人情報保護法の改正法案」(189閣法34号)が山口IT相から趣旨説明されました。きのう衆通過したばかりです。代表質問では、大久保勉さんに対して、上川陽子法相「忘れられる権利の法制化については欧州の動向を見ながら考えていく」と答弁し、忘れられる権利の法制化について前向きな判断を示しました。 

 「改正農林水産省設置法」(189閣法24号)が投票総数237、賛成222、反対15の賛成多数で可決し、成立しました。地方農政局の組織改革など。

 「水俣条約(水銀に関する水俣条約)の承認を求める件」(189条約4号)が、投票総数238、賛成238、反対0の全会一致で、両院承認されました。 

【同日 衆議院環境委員会】

 水俣条約の国内実施2法案が可決しました。

 「水銀汚染防止法案」(189閣法36号)田島一成さんら、民主党・維新の党・生活の党と山本太郎となかまたちの3党共同の修正案が出ました。採決の結果、修正案は否決、政府原案は全会一致で可決しました。附帯決議つき。次に、「大気汚染防止法改正案」(189閣法39号)も民維生修正案が否決、政府原案が全会一致で可決しました。附帯決議つき。

【同日 衆議院国土交通委員会】

 「独法通則法により国土交通省所管の自動車に関する独立行政法人を統合する法案」(189閣法46号)が共反対、自公民維の賛成多数で可決しました。共産党の本村伸子さんは反対討論で「車の検査は大事であり、独法改革はそれを市場原理主義に追いやることになる」と反対討論しました。ずっと指摘していますが、同党が国の公務員の支持を受けていることが如実に分かることばかりの今週でした。

【同日 衆議院外務委員会】

 一般質疑の後、バイラテラル条約(二国間条約)5本が審議入りしました。

 「日本カザフスタン投資協定」(189条約8号)「日本ウクライナ投資協定」(189条約9号)、「日本ウルグアイ投資協定」(189条約10号)「日本カタール租税協定」(189条約11号)「日本ルクセンブルク社会保障協定」(189条約12号)の5本です。


【同日 参議院厚生労働委員会】

 「国民健康保険法改正案」(189閣法28号)の参考人質疑が行われ、全国知事会や全国市長会の「保険委員長」の首長らが意見を述べました。

【同日 衆議院我が国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会】

 自民党の浜田靖一元防衛大臣を、特別委員長に互選しました。

【同日 衆議院文部科学委員会】

 「小学校中学校一貫教育のための学校教育法改正案」(189閣法49号)の法案審査が続きました。

【同日 衆議院地方創生特別委員会】

 「第5次地方分権一括法案」(189閣法51号)「地域再生法改正案」(189閣法53号)「特区法改正案」(189閣法65号)の審査が続きました。

【同日 衆議院法務委員会】

 一般質疑がありました。

【同日 衆議院経済産業委員会】

 一般質疑があり、東電社長らが答弁しました。この後、「特許法改正案」(189閣法44号)の趣旨説明がありました。

以上
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長妻昭・衆安保法制特別委筆頭理事、首相、官房長官、防衛相、外相、国交相、国家公安委員長常駐を要求

2015年05月21日 23時59分42秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

(このエントリーの初投稿日時は2015年5月24日で、それから5月21日付にバックデート)

 民主党の長妻昭さんは、野党側筆頭理事をつとめる、衆安保特別委(衆議院我が国および国際社会の5平和安全法制に関する特別委員会)での「安保法制の再整備2法案(189閣法72・73号)」の審議で、首相、防衛相、内閣官房長官、外相、国土交通相、国家公安委員長、総務相、経済産業相、厚生労働相の常駐を求める考えを示しました。24日の記者会見で明らかになりました。

 安保法制2法案は、平成27年2015年5月26日に衆議院本会議で審議入りし、その後、特別委で審査される見通し。

 長妻さんは「PKO協力法の審議では、総理も毎回出席してた」とし、首相のほか、PKO担当の官房長官、海上保安庁担当の国土交通相、警察(沖縄県警など)担当の国家公安委員長の常駐を求めました。

 長妻さんは先週の衆議院本会議で、江渡聡徳・与党側筆頭理事から初めて名刺交換を持ちかけられたことを明らかにし、筆頭理事間の関係をこれから構築していくことを明らかにしました。

 予算、外交、安全保障の委員会では、外相が「~~というのが私の考えです」などと、首相、外相、あるいは防衛相の答弁が食い違う場面がみられることから、安倍晋三首相の出席回数をめぐって、理事懇談会や理事会で国民に分かりやすい安保法制審査の「脚本」づくりが、まずは今週の議題となりそうです。

 以上 


マイナンバー法改正案が衆院通過、日銀審議委員に布野幸利元トヨタ自動車副社長、衆院で同意

2015年05月21日 17時30分39秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 衆議院は21日、日銀審議委員に、トヨタ自動車相談役の、

 布野幸利(ふの・ゆきとし)さん

 を選ぶ人事に同意しました。任期は6月30日から5年間。後日、参議院での承認も必要ですが、自民党と公明党で過半数を占めることから同意は動きません。民主党も賛成しました。


 森本宜久審議委員の6月30日の任期切れに伴い就任し、任期は5年間なので、東京五輪直前の平成32年2020年6月までつとめる見通し。

 退任する、森本委員は経済界・東京電力出身で、アベノミクス第1の矢「異次元の量的質的金融緩和(黒田緩和)」が始まってからの金融政策決定会合で、特段、反対票や独自提案をしたことは(おそらく)ありませんでした。布野新委員も路線としては近いと思われますが、マネタリーベース拡大による円安について、出身会社と国益のはざまに置かれることになる場面もありえます。


 インターネットサイトなどによると、布野さんは昭和22年1947年2月1日生まれの68歳。神戸大学卒業後、旧トヨタ自動車販売に入社。その後、トヨタ自動車代表取締役副社長。現在はトヨタ自動車相談役。

【平成27年2015年5月21日(木)衆議院本会議】

 永年在職議員、井上普方(いのうえ・ひろのり)=日本社会党=の弔詞が朗読されました。中選挙区旧徳島1区で後藤田正晴さんの先輩であり、ライバルであり、親戚でした。

 国会同意人事があり、日本銀行(日銀、BOJ)政策委員会審議委員(金融政策決定会合投票者)に、布野幸利さんが意されました。トヨタ自動車の取締役だった人のようで、東京電力の元取締役と入れ替わります。

 国家公安委員には、北島信一さんという元外務省職員(元大使)が同意されました。

 このほかの国会同意人事ですが、お祝いをする人は、ご自身で、固有名詞を確認してください。当ブログは一切責任を負いません。

 原子力規制委員に伴信彦さん、更田豊志さん、預金保険機構理事に井上美昭さん、小幡浩之さん、公害等調整委員に山崎勉さんと野中智子さん、食品安全委員に佐藤洋さん、吉田緑さん、山添康さん、石井克枝さん、堀口逸子さん、村田容常さん、労働保険審査会委員に渡辺英寿さん、中央社会保険医療協議会公益委員に荒井耕さん、野口晴子さん、運輸審議会委員に松田英三さん。

 この後、「特許法条約の締結に関する承認を求める件」(189条約5号)「商標法に関するシンガポール条約の締結について承認を求める件」(189条約6号)が全会一致で承認、参議院送付。

 「マイナンバー法改正案」(189閣法34号)が可決。ご存じの通り、預金通帳にマイナンバー(社会保障と税の共通番号)を入れる改正法案。ひっそりと可決しましたが、委員会で2週間審査していますし、衆議院インターネット審議中継もされました。報道では、おそらく経済部記者が記事を書いていることが多いのではないでしょうか。新聞に不信を抱く人は、当ブログを参考にしてください。

 「電力システム改革プログラム第3弾(最終)の電気事業法・ガス事業法を改正する法律案」(189閣法29号)も共産党の反対、自公民維の賛成多数で可決。

【同日 衆議院総務委員会】

 「通信・放送・郵便事業輸出の官民ファンド法案」(189閣法27号)が共社の反対、自公民維の賛成多数で可決しました。これに先立つ法案審査では、民主党の近藤昭一さんが「経産省のクールジャパン、国交省の海外交通などの官民ファンドがあるがどう違うのか」と質問しました。討論でも、共産党が「一般会計から70億円、財政投融資特別会計から200億円を出資する」、社民党が「大手企業の海外進出を支援するものであり不要。中小企業に関する条文が法律案にない」と反対しました。私も同感です。附帯決議は、自公民3党が提出。維新の党は党内人事で忙しかったのかもしれません。

【同日 衆議院農林水産委員会】 

 「農協法・農地法・農業委員会法一括改正法案」(189閣法71号)「民主党対案」(189衆法21号)の議論がスタート。自民党の斎藤健農林部会長は「スピーディな審議をのぞむ。60年ぶりの農協大改革であり、農地解放による小規模農家のために農協ができた」と語りました。ただあくまでも感想として、齋藤さんは少し農協族になりつつあるように思え、安倍晋三自民党総裁(首相)の肝いりとされる抜擢が少し変わりつつあるように感じます。自民党とはいえ羽田ファミリーの齋藤さんだけに心配です。

 福島伸享さんは「束ね法案」を批判し、小山展弘さんは「協同組合の根拠法を一本化した協同組合基本法が必要だ」と語りました。

【同日 参議院法務委員会】

 「裁判員法改正案」(189閣法41号)と衆議院の修正部分(3年後の見直し規定)を上川法相が説明しました。

【同日 参議院外交防衛委員会】

 「水銀に関する水俣条約」(189条約4号)が全会一致で承認されました。

 この後、「防衛装備庁を設け文官統制を廃する防衛省設置法改正案」(189閣法33号)が趣旨説明されました。

【同日 参議院財政金融委員会】

 一般質疑(とくに税制)が行われました。前川清成さん(来夏改選、議運委筆頭理事兼務)はまず、サラ金の上限金利を制限したことで闇金融が増えるとの指摘が自民党からあったことについて、警察庁から、闇金融の摘発件数は減っているとの答弁を得ました。この後、租税法のスタンダードである金子宏著「租税法」にもとづき質疑したところ、麻生財務相から「このような分厚い本は暇人しかいない思いながら、(質問通告を受けた答弁準備で)、今朝読みました」と答弁。前川さんは「1000ページくらいあるが、私は国会議員になってから、自省も含めて、国会議員は基本的なことを勉強しないといけない」と語りました。 この後、「バブル期同様の金利になったら、税収のすべてをつぎ込んでも毎年の利払いができなくなる」と警鐘を鳴らしました。

 例年政局の舞台になりがちな、同委員会ですが、今国会は法案が少ないのに、活発に一般質疑が行われているように感じます。
 
 「金融商品取引法改正案」(189閣法56号)が趣旨説明されました。

【同日 参議院文教科学・内閣両委員会合同審査会】

 年長の自民党・水落敏栄・文教科学委員長がとりしきり、「東京オリ・パラ特別措置法改正案」(189閣法15号)「ラグビーワールドカップ特別措置法改正案」(189閣法16号)を審査しました。山本太郎内閣委員(生活の党と山本太郎となかまたち代表)は、オリンピック委員会総会の安倍首相の「福島原発汚染水のアンダーコントロール発言」を「」と語りましたが、水落会長は「不穏当な発言があったとの指摘が理事からあったので、後で議事録を精査する」と語りました。嘘つきはどちらなんでしょうか。

【同日 参議院国土交通委員会】

 「JR九州株式を売却するJR会社法改正案」(189閣法25号)の趣旨説明を受けました。

【同日 参議院厚生労働委員会】 

 「持続可能な国民健康保険法改正案」(189閣法28号)について、参考人質疑をしました。午後は法案審査。この中で、「もっと大企業正社員に負担させて健保の安定をはかれ」という趣旨の意見も出てきました。ホントウに、高年収大企業正社員はこれでいいのか?

【同日 参議院農林水産委員会】 

 「農林水産省設置法改正案」(189閣法24号)を審査。採決の結果、可決しました。附帯決議つき。
以上 

以上
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