ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎改正郵政法成立バンザイ 亀井切りでやっと 自見代表、「あの世で前島密さんにあわせる顔ができた」

2012年04月28日 20時59分02秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[写真]「私は医師として200人の死に水をとってきました!」責任感あるステイツマン、自見庄三郎さん、東京・巣鴨、2008年3月、宮崎信行撮影。

 4月22日週の国会を振り替えって、ひと言「やはり小沢は疲れる」というのが率直な印象です。

 さて、4月27日(金)の参院本会議で改正郵政法が成立しました。国民新党代表で郵政改革担当大臣の自見庄三郎さんは「あの世で前島密さんにあわせる顔がようやくできた。このままうやむやになったら、合わせる顔がないと思っていた」と喜んだそうです。

 この「うやむやになったら」。ここ半年にわたり、国民新党をめぐって深刻な政局があったことはほとんど報道されていません。当ブログでは昨年12月に「内閣が郵政改革法案を撤回し、3党合意で郵政民営化法改正へ」という記事を書いています。これを見てもらえれば、閣法(176閣法1~3号)を撤回し、公明党案を軸にして、民自公提出の衆法(180衆法6号)を提出。改正郵政法では、郵便局と郵政事業が合併し、親会社の下にゆうちょ銀行とかんぽ生命がぶら下がる。郵便局、ゆうちょ、かんぽが一体的にユニバーサル・サービスを展開し、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式を政府が3分の1超持ちながら売却する格好になると報じました。

 これは株式売却の時期を除けば、私の12月の記事は、大スクープであり、ピタリ賞だったことになります。ではなぜそうなったのか。それは「改革者の仮面をかぶった悪魔」郵政見直し法案の成立を拒んでいたから成立の時期が4月末までずれ込んでしまったから。そして、その「改革者の仮面をかぶった悪魔」とは、何を隠そう、亀井静香・国民新党代表(当時=現在は同党除籍)その人だったのです。

 郵政見直し法が成立してしまうと、シングルイシュー政党である国民新党の存在意義がなくなります。そのため、亀井さんは、11月の大阪ダブル選挙で圧勝した橋下徹さんや、清和会(自民党福田派)の同僚だった石原慎太郎さんと、国民新党を解消する形で「新党」をつくり、第3極として国民の注目を集めることを、郵政見直し法を成立より優先させていた、と考えられています。

 第179臨時国会で、郵政見直し法と国家公務員給与8パーセント削減法が大きな宿題だったのに、会期が切れてしまいました。そのため、国士である自見庄三郎さんと下地幹郎さんが「亀井切り」を断行し、スムーズに法成立を実現しました。そもそも郵政民営化法の株式売却を一時凍結する法律は、第168回臨時国会(民主党法案の嵐に福田内閣たじたじ国会)で、野党・国民新党の自見庄三郎参議院議員さんが筆頭発議者として民主党と共同で発議し、参議院で可決しました。この法律は先議の参院で可決し、衆院に送付後、1年間たなざらし。他院が可決して送付した法案を1年間つるしたのは憲政史上最長でしょう。第170回臨時国会(麻生解散先送り兵糧攻め国会)で、自見さんが趣旨説明をしました。そしてこれは数の力で当時の与党自民党らにより否決されました。そして、政権交代後に閣法として「一時凍結法」を衆参で可決・成立。そして、きのう、ついに見直し法が武正公一さんらの提案で成立しました。つまり、これをずっと一生懸命に民主党の数の力も借りてやってきたのは、自見さんなんですよ。亀井なんか何も関係ないの。下地幹事長も昨年秋の臨時国会で、郵政関係の株式を早く売りすぎてしまうとよくない、という趣旨の発言をしていますが、下地幹事長は機を見るに敏ですから、さっと亀井切りと他の党員をまとめ上げて、届け出も済ませて、法成立にこぎ着け、その手際の良さは評価に値します。

 亀井さんは「あの暑い夏の総選挙」第126回通常国会では、政治改革関連法案を廃案に尽力しました。そして、第40回総選挙で、自民党は惨敗し、細川内閣が政治改革関連法を成立させ遅ればせながら、日本の有権者を政権を選択する権利を得ました。亀井さんは第162回通常国会では、郵政民営化法に反対し、結果として派閥を失い、自民党を除名され、刺客のホリエモンに追い上げられ、地元から離れられない戦況になりました。このように亀井さんはいつも重要法案のゆくえを見誤る傾向があります。国民的人気が不思議でなりません。

 国民的人気といえば、新党改革(参院2議席)の舛添要一代表。彼は、衆院送付の「新型インフルエンザ特別措置法」(180閣法58号)について、今月の本予算審議で、「参議院段階で修正しましょうね、(院の)同志のみなさん!」と呼びかけていました。前回のパンデミックのときの、自民党内閣厚労大臣として、参院らしさ、自分らしさを出したかったようです。ところが、私参院内閣委員の名簿を見て驚いたのですが、内閣委員は20人で、新党改革は2議席しかないので、同党の割り当ては初めからないんです。それでどうやって修正協議をするのか、委員会室のロビーで本会議に向けて政党間協議でもやるのか。これについて、芝博一・内閣委員長(民主党)は、4月17日(火)に舛添議員に対して、「委員外質問」を認めて、舛添さんは同委で質問しました。内閣府特命担当大臣の中川正春さんは「具体的なものをきめるときに、是非アドバイスをいただきたい」と答弁しました。しかし、実際には閣法への参院修正はありませんでした。そして、結果、4月27日の本会議では新党改革は「棄権」しています。ヒジョーに度量の狭い男ですね。

 亀井、舛添らテレビの世界のヒーローが消えていきます。それを「さみしい」と感じる方は、連休明けに始まる「衆院社会保障と税の一体改革特別委員会」の審議で新しいスターを見つけたらいかかがでしょうか。

 
[写真]「岡田かつや20年の歩み」岡田かつや後援会報2010年秋特別号から。

 20年前から、亀井さんや舛添さんはテレビの人気者ですが。驚くべきことに、20年前の日本はアジアでイチバン1人辺りの購買力平価が高い国でした。そして、新進党解党の直後にシンガポールに抜かれてからじり貧が続きました。東日本大震災があったので、どか品になるでしょう。私は20年前から亀井静香さんは偽者だと感じていました。岡田克也さんも亀井さんが偽者のだと見抜いていた一人です。

 それから10年後、2002年5月30日、政権準備政党民主党の政調会長になった岡田克也さんは定例会見で記者から死刑廃止に関する超党派議連に関して、「自民党の亀井静香さんだけは、死刑の適用が必要です」と語り、真意を聞かれ、「今、死刑にしろと言ったのではありません」「彼が会長になるのは皮肉なこと。いろいろかねてから、犯罪についていろいろうわさになる人だから。ある意味で非常に滑稽なことだと思う」と話しました。

 この後、 2002年6月6日の民主党議員パーティで、亀井さんは「私が死刑になるのは民主党が政権を取ったときだろう」と語りました。亀井さんは、上の写真にもある平成4年の羽交い締め事件に言及し、「当時から(岡田君は私を)殺してやりたいと思っていたのか」とブラックジョークを飛ばしました。続いてあいさつした菅直人幹事長は「亀井さんは警察官僚のとき誤認逮捕が多く、その穴埋めに(死刑廃止を)やっているのかな」と返礼。あいさつの出番がなかった岡田政調会長は苦笑いしたと当時の新聞は伝えています。

 このように、政治においては、お茶の間の人気者を切らなければ前に進まなければいけないときがあります。日本人は優しすぎます。世界で通用しません。改正郵政法は10月1日施行という話があります。法律では公布の日から1年以内に政令で決めることになっています。もっと早く亀井切りをしていれば、この5月1日施行でも良かったかもしれません。日本は時間的に余裕がありません。偽者をドンドン切っていきましょう。また、「サボタージュ」を政治記事にするのが難しい。でしょうが、「消費増税法案に川内博史さん、三宅雪子さんが吠える」などという役に立たない記事ばかり書いて、既存メディアが昨年来の亀井サボタージュを記事にしなかったのは、たいへん遺憾です。

 要するに、権力闘争とは殺し合いなんですね。小沢グループはそのことへの理解と覚悟がありません。だから、小沢グループはまとまらないのです。

 自見先生、力のある下地幹事長、前参院議員・長谷川憲正さん、公明党の斉藤鉄夫さん、民主党の武正公一さんら、自民党で附帯決議を読んだ「元」刺客の片山さつきさんら、おめでとうございました。

 当ブログもこの4年半、郵政法案を追いかけてきましたが、しばらくはホッと。人を想う気持ちで、この国は出来ている。当ブログはこれからも日本郵便とイノッチを応援し続けます。

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中野寛成委員長で衆院社会保障と税の一体改革特別委員会がスタート 理事も実力者揃い

2012年04月26日 19時08分41秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 いつだって泰然自若と思いながら、きょうは本会議後に「社会保障と税の一体改革特別委員会」が開かれたことを数時間見逃しておりました。私としたことがどうしたのでしょうか。

 衆議院規則第101条第4項に「委員長が選任されるまでは、年長者が委員長の職務を行う」となっています。そして、国会法第45条により、「特別委員長の互選は、推薦による」となっています。国会史上、特別委員長が複数人の選挙になったことはありません。

 このため、民主党の渡部恒三さん(79)が議事をしました。


 和田隆志さんの推挙で中野寛成さんが満場一致で選ばれました。ちなみに15年間の野党時代の民主党で最高の官職は衆議院副議長でした。それを恒三さん、寛成さんと引き継ぎましたが、あの第44回郵政選挙終了後に、福島県警や大阪府警から、2人の選挙事務所(恒三さんは当選、寛成さんは落選)は家宅捜索されています。そういう風に考えると、福島県警や大阪府警というのはとても偉い役所だなあと感じますよね。まあ、余計な話をしてすいません。

 中野寛成・衆院一体改革特別委員長はあいさつで「少子高齢化をはじめ、社会経済情勢が変化する中、国民生活の安定と安心を実現するためには、社会保障の維持・充実、子ども子育て支援、そのための安定財源の確保、また財政健全化への問題など我が国がかかえる諸課題への対応が求められています。こうした状況のもと、委員長として当委員会の重要性を認識するとともに委員各位のご理解、ご協力をいただきまして、公正かつ円満な委員会運営に努めていきますので、なにとぞよろしくお願い申し上げます」。

 この後、委員長が理事を指名。民主党から鉢呂吉雄さん、武正公一さん、古本伸一郎さん、松本大輔さん、和田隆志さん、自民党から伊吹文明さん、逢沢一郎さん、公明党の西博義さんが選ばれました。

 鉢呂さんは郵政国会のときの民主党国対委員長で、ことしの通常国会では予算委員会筆頭理事として本予算を仕上げました。野党理事の協力もあり、閣僚の外国出張がしやすい環境をつくりました。民自公修正の経験はないと思いますが、小沢一郎幹事長時代に衆院厚生労働委員長して各会派をまとめて法案を起草するなど議員立法の技にも長けています。

 武正さんは、この日の午前中に、参院総務委員会で民自公実務者(法案提出者)として、「郵政見直し法案」(180衆法6号)を仕上げたばかりでした。あす成立です。

 古本さんは、衆参ねじれの昨年の特例公債法案採決に向けて、衆院財務金融委員会筆頭理事として自民党とねばり強く交渉し8月に成立にこぎ着けました。何よりそれに至るまでのプレッシャーに耐えたことが特筆に値します。同じ民社協会員である中野委員長の懐刀です。ただ、意外と古本さんは民自公修正実務者の経験はないようにも感じます。

 松本大輔さんは、国対副委員長でコツコツとやっています。修正実務はおそらくないのではないかと思いますが、縁の下の力持ちです。

 和田隆志さんは、衆院財務金融委員会の理事を複数回務めており、財務省出身でもあり、実務面でも期待できます。たしか金融庁関係の法案の修正にも取り組んでいたように記憶しています。

 自民党の伊吹文明筆頭理事は、党税制調査会の顧問ですし、谷垣禎一総裁を京都仲間でシッカリと支えています。万年筆をとって法案を書くのが好きだとも聞きますから、期待できます。財務省出身です。

 逢沢さんは昨年の自民党国対委員長のうえ、谷垣総裁とは互いに父の代から同じ宏池会ですし、シャドウ首相補佐官でもあるので、迅速な審議に対応してくれると考えます。

 公明党の西博義さんは、今回のメンバーでは珍しく本籍地は総務委員会で、昨年来の地方税制・震災特別立法での民自公修正の扇の要として存在感を増しています。

 まだ委員名簿は入手していないし、ホームページに載っていませんが、45人の委員の中には、まだ選挙地盤が安定していない1期生も多いです。かなり拘束時間が長い委員会です。衆院通過から、1ヶ月以内に衆議院解散になる可能性が「小沢無罪」で高まりました。どうか、この委員会に参加している委員は、運動部選手が地区大会に行ったとき授業に参加していたことになる「公休」というのがあると思いますが、地元行事も特別に「公休」として国のために送り出す。地元有権者のみなさまのご理解、ご協力いただくようお願いします。

 審議は連休明けの5月7日(月)以降の予定。その時点で会期末まで6週間と4日間しかありません。一体改革関連法案には継続審査はありえません。会期末当日の灼熱の照り返しにめげずに走り抜いて成立させて欲しいと考えます。3・11の閣僚(国家公安委員長)だった寛成さんですが、典型的な議会人。「党の政策責任者(民社党政審会長)」になったのは20年以上前のこと。その名の由来の中野正剛(せいごう)は前回の国難(太平洋戦争時)の最後、不首尾な人生となりました(遺書を残さずに自殺)。すでに永年勤続表彰の肖像画は衆議院に飾られている寛成さんですが、しっかりと一体改革法を仕上げて、憲政に名を残してください。当ブログも命がけで、一体改革の今国会成立を期します。もう私今第180国会はこれだけに絞って、と言っていいほどまっすぐにひたむきに取り組んでいきます。



 平成24年4月26日(木)、衆院一体改革特別委員会がスタートしました。明日への責任を果たすために、一歩も後ろに退くことは許されません。良識ある国民はもっと前に出て、必ず一体改革を実現しましょう。

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衆議院社会保障と税の一体改革特別委員会設置 憲政史に残る大委員会に

2012年04月26日 13時19分44秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[写真]中野寛成さん、本日のものではありません。

 衆院本会議は2012年4月26日(木)、衆議院に特別委員会として「社会保障と税の一体改革特別委員会(一体改革特)」を45人で設置することを決めました。通例は、設置の議決時に議員の机上に配布されている委員名簿については、「追って通知します」と横路孝弘議長が伝えました。第1回の委員会で、民主党の中野寛成さん(大阪8区選出、11期)が互選される運び。

 特別委員会には、社会保障の安定財源確保のための税制抜本改革のための消費税率改善法案、国民年金法を改正し受給資格を緩和する法案、被用者年金を一元化し共済年金を厚生年金にする法案、子ども子育て新システム(総合子ども園など幼保一体化の方向性)法案、マイナンバー法案の合計4領域11法案を議論したい意向で、理事(予定者)が協議します。

 趣旨説明は5月連休明けにずれ込む見通しとなり、会期末まで7週間足らずとなっています。衆院で各法案修正のうえ、参院に送りますが、会期の8月末までの延長は避けられない見通し。様々な憲政の名場面が生まれそうな一体改革特となります。国会の外よりも国会の中を。国民全体で見守りましょう。なお、参院での特別委設置はまだ議論になっていません。

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刺客・片山さつき理事が附帯決議を朗読 日本郵便また一つに 参院総務委で法案可決、あす成立へ

2012年04月26日 11時26分54秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

【2012年4月26日(木) 参院総務委員会】

 民主党の武正公一さん、自民党の森山裕さん、公明党の斉藤鉄夫さんらが提出した「郵政見直し法案(郵政民営化法改正案)180衆法6号」が2012年4月26日(木)午前11時10分過ぎ、参院総務委員会(藤末健三委員長)で可決しました。みんなの党と日本共産党が反対。あす午前10時からの参院本会議で可決、成立する見通しです。

 郵便事業会社と郵便局会社の合併により、郵便局が郵便、ゆうちょ、かんぽ、証紙販売を一体的に取り扱うことができます。郵便配達夫がゆうちょの事務の相談にのったり、具合の悪い人にかんぽの手続きのお世話をすることができます。これにより、黒字事業が背中を押すことで、北海道から沖縄に50円でハガキを出せるユニバーサル・サービスの永続化が可能となりました。

 私は小沢一郎さんによる新進党解党という地獄を味わったことがあります。一度壊してしますと、例えば友好団体だった公明党・創価学会は、その後、ずっと自民党と連立したままで戻ってきません。

 でも郵便局のみなさんは幸せですね。参院総務委員会の自民党側理事は片山さつきさんでした。きょうは、法案を提出した民自公に社民党を加えた4派提出の附帯決議案を片山さつきさんが朗読・提案しました。

 ご存じの通り、片山さんは郵政造反組(ユニバーサル・サービス組)の刺客として政界デビューしました。第44回衆院選静岡7区での得票率0・4%差の片山さんの勝利は、「選挙最終日に人に言えないようなことをしたからだ」と小泉純一郎総裁の命令で現地入りした自民党関係者が証言しています。その刺客が参議院に回り、附帯決議をつける。衆院からの送付後、参院総務委では、参院先議の「消防法改正案」を先に審査しました。この辺の日程調整には何らかの折衝があったようですが、それはそれ。刺客が附帯決議案なんて、さつきさんのオレンジのジャケット同様さわやかで、新しい郵政の出発を感じさせます。

 片山附帯決議で、日本郵便がまた一つになりました。

 この法律は陛下が公布されてから、1年以内に閣議が決定する政令で施行日が決まります。簡易郵便局の責任者の方は、「簡易郵便局長」を名乗ることができるようになります。

 人を想う気持ちで、この国は出来ている。

 自由主義がダメだとは言いません。行き過ぎた自由主義がダメなのです。それが人を想う気持ち。震災後の厳しい経済情勢の日本の、大動脈ならぬ毛細血管。それがJP、日本郵便です。うつむいていた人も顔を上げてください。明治4年からしっかりと日本に根ざした日本郵便とともに、もう一度、日本のモノの輪、人の輪、心の輪を作り直していきましょう。

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小沢一郎さんが無罪 さあ国民の出番だ 新進党解党罪で証人喚問を受けるべきだ

2012年04月26日 10時15分24秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 小沢一郎さんが平成23年特(わ)111号事件の一審判決で無罪になりました。指定弁護士が控訴するかどうかは未定。

 さあ、国民の出番です。

 小沢一郎さんには、新進党を解党し、日本に政権交代ある政治の実現を6年~9年遅らせたことで、国民1人辺りの政府の借金(国債、地方債、合併特例債、臨時財政特例債含む)を500万円増やしたという大きな罪があります。陸山会事件は無罪でも、新進党解党は確定死罪です。

 昨年1月31日の強制起訴後、野党から要望があった衆院予算委員会での証人喚問を受けることが可能になりました。すでに震災により過去の人になった小沢一郎さんが、世論に疎い小沢グループにより一時的に首相候補に祭り上げられるかもしれませんが、ゴールデンウィーク中に失速し、証人喚問を受ける可能性は高くなりました。衆院社会保障と税の一体改革特別委員会で、一体改革関連法案に賛成する見返りとして、クリーンな公明党から最低保障機能の強化と、小沢一郎さんの証人喚問を要求されるシナリオがありえます。

 小沢一郎さんは民主の敵、民敵であり、公の敵、公敵であると同時に、一人一人がテレビでのイメージで投票先を決めてきたという自らの心の中で敵自敵です。民敵であり、公敵であり、自敵である小沢一郎さんを倒さないと、震災後日本は前に進めません。

 日本国民全員の総力を結集して、小沢一郎さんを歴史法廷の断頭台に送りましょう。

 常任幹事会の発議で決まった「党員資格停止」は、常幹の発議で民主党倫理委員会(北澤俊美委員長)が議論することになります。小沢さんの党員資格停止は確定まで続くことになります。倫理委員に名を連ねる小沢グループの橋本清仁・衆院議員がずっしりと重荷を背負うことになります。倫理委員には、北澤俊美委員長、細川律夫委員、中川治委員、橋本清仁委員、樋口俊一委員、松野信夫委員、藤本祐司委員、五百蔵洋一委員(いおろい・よういち、党顧問弁護士)が名を連ねています。自民党党紀委員会と違って、議員OBはいません。

 小沢グループの一部には、岡田克也幹事長(当時)の責任を問うという子供じみた反応もあるようですが、それでしたら、その件もセットで北澤委員会の手にゆだねるという方法もあるでしょう。野田佳彦代表(総理)も、輿石東幹事長も、党常任幹事会(中野寛成議長)の発議で、「北澤委員会に全部お任せ」という姿勢がいいでしょう。

 これにより、小沢グループ議員のうち、国民を向いているの誰で、ボスを向いているのが誰が燻り出すチャンスです。民主党はチャンスです。悪くなるかもしれませんが。ただ、9月の党首選前に解散する可能性が圧倒的に高くなりました。

 この無罪判決を奇貨に、政治を国民の手に取り戻しましょう。

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新媒体Business Journal で新連載「新聞の報じない国会の裏側」スタート 「いいね!」してください。

2012年04月23日 12時00分00秒 | その他

 2012年4月23日(月)午後12時オープンの新ネットメディア「Business Journal」(ビジネスジャーナル)で連載を持つことになりました。タイトルは「新聞が報じない国会の裏側」です。

 ネットメディアで実績のあるご存じ「サイゾー社」の新メディア。同社によると、

[「Business Journal とは」から引用はじめ] 

 2012年4月にオープンした「Business Journal(ビジネスジャーナル)」は、「ビジネスの"本音"に迫る」新しい情報サイトです。話題の企業・経済ニュースから、ビジネススキル、蓄財・運用、充実したプライベートライフを実現させるための実用情報まで、"本音の"情報をお届けします。
 そのために、既存のビジネスパーソン向けメディアではスポットが当たらなかった、ビジネスというフィールドを覆う<経済の論理>の裏側にある、プレイヤーたちの本音を浮き彫りにします。
 プレイヤーとは、ビジネスを構成する、企業、行政機関、報道機関、それらの内側にいる経営者や社員などを指します。ビジネスに関連した情報は、多種多様のメディアに溢れていますが、それらのプライオリティは<どのプレイヤーが、どのように活動し(儲け)ているのか>などというニュースに集約され、プレイヤーたちがどういう行動原理や思考、個人的な感情など(=本音)で動いているかは見えにくいものです。
「Business Journal」は、プレイヤーの活動を支える<本音>に焦点を当てることで、みなさまに<ビジネスの本質を理解してもらう><ビジネスパーソンとして向上してもらう>ための情報をお届けします。

[引用終わり]

 とのことです。

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 Business Journal および 新聞が報じない国会の裏側、どうぞごひいきに。


小沢グループが議事録改竄 ホームページで「小沢信者」を騙す

2012年04月23日 05時00分00秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[写真]小沢グループで会長挨拶をする小沢一郎氏、筆者撮影。

 新進党を解党した小沢一郎さんが会長を務める小沢グループが議事録を改竄してホームページに載せ、「小沢信者」と呼ばれる少数ながらも熱狂的なコアな支持者を騙していたことが分かりました。

 議事録の改竄が判明したのは、以下の部分です。

 現在、小沢グループのホームーページに載っているのは次の議事録です。

[小沢グループのホームページの議事要旨から引用はじめ]

新しい政策研究会(議事要旨)

2012年2月2日12:00

第2議員会館多目的会議室

(進行福嶋健一郎衆議院議員)

○小沢一郎会長挨拶

・国会が始まったばかりで税と社会保障制度、沖縄の問題等、難問が出ている。

・様々なところで「日米同盟」という言葉を聞くが、沖縄の問題に関してなど今の日米同盟はその状態にあるのか。本当に対等なのか。

・当会は「自立と共生」という理念を掲げているが、日本が国としてきちんと自立していないところに問題がある。

・自立した国家では国民の代表である政治家が見識と気概を持たねばならない。

・役人に全てを任せるとなれば、それは政治家の責任逃れ。政府が海保の船に漁船をぶつけてきた船長を釈放したことがある。釈放については賛否両論あるが、中国と日本の領土問題であるにも関わらず、政府でも担当大臣でも政治家でもない沖縄地方刑事局が決定するというのはあり得ない。

・沖縄の人は日米関係、米軍の駐留、安保、基地経済等を理解している。だが、何らかトラブルになっても政府は主張せず交渉にもならないという事に対し不満を感じている。

・今年は世界の大変革、大変動になりそうな年。国家、国民を預かる政治家の責任は大きい。

・それぞれの国益を代表して外交は行われる。それをしっかり認識して高い見識を持って臨まねばならない。

○政策調査会報告(中村哲治参議院議員)

・年金の試算は1月29日の政府・民主三役会議で議論。党内に示すことが確認された。

・東電電力改革プロジェクトチームが経済財政・社会調査会PTの元で置かれ、仙谷由人座長、大塚耕平事務局長で設置。

・原子力安全関係法案では「原子力安全庁」から「原子力規制庁」に名称が変わる。

○新政研常任幹事会報告(鈴木克昌衆議院議員)

・2月10日~13日に日本青年館で小沢塾を開催。

○新政研事務局報告(岡島一正衆議院議員)

・参議院の先生方が「自立と共生」小沢会長の理念に基づいた基本的な理論の勉強会を開催する予定。

・今後、具体的な政策について取り組んでいくものについては小委員会を作る。

○東祥三事務総長挨拶

・国会が始まりありとあらゆる問題が惹起している。中でも議事録の欠如は重大な問題。阪神大震災の防災会議の議事録もない。あのような天災があった際に政治家がどういう判断をしたのか全く判らない。

・民主党政権が出来たときに問題がどのように議論されてきたのか、マニフェストをどういう根拠で決めてきたのか、それが途中で何を根拠に変わってしまったのかも判らない。

・決めたことをその場で発表出来ること、仮に出来ない場合でも20年、30年後にはこういう根拠に基づき、こういう決断をしたということがわかるようにすべき。

・きちんとした政治を我々が鍛えていかなければならない。

以上

編集責任者:岡島一正

[引用おわり] 

 これに対して、当ブログが入手している議事要旨は以下の通り。この議事要旨を意図的に部分的に削除して、ホームページに載せていることが分かります。

 注1 色付け部分はホームページに載っている議事録の欠落部分。
 注2 当ブログの取材の都合から、合計3人の議員名を■■で抹消させていただきました。ご了承ください。
 注3 小沢グループに情報源を特定されないように万全を期すため、句読点や漢字・仮名遣いでわずかな修正を入れさせていたただきました。ご了承ください。

[正式な議事要旨から全文引用はじめ]

新しい政策研究会(議事要旨)

 

2012年2月2日 12:00

第2議員会館多目的会議室

(進行 福嶋健一郎 衆議院議員)

 ○小沢 一郎 会長挨拶

・国会が始まったばかりで税と社会保障制度、沖縄の問題等、難問が出ている。

・様々なところで「日米同盟」という言葉を聞くが、沖縄の問題に関してなど今の日米同盟はその状態にあるのか。本当に対等なのか。

・当会は「自立と共生」という理念を掲げているが、日本が国としてきちんと自立していないところに問題がある。

・自立した国家では国民の代表である政治家が見識と気概を持たねばならない。

・役人に全てを任せるとなれば、それは政治家の責任逃れ。政府が海保の船に漁船をぶつけてきた船長を釈放したことがある。釈放については賛否両論あるが、中国と日本の領土問題であるにも関わらず、政府でも担当大臣でも政治家でもない沖縄地方刑事局が決定するというのはあり得ない。

・沖縄の人は日米関係、米軍の駐留、安保、基地経済等を理解している。だが、何らかトラブルになっても政府は主張せず交渉にもならないという事に対し不満を感じている。

・今年は世界の大変革、大変動になりそうな年。国家、国民を預かる政治家の責任は大きい。

・それぞれの国益を代表して外交は行われる。それをしっかり認識して高い見識を持って臨まねばならない。

○幹事長室報告(■■ ■ 副幹事長)

・総務省所管の特別交付税交付金の3月分、国交省の昨年実績126億円の社会資本整備総合交付金、昨年実績41億円の市町村の臨時特例措置交付金等がある。陳情対策本部で受けるので持ち込んで欲しい。

・総務省の特別交付金については各都道府県連を通じて行っている。要望は県連に。

・幹事長室では相談を受付けている。鈴木克昌幹事長代理もいるので、何でも言って欲しい。

 ○議院運営委員会・国対報告(■■ ■■ 議運理事)

・2月9日に本予算の衆議院予算委員会。3月2日までに成立すれば年度内に自然成立できるので、3月2日までに衆議院を通過させ、参議院へ送りたい。

・その後各委員会、郵政特、社会保障特が入り乱れて開催される。それぞれ担当の委員会、法案をよく見て、成立のしかたを考えて欲しい。

 ○政策調査会報告(中村 哲治 参議院議員)

・年金の試算は1月29日の政府・民主三役会議で議論。党内に示すことが確認された。

・公務員給与制度について合意した、との報道があるが、まだ合意されたとは言えない状況。

・東電電力改革プロジェクトチームが経済財政・社会調査会PTの元で置かれ、仙谷由人座長、大塚耕平事務局長で設置。

・原子力安全関係法案では「原子力安全庁」から「原子力規制庁」に名称が変わる。

 ○新政研常任幹事会報告(鈴木 克昌 衆議院議員)

・2月10日~13日に日本青年館で小沢塾を開催。10日開校式、12日塾生・OB懇親会、13日に小沢塾長による講演会・閉校式・記念撮影がある。是非参加を。別途案内有り。

 ○新政研事務局報告(岡島 一正 衆議院議員)

・参議院の先生方が「自立と共生」小沢先生の理念に基づいた基本的な理論の勉強会を開催する予定。

・今後、具体的な政策について取り組んでいくものについては小委員会を作る。

階猛、行田、■■の各先生と岡島が事務局の中心になるが、皆で取り組んでいきたい。

○東 祥三 事務総長挨拶

・国会が始まりありとあらゆる問題が惹起している。中でも議事録の欠如は重大な問題。阪神大震災の防災会議の議事録もない。あのような天災があった際に政治家がどういう判断をしたのか全く判らない。

・民主党政権が出来たときに問題がどのように議論されてきたのか、マニフェストをどういう根拠で決めてきたのか、それが途中で何を根拠に変わってしまったのかも判らない。

・決めたことをその場で発表出来ること、仮に出来ない場合でも20年、30年後にはこういう根拠に基づき、こういう決断をしたということがわかるようにすべき。

・きちんとした政治を我々が鍛えていかなければならない。

以上

 編集責任者:岡島一正

[全文引用おわり]

 このように、幹事長室報告の「総務省所管や国交省所管の交付金があるので、陳情を持ち込め」、「小沢一郎政治塾が開かれるからお前らも参加しろ」との生臭い「利益の誘導と分配の政治」の部分はホームページでは丸ごと削除されています。衆議院議院運営委員会理事(兼)党国対委員会役員による、今後の国会運営に関する報告もそれ自体なかったことにホームページではなっています。ちなみに、民主党内各グループでは国対委員による国会の見通し報告はどこでもしており、記者に公開しているグループもあります。そのほか、党政調役員の報告、小沢グループ常任幹事会の報告、小沢グループ事務局の報告でも、ホームページでは微妙な削除があります。

 情報公開の基本として、幹事長室報告と議運・国対報告がなかったのようになっているのは大いに問題があります。これは、まずタイトルは入れて、そのうえで内容は吟味すべき。議事次第そのものを省略している小沢グループの姿勢は問題です。こんなことでは、木曜日、平成23年特(わ)第111号事件で小沢さんが仮に無罪になっても、誰も相手にしてくれないでしょう。

 それにしても、政府の各省の「交付金」を付けるので、党の正式組織に「陳情を持ち込め」とは。そもそも総務省も国交省も党幹事長室も党陳情対策本部も、小沢グループの組織ではありませんよ。公私混同が激しすぎます。とはいえ、議事録から削除している以上、問題になる可能性があるという認識はあるのでしょうか。貧すれば鈍する。能力と集票力がないと、こんなに惨めな議員活動をしないといけなくなるんですね。

 LPGの輸入増により貿易収支がギリギリの状態になっています。自動車輸出の回復ぶりを見ても、相変わらずアメリカ頼みですし、経常収支の構造を見ていると深刻な体質になりつつあることもうかがえます。我が国経済は今夏に向けて、厳しさを増しつつあります。しかし、どんなに苦しくても小沢グループのようになったら人間おしまいです。新進党を返せ! 武士は食わねど高楊枝。小沢グループを反面教師にして、今週も頑張っていきましょう。今週は「衆院一体改革特別委員会」が24日にも設けられ、趣旨説明ができると感じます。消費増税反対ではなく、「社会保障をもっと充実させろ」と具体的提案を民自公修正実務者に寄せるのが賢い有権者のあり方です。それでは、最後にひと言。小沢一郎さん、新進党を返せ!

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[お知らせおわり] 


官邸入り100日、チーム岡田巡航速度に! 出向官僚「省益より国益」 岡田腹心

2012年04月21日 12時32分46秒 | 岡田克也、旅の途中

 岡田克也さんが2012年1月13日に初めて(官僚時代を含む)官邸入りしてから100日間が経ちました。各省からの出向官僚で構成される「チーム岡田」は「省益より国益」に目が向き、歴史に残る一体改革特別委員会での4領域11法案の審議入りを前に、巡航速度に乗ったことが分かりました。岡田さんと一緒に官邸入りした岡田腹心が明らかにしました。

 岡田腹心は東大法学部卒の37歳で、政策担当秘書試験8期生。政権交代をかける第45回総選挙直前には、極秘裏に鳩山由紀夫代表(ネクスト首相)の名代として、ワシントンを民主党政調職員と2人で訪れています

 腹心は、1年1日間の外務大臣時代は、「大臣と2人で孤立するアウェイ感がありましたね」としました。外務省は最近まで採用が他の省と別試験で人事交流が少ない閉鎖的かつ組織文化が独特な官庁です。しかし、内閣官房および内閣府はほとんどが各省からの出向者のため、「そういったな孤立感はまったくありませんね」としました。

 内閣官房や内閣府の職員はある意味、「二重スパイ」です。出身省と内閣官房・内閣府との間に相互に情報を流通させるのが仕事です。要は国益に向いているか、省益に向いているか。これがすべてです。腹心は「現時点では」との条件付きで、「みんな国益を見ている」と断言。一体改革法案を仕上げれば、これは歴史に名を残します。


 岡田副総理に関しては、日本郵政株式会社の総務・人事部次長が自らのご家来衆である「内閣官房行革実行本部事務局参事官」の併任辞令を受けていたことを把握していないという「官邸のお化け」事件がありました。

 [3月9日の岡田副総理記者会見の要旨から引用はじめ] 

(記者)

 フリーランスの宮崎信行と申します。
 内閣官房の人事についてお伺いします。
 日本郵政株式会社の総務・人事部次長が内閣官房行政改革実行本部事務局の参事官に併任する辞令が出ています。これは3月1日付で、私は昨日付のインターネット官報を見て気づいたのですが、ちなみにこの方は元々総務官僚だと思うのですけれども、この併任人事に関して、岡田さんは認識されていらっしゃいましたでしょうか。日本郵政の人事部副部長が併任で在籍のまま内閣官房の行革実行本部の事務局の参事官になっているのですけれども。

(岡田副総理)
 まだ私は報告は受けておりません。

(記者)
 報告を受けておられないということで、これが官邸の怖さだと思うのですね。外務省ではこういうことはなかったと思います。行革実行本部は本部長は総理ですし、本部長代行が岡田副総理、副本部長で財務大臣と総務大臣と藤村官房長官となります。
 内閣官房は本来主務大臣は官房長官だと思いますけれども、こういったところで郵政の次長が元々総務官僚なのですけれども、日本郵政の社長と副社長は御存じのように元々財務官僚の方ですから、例えば郵政の本社に行ったら、上司から報告を求められたらどうするのだと、その場合その方の国益と会社の利益、一致することはあり得ませんから、私は民間企業の経営も見たことがありますけれども、この方は国益のために働くのでしょうか。
 というか、そもそも行革担当大臣や公務員制度改革担当大臣が認識しないでこういう人事が昨日付の官報でも発表されている現状をどのように思われますか。

(岡田副総理)
 一定レベル以上でないと、それは私のところには上がってこないということです。いずれにしても、何か日本郵政の人間が行革本部に来ることが問題だというふうには私は認識してないのですね。特に今具体的な懸案があるわけでは、何か緊張関係があるわけではありませんので。

(記者)
 でしたら、併任でなくて、例えば採用してもいいのではないですか。要するに、こういうことが内閣官房で人事が続くと、どこかでこういった人事を連鎖を断たないと、どの党のどなたが官邸の主になっても、同じことが続くように私は思います。

(岡田副総理)
 私は問題だというふうには認識しておりません。何かあれば報告は受けてみたいと思いますが。

[引用終わり] 

 ただ、この併任職員の「W氏」ですが、岡田腹心によると、現時点では国益のために働いているとのことです。

 このほかにも4月13日の記者会見では「公務員制度改革というのは一体何かということです。本来、この話も総務省の話なのですね。しかし、私は行革全体を見る立場にありますから、私の下で総務省にも御協力いただいて、この問題をやってきているということで、必ずしも公務員制度改革担当ということでこれをやっているわけではない、そういうふうに御理解ください」と述べています。

 このように、内閣官房と内閣府と総務省行革3局(行政管理局、行政評価局、人事・恩給局)の関係に、岡田さんですら戸惑っていることが伺えます。この点は第180通常国会の冒頭で、第4次補正予算(案)の基本的質疑で、参院自民党のトップバッターが切り込んできたところです。政策よりもまずは人を動かす。それが民主党に求められていることです。

 鳩山由紀夫首相は「故人献金」で、政策秘書と公設秘書を官邸に連れて行けなくなりました。そこで、平野博文官房長官が経産省出身の弁護士を連れてきました。経産省出身の弁護士ということで会社の顧問弁護士としての収入が多く、総理政務秘書官になって年収が半減したとも言われています。そもそも鳩山さんにとっては他人のうえ、平野さんが連れてきたので切るわけにもいかない。しかもこの人は「小沢一郎さんのスパイだ」という説が鳩山グループ内に流れて、官邸崩壊となりました。その後、菅直人首相は党職員を政務秘書官にして、常に鞄をその秘書官に持たせました。総理秘書官のかばん持ちは政務と事務の秘書官が基本的に日替わり、ないしは会合の案件により順繰りで持つという慣行を破りました。これはこれで、過渡期において意味があったと私は考えています。野田佳彦首相は再び順繰りに鞄を持たせています。岡田副総理もこれまで、重さ17キログラムと言われる手提げ鞄ないしはハンドバッグを常に自分で持っていましたが、副総理になってからは秘書官に持たせるケースが増えています。

  最高のリーダーは1ミリたりともぶれてはいけません。いよいよ来週から「一体改革特別委員会」のスタートです。本会議でも趣旨説明と代表質問が行われる予定です。チーム岡田は歴史に名を残すチャンスです。私はチーム岡田を全面的に応援します。そして、国益より省益をめざす官僚が局長級に一部いるのならば、「岡田をうつなら俺をうて」。私が松尾伝蔵になります。岡田が決めたらどこまでも。まっすぐに、ひたむきに岡田さんとともに一体改革関連法を成立させる。余裕がない震災後日本ですが、私は後世のためにリンゴの木を植える。小沢一郎さんが無罪だろうが、有罪だろうが、何も関係ありません。時代はもうとっくにその先に行っています。

 私もチーム岡田の別働隊として、命がけで一体改革関連法を仕上げる覚悟です。比叡山延暦寺を攻めろと言われれれば、私は攻めます。日本は戦国時代以上の国難にあります。実力ある人間は徹底的に前に出るしかありません。まっすぐにひたむきに、前へ進みましょう。どうせ人生一度きり。人生意気に感じたら、チーム岡田のみなさん、一緒に突っ込みましょう。背中を見ている人は必ずいます。

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郵政見直し法案、参院総務委で審議入り 自民党真っ二つ、参院議員欠席で衆院議員出席の怪現象

2012年04月19日 17時13分56秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[画像]自民党欠席への対応を話し合ったとみられる、参院総務委員会の藤末健三委員長と参院公明党ナンバー2でもある木庭健太郎理事、2012年4月19日(木)、日テレニュース24から。

 郵政見直し法案(郵政民営化法改正案、180衆法6号)が2012年4月19日(木)の参院総務委員会で審議入りしました。法案の筆頭発議者の武正公一さんが趣旨説明をしました。参院では同時に、みんなの党がおととしの第176臨時国会に提出していた「郵政民営化一時凍結法(自見法)を廃止する法案(176参法4号)も審議入りし、中西健治さんが趣旨説明しました。

 
[画像]郵政見直し法案(180衆法6号、衆院送付)の趣旨説明をする民主党の武正公一衆院議員、参院総務委員会、2012年4月19日(木)、参議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 前日に前田武志国土交通大臣と田中直紀防衛大臣への問責決議を提出した3会派のうち、自民党が欠席しました。みんなの党は出席。新党改革は総務委に議席がありませんが、経産委では党幹事長の荒井広幸さんが欠席しました。初めから問責決議案提出に加わっていない公明党は出席しました。

 冒頭の写真のように、藤末健三・委員長(民主党)総務委理事で参院公明党ナンバー2の木庭健太郎さんと話し合う場面がニュースで流れました。おそらく、「自民党なんて置いていきましょう、震災後日本は余裕がないですから」と話し合ったのでしょう。


 総務委は参院定刻の午前10時から始まり、参院先議の消防法改正案(180閣法48号)をしっかり審議し、附帯決議付きで仕上げました。政府原案と附帯決議はともに共産党を含む全会一致で可決しました。もちろん全会一致とは出席議員の全会一致ですから、自民党の賛否は不明です。

 園遊会の間休憩となり、午後3時半過ぎ再開。民主党の武正公一さん(埼玉1区)公明党の斉藤鉄夫さん(比例中国単独、事務所は広島)ら発議者の衆院議員が集まりました。下の画像をよく見てください。摩訶不思議なことに、自民党の衆院議員が2人出席しています。

 
[画像]「郵政見直し法案」の提出者の衆院議員。

 前列の左から3人目が森山裕・自民党衆院議員(鹿児島5区)、5人目が赤澤亮正・自民党衆院議員(鳥取2区)です。 報道によると、自民党はきょう朝の衆参合同の国対委員会で「参院が審議拒否しているのに、衆院が審議するわけにはいかない」として衆参自民党での審議拒否を決めたはずです。衆議院は初めからきょうの本会議、委員会の予定はありませんでした。

 参院総務委員会で、自民党参院議員が欠席する中、自民党衆院議員が答弁席に座っている。まさに自民党が衆参真っ二つです。谷垣禎一総裁がこの2年半、自民党をまとめ上げてきたことは政権交代ある二大政党政治を日本に根付かせるうえで特筆に値する功績です。

 ぜひ、森山さん、そして、赤澤さんですね。頑張ってほしい。歴史の過渡期にはこのくらいの訳の分からない出来事は大したことがありません。言葉は適切ではないかもしれませんが、80年前(関東大震災と昭和恐慌)との違いは、テロリズムがないことです。小沢一郎さんの来週26日(木)の判決も、松岡洋右の国際連盟脱退のように世論が不条理に喝采することはないでしょう。もはや小沢一郎さんは完全に過去の遺物です。

 郵政見直し法は連休前に可決・成立する見通しです。

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参議院ビッグバン!問責めぐり自民党、公明党、みんなの党が対応バラバラに。

2012年04月19日 13時01分13秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 2012年4月19日(木)、ついに参議院(平田健二議長)が大分裂しました。

 この日は午前10時から、内閣委員会(芝博一委員長)、総務委員会(藤末健三委員長)、経済産業委員会(前川清成委員長)の3つの委員会が法案審査を予定していました。3つとも民主党が委員長ポストを持っています。そして、前日、国土交通大臣と防衛大臣の問責決議案を、自民党、みんなの党、新党改革の3派が共同提出しました。ですが、2大臣と3つの委員会は所管が違います。

 現時点での参院会派の対応をまとめておきます。

 民主党 問責決議案提出に加わらず、審議に参加。
 公明党 同上。
 日本共産党 同上。
 社民党 同上。
 国民新党 同上。

 みんなの党 問責決議案提出に加わり、委員会審議に参加。
 
 自民党 問責決議案提出に加わり、委員会を審議拒否。
 新党改革 同上。

 とくに、参院会派「自民党・たちあがれ日本」と参院公明党の対応が別れたのが注目されます。

  しかも、きょうの総務委員会と経産委員会は参議院先議の法案でした。総務委でみんなの党の寺田典城さんは「自民党さんが駄々をこねて出席していないのは残念だ」と発言。消防法改正案(180閣法49号、参院先議)が出席議員の全会一致で可決した後の附帯決議も寺田さんが朗読し、採択されました。みんなの党は来夏の参院選で非改選10議席、改選1議席なので、第3会派に躍進する可能性が高いので、しっかりアピールできたと感じます。

 参院経産委員会では、新党改革幹事長の荒井広幸さんが出席せず、やむを得ず、前川委員長が速記を止めずに質問時間を流す「空回し」をしました。

 私は健全野党を求め、審議拒否戦術は基本的に反対です。しかし、3月30日(金)に総務省・厚労省・文科省の副大臣・政務官が辞表を出しました。平成24年度一般会計(総額90・3兆円)から厚労省は26・7兆円、総務省は17・4兆円(地方交付税交付金を含む)、文科相は5・4兆円を歳出します。総務省と厚労省だけで歳出の半分。文科省に関しては、3党合意にもとづく高校無償化の政策効果の検証が不十分だとして、公明党の井上義久幹事長が検証結果を平成24年度第1次補正予算に、円高・景気対策を入れて盛り込むべきだと受け取れる発言をしています。過去の国債の償還をしないと、あっという間に日本の国は吹っ飛びますが、このお金を除いた歳出、すなわち政策的経費のうち、3省が占める割合は、ナント74%にのぼります。私も今、計算して驚きました。だったら、自民党は本予算の採決を拒否すべきだったのです。ここは審議拒否する方が当然です。しかし、暫定予算成立後、参議院自民党には抗議が殺到したようで、4月5日(木)に本予算は成立しました。その後に、政務三役補充人事がありました。参議院自民党は「召集が1月24日と遅かったのが原因。民主党の見通しの甘さのせいだ」と反論しましたが、それは政治のプロ発言です。

 このような参議院自民党にはついていけないという声も参院各会派に広がるでしょう。

 自民党と公明党の間にくさびが入ったのは、朗報。これで参院議院運営委員会が問責決議案を本会議に上程できない可能性が出てきました。 私は両院制改革は日々進んでいると考えています。日本国憲法や国会法の改正はもうしばらく待ってみても良いと考えています。積み重ねです。きょうの参議院ビッグバンで、国会の新しい視野が広がってきました。

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2期生の稲見哲男さんが「政調総務部会長」に抜擢 3党合意後に5法案提出・修正 進む「議員仕分け」

2012年04月18日 21時09分38秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 小沢グループ政務三役のうち、3大臣1政務官が辞任したことによる玉突き人事で、2期生で衆院大阪5区(大阪市此花区・淀川区など)選出の稲見哲男さん政策調査会副会長(兼)総務部門会議座長に抜擢しました。2012年4月16日(月)の民主党役員会が決定し、17日の常任幹事会に報告しました。

 稲見さんは第41回衆院選から民主党総支部長を務めていますが、2勝3敗。大阪市職員出身ですので、「自治労」など「地方公共連合」の支持を受けています。その稲見さんが昨年秋から日切れ法案を扱う重要委員会である「衆議院総務委員会」(原口一博委員長)の与党側筆頭理事を務めています。2期生が総務委筆頭理事ということは異例で、急成長企業民主党ゆえの人材難の窮余の策。総務委員会は地方行政を担当しており、自治労が配属され、しかも2期生ながら筆頭理事ということで、幹事長経験者周辺と「大丈夫かな」と心配しておりました。が、まったくの杞憂でした。こういうことがあるから、国会は面白いんです。

 稲見さんの2012年8月9日(火)の3党合意後の、第177通常国会、第178臨時国会、第179臨時国会、第180通常国会の議事録をみると、7回総務委員会に登場しています。しかも驚くべきことに、稲見さんは衆院総務委員会に3回、参院総務委員会(藤末健三委員長)に4回名前が出てきます。参院の議事録の方に多く名前が出ているのは、野田佳彦総理も含めて衆院議員で他にいないのではないでしょうか。

 3党合意が整い、菅直人首相辞任と民主党代表選、会期末が迫った2011年8月23日(火)の参院総務委員会では、自民党の坂本哲志さん、赤澤亮正さんとともに、衆院総務委員長代理として参院に。「東日本大震災に被災した自治体の合併特例債償還の特例法(衆院総務委員長提出、177衆法28号、平成24年法律102号)」と「運輸事業の振興の特例法(衆院総務委員長提出、177衆法27号、平成24年法律101号)」の答弁に立ちました。

 第179臨時国会では、前国会から積み残しになっていた分も含む地方税法改正案2法案(閣法)について、衆院での民自公修正部分について、趣旨説明を参院総務委でしました。これは相当な重責です。

 今国会では、年末までに成立させられなかった「国家公務員給与7・8%2年間削減法案」については、3党協議のうえ、「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律案」(180衆法1号)を筆頭発議者として提出。2月23日(木)に参院総務委で趣旨説明、28日(火)に答弁して、成立。平成24年法律第2号として、2012年2月29日(水)に国事臨時代行の皇太子殿下が天皇の名で公布しました。前半国会で一般法案でしかも衆院議員提出の議員立法が予算より早く成立するのは極めてマレ。それは衆参ねじれと東日本大震災という国難だからですが、そういうときこそ、本物が仕分けされます。

 第45回衆院選では、全国で8選挙区、大阪府内では4選挙区で公明党候補に民主党候補が勝っています。その一人である稲見さんですが、こうやって国会内でしっかりと仕事をする能力を示しています。私としても全くノーマークの人物でしたが、党の復興対策本部では福島県担当です。参院の議事録を見ると、野党からの質問もありますが、与党から稲見さんへの質問には毎回、自治労組織内の仲間が質問しており、政策、人脈ともやり手のようです。なかなか志を持って政治家になったようで、自治労組織内で推されて比例や選挙区に出ている人とは違うようです。骨のある人のように思われます。

 このほか、郵政見直し法案(180衆法6号)の提出者の一人で、今週中にも参院総務委員会に出席すると思われる東京22区衆院議員で3期生、元外務政務官の山花郁夫さんが政調筆頭副会長に昇格しました。民自公修正で汗をかいている人を前原誠司政調会長も評価しているようです。当たり前のことですが。

 西南戦争、紀尾井坂の変を経て優秀な若手への世代交代の針が回り出したのも明治11年のことです。民主党は結党14年です。58歳の岡田克也さん、54歳の野田佳彦総理も負けてはなりません。

 力のある人は、衆院一体改革特別委員会の理事や委員に自ら名乗り出るべきでしょう。45人委員会なので、理事は民主党5人、自民党2人、公明党1人の狭き門になりそうです。

 民主党幹事長の輿石東さんは2012年4月16日(月)の定例記者会見で、「委員長を中心に、今ご案内のような、理事を中心に特別委員会は動いていくでしょう。それに担当大臣は5大臣、4領域11本という中身になるわけだから、さあ修正をしようと言えば、その都度どういう形で修正ができるか、誰がやるか、そういうことはその委員会を中心にやっていくことは間違いないのだが、いろいろな形も考えていかなければならないと思っています」と語りました。まずは委員会に任せるものの、修正協議については、委員会外の政調、国対からも実務者を起用する考えがあることを示唆しました。

 一体改革特別委員会で政府側の司令塔になる副総理の岡田克也さんは2012年4月17日(火)の定例記者会見で、「議論が始まってみないと、例えば、修正協議ということになるのかどうか、我々はなるのを期待しておりますが、そして、それはどういう形でやるのか、現場でやるのか、あるいは党で政調なり幹事長のところでやるのか、政調会長なり幹事長のところでやるのか、その辺はこれからの議論だというふうに思います」とし、幹事長と同調しました。そのうえで、「しかし、早く動き出すことは大事だというふうに思います」と強調しました。

 実務者が集まれば、とびっきりの夏が来る。

 私は4月26日(木)の小沢一郎さんの判決など全く興味がありません。

 震災後日本は猛スピードで動いています。その結果は第46回衆院選でよりハッキリふるい分けられるでしょう。第46回衆院選、民主党用語ですが、蓮舫さんは参議院ということで、自民党にもお許しをいただいて、「仕分け解散」と呼びましょう。言うまでもなく、議員・候補者の仕分けです。稲見さんは第46回衆院選も公明党の、それもフレッシュな新顔と闘います。国会で働いている現職は、国会内の仕事ぶりで評価する有権者にならなければいけません。ただし、結論を言うと、「志のありやなしや」がすべてです。若干やはり学力と体力もありますが、2回~3回ほど選挙を重ねれば結果はすべて「志のありやなしや」ですから、まったくおそれることはありません。

 新しい民主党が始まりつつあります。

 新しい国会が始まりつつあります。

 議員も有権者も、刮目せよ!

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問責提出の「前田武志大臣は公職選挙法違反とは無縁の存在」 副総理の岡田克也さん

2012年04月18日 19時45分42秒 | 岡田克也、旅の途中

 世耕弘成さんら参議院自民党・参議院みんなの党・新党改革の3会派は、前田武志国土交通大臣と田中直紀防衛大臣に対する問責決議案を2012年4月18日(水)、橋本雅史・参議院事務総長に手渡しました。参議院公明党は提出に加わりませんでした。2大臣セットの問責決議案提出は3回連続。2人とも参院議員である大臣への問責は貴族院から衣替えして以来、初めて。両院制に関する歴史的な局面になる可能性があります。

 ◇

 岡田克也副総理は2012年4月17日(火)の定例記者会見で、前田武志国土交通大臣が公選法の事前運動と公務員地位利用に抵触する行為があったのではないかと指摘されていることについて、「軽率であったということは言えると思います。ただ私、前田大臣、初当選のときから1期先輩で、政治改革とか、あるいは同じグループでずっとやってまいりまして、いろいろな意味で御指導いただいた方で、非常に公選法違反とか、そういうこととは無縁の存在であるというふうに私自身は思っております」と述べました。そのうえで、「今回のことは大変残念な、御本人にとっても残念というふうに思っておられることだと思います」としました。

 同じグループとは、「経世会(自民党竹下派)」、「改革フォーラム21(自民党羽田派)」、「新生党」、「新進党興志会(羽田・細川グループ)」のことです。「太陽党」結党には岡田さんは不参加。新進党解党後の民政党結成でまた一緒になり、民主党統一大会に参画。「政権戦略研究会(羽田グループ)」に2人とも参加していた時期があり、岡田さんが脱退した後も、前田さんは同グループの「座長」を務めました。前田さんは昨年9月、「素交会(鹿野グループ)」立ち上げに参画しました。ともに15年間の野党暮らしに耐え、政権奪取に成功しました。


 
[写真]新生党結党記者会見。後列の左から松尾官平さん(後に参議院副議長)、北澤俊美さん、永野茂門さん、田村秀昭さん、釘宮盤さん(現大分市長)。前列左から、石井一さん、奥田敬和さん、羽田孜党首、渡部恒三さん、左藤恵さん。



[写真]右上から時計回りに、新生党結党メンバーで民主党で活躍する、羽田孜最高顧問、小沢一郎さん、渡部恒三最高顧問、藤井裕久最高顧問、北澤俊美副代表、岡田克也副総理、前田武志国土交通大臣、奥田敬和初代両院議員総会長(故人)、石井一副代表。

 岐阜県下呂市長選について、民主党岐阜県連幹部からは「前田大臣ではなく、まず山田良司・衆院議員が議員辞職すべきだ」との声が上がっています。地方の首長選の細かい事情には言及しないことにしています。ただ、元々民主党系の候補者だった石田芳弘さんは、市民派の選挙をしたくて、党の推薦を拒否。地元総支部も県連の仲間に対して、「応援演説に来ないでください」と呼びかけていたそうです。また総支部長(比例復活の衆院議員)と山田良司・衆院議員(比例東海ブロック単独)はともに下呂出身ながら、元市長の山田衆院議員の方が地元では圧倒的に基盤があるという「逆転現象」があったようです。また前田国交大臣は「応援演説に行く」と伝えたところ、石田候補から「来ないで欲しい」と断られたという話を聞いています。誰がそこを申し込んだのか。その時点での情勢は五分五分だったとされています。なので、山田衆院議員の国交大臣の封筒・名刺付きでの地元建設業協会、下呂温泉組合長への「しめつけ」は逆効果で、「すべて台無し」「山田は議員辞職しろ」と大騒動になり、敗戦、大臣問責ということになりました。さらに山田議員は、「代表派閥「花斉会」(野田グループ)」の所属で、すべてが踏んだり蹴ったり。

 輿石東幹事長も2012年4月16日(月)の定例記者会見で「(前田さんは)国会に来てもう長い時間いるのに軽率だった」とたしなめました。

 そのうえで、「参議院の自殺」につながりかねない、問責連発について、「問責決議は法的な拘束力はないということが1つ。だから安易に問責は打つべきでないと、私は野党時代に、打つ側だったときに、申し上げてまいりました」「なぜ辞任しなければいけないのかと。そういうことです。ある議員か、秘書だかなんだか知らないけれども来て、「これに署名してくれますか」と。それを軽率、うかつにも署名してしまった、それだけのことでしょう。本人はそう言っているわけですから。中身は何も知らないと。そのまま署名してしまったと。だから、そういう点は軽率だったのではないかという責任、その部分の責任は問われるでしょうが、それが公選法違反だということにはならないでしょうと、そういう理解だということです」とし、問責→辞任の連鎖にくさびを打ちたい意向を示唆しました。

 結果として、憲政史上初めて与党第1党の幹事長が参院議員であるという第180通常国会の配置が両院制改革のエポックメイキング(歴史を画する画期的な場面)になる可能性があります。うんざりしてばかりいないで注目しましょう。

 最後に、参院内閣委員会(芝博一委員長)に議席がないにもかかわらず、17日(火)の「新型インフルエンザ対策特別措置法案(180閣法58号)」の質疑に加わった(委員外質問)舛添要一さんの新党改革が問責決議案提出者に加わったことは遺憾だ、と申し添えておきます。

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一体改革特別委設置 幹事長「修正協議は委員会がその都度」 実務者が集まればとびっきりの夏が来る

2012年04月17日 06時03分49秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[写真]開かれた民主党幹事長定例記者会見、民主党本部、2012年4月16日(月)午後6時半ごろ、筆者撮影。

 開かれた民主党幹事長定例記者会見が党本部でありましたので、参加しました。2012年4月16日(月)のこの日は、第180通常国会最大の懸案である「一体改革関連法案」(消費税、年金、子ども子育て、納税者共通番号マイナンバー)を審議する、衆議院一体改革特別委員会の設置で与野党国対委員長が合意しました。

 輿石東幹事長は、一体改革特別委員会での人の動かし方について、「45人の規模で委員会をつくりやっていくということは既に与野党で合意したようです。委員長を中心に、理事を中心に特別委員会は動いていくでしょう。それに担当大臣は5大臣、4領域11法案という中味になるのだから、さあ修正をしようということになれば、その都度どういうかたちで修正ができるか、誰がやるか、ということは委員会を中心にやるのは間違いないんだけど、いろいろな形を考えていかなければならない」と語りました。当ブログの質問に答えました。



 私の質問は20分からです。

 衆参ねじれ・震災・3党合意が成立して移行、衆院段階での修正は、民自公ないし与野党との各委員会理事が修正協議をする方式が定着しています。最近では内閣法制局も国会議員の手助けをしているようです。閣法の衆院修正、閣法撤回のうえ衆法提出、3党合意のうえ委員長が法案提出、などというケースが増えています。これまでは議員立法は超党派の議員連盟による方式が多かったのですが、やはり余裕がないのか、減っています。閣法修正協議は衆参与野党が相まみえたチームが多いので、衆参の垣根が低くなっていて、こういった慣例の積み重ねで両院制の問題点も自然に解決していくような気配を感じています。

 45人委員会になると、事実上役割を終えた「郵政改革に関する特別委員会」と同じ人数です。おそらく「一体改革特別委員会」の各会派の議席数は同じになるでしょう。民主党(27)、自民党(11)、公明党(2)、国民新党(1)、共産党(1)、社民党(1)、きづな(1)、みんなの党(1)という配分になるでしょう。委員長は民主党、理事は民主党5人、自民党2人、公明党1人。これはどう考えても、理事による修正協議は限界があります。幹事長室が決めるのか、政調が決めるのか分かりませんが、法案ごとに「走りながら考える」しかありません。

 この委員会は歴史に残ります。月曜日から金曜日まで理事会・委員会が開かれ、かつ月曜日の質問が当たれば、週末に地元に帰れなくなるかもしれません。が、この委員会でがんばれば次の選挙に展望が開けるし、比例単独で次の選挙に出ないつもりの人も任期切れまであと1年間。本心を国対委員長に打ち明けて、「うちのおじいちゃんは国会議員だったんだよ」と議事録に残すチャンスです。我が国は3000年の歴史で、少子化と東日本大震災という最大の国難を迎えています。そのときこそ、力のある人が必要です。

 実務者が集まれば、とびっきりの夏が来るーー3000年先まで我が国を続けるために、一体改革を必ずこの国会で成立させ、100年安心の社会保障をつくりあげましょう。良識ある有権者は、その説得部隊になりましょう。「与党も駄目、野党も駄目。そう言う有権者がイチバン駄目」。審議に注目し、社会保障で一人一人の有権者がしっかりと「勝ち取る」ためにも、修正協議に注目すべきです。

 なお、付託される予定の11法案は次の通り。担当大臣も付け加えました。

 国民年金法を改正して年金交付国債を発行する法案(180閣法26号)、小宮山厚労大臣、安住財務大臣。
 行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号・マイナンバーの利用に関する法案(180閣法32号)、古川内閣府特命担当大臣。
 マイナンバー法(案)の施行にともなう関係法律の整備に関する法案(180閣法33号)、古川内閣府特命担当大臣。
 自治体情報システム機構法案(180閣法35号)、川端総務大臣。
 社会保障財源の安定確保のための税制抜本改革を行うための消費税法改正案(180閣法72号)、安住財務大臣。
 社会保障財源の安定確保のための税制抜本改革を行うための地方税法と地方交付税交付金法の改正案(180閣法73号)、川端総務大臣。
 公的年金制度の財政基盤と最低保障機能を強化するための国民年金法改正案(180閣法74号)、小宮山厚労大臣。
 子ども・子育て新システム支援法案(180閣法75号)、小宮山厚労大臣、平野文科大臣(?)。
 総合こども園法案(180閣法76号)小宮山厚労大臣、平野文科大臣(?)。
 子ども・子育て新システム支援法(案)と総合こども園法(案)の施行にともなう関係法律の整備に関する法案(180閣法77号)小宮山厚労大臣、平野文科大臣(?)。
 厚生年金と共済年金の被用者年金を一元化する厚生年金保険法改正案(180閣法78号)小宮山厚労大臣。
 
 これらを岡田副総理が束ね、野田総理が出席する機会が内閣の存亡をかけた法案ですので、当然出てくるでしょう。

2012年4月17日付読売新聞の社説は同感のいたり。ツネさん(渡邉恒雄会長・主筆)が書いたのでしょう。全文引用してきょうは終わりたいと思います。 

[2013年4月17日付読売新聞社説から全文引用はじめ]

一体改革特別委 自民党は現実的な対案を示せ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 消費税率引き上げ関連法案を審議する衆院特別委員会の設置が、ようやく固まった。民主党の提案を自民、公明両党などが大筋で受け入れた。日本の将来を左右する重要法案である。定例日に限らず、審議日程を自由に決められる特別委の設置は妥当だ。それにしても、法案提出から約半月を要した民主党の国会対応はあまりに遅い。今後は、効率的な審議を実現してもらいたい。民主党の提案によると、特別委では、消費税率引き上げに加え、厚生・共済年金の一元化、子育て支援、社会保障と税の共通番号(マイナンバー)創設など、計11本の法案が一括で審議される。いずれも、社会保障と税の一体改革に関連する法案だ。野党側は「これだけの重要法案が集中すれば、審議は難しい」と懸念を示している。

 政府・民主党は、法案の優先順位を決めるなど、審議の進め方を工夫しなければならない。それでも、6月の会期末まで時間は多くない。法案の成立どころか、衆院通過さえ容易ではない。野党側にも、法案審議に協力することが求められる。重要なのは、民主党と野党第1党の自民党が消費税率10%への引き上げで足並みをそろえていることだ。この機会を逃せば、消費増税による財政再建は当面困難になりかねない。自民党の茂木政調会長は、社会保障に関する対案を提出する意向を示した。現行制度を基本とした現実的な改革案をまとめ、民主党に受け入れを迫ってはどうか。

 同時並行で消費税率引き上げの時期や方法についても詳細を詰めるべきだ。長年政権を担ってきた自民党にはその責任がある。自民党が具体的な対案を速やかに提出すれば、法案修正協議の機運が高まるはずである。

一方、谷垣総裁は講演で「与野党が国会の土俵でがっぷり四つに組めば、話し合い解散がまったくないとは言えない」と語った。野田首相が消費増税法案の成立後の衆院解散・総選挙を約束するのを条件に、自民党が法案賛成に回る可能性を示唆したものだ。首相は「話し合い解散」の道も模索すべきだろう。そのためには自民党などと協議するための環境づくりが欠かせない。新年金制度構想や後期高齢者医療制度廃止方針の撤回、そして、衆院選「1票の格差」是正の先行処理など、政府・民主党が野党に大胆に歩み寄る時である。

(2012年4月17日01時49分 読売新聞)

[全文引用終わり]

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◎NHK日曜討論、2大政党国対委員長一体改革成立手応え 「自民党案丸飲みすれば当然賛成」とも

2012年04月15日 19時09分25秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 2012年4月15日のNHK「日曜討論」は2大政党の国会対策委員長が後半国会を展望しました。同番組での二大政党のみの国対委員長が対面形式で登場したのは初めてではないかと考えられます。これに先立つ、フジ「新報道2001」も渡辺周・防衛副大臣、民主党で参院外交防衛委員長の福山哲郎さん、自民党の小池百合子さんという「政府、民主党、自民党」「衆院2対参院1」「民主党員2対自民党員1」という2大政党プラス衆参ねじれという形式。とても論点が分かりやすかったです。これからもこういう風にやってほしいですね。日曜討論を私はテレビで見ましたが、ラジオで聞いた人はいつも以上に分かりやすかったことでしょう。私も20年来オススメしてきた2大政党制の良さがようやくマスコミの舞台装置としても採用されたことをうれしく感じます。

 

 とはいえ、ねじれ国会に対応する城島光力・民主党国対委員長はまず、「(衆院での)一体改革特別委員会の設置に関する国対委員長会談を与野党全党に呼びかけてあす16日(月)に開きたい」として、中小政党への配慮を冒頭から忘れませんでした。

 そして、北朝鮮問題について、岸田文雄・自民党国対委員長が「予算委員会での集中審議と安全保障委員会での一般的質疑を要求する」とすると、城島さんは「外務委と安保委で対応したい」とかわしました。予算委集中審議(予算の執行状況の調査)はNHKテレビ・ラジオ入りが通例なので、城島さんはこれをさけたものです。

 (衆院での)一体改革特別委員会の設置について、岸田さんは「我々としては国会において充実した議論をするためには、しっかりと協力しないといけないと思っています。前向きに対応したい」と述べました。特別委設置は衆参とも本会議での会期ごとの議決によりますので、2大政党が合意した現時点で設置は確実となりました。

 一体改革特別委の「陣立て」について、岸田さんは「ただ、一体改革特別委での付託議案については、民主党からは事前に来ているリストには、年金関連、子育て関連、税制関連、マイナンバー関連の重要法案を10本以上並んでいる。 これだけ重要法案が並んでいる委員会は国会において前例がない。なかなか大変だな、しっかり準備しておかないといけない」と語りました。マイナンバーは古川元久・内閣府特命担当大臣の担当ですから、現時点で、岡田克也副総理、小宮山洋子厚労相、安住淳財務相らは連日出席。さらには総務省政務三役や文科省政務三役の出席も必要になりそうです。でも、やるしかないでしょう。

 そして、素晴らしい言葉が飛び出しました。

 自民党国対委員長の岸田さんは「民主党と自民党の大きな違いは、使い道について(のみであり、一体改革の必要性には賛成)だ。民主党が自民党の案を丸飲みすれば、自民党が(一体改革関連法案に衆参で)賛成するのは当たり前のことだ」 としました。これで一体改革関連法案の今国会成立が極めて有力となりました。もちろん丸飲みはできませんが、衆院段階での民自の修正協議が注目されます。岸田さんは続けて「そのときに、党首会談が必要になってくるか、しっかり見ていきたい」と語りました。これは一体改革関連法案の成立と引き替えに衆院を解散する「話し合い解散」を求めたものです。

 調べてみたところ、岸田委員長は広島1区選出という縁もあるのでしょう、宏池会(池田派→宮澤派→古賀派)の所属で、谷垣禎一総裁と同僚のようです。谷垣総裁の任期切れとなる9月前に衆院を解散してもらうことを念頭に置いているのでしょう。NHK解説委員の島田敏男さんの「話し合い解散ですか」という鋭いつっこみに、「あらゆる可能性を排除しません」とし、話し合い解散の意向を事実上認めました。

 本日天気晴朗なれども波高し。この岸田委員長は9月の総裁選をねらう石原伸晃幹事長、町村信孝清和会長、林芳正・参院自民党幹部らとどういうパワーバランスが党内にあるのか分かりません。ただ、谷垣さんと岸田さんはステイツマンだと感じます。

 2大政党が力強く未来への責任を果たさなければいけません。

 私は社会保障財源の安定確保のための税制抜本改革の消費税法改正法案をはじめとする一体改革関連法案は衆院で修正のうえ、今国会で可決・成立することに99%以上の自信と確信を先週辺りからもっています。私たち有権者も社会保障(年金、医療、介護、子育て)をしっかりと勝ち取らねばなりません。

 どうやら歴史に残る伝説の国会になりそうです。2大政党はとにもかくにも突き進むしかありません。100年先まで議事録を残すチャンスです。そして2大政党の修正実務者は大挙して参議院に乗り込み、どんどん答弁しましょう。突き進め。しっかりとした陣立て、一緒に走りながら考えるメンバーの厳選は必要ですが、とにもかくにも突き進め。転んでもいいから。志と能力のある政治家の背中は、有権者は必ず見ています。前へ、前へ、前へ。一体改革は今国会で必ず実現します。

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