ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

鳩山首相がやっと指導力を発揮 福島国務大臣を罷免

2010年05月28日 20時44分57秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 鳩山由紀夫首相は28日、福島瑞穂・内閣府特命担当大臣(社民党党首)を罷免しました。鳩山内閣の閣僚が辞めるのは、昨年末の藤井裕久・財務大臣以来。閣僚の罷免は、郵政解散当日(2005年8月8日)に小泉純一郎首相が島村農相が「解散に反対する」として提出した辞表を突き返して罷免して以来、5年ぶりで現行憲法下5人目。

 明治憲法下では、首相は、内閣の同輩中の首席とされ、太平洋戦争下では陸軍大臣が辞任すると、内閣も総辞職に追い込まれ、陸軍主導政治を招いたことから、戦後の日本国憲法では、理由を問わずに辞めさせることができるようになりました。

 福島大臣の「消費者担当」は、内閣府設置法で必置(必ず置かねばならない)と定められていることなどから、平野博文官房長官が兼務することになりました。

 今後の焦点は、社民党が連立に残るかどうか。仮に社民党が連立維持を臨んだ場合は、辻元清美・国土交通副大臣を中心に、新しい社民党議員の大臣を入れることになりそうです。

 昨年12月以来、「普天間問題」を散々振り回してきた社民党。鳩山首相の決断は、あまりに遅い物でした。5ヶ月の時間の浪費。そして、本土復帰以来、最高潮と思われる「本土から差別されているのではないか」という沖縄の意識。その決断力の遅さで失った物はあまりにも大きいです。

 一方、「忠義の家臣」として総理を支えてきた岡田克也外相と北澤俊美防衛大臣。岡田外相は、「福島罷免」に先立つきょう午後2時半から記者会見し、「私は昨年12月に県外移設は難しく、嘉手納統合案(が現実的だ)と申し上げてきた」「海兵隊は即応力が要るので、沖縄にいなければならない」と述べ、総理と社民党を突き放しました。

 私自身、沖縄訪問歴3回、うち1回は橋本龍太郎総理に同行。そして、沖縄本島中の基地やその自治体を見て回り、平和の礎(いしじ)は、「あ」から「わ」まで全員の名前に目を通した経験があります。そして、また、アメリカと太平洋を愛して生きてきました。平和と沖縄と日米同盟を愛する一人として、鳩山さんの優柔不断ぶりは極めて残念だし、軽蔑します。

鳩山首相、福島消費者相を罷免 辺野古移転の反対めぐり(朝日新聞) - goo ニュース

 鳩山由紀夫首相は28日、連立政権を組む社民党党首の福島瑞穂・消費者担当相を罷免した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移転先を同県名護市の辺野古周辺とする政府方針に、福島氏が応じなかったため。

岡田克也さん「緊縮財政」でも2億4249万円の資金力 昨年分、先陣を切って公表

2010年05月27日 23時13分28秒 | 岡田克也、旅の途中

 外相で民主党三重3区選出衆院議員の岡田克也さんの昨年2009年(平成21年)暦年の政治資金収入額は、2億4249万5636円(前年からの繰越金含む)となり、指折りの資金力を見せました。総務省収支公開室の9月中旬の公開を4ヶ月先がけて、自らのホームページで26日、公開しました

 岡田さんの総務大臣届出政治資金管理団体の「岡田かつや後援会」の収入は1億6054万円(前年からの繰越金5564万円含む)、「民主党三重3区総支部」の収入は8195万円(同2658万円)。しめて2億4000万円と指折りの資金力を見せました。岡田さんが代表を務める政治団体はこの2つしかありません。以前は数団体ありましたが、政治とカネの透明性を確保するため、2つにまとめています。

 2009年分の政治資金収支報告書の概要を自らのホームページで公開したのは、全国会議員(前衆院議員ら含む)中、岡田さんが初めてとみられます。

 カバンの中身をのぞいてみると、「岡田かつや後援会」は前年度からの繰越金5500万円を含めて、1億6054万0867円を集めました。

 「民主党三重県第3区総支部」は、繰越金2658万円のほか、民主党本部・県連からの交付金を入れて8195万4769円の収入となりました。党本部からは1500万円入っていますが、これは第45回総選挙があった年なので、例年より厚めだと思われます。

 気になる個人・企業・団体献金。

 「岡田かつや後援会」への個人献金は49人から546万円、「総支部」には50人から980万円がありました。

 政治資金規正法では、企業・団体献金は「総支部」のみ認められていますが、「総支部」には、法人276社から2466万円、政治団体10団体から215万円が入っています。

 政治資金パーティーは全国5会場(三重県四日市、県都・津、名古屋、大阪、東京)で、8886万円。例年に比べると少なく、やはり不況が影響したようです。

  このうち高額寄付者の名前は、9月中旬以降、総務省のホームページで出てくると思います。例年ですと、ニトリの社長さんや日清食品の社長さんが「岡田ファン」であることがうかがえます。 

 政治資金収支報告書は3月末日までに仕上げて、総務省政治資金課に提出することになっていますが、「岡田かつや後援会」はいつも3月上旬に早めに仕上げています。

 岡田さんのように、自らホームページで公開している議員はマレで、総務省選挙部収支公開室のホームページですと、9月末にならないと出てきません。ですから1月1日の収支ならば、1年8ヶ月間待たないと、国民にディスクロージャーされないことになり、政治行動の透明化という観点からは極めて遅れています。

 総務省ではなく、各県選挙管理委員会に届け出ることもでき、その場合県庁に行くか、県の公報を購読する必要があります。

 例えば小沢一郎氏ならば「陸山会」以外にも、「くらしと政治研究所」「小沢一郎政経フォーラム」などの複数の政治団体を持っており、その中で、お金を循環させ、国民に見えにくくすることも可能です。

 岡田さんは、節約家で、実力政治家に多い「外事務所」(そとじむしょ)もありませんし、選挙区内の事務所も1つだけです。地元の私設秘書の数は、比較的多い傾向はありますが、働き者で知られます。

 このため2009年は、5月に代表選、9月に衆院選があったにもかかわらず、「後援会」で4744万円、「総支部」で3639万円をことしに繰り越せたようです。

 こういった蓄積があるうえで、岡田さんは「企業・団体献金は今後禁止」と言っているわけで、与党になったばかりの政権成金議員は「ふざけんな」と思うでしょう。しかし、岡田さんにしても、パーティー収入などに不況の影響が感じられます。

 岡田財政を見ていると、「もう右肩上がり経済にはならないのだから」という緊縮財政の思想があるように、私には感じられます。ちょうど享保の改革のようにね。それは、日本の国家財政にも同じことが言えるでしょう。


“最高峰の討議”として、ニコニコ動画が「国会生中継」を開始、初日から5000人が視聴

2010年05月25日 17時49分05秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 閣議は火曜日と金曜日に開かれます。ですから、火曜日と金曜日のニュースでは、閣僚のいろいろな発言が報じられます。

 先週の21日(金曜日)、ニコニコ動画の「ニコニコ生中継」(http://live.nicovideo.jp/)を見ました。ご存じのように昨年9月、外務省の正副大臣定例記者会見がオープン化され、株式会社ニワンゴが運営する「ニコニコ生中継」では、視聴者からの質問を読み上げています。私なんかは、日経記者として、いろいろな記者会見で総理大臣はじめ質問してきた経験がありますが、このニコニコ動画さんの取り組みはまさに画期的で、質問が取り上げられ、岡田大臣から答えてもらった人は、ホントウにうれしいだろうと思います。国民が民主党政権に期待した「ディスクロージャー(政府の情報の公開と国民との共有)」の象徴的存在です。

 さて、21日のニコニコ生中継は、もちろん、「事業仕分け」にたくさんお客さんが集まっていたのですが、よくみると、「衆議院国会生中継・経済産業委員会」という番組が放送されていました。


 

 写真のように、直嶋正行経産相に対する一般質疑に、民主党の新人、高邑勉さんや、元経産副大臣・IT大臣の自民党・高市早苗さんとの質疑が放送されていました。そして、視聴中に、「来場者数(ニコ動で言う視聴者のこと)」がナント5000人を突破しました。バブル崩壊後、衆院経産委がここまで注目されたのは初めてではないでしょうか。

 で、「あれ?いつからこれやっているんだろう」と思って、株式会社ドワンゴにメールで問い合わせました。大変迅速に回答をいただきました。伸びていく途上にある会社というのは、現場の社員にしっかりと責任を持たせているので、役職者の決済を待たずに回答できるんですよね。会社へのアイデンティティも高いし。同社は先日黒字化したということで、それを感じました。

 以下、私とニコニコ動画の広報さん(株式会社ドワンゴ・ニコニコ事業推進本部)との一問一答。

 (問い)衆議院国会生中継を始めたのはいつからですか?

 (答え)きょう、5月21日からです。

 (問い)この映像は、どのようにして放送しているのですか?

 (答え)衆議院サイドより、映像ソースを頂いて、インターネット配信を行っています。

 (問い)参議院は?

 (答え)是非取り組んでいきたいと思っておりますが、現在のところは未定です。

 (問い)なぜ「衆議院国会生中継」という番組を始めたのですか?

 (答え)[大臣記者会見、事業仕分けなどの]政治系の生放送内で、ユーザーさんからコメントリクエストが多数あり、会見や事業仕分けの中継という経緯があるなかで、最高峰の討議の場である国会の中継を行うことは大変有意義なことだと考えたため。

 (問い)「衆議院国会生中継」のコンテンツとしての魅力は?

 (答え)やはり国会は最高峰の討議の場ですので、ニコニコ動画を通じて、編集を一切行わない生放送にてありのままの事実を放送すること、「ニュートラルな議論の場」を提供することに意義があると考えています。そのような場を提供することにより、若者・ニコニコ動画ユーザーの、政治に触れる機会やコメント等でのリアルタイムなコミュニケーション、意見交換する機会が増え、結果的に関心をもつ人の増加や政治に対する意識改革に繋がっていくのではないでしょうか。

 以上です。

 最高峰の討議の場とのことですよ、センセイ!

 技術的なことはよく分かりませんが、衆議院TVよりも、映像がキレイなんですよね。それと、コメントを入れながら見られるので退屈しない。もちろん、衆議院TVなら、その日の委員会をすべて(議院運営委員会を除く)見ることができる利点があります。

 自分なんかもその辺錯覚しないようにしないといけないのですが、国会議事堂に直接行くというのは、東京周辺に在住していないとムリです。言うまでもなくニコ動なら、全国の300選挙区どこに住んでいても見られるわけで、このニコ動の取り組みは、ホントウに政治を変えると思いますね。画期的です。

 昨日、小沢一郎氏が一年生議員に関して、「最近の民主党若手は自分が天下国家を動かしているようなことばっかり言うけれども、そんなのを信用する奴がいるか」「私は田中角栄先生に『天下国家は逃げやせん。地元の有権者をしっかりととらえるのが若い議員の仕事だ』と言われて育った」と発言したそうです(MSN産経)。

 小沢氏が言っていることは半分正しいとは思います。しかし、この日の高邑勉さんのように、国会でしっかり質問している姿を見せれば、インターネットで300選挙区どこでも見られますから、それ自体が日常活動になります。もちろん地元をしっかり回って“取材”した方が、国会で良い質問ができることはいうまでもありません。

 小沢さんは、「インターネット」と「歳出の右肩下がり」という2つの時代の変化をまったく読めていないですね。入れ知恵してくれる人もいないようだし。

 時代遅れなんだよ、小沢さん!!

 世の中暗い顔した人が多いですが、「インターネット」のおかげで政治の世界では、本物がより早くそれにふさわしいポジションにつき、そして偽者がより早く消えていく時代になりました。主権者である私たち国民にとっては願ってもないチャンスです。

 欧米各国の大統領・首相の年齢をみてもそれは明らかです。もちろん、より早く消える運命にある偽者は、必死に小沢さんにすがるしかないわけですが・・・近い将来、小沢さん自身が消えちゃうかもしれないね。

 ニコニコ生放送(http://live.nicovideo.jp/)は会員登録をすれば無料で見ることができます。

 ちょっとくどいですけど、この流れは昨年9月の岡田克也さんの外相定例会見オープン化から始まったと言うことを、書き残させていただきます。

「福山・岡田」地球温暖化対策法案がついに衆院を通過

2010年05月18日 22時37分02秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導


 【2010年5月18日 衆院本会議】

 2008年6月5日、東京・西銀座の時事通信ホールで開かれたシンポジウム老若男女で溢れかえりました。急きょしつらえらた別室でモニター中継で見守る人々。

 野党・民主党の地球温暖化シンポジウム。司会は岡崎トミ子さん、コーディネーターは福山哲郎さん(京都選挙区=改選)、パネリストの中には岡田克也さんの姿が・・・。

 
[写真]人で溢れかえった2008年6月のシンポジウム=民主党ホームページ。

 その前日、野党民主党の参院議員たちが事務総長に法案を提出しました。地球温暖化対策基本法案です。

 

[写真]地球温暖化対策基本法案を提出する、岡崎トミ子、福山哲郎・参院政審会長、直嶋正行・政調会長、(参院事務総長を挟んで)、増子輝彦、前田武志の各参院議員=2008年6月4日。

 これに先立つ2008年1月、民主党は幹事長直属の「地球温暖化対策本部」を設けました。本部長は岡田克也副代表、事務局長は福山哲郎さんでした。

 執行部を外れ、全国遊説をしながら、じっくり充電していた岡田さんは、ある日映画館で、アル・ゴアさんの映画「不都合な真実」を見て、ビックリ仰天。

 かねてから環境問題をライフワークにする福山さん、岡崎さんらと組んで、わずか半年で法案をまとめました。

 その内容は、排出権市場を創設し、二酸化炭素などの温室効果ガスを、

2020年までに、1990年比25%削減する

 という野心的な目標を含むものでした。

 しかし、2008年通常国会、2009年通常国会とも廃案となりました。まあ、野党ですから・・・

 2009年8月30日、政権交代。

 岡田・福山コンビは、外務省で大臣・副大臣としてコンビを組みます。そして、政権発足直後の国連総会にあわせた気候変動枠組み条約の会議で、鳩山由紀夫新首相が世界に向けて高らかにアピールしたのです。

 さて、第174通常国会で、閣法として、提出されました。排出量取引に関しては、経団連に限らず、連合内(基幹労連)からも異論が出ましたが、小沢鋭仁・環境相ら政務三役が様々な利害関係を調整し、閣議決定にこぎ着けました。衆院環境委員会では、重要広範議案として、鳩山首相も出席しました。

 5月18日の本会議では、気象予報士である民主党の斎藤やすのりさんが「ことし3月の地球の平均気温は過去最高だった」「審議を引き延ばしている場合ではない」「環境政策の失われた20年を作ったのはあなたたちだ!」と絶叫。一方、通産官僚出身の自民党の斎藤健さんは「経済あっての環境だ」と批判。

 法案提出のときには、新聞記事にもならなかった「福山・岡田法案」が、政権交代という国民の選択により衆院を通過しました。参院環境委員会での審議を経て、今国会に成立することは確実な情勢です。

 あまり注目されていませんが、世論調査では「地球温暖化対策」は関心がある政策事項のトップ3に入ります。

 それにしても、岡田さんってホントウに変人だなあ、と思います。だって、通産省出身だし、野党時代から経団連内に「囲む会」を持っているんですよ。通産省では、第2次オイルショック(1979年)のときに、石油の配給切符を作っていたという筋金入りの“石油族”なのに・・・

 岡田さんが外相になって以来、衆院では斎藤さん、町村信孝・元外相、参院では川口順子元外相・環境相といった通産省の先輩後輩が岡田さんを攻めることが見受けられました。そこに、すさまじい石油利権や製造業利権が見え隠れしました。

 通産省のキャリアは、その職歴の多くを、資源エネルギー庁など石油関連で歩みます。通産省が岡田さんをハーバード大学に研究員として1年間派遣したのも、石油関連の人脈を作らせるという意味合いも含んでいたんだと思います。

 さて、COP16に向けて、日本主導の環境外交は、どうなるか。ボールは外務省政務三役に投げられました。これからがスタートです。

 岡田さんはこの法律の目的を、「炭素に色を付けるんだ」と説明しています。日々の生活の中でも、CO2排出量に関心を寄せるという生活の中で、「環境と成長が成立する低炭素社会」を実現し、かけがえのない地球を残していきましょう。


北澤俊美防衛相「長野県はちょっと変わってましてね」の意味とは?

2010年05月18日 06時53分46秒 | 素晴らしき新生党保存会


【参院外交防衛委員会 2010年5月13日】

 国会審議では、「お国自慢」は控えめな方がいいのですが、北澤俊美(北沢としみ)防衛大臣が一風変わったお国自慢をしました。

 北澤防衛相は、7月11日ないしは25日投票が予想される、第22回参院選に長野選挙区に民主党公認で立候補する予定です。

 テレビでおなじみ自民党の山本一太さんが「5月8日、大臣が長野市におられるときに、そこの会合でこう言っています」として記事を紹介しました。

 これは、沖縄に偏っているヘリコプターの訓練を日本全国(の自衛隊基地)に散らし、沖縄のみなさんに『(負担が)半分減った、4割方減った』と実感してもらえる案を防衛省としてつくっています、という趣旨の発言です。

 一太さんは、これを「普天間移設断念」という言質にしたかったのでしょう。真意を問い質しました。

 これについて、防衛相は「これは私の昔からの後援会のみなさんがたの農村部での会合での発言です。で、長野県っていうのはちょっと変わってましてね」と異例の答弁。大臣が自らの選挙区を「ちょっと変わっている」と発言し、委員会室がざわめきます。

 長野県はいったい、何が変わっているのでしょうか?

 「長野県というのは、私が概括的なことを申し上げますとね、後に一杯会(飲み会)が控えていても、かなり多くの質問が出るんですね。で、『もっと分かりやすく話してくれないか』と。というような(雰囲気の)中で、『沖縄の負担が軽減されるということの意味はどういうことなのか?』と問われたんで、それはまず第一義的に、普天間の返還である。それに加えて、沖縄に(日本の米軍)基地の74%が偏在している、ということからすれば、総理の思いは、さらにこれを軽減して、全国で分かち合いたい。沖縄に、外来機がやって来て訓練しているということは、全国の国民に認識されていない。そのなかで、仮に言えば、沖縄の中で『飛行機の数が30%減ったな、いや40%減ったんじゃないか』という軽減策は国民に分かりやすい。そういう一つの事例として、申し上げたところです」と答弁しました。

 つまり、国政を預かる議員として、地元有権者にかみ砕いて説明したのであり、それを基にした新聞記事を使って、質問しないでほしい、との趣旨の答弁です。

 山本一太さんは「防衛大臣、何言ってんだかちょっと分かりません。お話をされたところが農村部だろうと、都市部だろうと(関係ありません)。私の後援会でもいっぱい質問が出ます」と言い返しました。

 民主党王国・長野県と、その隣県である自民党王国・群馬県。ちょっと不毛なお国合戦です。

 これに対して、北沢防衛相は、「田舎だの、都市だのと言葉尻をとらえておっしゃいましたけど、私が言った場所がそういうところだと分かりやすく言っただけで、そういうことで、まるで私が都会と差別しているような話をしないでください。そこで、総理が『全国民で分かち合いたい』と言っているわけですから、防衛省としていろいろな案を作るのは当たり前です」と述べました。

 ちなみに新生党結党メンバーの1割と、新党さきがけ結党メンバーの2割は長野県選出議員なんですよ。長野県が、政権交代ある二大政党制のリード役になったことは間違いありません。

 りんごと二大政党・長野県。

 仮に余命が1日なら、きょう、りんごの木を植えたい。子孫のために。そういう考え方が農業県であり、山国である長野県には根付いています。そのため、議論好きで政治意識が高いとされています。

 ちなみに、私の祖母は政談演説会では常に最前列に座ることで有名人だったそうです。このエピソードは家族も知らなかったそうですが、地元選出で閣僚を務める政治家が証言しているそうです。大正生まれの祖母は「自民党の小坂憲次さんの政策・実績ではなく、衆議院の議席を小坂家が世襲しているということ自体が問題であり、小坂家の世襲を断ち切るべきだ」という考え方を持っており、それは慧眼だったと思います。その夢が実現したのは、2009年で、他界してから7年後と遅れてしまいました。

 この5月8日の発言の後に、東京新聞投書欄に「沖縄の基地が全国ベースになってきた」という言葉遊びが載りました。

 基地(ベース)というハコ物ベースで議論するのでなく、部隊や人数の運用ベースで議論する。さらに言えば、日米同盟のあり方、専守防衛のあり方にまで議論を格上げする。いわば「北澤イニシアチブ」と呼んでもいい、ひとつの議論の材料だと思います。政府としての具体案はなかなかできてきませんが、沖縄の心の痛みを全国ベースで分かち合おうとする世論が、ようやく、やっとですが、出来つつあります。


「民主党議員は腑抜け」 生方副幹事長が指摘

2010年05月18日 05時37分30秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 民主党副幹事長の生方幸夫さんが17日、ブログを更新し、小沢一郎幹事長について、「潔白を証明したいというのであれば堂々と証人喚問に応じるべきだ」と主張しました。

 さらに世論調査で鳩山内閣支持率が20%前後になっていることについて、「このまま党内から大きな声が上がってこない限り、鳩山・小沢体制で参議院選挙に突入してしまう」→「そうなれば世論調査の結果どおりになってしまう」→「ねじれ国会の再来」と予想し、第22回参院選で与党3党が過半数割れに追い込まれるとの見通しを示しました。

 第22回参院選(7月11日、25日あたり投票か?)の改選121人のうち、与党3党の当選者が54人を下回ると、「ねじれ国会」になります。

 「政権交代をして政治がいい方向に大きく変わるだろうと期待した国民に対して、これでは本当に申し訳ないと思います」と謝罪しました。ホントウにその通りまったく同感です。

 そのうえで、「いつから民主党の議員はこんな腑抜けになってしまったのでしょうか。残念でなりません」

 と結びました。

 経済評論家としての多数の著作のある生方さんだけに説得力があります・・・というか、生方さんが代議士会など公開の場で小沢一郎氏の面前で言ってほしいんですが。そうすれば、一部で、「生方宰相待望論」も出てくると思われます。

【生方幸夫さんのメールマガジン】

(引用はじめ、全文引用)

党内から声が上がってこない
5月17日(月)
 またまた日があいてしまって申し訳ありません。
 一昨日、小沢幹事長が検察の三度目の事情聴取に応じました。また、国会の政治倫理審査会に出席することも了承したとのことです。検察は早めに再捜査をして再度不起訴にして、検察審査会に戻す予定のようです。二度目の検察審査会がどうなるか分かりませんが、一度目の結果をだした審査員が6名残っているので、同じ起訴相当という結論になる可能性が高いと思います。
 また、政倫審は公開になるのか、非公開になるのかが一つの焦点です。私はもちろん公開にしなければ意味がないと思います。ただ政倫審では本当に国民の皆様に納得をしてもらうのは不可能でしょう。潔白を証明したいというのであれば、やはり堂々と証人喚問に応ずるべきだと私は思います。
 今日の朝日新聞や毎日新聞の世論調査によると、またまた内閣支持率も民主党の支持率も下がりました。普天間を巡って鳩山総理の発言は相変わらす迷走を続けていますし、小沢幹事長も柔ちゃんを参議院選挙に担ぎ出すなど、相変わらず選挙至上主義でやっておりますので、支持率が上がらないのも当然でしょう。
 このまま党内から大きな声が上がってこない限り、鳩山・小沢体制で参議院選挙に突入してしまう可能性が高いと思います。そうなれば世論調査の結果どおりになってしまいます。またまたねじれ国会の再来ということになります。
 折角、政権交代をして政治がいい方向に大きく変わるだろうと期待した国民に対して、これでは本当に申し訳ないと思います。きちんと党と政府の体制を立て直して、国民の負託に応えなければなりません。いつから民主党の議員はこんな腑抜けになってしまったのでしょうか。残念でなりません。

恒三さん、「『沖縄県外移設は公約でない』と私が言うべきだった」と反省

2010年05月09日 06時52分57秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 「イチバン強い人(小沢一郎氏)に憎まれたら、お金の面でいじめられるんじゃないか。いろいろあってね、国民の声を堂々と言えない状態」だが、「連休中に若い諸君が選挙区で話を聞いてきて、やっぱり、俺は国民の代表だと言って、そんな目先の(小沢氏は)恐ろしいだの、(一新会に)いじめられたら困るだの、一切考えないでね、思ったことを言ってくれて、民主党が明るく活力ある政党になることを願っています」

 民主党前最高顧問の渡部恒三さんが9日朝、TBS時事放談に出演しました。普天間基地の「県外移設」をめぐる政府・民主党の混乱について、司会の東大教授、御厨貴さんが「鳩山首相の釈明の仕方が下手ではないか?」とたずねました。

 恒三さんは、「国民のみなさんに知っていただきたい」と切り出し、民主党のマニフェストには、「県外移設」とはヒトコトも書いていないことを強調しました。

 そのうえで、「鳩山君が演説で言っちゃったことは、間違いないんですね」と認め、善後策として、「別の者が、小沢君なり私なりが、『あれは鳩山君が沖縄で演説したけれども、民主党の公約にはなっておりません』と言えば、国民のみなさん、沖縄のみなさんにも理解していただけたのに」と述べ、総選挙中ないしは政権交代直後に、自らが軌道修正すべきだったと反省しました。

 共演した元自民党衆院議員(官房長官)の塩川正十郎さんは、「それはねえ、民主党の代表でしょう。自民党で言えば総裁、社会党で言えば委員長ですよ。これが言って、党と関係ないという無責任なことはないですよ」と恒三さんと首相を批判しました。

 5月4日、沖縄で、鳩山さんが「抑止力と知らなかった」と発言したことについて、恒三さんは、「国会議員でイチバン勉強していないのは私なんですが、私でも、沖縄の米軍基地がアジア太平洋の抑止力なのは知っていましたからね」と述べ、鳩山首相をたしなめました。

 小沢一郎幹事長について、「小沢さんに辞めてもらうのはお前の務めだ、と地元だけでなく全国でも言われている」として、小沢辞任待望論が恒三さんの下に寄せられていることを吐露しましたが、

 「申し訳ありませんが、私、小沢さんを辞めさせるだけの力はありません」と語りました。

 そのうえで、「鳩山君が代表で、小沢さんを幹事長に指名したんだから、鳩山君が小沢さんを呼んで、『あなた辞めてください』と言ったら辞めるしかない」と促しました。

鳩山首相が沖縄で「海兵隊知らず」と未熟さのディスクロージャー

2010年05月04日 21時55分29秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導


 私が民主党をずっと支持しているのは「政権交代可能な二大政党政治を日本に根付かせたい」からです。これは4年に1回かそれ以上の時間軸で考える大目標です。

 では、その4年より小さい単位で目標にしているのは、「ディスクロージャー(情報の公開や共有)のある日本政治・社会の実現」です。

 野党時代から知っている民主党議員が政務三役になるとともに「政権成金」さながら、ディスクロージャーとは反対に、エンクロージャーというのでしょうか、情報や権限を囲い込む姿に、人間としての悲しい性を感じます。

 さて、鳩山政権の命運を左右しかねない「普天間問題」で、鳩山さんは5月4日、首相として初めて沖縄を訪問。午後6時過ぎに、報道陣に、答えました。

 その中で、

①「最低でも県外移設」とした総選挙当時は、なぜ米軍の海兵隊が沖縄に存在しなければいけない理由を知らなかった。

②その後に、沖縄に海兵隊が存在することで、日本とアジア太平洋地域の(平和を構築する)抑止力が生まれていることを知った。

③学べば学ぶほど、全体(陸海空軍と海兵隊の4軍という意味?)の中で連携しており、海兵隊だけを沖縄県外に移設しようという発想自体がおかしかった。

 と認めたと思われる発言をしました。(総理の発言原文は下に付けたニュースを参照してください)。

 そのうえで、

 「それを浅かったと言われれば、あるいは、その通りかもしれません
 
と、「未熟さのディスクロージャー」をしました。

 もっと早くしてほしかったですね。

 私は、4月21日の党首討論で、鳩山さんの発言に首をひねりました。次のようなヒジョーに不可解な答弁がありました。

 「私は、海兵隊を海兵隊のみでとらえるのではなくて、当然のことながら、これは航空の部隊もあるわけでございます。いわゆる空軍も存在をしております。いわゆる嘉手納、あるいは横須賀には今度は海軍がいるわけでありますが、すなわち、こういったトータルの中での抑止力の中で海兵隊の果たす役割というものは大きく存在をしているという意味で申し上げたつもりでございます。」

 この総理の発言は、
「海兵隊のみでなく」→「海兵隊の航空部隊」→「空軍」→「嘉手納の海軍」→「横須賀の海軍」

 の存在を考慮しています。まるで伝言ゲームのようです。そして、4軍の中で、「陸軍」の名前が出てこない。海軍については、沖縄県外から「横須賀(神奈川県)」の名前が出てくるけど、「佐世保(長崎県)」は出てこない。

 これは総理の太平洋全体における米軍、および、同盟国(日本・韓国・豪州など)の抑止力とその役割分担への理解不足をうかがわせるものでした。こういうのは知識を蓄えて、それから議論したりかみ砕いて、世界地図や地球儀をいろいろと見回してはじめて分かってくるものです。

 ここからは、私の意見です。
 
 一時的に、ワシントンの立場に立ってみて、アジア太平洋地域の安全保障を広く考えた場合、海兵隊の存在は沖縄しか、地政学的に考えられないと思います。沖縄県外の東シナ海(鹿児島・長崎県)となると、よく分かりませんが、沖縄県内でも、平野博文官房長官が空からみた与那国島などは、台湾に近すぎてNGだと思います。

 では、国外でグアム島やテニアン島など北マリアナ諸島へ全部移転するのは、これはユーラシア大陸、すなわち朝鮮半島や中国大陸などから遠すぎて、抑止力が少ない。

 そして、陸・海・空軍も含めた4軍全体での沖縄の未利用と思われる軍用地の返還交渉だとか、施設でなく兵員数ベースで、沖縄における米軍プレゼンスの負担解消の10年とか30年とか、そういう中長期的な時間軸での道筋を示したロードマップをつくるべきだと思います。

 また、私は個人的に辺野古に行ったことがありますが、その沖を埋め立てることは一人の日本国民として断乎、反対です。

 沖縄の声が一つになる、ということは実はありません。沖縄に基地があることで、軍用地主が潤っているという構造的な問題があります。

 沖縄の基地は、時間をかけて、徐々に徐々に縮小していくことが大事だと思います。もちろん、政府への信用・信頼が欠かせません。まずはその根っこ作りから始めないと、どうにもならないと、個人的には考えています。

 内政としては、政権交代後の早い段階で、重要課題(agenda)に設定すべきでなかったし、優先順位(priority)も高い話にすべきではなかったと振り返るしかありません。

 とりあえず、5月4日の時点で、鳩山さんが「未熟さのディスクロージャー」をしてくれたのはよかったと思います。政権の先行きに暗雲がたれ込めていますが、仮に倒れるにしても、「未熟さのディスクロージャー」をすれば、前に倒れることができると思います。

FNNニュース: 鳩山首相、海兵隊の役...


沖縄・名護市の稲嶺市長と会談した鳩山首相が会見を開いた。
鳩山首相は、4日午後6時すぎ、「その当時、海兵隊の存在というもの、そのものを取り上げれば、必ずしも抑止力として、沖縄に存在しなければならない理由にはならないと思っていました。ただ、このことを学べば学ぶにつけて、全体の中での海兵隊の役割というものを考えたときに、それがすべて連携をしていると、その中での抑止力というものが維持できるんだという思いに至ったところでございます。それを浅かったと言われれば、あるいは、その通りかもしれませんが」と述べた。
一方、会談を終えた稲嶺市長は、「はっきり県外と言ってほしかった。それがなかったことが残念で、とても心外です」と述べた。


 ◇

【第174回国会 国家基本政策委員会合同審査会 第3号】
平成22年4月21日(水曜日)

(前略)

○谷垣禎一君 総理の論法はいつもそうですね。やはりそういうことが国民に不安を与えていると、こういうことに思い至らないのかと私は不思議に思います。
 もう一回伺いたいんですが、総理は去年以来、先ほどの現行案に対する御批判の中でも、沖縄県民の気持ちということを随分おっしゃっています。最低でも県外、こうおっしゃった。これは今でも生きているんですね。

○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私は、当時、そのように申し上げたことは事実でございます。今でも県外という思いを、少なくとも沖縄の……(発言する者あり)思いは思いでしょう。県外に当然移設先を求めていきたいという気持ちは変わっておりません。そして、当然のことながら、沖縄の県民の思い、思いを十分に理解をさせていただくならば、負担をできる限り軽減をさせていかなきゃならない、そのように感じております。

○谷垣禎一君 総理のこの問題に対するいろんな御認識、私、ちょっと根本的なことを問いたいんですが、普天間が果たしている抑止力、これを一体どういうふうに総理は理解しておられますか。

○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私は、普天間と申しますか、海兵隊の皆さん方が果たしている抑止力、これは、沖縄全体あるいは日本全体として、当然のことながら日本を防衛するという意味での抑止力の役割というものはあると、しかも大きいと、そのように理解をしております。

○谷垣禎一君 沖縄海兵隊の持っている意味について、随分、今の御理解は偏った理解といいますか、中途半端な御理解だと私は考えます。
 沖縄の海兵隊、海兵隊の任務は、海外有事の際に真っ先に駆け付けて、そして非戦闘員の救出であるとか、あるいはその活動拠点を確保すると、こういう任務を負っている。ですから、普天間ヘリ部隊がその中核にこの極東においてはあるわけでございまして、極東、つまりフィリピン以北、それから朝鮮半島、それから台湾海峡、そういったところでの要するに抑止力の中心を担っているのがこの沖縄の普天間のヘリ部隊なんですよ。
 地政学的な、地政学的な位置がだから重要なんです。そのことを御理解かどうかということを私は問うたわけであります。

○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私は、海兵隊を海兵隊のみでとらえるのではなくて、当然のことながら、これは航空の部隊もあるわけでございます。いわゆる空軍も存在をしております。いわゆる嘉手納、あるいは横須賀には今度は海軍がいるわけでありますが、すなわち、こういったトータルの中での抑止力の中で海兵隊の果たす役割というものは大きく存在をしているという意味で申し上げたつもりでございます。

○谷垣禎一君 もう一回申し上げますが、こういう沖縄の海兵隊の果たしている、極東の中で果たしている役割からいって、地政学的な位置付け、そういうものが極めて重要だと。したがって、抑止力を維持していくということをお考えになるならば選択肢は極めて限られている、このことを申し上げたいと思っているんです。例えばグアムに関しては、前も総理御自身がグアムは抑止力の観点から難しいということをおっしゃったことがありますね。
 私は、今いろいろな県外ということをおっしゃったけれども、総理に抑止力というものをきちっと維持していくというお考えがあるのかどうか、そこのところを疑問に思っているんです。

○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 当然のことながら、私は、沖縄の負担の軽減と、しかしながら一方で、日米安全保障の中でのこの海兵隊を含むアメリカの日本においての抑止力を果たしているという、この役割というものは大きいと思っています。
 したがいまして、だから私も、沖縄から余り距離的に申し上げて遠くのところまで海兵隊というものを移すということは物理的に必ずしも適当ではないという中で、選択肢を様々考えていることも事実でございます。

○谷垣禎一君 いずれにせよ、総理の御答弁を伺っておりまして、国民あるいは沖縄県民、鹿児島県民、これ以上愚弄してもてあそぶことはもう許されないんですね。
 それから、アメリカの信頼、アジアの信頼、つまり、今の総理の御答弁を我々の周辺諸国は見守っていますよ。朝鮮半島、韓国から御覧になれば、韓国有事の際に沖縄の海兵隊は何日間あれば駆け付けてくれるか、こういうことを考えているわけです。今の総理の御答弁からは、御答弁からはそういうアジア全体のインフラになっているという認識が全くうかがわれない。
 つまり、私が申し上げたいのは、総理のそういう御答弁自身が我々の周辺世界の、日本だけではなくアメリカも含めて、情勢を混迷させている、こういうことにお気付きにならなきゃいけません

○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 全くその御懸念は御不要でございます。
 私は、これは就任早々、東アジア共同体ということを構想しておりますが、その東アジア共同体を構想していく中でも、日米同盟、日米安保というものが大変重要だと。すなわち、日本とアメリカが安全保障でしっかりと結ばれているということが東アジアの国々に安定を与えているというのは、事実として、当然実態として認めているわけであります。そのような考え方の中で、私としても普天間の移設先というものを考えていかなければならないことは十分に理解をしているつもりでございますし、何も沖縄県民の皆さん方を愚弄するつもりはまるでありません。むしろ、沖縄県民の皆様方の今日までの大変大きな御負担を考えたときに、できる限りその御負担を減らすのが新政権の大きな責務ではないか、その思いで努力しているつもりでございます。

○谷垣禎一君 総理がどうおっしゃろうと、この問題をあなたは軽く見たんではないか。これは国民がみんな思っているんですよ。この間、総理は御自分の後援会で、四月十六日です、こういうあいさつをなさっています。普天間なんて皆さん知らなかったでしょう、それがもう国民の皆さんの一番の関心事となるということ自体がやはり何かメディアがいろいろと動き過ぎているなと私は思っておりますと、こうおっしゃっているんですね。この認識ですよ、極めて軽い認識。国民を愚弄し、この普天間の問題が持っている重み、理解しておられないということが如実に表れている。そういうことがこの問題の解決を遠ざけてきたんです。
 しかし、先ほどから、五月きちっとやるとおっしゃっている。今この場で、この場でですよ、今日はテレビでたくさん国民も見ておられる、職を賭して五月にはこの問題を解決すると国民に約束してください。

○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 当然のことながら、私は、一つ一つの政策を実現に向けて、自分自身の覚悟というものを国民の皆さんに示しながら行動してまいってきているつもりでございます。
 したがいまして、今回の普天間の問題に関しましても五月末までと、そのように期限を切って行動をしているところでございます。私も、必ず関係閣僚と協力をしながら最終的な結論というものを五月末までに出さしてもらう、その決意を改めて国民の皆さんに申し上げておきます。

○谷垣禎一君 今私が問うたことは、努力するとか根性を入れて頑張る、こういうことを伺おうとしたんじゃないんですよ。職を賭してやるんだと、こういうことをあなたに覚悟を示していただきたい、日本の政治的リーダーとしてその覚悟を示していただきたい、こういう思いで言ったんです。
 あなたは、我が国が大切にしなきゃならない三つのものを破壊してきたと私は申し上げます。
 まず第一に、今の議論でずっとあるところですが、日米同盟を始めとする我が国の国際社会における信頼、この基礎を完全に掘り崩したと、残念ながらそう申し上げざるを得ません。
(後略)

 ◇

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