【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【衆参の長野の選挙】国民民主党長野県連代表に、竹詰仁参議院議員、電力総連・東電労組組織内

2024年05月08日 18時26分02秒 | 第27回参院選(2025年7月)
[写真]竹詰仁・国民民主党長野県連代表、きょねん2023年9月、党大会会場施設で、宮崎信行撮影。

 国民民主党本部は、きょう2024年5月8日付で、長野県連代表が竹詰仁参院議員に交代したと発表しました。

 大塚耕平代表代行兼政調会長が名古屋市長選をみすえて離党したことで空席となっていました。

 竹詰さんは、東京電力労働組合の中央執行委員長を経て、2年前から参議院議員。千葉県連代表も兼ねており、きょねんの千葉5区補選では、自民女性新人、立憲男性新人のほかに、国民女性新人をささえて3位になりました。統一地方選では、千葉の県議会、市議会や、東京の区議会などで、党勢を大幅に拡大しました。

 長野県では、2016年の平和安全法制以降、「市民と野党の共同候補」路線が早期に定着。当初、県内で、国民民主党の本部代表に名乗りを上げる意見があったため、杉尾秀哉さん一人だけ旧立憲に参加しましたが、新・立憲結党大会には一致結束して、全員が参加しました。その後、70代の安曇野市議会議員男性が1人だけ国民民主党に移籍したので、他県連の掛け持ちの竹詰さんと合計2名となります。

 共産党の田村智子・新委員長(衆・比例東京1位に転出予定)が長野県出身だということは、内外ともほとんど知られていないようですが、新潟県にある東京電力柏崎刈羽原子力発電所の稼働を不安視する声もあることから、野党間の調整が手間取ることもありそうです。

 以上です。

参・憲法審が実質スタートも公明党「衆では緊急事態条項の議員延長を話しているが、参では現行憲法の参議院の緊急集会について話そう」

2024年05月08日 18時06分26秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]西田実仁(西田まこと)公明党参議院会長、おととし、埼玉県内で、宮崎信行撮影。

 岸田文雄さんにとっての黄金の3年間で、総裁選前の改憲発議のシナリオもなくはありません。参・憲法審が実質初めて開かれましたが、きょねん同様に公明党が衆参でいうことが違う現象が、ここでだけ現れ、先行きは不透明となりました。

 5月、6月に追うべき協議体は3つ。(1)皇室制度では額賀福志郎さんら衆参正副議長が与野党の実務者から話を聞く協議体(2)衆参の政倫審と政治改革特別委による政治資金規正法の改正に先立つ鈴木馨祐さんら自公実務者協議体(3)衆・憲法審査会の改憲4党が構想している条文起草委員会ーーとなります。(3)の設置は不透明。1月に提出した逢沢一郎座長の衆議院選挙制度抜本改革の額賀議長直属の協議体は当面先送りになりそうです。もちろん、与党議員は経済財政諮問会議が6月にまとめる骨太の方針の与党審査。

【参・憲法審査会 きょう令和6年2024年5月8日(水)】
 事実上の1回目となります。中曽根弘文会長が示した議題は「憲法に関する考え方」で、衆側にある国民投票法改正を含むの部分は議題から省かれました。

 自民党の佐藤正久さんが「憲法第54条第2項の参院の緊急集会をまず議論して、緊急事態条項を検討すべきだ」という趣旨の頭出しをして、のっけから衆と違う展開となりました。立憲の辻元清美さんは「憲法は総理大臣や国会議員が守る規範だ」として裏金議員の汚れた手で憲法を触るなとする議論の前提が整っていないとしました。

 そして、軽減税率とインボイスで世の中を複雑する公明党の実力者、西田実仁さんが登場。西田さんは「衆では緊急事態条項として議員任期の延長が議論されているが、参では憲法に位置付けられた参の緊急集会を議論すべきだ」と語りました。ちなみに、衆では北側一雄、国重徹両氏が前回までに「緊急事態における国会機能の維持は、これまで活発な議論が行われ、論点はすでに出尽くした感があります。今後は具体的な条文案のたたき台を作成し、それをもとに議論を深めていくべきだ」としており、まったく違う展開です。埼玉4人区で公明1人の楽な選挙で通り続ける西田参院会長、石井啓一幹事長(埼玉14区予定)ら「埼玉組」と、楽でない選挙を続ける北側、国重の大阪小選挙区組との違いで、ちょっと組織の体をなしていないのが公明党の国会議員団というところでしょう。

【参・本会議】
 「防衛省設置法改正案」(213閣法14号)が審議入りしました。立憲の水野もとこさんは「自衛隊法の改正条項では、日独ACSA協定(213条約2号=衆でいまだ審議入りせず)による武器提供が含まれるが、弾薬は含まれるのか」と問いました。ところで、水野さんは立候補した理由で「保育園から学童に移って延長を武蔵野市議会に要望したら意外とすんなり通った」という趣旨のことを話していると思いますが、同僚議員によると、東京大学法学部の同級生である自民党の女性国会議員から平和安全法制による自衛隊員の成り手不足について「私たちのこどもは行かなくていいのよ」と言われたことに反発して国会をめざすようになったとの情報もあります。

【衆・国土交通委員会】
 広島3区の小選挙区議席維持が有力となりつつある公明党の斉藤鉄夫大臣が「都市緑地法改正案」(213閣法18号)を趣旨説明して、次回質疑することになりました。

 なお、「高齢者住宅セーフティーネット法案」(213閣法52号参先議)の審議入りは見送られました。さらに「建設業法改正案」(213閣法51号)も審議入りが見送られています。公明党は建設業法改正をえさに公明新聞にすら非公開で関係業者だけを集めた政治資金パーティーを繰り返し開いてきました。213閣法51号の審議入り遅れは、野党側になんらかの思惑があるのかもしれません。

【衆・法務委】
 「入管難民法改正2法案」(213閣法58号・59号)の審議に先立ち、立憲民主党の階猛さんが「立憲対案」(213衆法10号)を趣旨説明し、3案が同時に質疑されました。2年連続の入管審議のきっかけとなった、古川禎久元法相のおととしの勉強会の法案への反映を野党議員が確認しました。

 ちなみに、古川さんの宮崎3区はいまだに他に名乗りを上げる人がおらず、立憲民主党の新人・渡辺創さんが前回当選した1区、国民民主党の長友慎治さんが健闘し比例復活した延岡など2区とで県内すみわけムードとなっているようです。
 それはさておき、法制審議会は共同親権と同じ日に「刑事訴訟デジタル化法案」と「区分所有法改正案」の要綱を決定して国会に「提出を検討中だ」と報告していますが、延長がない限りは、法案提出はなさそうです。

【衆・農林水産委】
 「食料供給困難事態対策法案」(213閣法27号)「農地法や農業振興地域整備法などの改正案」(213閣法28号)」、そして「スマート農業技術法案」(213閣法48号)の対政府質疑が続きました。なお、48号について、きのう、参・農水委が散会後に栃木県を委員視察しました。ところで、農水は「漁業法及び特定水産動植物の国内流通の適正化等に関する法律の改正案」(213閣法49号)が審議入りしていません。

【衆・外務委】
 本会議での代表質問を経て付託された条約承認案「GIGOグローバル戦闘機航空プログラム政府間機関設置条約」(213条約1号)が審議入りしました。上述の内容を含めて合計4議案がまだ審議入りしません。4議案は日独ACSA・日クロアチア航空・日ブラジル刑事共助・日オーストリア社会保障で、当初会期内での衆参議了は絶望的な状況となっています。

【衆・内閣委】
 「公益法人法改正案」(213閣法44号参先議)と「公益信託法案」(213閣法45号参先議)が審議入りしました。

【衆・財務金融委】
 知的財産権など動産担保の「事業性融資の推進に関する法律案」(213閣法57号)が鈴木金融相から趣旨説明されました。

【衆・厚生労働委】
 「再生医療安全性確保法改正案」(213閣法41号)が審議入りしました。

【衆・地域こどもデジタル特別委】
 一般質疑で地ならし。登壇議案ラストとなる「日本版DBS法案」(213閣法61号)が本会議で審議後に、こちらの委員会に付託されることになると思います。

【参・決算委】
 定例日は月曜日と水曜日です。令和4年度決算案の省庁別審査4回目、財務、経済産業省、金融庁、政策金融機関でした。

●あす(5/9)午後4時頃からは、参議院内閣委員会で重要広範議案セキュリティークリアランスの対総理質疑。3年前の総裁選をたたかった、岸田文雄、高市早苗両氏が席を並べます。

以上です。