ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

江田議長「国会も“事業仕分け”のように透明で国民に分かりやすくしたい」

2009年11月30日 22時01分34秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
 参議院の江田五月議長は、「江田五月新たな出発」や「江田五月メールマガジン第918号で、

(引用はじめ)

 政府の行った「事業仕分け」のように、国会の動きも透明で国民に分かりやすいものにしたい。

(引用いったん終わり)

 との考えを表明しました。

 きょうの参院本会議は先着順の傍聴券が札止めとなりました。中小企業融資や住宅ローンの条件変更がしやすくなる「中小企業者など金融円滑化法」、新型インフルエンザ予防接種の費用を軽減する「新型インフル法案」など17法案を可決しました。条約の承認や、主要な国会同意人事もありました。

 とはいえ、最終日にいっぺんに可決したため、国民の関心が分散されてしまいました。こういった「料理の盛りつけ」は、自民党は上手すぎて困るし、民主党は下手すぎて困ります。

 参議院の責任者として、事業仕分けに関心が集まったことに内心忸怩たる思いがあると思います。悔しいんだと思います。

 また与党の国会運営に関して、議長は細川内閣の国務大臣(科学技術庁長官)として、予算成立が6月にずれ込み、それが遠因となって内閣が倒れた悔しい思い出を共有しています。

 議長でありながら、しっかりと国民目線でメッセージを送れる参議院議長を持てたことは幸せなことだと思います。昔は貴族院だったんですから。良識の府・参議院の再生に、江田さんの存在は欠かせません。江田さんは、来夏の第22回参院選岡山選挙区にも出馬するだろうと、各方面から期待を集めています。

 議長のコメント全文は以下の通り。

 第173回臨時国会は本日、会期の最終日を迎えた。午前の本会議では、同意人
事に加え、肝炎法案、新型インフル法案、金融円滑化法案等17本もの法案を可
決した。「終わりは脱兎の如く」だが、与野党対立を最後まで引きずり、自民
欠席、公明出席で150数人の出席だった。参議院が重視している平成20年度決
算の審議は、午後の本会議で、各会派が揃って行われたが、会期延長は衆議院
だけの議決となり、与野党の対立は大きい。政府の行った「事業仕分け」のよ
うに、国会の動きも透明で国民に分かりやすいものにしたい。

4日間延長

2009年11月30日 15時55分08秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
秋の臨時国会は4日間延長が決まりました。122月4日(金)まで。臨時国会は2回延長できますが、残り法案からして今週で終わると思います。
不慣れ、不景気も含めて党内の雰囲気が悪いのが心配です。
言うべきことはしっかり言う人は国民は応援するし、記者団も見逃さない姿勢があると、感じとっています。

【速報】民主党政権で初めての法律成立 政権交代3ヶ月目

2009年11月30日 10時16分04秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
 あの暑い夏の日の総選挙(8月30日)からちょうど3ヶ月目の11月30日。

 参議院で、午前10時14分、改正防衛省職員給与法が可決、成立しました。

 政治主導を掲げる民主党内閣での法律成立はこれが初めて。

 遅い!!

 陛下のご署名(御名御璽)を経て、広く天下に公布されます。

 参院本会議はこのあと、衆法「肝炎対策基本法」、閣法「中小企業など金融円滑化法」などが順次、可決・成立する見通しです。

 自民党は本会議に出席していない模様です。

秋の臨時国会延長へ NHK日曜討論、各党国対委員長

2009年11月29日 10時41分54秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導

 きょう(11月29日)は1年納めの九州場所の千秋楽ですが、2009年、憲政史上最も長かった1年も、あす(11月30日)、秋の臨時国会が会期末を迎え、今年の国会は終わります。

 ところが、8月30日に政権交代したのに、民主党は一本の法律も成立(衆参で可決)させていないという、まったく無計画な大失態国会運営が続いています。さらには党首討論(QT)も一度もやっておらず、目を覆わんばかりの状態で、延長は不可避な情勢です。

 29日放送のNHK日曜討論は最終盤国会恒例の各党国対委員長による討論でした。

 野党・自民党の川崎二郎国対委員長(三重1区比例、元運輸大臣)は12月18日(金曜日)までの3週間15営業日の延長を要望しました。

 与党・民主党の山岡賢次国対委員長は「できるだけ短期間にしたい」と延長を示唆する発言をし、野党から「(延長することで)決まったんですね」と突っ込まれ、動揺しながら、「法案を全部通してくれれば(延長する)」と言いました。

 山岡さんは「延々と話題ばかりをしゃべっている国会は与党だから、意味がない」としました。また、早く国会を閉じて、景気対策のための(第2次)補正予算案を編成したい、という趣旨をくり返しましたが、補正に関しては、政府との連絡はないと思われます。

 川崎さんは「(私にとって)長い国対生活だが、(会期の)最終日にならないと(延長するかどうかが)分からないというのは初めての経験ですよ、おかしいよ」と述べました。

 川崎さんは、
与党が「延長しない」と主張
野党が「延長してしっかり議論しろ」と主張

 という構図は「フツーと違う」と指摘しました。

 出席者のなかで唯一30歳代の野党・みんなの党の山内康一国対委員長が「QT(党首討論)は週に1度必ずやりましょう」と呼び掛けると、山岡さんは「法案をババッと通してくれるんだったら、(今週は)QTをやりますよ」という残念な答え。与党・社民党の近藤正道・参院国対委員長、来夏の第22回参院選で改選を迎えることなどへの配慮から、近藤さんが社民党を代表して出席したんだと思いますが、与党の近藤さんからも「1国会に1回QTがあるのは当然だ」との注文が飛びました。

 川崎さんが12月18日までの会期の延長と、①予算委での集中審議②本会議での平成20年度決算の総括質疑③党首討論の3点セットを要求すると、山岡さんは「きのうまで与党をやっていた(自民党の)川崎さんのことばとは思えない」と発言しました。しかし、これはきょうは与党が山岡さん、野党が川崎さんです。川崎さんは政権交代でアタマがチェンジできているのに、山岡賢次さんはアタマがチェンジできていないことが顕著に表れたといえそうです。

 あす午前8時から与野党国対委員長が会談するそうです。いずれにしろ、延長は避けられない状況で、あすは条件闘争の色彩が濃くなりそうです。

 隔週で交代している日曜討論の司会者、今週の司会は島田敏男・NHK解説主幹でした。

 私としては、QTをやらずに年を越すのは反対です。あり得ないことだと思います。政権交代年に1度もQTをやらなかったら、自民党はこれをネタに、第22回参院選で徹底的に民主党へのネガティブ・キャンペーンをしてくるでしょう。一方、今国会で自民党がどんなに審議拒否をしても、来年の7月には国民全員が忘れますから、かなり荒いことをしてくることは想定内です。それへの備えがなかった民主党国対は甘すぎる。

 会期の延長は国会の議決が必要ですので、どのような状況になろうと、あす30日には衆参本会議は必ず開かれます。

 なお、民主党やNHKのホームページによると、あすは午後2時~4時までの2時間、参院本会議場から平成20年度決算に関する質疑でNHK中継が予定されますので、これは優先的に行われると思います。

 不毛な日程国会になりますが、いずれにしろ、今年最後ですし、野党・自民党の奮闘は政権復帰にかける並々ならぬ執念を感じます。このペースでいけば、来夏の参院選は自民党が勝つでしょう。ここでうんざりしたら、政権交代は無に帰します。ここを乗り越えないと、第46回衆院選で民主党は政権を必ず失います。  


内閣が国会に前年度の決算書を提出 第174通常国会で審査

2009年11月28日 09時26分46秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導
 内閣は11月24日、国会に平成20年度(2008年度)の決算書(案)を提出しました。平成20年度というと、福田内閣が作った予算です。そして、真ん中辺りから、麻生内閣が予算を執行した予算で、2回にわたって予算が補正され、年度末には定額給付金2兆円を、歳出に増額補正しています。

 この予算の執行状況をまとめたのが、平成20年度決算書(案)です。

 通常国会では、委員会で、
総括質疑→分科会審査→重点事項審査→全般的審査→締めくくり総括質疑
 と進んで、

 来年6月ごろに改善案などを本会議で議決する運びとなるでしょう。

 昨年の通常国会(第169国会)で決算行政監視委員長をつとめた枝野幸男さんは、事業仕分けの統括役として活躍しました。

 消費税の導入に成功した自民党税調会長は山中貞則さんでしたが、通産相などを歴任した山中議員は初当選した後、みんなが予算委員会を希望する中、ひとり決算委員会を希望したそうです。

 決算委員会で全省庁のお金の流れをしっかりと把握。その後に就任した大蔵政務次官時代は、次官室で予算書をめくりながら、気になった点は内線電話をかけて、官僚を呼び、説明を受けていたそうです。今の政務三役と違い、当時の政務次官は「盲腸」と揶揄される暇な仕事でしたが、そうやって時間を有効に使って勉強していたそうです。

 そうやって、お金の流れに詳しくなって、非官僚出身の党人派ながら税調会長として消費税導入に成功しました。また、租税特別措置にも詳しく、自分と関係の深い業界団体に有利なように取りはからうこともありましたが、長年にわたって自民党の権力の源泉である税制をリードしました。その礎は、1年生議員のときの決算委員会にあったようです。

 決算委員会に新人を配置する手法は、参院の民主党・新緑風会に引き継がれています。2007年「逆転の夏」で初当選した議員の多くが参院決算委員会に配属されました。通常国会では、人の出入りの少ない月曜日の落ち着いた雰囲気の中、各省の大臣が順繰りに参院決算委員会に出席し、答弁します。

 内閣が提出したのは、

①一般会計歳入歳出決算
②特別会計歳入歳出決算
③政府関係機関決算書

の3冊の白表紙の冊子をベースに、次のような説明冊子も配っています。
 
○決算検査報告
○歳入決算明細書
○各省各庁歳出決算報告書
○一般会計国の債務に関する計算書
○特別会計決算参照書
○国有財産増減及び現在額総計算書
○国有財産無償貸付状況総計算書
○国有財産の増減及び現在額に関る説明書
○平成二十年度国有財産の無償貸付状況に関する説明書

 などなど、他にもあります。財務省や会計検査院が作製したものです。各国会議員室には、白表紙の分厚い冊子が平積みで50センチほど積み上がっています。

 来年の第174通常国会では、自民党時代の予算執行を民主党閣僚が答弁することになります。ていねいな議論に期待したいところです。

「政治家としての勇気の差かな」 

2009年11月26日 15時54分09秒 | 岡田克也、旅の途中

【衆院安全保障委員会 2009-11-26】

 朝の8時40分という極めて早い時間から、岡田克也外相・北澤俊美防衛相に対する一般質疑がありました。

 不正常国会での安保委の運営について、安住淳委員長が反省を述べてからスタートしました。

 公明党の佐藤茂樹さんの質問。米海兵隊普天間飛行場の米空軍嘉手納基地への統合案について。

 北澤防衛相は岡田外相が検証を続ける「統合案」について、就任直後の沖縄訪問では、「厳しい道のりだ」と感じたとの心情を吐露しました。その上で、

 「岡田大臣が(嘉手納統合案に)挑戦しているのは、政治家としての勇気の差かなあ、と思っておりまして。私は少し難しい話かと思っていましたが。岡田外務大臣は難しいから探求してみたいと。同僚が言うのも何ですが、その勇気は称賛に値する」と述べました。

 そのうえで、「新しい政権を担った責任者として、(外相が)探求すべき問題だ」として、岡田さんの検証作業を見守りたいと明言しました。

 ◇

 北澤大臣の報道での発言のブレが指摘されました。北澤大臣は次のような答弁をしました。

 「(防衛相と外相の)両極を作ると報道がしやすいということで、私はロマンチストだと思っていますが、世間でみると、(私は)リアリストのような感じがするらしい。私が辺野古案を容認しているように報じられていますが、これはまったくの間違いであります。私と岡田外務大臣は何度も協議する中で、まったく同じ姿勢でやっております」
 「私は辺野古のへの字も言ったことはない」「報道の諸君とはあまり会話をしないようにしている」

 佐藤議員が北沢さんが

 ①「野党時代に地元紙に県連代表として寄せたコメント」
     と
 ②「大臣として述べた認識」


 
が違う、と指摘しました。

 この質問について、北澤大臣は次のように答弁しました。

 「政治には、与野党がありまして、野党の立場で、政治的に発言し、行動することは政権獲得への一つの段階であるということでご理解ください」。

 岡田外相、安住委員長が苦笑い。

 佐藤さんは念を押します。「当時の認識と防衛大臣の認識は変わったのか?」

 「防衛大臣の重い任務を背負った中で、佐藤議員の質問に誠実に答えたものです」とマジメにこたえ、安住委員長は笑いをこらえているようにみえました。

 佐藤議員はこれ以上、追及できませんでした。

 ふざけているように思うかも知れません。が、このような胆力のある答弁はなかなかできるものではありません。北澤さんは議員室の執務机に「大辞林」と「字源」を常に平積みに置いている「日本語のプロ」です。だから、こうやって流れにそって国会答弁を乗り切れるのです。

 北澤防衛大臣を手強いと感じたのか、自民党の岩屋毅元外務副大臣(大分3区比例)が、質問の冒頭で、「濱田和彦・防衛大臣秘書官」が大分県別府市出身だ、と持ち上げる場面もあり、裏方さんの名が2009年11月26日の衆院安全保障委員会の会議録に永久に残ってよかったと思います。

 岡田・北澤コンビは必ず沖縄の負担軽減に向けてソフトランディングできます。信なくんば立たず。私は政治家以前に人間として二人を尊敬しています。私が保証します。岡田・北澤コンビは1994年6月30日、あの羽田内閣を倒された日から、15年2ヶ月間野党ひとすじに耐えてきた人です。沖縄のみなさん、大丈夫です、安心してください。

tags Okada,Katsuya(1953-),Kitazawa,Toshimi(1938-) 


衆院本会議で肝炎対策基本法案、給与法案などが可決で一山越す

2009年11月26日 15時02分38秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
[画像]民主党新人で初めて衆院本会議に登壇した奥野総一郎さん。

【衆院本会議 2009-11-26】

 給与法改正案が衆院を通過し、参院へ。

 肝炎対策基本法案が衆院を通過しました。エリーこと福田衣里子さんよかったですね。

 きょうで、今国会の衆院は一山越した感じがあります。

 郵政民営化見直し法案が審議入りし、質疑がありました。民主党新人では本会議登壇者第1号として、郵政省出身の奥野総一郎さん(千葉9区)が質問しました。

 この法案はこれから、衆院総務委員会で審議が始まりますが、会期末の30日までの衆参での可決・成立は厳しい日程ですので、延長に向けた与野党の攻防が続くことになります。

 ◇

 ツイッターで本会議の実況・解説をしましたので、つぶやきをこちらにもまとめて載せます。あくまでも個人的なメモですから、不正確な記述が含まれています。

 ◇

13:04 from web #kokkai 衆議院本会議が始まりました。きょうはかなり多くの法案が可決され、参議院に送られる見通しです。

13:08 from web #kokkai 国幹審委員、細野、鈴木、小宮山(泰)議員、山花議員。鈴木、小宮山さんは一新会・・・

13:10 from web #kokkai 給与法改正案が可決→参院へ送られました。国家公務員のみなさん、おめでとうございます。

13:18 from web #kokkai 衆院本会議。肝炎対策基本法案が審議入り。藤村修・厚生労働委員長の趣旨説明が始まりました。

13:21 from web #kokkai 肝炎対策基本法案は委員会審議を省略して、全会一致(「異議なし」の発声)で衆議院を通過しました。可決の声で大きな拍手が起きました。

13:32 from web #kokkai 国会議員の歳費・旅費・手当に関する法律案と国会議員の秘書の給与等に関する法律案が委員会審議を省略して、可決されました。人事院勧告を実施するもののようです。

13:32 from web #kokkai 日本郵政株式売却凍結法案が審議入り。亀井担当大臣の趣旨説明に入りました。

13:35 from web #kokkai おお!本会議の質疑に民主党の奥野総一郎さんが登場。新人の本会議登壇第1号ですね。知らなかったので、驚きました。

14:00 from web #kokkai 郵政見直し法案。自民党を代表して、「反対」の立場から質問しているのは自民党の中谷元さん。高知2区選出で、特定郵便局が多い選挙区だとして特集されたこともあります。

14:02 from web #kokkai 野党時代の原口さんの議事録を引用して、大臣としての発言と違うと追及されています。インターネットは便利だけど、大変でもあります。

14:10 from web #kokkai 平野官房長官、日本郵政社長の人事は“天下り”?との質問に答弁しました。議場がヤジの応酬になったようです。自民党は平野官房長官をねらっているのかなあ・・・

14:14 from web #kokkai @rose6986 原口大臣は答弁の最後に「5年前の私の発言をよく読んでください」と言い返しましたよ。さすがですね。

14:25 from web #kokkai 郵政見直し法案、公明党は西博義さんが「反対」の立場で質問。この人は近畿ブロック比例単独ですが、事務所は和歌山県にあるはずです。地方選出議員が「郵政見直し」に「反対」の立場で質問するのは、ある意味「ねじれ」です。が、地方での関心が高い証拠とは言えるでしょう。

14:32 from web #kokkai 衆院本会議。平野官房長官がさきほど、ヤジに反応したようです。あまり自信がないようすで演壇に立っているように感じられます。

14:37 from web #kokkai さきほどの肝炎対策基本法案の「委員会審議を省略して」は間違いでした。委員会で審議のうえ、本会議に上程されていました。今夜のニュースはエリーこと福田衣里子さんの笑顔がいっぱい咲きそうです。

14:51 from web #kokkai 質疑は終局し、衆議院本会議は散会しました。郵政見直し法案はこれから、衆院総務委員会で審議されます。会期内(30日まで)の成立はまず不可能ですので、延長に向けた与野党のかけひきが続きます。

14:51 from web #kokkai きょうの国会に関するつぶやきはこれで終わります。

岡田外相が民主党幹事長室に顔を出す

2009年11月26日 07時12分16秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導


[画像]左は小沢一郎・民主党幹事長、右は岡田克也外相

 岡田克也外相が25日、国会日程の合間をぬって、国会内の民主党幹事長室に顔を出したようです。MSN産経新聞が伝えています。小沢一郎幹事長と岡田外相は前夜、稲盛京セラ創業者の呼びかけで、銀座・吉兆で歴代代表5人と輿石東、山岡賢次両議員の合計8人で会食しています。推測ですが、岡田外相は小沢幹事長に習近平・中国国家副主席の来日日程を連絡したのではないでしょうか。

 小沢一郎さんは12月10日(木)から訪中し、12月11日(金)の午後、「中国の国家指導者(首脳級)」と記念撮影などをすることになっています。訪中団全体は13日(日)午後に北京を離れます。一方、習近平さんは12月14日(月)から来日し、17日(木)まで滞在。その後に、ユーラシア大陸に戻って、韓国・カンボジア・ミャンマーに寄る日程だと、報道されています。習副主席は鳩山由紀夫首相と会談するほか、陛下との面会も希望していると報じられています。

小沢、岡田両氏が会談 普天間問題など協議か - MSN産経ニュース

 民主党の小沢一郎幹事長は25日、国会内で約20分間、岡田克也外相と会談した。沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設問題や小沢氏ら約140人の民主党議員が参加する来月10日からの訪中計画などをテーマに意見交換したとみられる。会談は岡田氏が申し入れた。


中国・習副主席、12月14日に訪日 胡主席後継の最有力候補 - MSN産経ニュース

 中国の胡錦濤国家主席の最有力後継候補、習近平国家副主席が12月14日から日本を公式訪問する日程が固まった。期間は17日までの4日間。複数の日中関係筋が25日までに明らかにした。

 習氏が2008年3月に副主席に就任して以降、初めての訪日となる。胡氏が副主席時代の1998年に訪日した前例にならった訪問で、鳩山由紀夫首相らと会談し、日中の戦略的互恵関係の発展を確認する。

 98年の胡氏の訪日時には天皇陛下が会見したことを踏まえ、習氏も同様に面会を求めている。地方都市の訪問も検討している。

 訪日後、韓国、カンボジア、ミャンマーも訪問する予定。韓国の李明博大統領ら各国首脳と会談する見通しで、3年後の共産党大会を受けた世代交代に向け、お披露目の場となりそうだ。(共同)


野党・自民党新人が「予算を付けろ」という国会新風景 衆院農水委

2009年11月25日 13時06分57秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
[写真]赤松広隆農相(左)と自民党の伊東良孝・衆院議員

【衆院農水委員会 2009-11-25】

 政権交代後の国会を見ると、驚くことが多いです。

 自民党新人は5人います。元参院議員を除くと4人です。うち小選挙区勝ち上がりの自民党新人は3人だけです。その一人、伊東良孝議員(自民党、北海道7区)が質問に立ちました。

 何事も初めが肝心ですが、伊東さんはのっけから、「大臣は答弁が長いと言われています」とカウンターパンチをかましながら、赤松農相に捕鯨について質問。

 赤松農相は特に反応せずでしたが、佐々木隆博・農水政務官(民主党、北海道6区)が「伊東議員とは地方議会(北海道議会)で一緒でした」こうして国会で論戦できて「うれしい」と持ち上げながら答弁。ところが、伊東議員はこれにまったく応じずに質問し続けました。

 大逆風の自民党で新人で北海道で唯一、伊東さんが小選挙区で勝ったのは意外でした。こうして国会で初めて伊東さんを見ると、「やはり猛者だったんだな」と確認できます。こうやって選挙結果と国会審議を見比べると、いろいろなことが見えてきます。伊東さんは町村信孝さん、武部勤さんらの比例復活組に代わり、自民党北海道連会長に就任しているようです。

 で、何が驚いたか。伊東さんは、前釧路市長。捕鯨が盛んですから、地方政界でこの問題に取り組んできたようです。捕鯨に関して、シーシェパードやグリーンピースなどの国際的な市民団体の抵抗などについて赤松農相に問い質しました。

 そのなかで、伊東さんは「仕分けに入っているかどうか知らないが、農水省として捕鯨は守って欲しい」と要望しました。

 与党・民主党などの「事業仕分け」は、予算を削る作業をしています。
 野党・自民党の伊東さんは、「農水省はしっかり予算を付けろ」と質問したのです。
 野党新人が「予算を付けろ」--政権交代後の新しい国会の姿です。
 さて、これを民主党関係者・支持者が「自民党も変わらないねえ」とせせら笑うようだと、そこに来夏の第22回参院選に思わぬ落とし穴が待っているかもしれません。

 まだまだ判断は早いですが、かつてない光景を目にしたということで、スケッチしました。

参院環境委員会だけは与野党出席で動く→国会正常化へ

2009年11月24日 20時50分36秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
 自民党らが25日から審議復帰することで国会正常化のめどがついたようです。ブログの更新は再開しようと思います。

 ◇

 連休明けのきょう24日も参院環境委員会だけは動いていました。野党も出席して、午前、午後にわたり、小沢鋭仁環境相らが一般質疑に応じました。この委員会の委員長は自民党参院議員が務めています。

 民主党参院議員で自動車総連出身の池口修次(全国比例)さんらが、「地球環境対策税」について、野党っぽい質問をしていました。政権交代による参議院与党の変化というのも大変面白いので、今後もウォッチしていこうと思いました。池口さんは「自動車に乗る人が担税力があるという前提は違う」と主張していました。自動車は生活必需品だという雰囲気でした。

 野党の質問のときには、環境省政務三役のほか、財務省、国交省の副大臣も答弁席に座っていました。野党から質問通告があり、政治主導だから見られる光景ですが、全部応じていると、政務三役も大変だと感じました。

「参議院は審議をしなくていいのかな?」平田参院国対委員長が小沢・山岡国対を批判

2009年11月19日 06時17分32秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導

 参院会派「民主党・新緑風会」国対委員長の平田健二さん(参院岐阜)が18日、国会内で定例記者会見しました。

 平田さんは第173臨時会の現状について、

 「臨時国会は召集4週目で残り1週間だが、参議院には一本も閣法(内閣提出法案)が来ていない」とし、残り1週間で参院に法律が来ていないのは記憶がない、としました。平田さんは当選3回です。

 さらに発言は踏み込み、「民主党もいかがなものかと思いますがね、衆議院はね」と語り、党本部および衆院の「小沢・山岡国対」を批判しました。「(衆院では312議席と)数も多いんですから、しっかり仕切っていけばいいと思うんですが、そうなっていない」との感想を示しました。

 さらに、平田さんは

参議院の審議をしなくてもいいのかなあ、という状態になっている」と危機感を募らせました。

 また、参院の審議においては、「閣法をきっちりと仕上げて、それから委員長・議員提出の議員立法を各委員会にかけていく」とする、基本ルール(平田原則)をしっかりと示しました。

 民主党の国会対策は、小沢一郎幹事長と、山岡賢次国対委員長ラインが担当しています。山岡国対委員長の下、参議院担当の国体副委員長は鈴木克昌さんが務めています。副担当は平田さんと同じ岐阜県連の議員が務めています。鈴木・衆院議員は一新会の代表幹事です。

 民主党は鳩山総理の所信表明に関する代表質問に立ちませんでした。しかし、17日の衆院本会議では閣法「貸し渋り貸しはがし対策・中小企業金融円滑化法案」への代表質問に鈴木代表幹事が真っ先にたち、さらに冒頭で過去の災害を持ち出してお見舞いを述べるという、少し勘違いした演説をしました。

 党幹事長室では、青木愛・副幹事長ら2人が参議院担当になっています。

 民主党ニュースが平田国対委員長の会見を伝えていますが、このエントリーで紹介した発言は丸ごとカットされています。

http://www.dpj.or.jp/news/?num=17292

 ツイッター(http://twitter.com/kokkaiblog)で、「臨時国会が始まって23日経ったのに、いまだに参院では1本も法案が審議入りしていない異常事態に驚いています」とつぶやいたら、「なんつう無駄」という感想をいただきました。

 ちなみに、小沢一郎率いる民主党本部の予算200億円は事業仕分けの対象になっていません。

http://www.dpj.or.jp/news/?num=17292

2009/11/18
野党が無理難題を突き付け、法案審議を遅らせている 平田参院国対委員長
 
 平田健二参議院国会対策委員長は18日午後、国会内で定例記者会見を行い、今後の国会日程について記者団に語った。

 はじめに平田国対委員長は、今国会会期の残りが実質1週間であることを指摘。いまだに、参議院に法案が1本も送付されておらず、いつ送付されるかも分からない状況が続いていることについて、「国会同意人事をめぐる問題もあったが、ちょっと経験がない」として、野党慣れしていない前与党が、衆議院で無理な要求をしているようだと報告した。

 一例として平田委員長は、「国土交通委員会に提出されている北朝鮮関連の法案2本について、本来国交大臣の出席だけでよいところを、外務大臣と官房長官の出席まで求めている」ことを挙げ、「いかにして法案審議を遅らせるかということだけで野党はやっている」と指摘した。

 このような状況にも関わらず、25日の党首討論を野党が要求していることについて、「法案審議の目途も立たないのに、いかがなものか」と苦言を呈した。一方で、インフルエンザ対策法案と金融円滑化法案は、総理入り総括質疑を要求するなど、「要求の仕方が無茶苦茶だ」として、総理が他の委員会に出席した週は党首討論をしないと決めたルールを無視した野党の要求に応じることは難しいとの見方を語った。

 そのうえで、「やらないと言っているわけではない。早く法案を成立できるような話し合いをしてから、党首討論の協議に入るのが筋だと思う」と述べた。

 また、マニフェストにある施策の予算を圧縮する可能性について、鳩山総理が言及したことについて記者団に問われ、「税収見込みが当初より大幅に落ち込んでいる事実を踏まえた上での発言であり、国民と約束はしたけれど、いくらかは圧縮しなければならないということではないか」と述べた。


山尾志桜里さん、阿知波吉信さんら1年生理事が野党と折衝 衆院法務委

2009年11月17日 17時16分22秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導


【2009-11-17 衆院法務委 千葉景子法相の所信表明に対する一般質疑】

 きょうの衆院法務委で、自民党の棚橋泰文元国務大臣が質問の中で、鳩山由紀夫首相を「脱税総理」と連呼したことで、審議がストップしました。

 これに関して、滝実法務委員長(奈良4区)が、速記を止めて、理事らと協議しました。1回生の、阿知波吉信さん(岐阜5区)山尾志桜里さん(愛知7区)が与党側理事として、折衝にあたる光景が見られました。

 政務三役の政府入りに伴い、各常任委員会の理事にも1期生が起用されています。理事には、小選挙区で当選していて、かつ一新会に近いとされる議員が起用されている傾向があります。

 理事になると、委員会の理事会に出席しますので、委員会の日程に関する情報を早くつかめるという利点があります。

【宣言】今国会は様子見させていただきます 会期末大混乱確実な情勢

2009年11月17日 03時20分57秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
 当ブログは民主党政権を応援し、二大政党デモクラシーの完成を応援する立場です。

 ①年内の予算の政府原案作成
 ②2月末日までの本予算案の衆院通過(3月末日までの本予算成立)
 ③7月の第22回参院選での民主党単独過半数

 をめざします。

 とはいえ、この第173臨時国会はかつてない異常な状態になっています。

 君子危うきに近寄らず。賢者は世を避く。

 今臨時国会(現在の会期末11月30日)に関して、少なくとも11月27日(金曜日)まで、様子見させていただくことを宣言します。

 17日の衆院本会議で閣法のうち「貸し渋り・貸しはがし対策法案」「インフル対策法案」がようやく趣旨説明されます。それぞれ、財務金融委員会、厚生労働委員会に付託される見通しです。

 しかし、この国会は17日~30日のうち、23日月曜日が祝日となりますので、あと9営業日しかありません。また、本会議や委員会の設定は前日までにしなければいけませんから、職権で設定する(立てる)にしても、27日(金)夕刻にメドを立てなければいけません。8営業日しかないと考えるのが日程国会の逆算のやり方でしょう。

 決戦場は、衆参の総務委員会です。本会議で人事官人事の同意を得て、衆院総務委員会で人事院総裁(政府特別参考人)の出席のもと、給与法改正案の合計7法案を審議します。これを衆参総務委員会で審議し、衆参本会議で可決・成立させる。そして、その後に連立パートナーである国民新党との約束である「日本郵政民営化見直し法案」を、衆参の本会議・総務委で、審議、可決、成立させなければいけません。どう考えても、あと8営業日でできるわけがありません。ないしは強行採決です。

 なぜこうなってしまったのか? はじめから、会期の設定と法案数の絞り込みのグランド・デザインがありませんでした。また、「郵政見直し特別委員会」(定例日平日すべて)を設けるという手もあったのに、やりませんでした。今からでは厳しいでしょう。

 会期の延長か、郵政見直し法案の来年通常国会への先送りのいずれかの政治決断を求められますが、郵政見直し法案の先送りは連立政権では難しいでしょう。

 言うまでもなく、国会対策は小沢一郎さん率いる党本部と山岡賢次さん率いる国対委員会の専管事項です。

 私は、第22回参院選を小沢・山岡体制で闘いたくありません。民主党の総力を引っぱり出す力は、小沢グループ(一新会会員とその先輩、輿石東さん率いる新政局懇談会)を党運営の柱から引きずり降ろしたい。私は自分および民主党のために考えています。

 ですので、今国会の会期末の混乱は確実ですので、この国会は様子見。国会傍聴エントリーは控えめにします。

 自民党としても、第174通常国会は第22回参院選を控えて、会期末での日程闘争はほとんどできませんから、大島幹事長・川崎国対委員長はこの第173臨時会で徹底的に日程闘争に出てくるでしょう。延長国会になれば、12月でも自民党がTVに出られます。国会がなければ、年末年始に自民党がTVに出ることはないでしょう。

 また、民主党国対も自民党国対も11月~12月にかけて、日程国会で激突しても、半年すれば世間は忘れますから、かなり荒いことをしても大丈夫だ、と考えているはずです。疲れますから、一歩退いて見たいと思います。

 仮に第173臨時会の運営に失敗した場合、その責めが小沢幹事長と山岡国対委員長にあるのは火を見るよりも明らかです。

 小沢の息の根を止める最初のチャンスは意外と早く来そうです。それまでは、我慢と様子見と自己研鑽に励みましょう。

重要法案の審議日程巡り、与野党厳しく対立 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

  与野党は16日、重要法案の国会での審議日程を巡って厳しく対立した。

 衆院議院運営委員会は同日、中小企業金融円滑化法案と新型インフルエンザ特別措置法案の趣旨説明と質疑を17日の本会議で行うことを、与党と共産党、みんなの党の賛成多数で決めた。自民、公明両党は「一議案ずつ、丁寧に審議を行うべきだ」と反対したが、民主党などは「国民生活に直結する法案だ」と押し切った。衆院事務局によると、本会議で二つの法案の趣旨説明を行った例はあるが、野党が反対する中で実施するのは異例だという。

 自民党は、衆院議運委の松本剛明委員長(民主)の解任決議案提出も検討したが、16日夕の国会対策委員長会談で、民主党側が「法案審議を丁寧にやっていく」と約束したとして、提出を見送った。審議拒否もしないとしている。

 政府は今国会に、法案12本、条約3本、承認案件2本の議案を提出した。与党は30日の会期末までに、「インフル」「中小企業」の両法案に加え、国家公務員の給与法等改正案(計7法案)、日本郵政グループの株式売却を凍結する法案の成立を目指している。ただ、「インフル」「中小企業」以外の審議日程はメドが立っておらず、今後、強硬な姿勢で国会運営を進める可能性がある


【速報】イエメンで同胞誘拐 政権交代62日目、初の危機管理

2009年11月17日 01時21分36秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
 民主党政権62日目にして、初の危機管理です。

 時事通信によると、イエメンで、日本人同胞の技術者が誘拐された、と同国当局が明かしました。

 イエメンですから、石油採掘に関する技術者か、技術支援のために派遣されていた技術者かのいずれかだと推測します。

 幸い、イエメンの隣国のサウジアラビアは、わが国と極めて友好的な地域の「顔役」です。まずは今日中に、外務省政務三役が現地に飛ぶことになると思います。人選は日商岩井マンだった吉良州司・外務政務官(大分1区)を軸に調整が進むと思います。

 前日は、直嶋正行・経産相が「それは知らなかった。失礼しました」とTVカメラの前で謝るという「弱さのディスクロージャー」という危機管理ができました。さすがは直さんだと思います。18閣僚の中で、「官僚の使い方が一番上手い」ともされる直さんだから、所管官庁(内閣府)でない経産省でGDPアップの情報がいち早く入ってきた。しかし、朝8時50分ラジオ・テレビ解禁という「政官とマスコミの掟」を知らなかったので、いち早く情報を出してしまった。とはいえ、月曜日の東京市場が世界の週明けを宣言して一早く取引に入るのは午前9時00分ですから、「あんまり差はない」(直嶋談)が結論だと私も思います。とはいえ、次からは気をつけてくださいね、直さん。

 しかし、これを「危機管理の問題」と位置づけた平野博文官房長官の認識はどうしたことかと思うんです。官房長官会見であれだけ記者が問題視した理由は、「政官とマスコミの掟」破りだぞ、とけん制していたのだと思うのですが。このような「ラテ解禁(ラジオ・テレビ解禁)」時刻を守るのは、記者クラブ所属記者の基本中の基本です。これは、記者クラブの問題点だとは思いません。あれだけのグラフを作って、昼のニュースや夕刊に入れるのは大変な苦労。間違った情報を視聴者・読者に流すよりは、ちょっとばかり早く教えてもらってたっていいじゃない。それが記者クラブの功罪の功だと思います。これは私は本気で思っていますよ。
 
 しかし、直嶋大臣が掟を破ってしまったということが問題の肝だと思うんですが、「危機管理」って大袈裟です、官房長官。

 国内外に関わらず、日本人の生命と財産の保護は日本政府の最大の仕事です。まして、おそらくこの日本人技術者は、石油ないし途上国支援というわが日本国の代表として働いていた方であろうと、現時点で何も情報がないのですが、推測しています。

 空気が冷たくなってきましたが、バケツの水を頭からかぶって、この問題の早期解決を図ってください。ガンバレ、鳩山官邸、ガンバレ、外務省政務三役!!