REVOX社はスイスの音響機器メーカーでSTUDER社と姉妹関係になっていて業務機器はSTUDERが、民生機器はREVOXが担当していた。REVOXの設立は1951年でテープレコーダーが始祖だがその後、スピーカー、アンプ、FMチューナー、レコードプレーヤーなどを発表し総合音響機器メーカーになっていく。その中でも有名なのは何と言ってもテープレコーダーで当時日本でも絶大な人気があった。スイス製という魔法の言葉とヨーロッパの洗練されたデザインのオープンデッキは音楽愛好家のオーディオルームに是非とも置いておきたい逸品だった。当時の日本はTEAC,SONY,AKAI,などの専門メーカー以外でも一般家電メーカーで独自のネイミングがされた音響部門があってオープンデッキもラインナップされていた。超高価な輸入品のREVOX,STUDERなどは購入どころか目にする機会も少なかったと思います。
「Model 59A」は1955年に発表された管球プリアンプでモノラル、電源内蔵、多分第一号プリアンプだと思うが非常にマイナーな機種で資料も少ない。
このマニュアルは「Model 59A」と「Model 59E」のもので組み合わせるメインアンプが決まっていたが電源が内蔵されていたことから単独での使われ方もあったと思われる。59Eメインアンプの回路も変わっていて興味深いが実物は見たことがありません。
この個体や写真で見てもパネルと本体が離れていて他の機材に組み込んで使うことを前提にしている。コンポーネントの部品として供給されていたのかもしれないが詳細は不明です。単体で使うには不便なのでケースに収めたいところです。
内部を見るととても民生機とは思われないような豪華な造りです。同時期の他社製品とは比較にならないような堅牢さ。ヨーロッパ製品のワイヤリングは直線的のものが多く、アメリカ製品と比べて見栄えがする。きちんとシールド線を使っている。
特徴的な形のセレンでB電源、ヒーター共整流されている。電源は220Vと110Vの選択ができ、輸出を考慮した設計でヨーロッパ製品ではよく見かける。ACプラグを交換して電源トランスの結線を110Vに変更。
この状態で入出力を接続してみる。初めての音出し。。かなり歪みます。ブーンという通奏低音も。B電源圧を半波整流セレン出力で測定すると本来276Vのトコが185Vで全くアウト。平滑回路の電解コンデンサーにテキトーな電解をパラに繋ぐと静かになる。セレンとコンデンサーは劣化していました。
暫く聞いてるとしだいに電圧が上昇する。117Vにすると220Vになった。これでも足りないが素性はわかってきた感じ。音味はやはり業務機的で縦横がキチッと揃う。堅牢な構造がしっかりと出ているかのよう。真面目な音とも取れるが日本製品とも異なる。
週末はまたまた行事で不在でした。途中で気づいた事ですが信号の出力は97Vの電位がある! カソードフォロワーなのですが「McIntosh AE-2」などと同様でやはり専用のメインアンプとの組み合わせのようです。
ご臨終のB電源用のセレンを取り外して
分解してみる
セレンがいっぱい積み重なって耐圧を稼いでいます。今回はこのケースにダイオードを組み込みました。
ご臨終のブロック電解コンデンサーには美しい抵抗器が付いてましたが
不注意で巻線を切ってしまいました。抵抗器の周囲を線香花火が這っている!(ホントです。不思議な光景)外すと
なんとTESLAです。初めて見たけどもったいない、、しまったなぁ。電解コンデンサーは例のごとく分解して中身を入れ替えます。今回は22μFしかなかったので7本詰め込んで
また組み立てて装着。切れたTESLA抵抗は適当な値がなかったので似たのをパラで代用
コンデンサーと共に取り付けました。
117V入力でヒーター、B電源共に適正値となった。これで問題なく出力されますがカップリングコンデンサーは多分ダメだと思いますが。。
0.025μFと0.1μFのカップリングコンの漏洩をすべてチェックすると、、使えそうです。このまま行きましょう。
このままでは使いづらいのでケースを自作します。例によってMDFをカットしてもらって組み立てたが、
なんと!寸法間違ってしまった。上下の底板が大幅な寸足らず。ケチなので着き合わせて伸ばす。シャーシとの隙間はほとんど無い。放熱はどうしましょう?
ガワが完成しました。放熱の関係でちょっとオシリを出しています。MDFは厚ボール紙みたいな板ですが天然木に比べて真っ平らなのがありがたい。カットさえ正確なら精度の高い工作ができる、、筈でしたがまさかの結果になりました。これに突き板を貼ります。GWに突入するので注文品が来るのは暫く先になりそう。「McIntosh 20W-2」に繋いで暫く聴き込んでみます。
GWは一度は行ってみたかった知床に。女満別空港からレンタカーで斜里、ウトロ、羅臼泊。天気は良かったですがこの時期は山には残雪ありでウトロと羅臼を結ぶ知床横断道路は雪崩で通行止めになってしまった。迂回してなんとかたどり着く。
斜里では知床五湖からの知床連山の景観が素晴らしい。でもここはエゾヒグマの生息地なのでレクチャーを受けての散策となる。
ウトロからは知床を海から。子供の時以来の「酔い止め」飲んで
羅臼からはホエールウォッチングではなく「シャチウォッチング」
羅臼沖には300頭が識別されているらしい。海のギャング、、ではなく母子が優雅に、大きな父親は離れて泳ぐ。会えてラッキー。
帰宅したら突き板が届いていた。早速貼ってみましょう。
材はキリです。
オイル仕上げで完成。不満多し。そのうち何とかするとして今回は終わりにします。
お読みいただきありがとうございました。
GWで晴天。バイクイジらない手はないので「今日は1日Vespa三昧」にするが、、、回転続かず。
点火系?イグニッションコイルが怪しい。高圧コード切れたのを繋いだトコが原因か?コイルの1次側にバッテリー繋いで入れ切れしてみるがやっぱり火花が飛ばず。何時もではないので余計始末が悪い。とりあえずコード付きのコイルのみ注文した。
後日談
やっぱりケースが気に入らなかったので5年半たってから塗装することにした。
突板+オイルステイン仕上げに着色できるのかと思ったが普通に塗れた。油性塗料で以前も行ったことがあるが支障はでていないので多分大丈夫だと思う。クリアラッカーで下地を作ってから塗ったが元々が暗いのでベージュは色止まりが悪く塗膜が厚くなる。