ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

新型コロナウイルスはいつまで体内に残るのか

2022-06-18 10:26:38 | 健康・医療
ヒトがウイルスに感染し、それが完全に治癒した後もウイルスが体内に残ってしまうことはいろいろ報告されています。

その典型がヘルペスウイルスで、子供のころ水痘になり治った後もウイルスが体内の神経節に潜り込んでしまいます。それが長いと数十年後に免疫低下などの理由により、帯状疱疹が発症することになります。

現在問題となっている新型コロナウイルスも、症状が消えてからも体内に残ってしまうという研究があり、これが後遺症と関連があるのかが取りざたされているようです。

今回の研究によると、PCR検査で最初に陽性と判定されてから14日以後にもウイルスの遺伝物質であるRNAが残っていた場合は、症状がより重くなる、譫妄を経験する、入院が長期化するといった傾向がみられ、死亡のリスクも高まるとしています。

新型コロナウイルスは複製を繰り返して体内に広がり、鼻や口、腸を通って外に排出されます。大半の感染者においては、体内のウイルスレベルは感染から3〜6日でピークを迎え、10日以内に免疫系によって除かれます。

しかしこの期間以後にもウイルスのRNAが残ることがあり、一般に感染力はありませんがPCR検査では検出されます。これはさまざまな症状が数カ月にわたって続くこともあるコロナ後遺症と関連している可能性もあります。

米国政府が発表した推計では、770万人以上がこの後遺症を発症しているといわれています。今回の研究は2020年3月から8月の間にノースウエスタン大学の関連医療施設に入院した患者2518人の分析を行いました。

その結果患者の42%で最初の陽性判定から14日以上にわたってPCR検査で陽性が続いていました。さらにそのうちの12%が90日以上たってもまだ陽性となり、最長記録は269日でした。

こうしたウイルスの持続性は、比較的小規模な研究においても指摘されており、新型コロナの明確な症状がない患者であっても、2〜3か月かそれ以上にわたってウイルスを保持していたことが明らかになっています。

ウイルスが潜伏する場所の研究も行われており、虫垂と胸の組織から、それぞれ感染後175日、462日の時点でウイルスの一部とRNAが検出されています。こうしたウイルスの潜伏が後遺症の原因という説もありますが、まだ詳細は分かっていないようです。

こうした残存ウイルスの除去には、経口ウイルス薬の投与などが試みられており、後遺症の症状が改善されたという予備的な症例研究も出てきています。

このようにウイルスが免疫の攻撃から逃れ、体内に潜伏するというメカニズムはまだよく分かっていませんが、新型コロナウイルスに関してはまだ時間もあまりなくこれからの課題のようです。やはり現時点においては感染対策をしっかりして、身を守ることが重要といえます。