ごっとさんのブログ

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「人体」第5集 ひらめきと記憶を司る脳

2018-02-09 10:47:45 | 自然
楽しみにしていたNHKスペシャル「人体」の第5集が放映されました。

今回はひらめきと記憶を司る「脳」がテーマでしたが、このシリーズの基本である臓器間コミュニケーションというテーマからはやや外れていました。

脳は1000億個もの神経細胞からできており、電気信号とメッセージ物質により脳全体に情報が行きわたっているようです。例えば人の顔を見ると、まず視覚野という部位が刺激され、それが側頭部に送られここで誰の顔かの判別が行われ、それが前頭前野という部位で記憶となり、この間0.2秒という短時間で処理されています。

ここではいわゆる「ひらめき」がテーマになっており、どういうときにひらめきが起き、その時どういった脳の活動があるかが紹介されていました。

まず脳内は電気信号によって情報の流れができますが、神経細胞はごくわずか離れており、この間はメッセージ物質によって情報が伝達され、また電気信号によって伝わります。このように間にメッセージ物質が入ることによって、伝わり方のバリエーションができひらめきにつながるとしています。

当然他の臓器からも情報が入ってきますが、例えば脂肪細胞からレプチンが放出されると、その情報は脳全体に伝わり食欲をコントロ―するという動きが、脳全体で起きるようです。

さて「ひらめき」に近づけるには何も考えないということが良いようです。この状態をデフォルトモードと呼ぶようですが、この時の脳は最も活発なときの7割も活動しており、大脳皮質において記憶の断片を結びつける作業をしているのです。この脳の活動により「ひらめき」が起きてくるようです。ですから散歩をしたりぼーっとすることが、新しいアイデアなどを生み出しているようです。

次が記憶の話ですが、例として多数の人の顔を判別するスーパーレコグナイザイーという人が紹介されました。記憶というのはまず海馬の中にある歯状回という部位に集まり、ここで新たな電気信号のルートができ、これが大脳皮質にたまって記憶となるようです。つまり一つの電気信号のルートがある記憶となるわけです。

この歯状回の新しい細胞ができることによって、記憶力を高めることができます。この歯状回は常に新しい細胞ができているようで、90歳になってもこれが続くのは人間だけのようです。

次が認知症の薬などが脳に届きにくい原因として、脳血管関門を取り上げていました。この脳血管関門は脳を守るための重要な器官ですが、この辺りは私も色々やってきたことですので、別な機会に詳しく述べます。

こういった脳科学も近年大いに進歩し、面白い現象が次々分かってきているようです。