ごっとさんのブログ

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アルツハイマー病を血液で診断

2017-10-06 10:02:00 | 健康・医療
京都府立医科大学の研究グループは、血液からアルツハイマー病の診断をする方法を開発したと発表しました。

認知症は2025年には700万人を超えると推計され増加の一途をたどっています。このブログでも認知症の治療薬開発の難しさを書いていますが、進行を遅らせることはできそうですので、こういった簡単な検査で診断できれば、早期発見の可能性が高くなるようです。

今年8月には国立がん研究センターなどのチームが、血液一滴で13種類のガンの有無が判定できる検査法を発表しました。今回はアルツハイマー病(以下ADと略します)かどうかが診断できる新たな検査方法となるわけです。

今までは、厚生労働省が認可している検査方法として、患者の背中に針を刺し髄液を採取して診断する方法が取られてきました。しかし髄液の採取は、神経内科医しかできず非常に手間もかかり患者の負担も大きいようです。

この血液検査であれば、通常の健康診断での血液検査に入れることもでき、ADが発症する前にわかれば認知機能を高めることで症状は十分に回復することを期待しています。

今回の検査法は、血液中に含まれる「リン酸化タウ」というタンパク質の濃度を測定するようです。ADは「アミロイドβ」と「リン酸化タウ」というタンパク質が原因とされています。このアミロイドはAD発症の20年以上前から脳内に蓄積するのに対して、リン酸化タウの場合は発症の10年ほど前から急激に増加・拡大するようです。この神経細胞を破壊したリン酸化タウが、髄液や血液中に漏れてくると考えられます。

AD患者20人と健康な高齢者15人を比較したところ、リン酸化タウの血中濃度は、AD患者の方が平均で4倍も高いという結果が出たようです。

認知症は変性性認知症というアルツハイマー病やレビー小体型認知症といった脳内で異常なタンパク質が悪さをするもの、脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血などで脳の細胞が死に、その機能を失って怒るものがあるようですが、変性性認知症が圧倒的に多いようです。

研究グループは早期発見とその予防についても触れていますが、脳の活性化がその一つのようです。脳は全体の15%程度しか使われておらず、眠っている脳をうまく使うには、新しいことに挑戦すると良いとしています。

今回の発表では被験者数も非常に少なく、まだまだ調べるべきことは多いようですが、血液中の特定のタンパク質濃度を測定するというのは一般化していますので、是非この方法の開発を進めてほしいものです。