ごっとさんのブログ

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割と面白いテレビ番組

2016-12-14 10:37:24 | その他
私はテレビは報道番組以外あまり見ることがないのですが、先日たまたま見た元大阪市長の橋下氏の番組を見て、なかなか面白いことを言っていました。

たぶん2回目ぐらいですので毎回同じかどうかわかりませんが、この時はある課題を出して出席している8人の芸能人が賛成・反対に分かれ議論するという物でした。

くだらない課題が多いようですが、この時は一種のパワハラで、社長からのミスの叱責を受けたとき、本来責任のある課長が部下にミスを押し付けてきたという前提でした。この時この部下は課長のミスであることを社長に伝えるべきか、伝えないかという内容でした。

番組では橋下氏を含む3人が伝えない派で5人が伝えるべきという風に別れました。この問題は日本での企業風土や、道徳観、組織内での生き方などを含み、なかなか興味深いものでした。

私は基本的には橋下氏の意見に賛成で、伝えるべきでないと感じました。告発する・伝える派の筆頭は北村弁護士でしたが、彼は社会正義という観点を主張し、その他の人は伝えなければ自分だけが損をするとか、このことで首になったらどうするというような意見でした。

橋下氏は上司と限らず他人のミスをかぶってうまく対処した方が、他の人からの信頼を得られるという意見で、政治の世界では成果を他人に譲り、失敗を引き受ける態度が重要ということでした。

私の意見としては、ある程度大きな組織では、こういった事件は自然と組織内に伝わるということが前提ですが、当事者間で秘密裏に終わるということはまずないと思います。

そこで損得を考えると、告発したとして押し付けられたミスが消えるだけであり、この課長との人間関係は非常に悪くなるはずです。黙っていてミスをかぶると一時的に評価が下がる可能性はありますが、この課長をはじめ仲間からの信頼を得るというメリットが出ます。

会社だけでなくどんな組織にも人事評価が必ずありますが、その評価をするのは通常直属の上司となっています。こういった損得を考えても、告発すべきではないと思います。

この番組では正解として、300人に聞いた結果を発表します。この問題では240人程度が伝えると回答し、橋下氏は不正解となりました。この回答はどういう人たちに聞いたのかわかりませんが、これが現状の一般的考え方とすると、やや嘆かわしい気がします。

組織の中でうまく立ち回る方法を知らない人の方が圧倒的に多いというのは、現代社会の問題点かもしれません。最後に橋下氏が負け惜しみのように言った、「この60人のなかから社長が出るんだ」という言葉は案外正解かもしれません。