ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

ミミズの筋肉で小型ポンプ

2016-10-23 10:49:32 | 自然
理化学研究所と東京電機大学の研究グループが、ミミズの筋肉の収縮力を利用した超小型ポンプを開発しました。

この研究グループがなぜミミズの筋肉を使ったかは分かりませんが、ミミズは色々な点で注目されている生物です。

まず土壌の肥沃化は、よく知られているメリットです。ミミズは土の中を体くねらせて移動していますが、これが非常に細かく耕しているのと同じ効果が出ます。また雑食性で土と共に何でも食べ、大量の糞を出します。この時吸収できないようなものは、植物が利用しやすい形に変え、土壌中の雑菌類もミミズの体の中で殺菌されると言われています。

ここに目を付けたのがごみ処理業者で、確かオーストラリアで開発されていると思います。ミミズを特性の養殖場に入れ、ここに裁断した紙くずや他の有機物を土と共に与えるようです。ミミズは1日に体重の50~100%の餌を食べるとされ、大量の糞を出しますので、これを回収し肥料として販売するようです。

具体的な操作方法はイメージできませんが、このミミズを使ったごみ処理はかなり進んでいるようです。もう一つはやや気持ちが悪いのですが、食用としての利用です。ミミズの乾燥重量の60%はタンパク質で10%が脂肪であり、カルシウムやリンも豊富に含まれているようです。私はこの観点からミミズを調べたことがありました。

ミミズの体は幾つもの輪のような体節から成っており,たくさんの小さなドーナツを重ねて作った円筒のように見えます。個々の体節を動かすのは,二組の筋肉です。一組は,表皮のすぐ下にあり,胴体を輪のように取り巻いています。もう一組は,この層の内側にあり,胴体に沿って縦に走っています。ミミズは,異なった方向に作用するこれらの筋肉を伸び縮みさせ,体節を次から次へ収縮させて体にリズミカルな波動を起こすことによって前進します。

今回の研究グループは、日本に生息するフトミミズのこの筋肉組織を1㎝角程度のシート状に加工し、ポンプの駆動部に搭載しました。電気刺激でこの筋肉シートを収縮させたところ、毎分5マイクロリットルの流量で水を送ることができたとしています。

研究グループは、神経組織などを含めてミミズ同様の構造を人工的に作れば、電気を必要としない超小型ポンプを実現できると説明しています。

神経組織を含めて人工的に作るのは、かなり難しいとは思いますが、血管内ポンプなど面白い用途はいろいろ出てきそうです。