ごっとさんのブログ

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スマホ経由の高血圧治療

2016-10-02 10:34:02 | 健康・医療
IoTを活用した高血圧の患者に対する、遠隔療法の安全性などを検証する実証研究を、ITベンチャー企業と東京女子医大が共同で開始しました。

IoTはそのまま訳すと「モノのインターネット」となり、あまり意味がピンと来ませんが、色々なものをネットと接続し、スマホやPCで総合管理するという概念のようです。よく知られたものとしては、家電類やオーディオ機器をつなぎ、スマホなどで一括管理するという物ですが、単にオンオフだけではなく、自分に合った最適な状況を作り出すということが可能なようです。

IoTはこういったものだけではなく、例えば製造業などでは非常に多くの部品を使用していますが、これをすべてネットにつなぎ、例えば消耗度や故障などをいち早くつかんで対応するといったことが、すでに試みられているようです。

このIoTが医療分野にも利用されるようになってきました。もともと検査機器などはネット化されており、検査ℊ終了するとすぐ医師のPCに画像出るようになっています。しかしまだこれは同一病院内だけで、いわゆるインターネットにはなっていないわけです。

実証研究は2016年9月から19年3月までの予定です。患者を遠隔診療による非対面型診療群と、従来の対面型診療群に無作為に分けて治療を開始します。1年後に患者本人の希望により、その後の診療方法を非対面型か対面型か選択するとしています。

非対面型の場合、患者は近距離無線通信「ブルートゥース」を搭載した家庭用血圧計を使って自宅で週3回以上血圧を測定し、データをスマートフォンの専用アプリに転送して管理します。担当医は定期的にアプリで管理されたデータを参照して治療方針を決定し、テレビ電話やチャットなどで診察し、薬を処方します。薬は院内処方で、患者の自宅まで郵送される仕組みになっているようです。

日本の高血圧人口は約4,300万人と推定されていますが、このうち約半数は治療をしていないようです。治療には長期間にわたる定期的な血圧のモニタリングが重要で、日本高血圧学会のガイドライン(14年)では特に家庭での血圧測定に基づく治療が重視されています。遠隔診療による高血圧診療ができれば、病院に行く手間と時間が省けるため、今まで治療していなかった人が治療を受けるようになることで病気を予防でき、将来的に医療コストの削減効果も期待できると考えられています。

私など時間の自由がありますので、いつでも病院に行けますが、それでも待ち時間や通院など考えると億劫になってしまいます。医師とのコミュニケーションの問題など出てくるかもしれませんが、少なくとも慢性疾患には有効な試みのような気がしています。