読書ノート  

主に都市、地域、交通、経済、地理、防災などに関する本を読んでいます。

財政・金融政策の転換点—日本経済の再生プラン 飯田泰之 2023中公新書

2024年03月04日 | 経済・財政・産業(財務省・経済産業省・日本銀行)

経済カテゴリの本は結構読んでいたつもりだが、経済学の本を読んでノートを書くのは久しぶり。
経済学の復習と最近の金融政策に関する知識のアップデートのためにと思ってこの本を購入し、読み進んだ。
ブキャナンの新正統派批判とかモディリアニとか、50年近く前に学習したことを懐かしく思い出した。

しかし、読み進めていくうちに、この本はリフレ派と言われる著者の主張が込められていることがわかってきた。
(第3章)
日本の財政が破綻する可能性は低い。
  国債金利rよりも経済成長率(名目)gが高ければ財政は破綻しない(修正ドーマー条件)。2013以降コロナを除いて日本は〇。途上国などでは突然の金利上昇(=債券価格下落)発生が起こり得るが政府日銀の対応で。
 (※財務省はr≒gを前提にプライマリーバランスの黒字化=政府債務残高/GDPの引き下げの必要性を主張している)
財政の黒字のための「緊縮」を急ぐことは、経済成長率を低下させ、財政破綻以上の経済リスクをもたらす可能性がある。

(第4章)
好景気は失業から就業への転換だけでなく、OJTや生産性の高い分野への移動、さらには人手不足解消のための投資を促進する。すなわち需要は自らの供給を創造する。これが高圧経済論の主張である。
低生産性部門から高生産性部門への連続的な変化の蓄積が古典的成長をもたらす。しかし、政府が成長産業を選別することは困難だ。金融政策に加え、選別を最小化した拡張的財政政策をとるべき。



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