梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

近況/職場の変化(その9)

2024年09月14日 05時39分20秒 | Weblog
介護福祉士実務者研修の六回目(9月2日)を、大宮で無事終えたことまでお伝えしました。近況のテーマで、次の話題に移ろうと思ったのですが、その後一週間で色々なことが起こりました。2日の後日談として、お付き合い下されば幸いです。色々な出来事に振り回され、今の自分の心境もあらたて再確認しています。

2日ホテルで朝4時半に起きた時、喉に違和感がありました。持参していた体温計で、熱を計ってみると36.4度の平熱でした。会場はここから歩いて10分。9時開校なのでテストへの復習など、たっぷり時間はあります。迷走台風10号はどこへ行ったのか、外を見ると太陽が照っていました。自宅から会場は遠かったので、何かあったらと前泊をしたのですが、少し肩透かしとなりました。

そして当日テストは合格、実務者研修も山場は越えました。終わったのは午後5時半、残暑がまだ厳しい大宮でした。緊張感から開放される瞬間を迎えましたが、これから家に直行しても、頭の切り替えができない状態です。JR大宮駅の東口は一杯飲み屋が立ち並ぶ、ちょっとした繁華街です。一軒の安居酒屋に入りました(正確には「吸い込まれるように入ってしまった!」です)。

店員さんに席に案内され、店内を見渡すと、若い女性の二人連れが殆んど。完全に場違いの居酒屋に入ってしまった感じです(完全にアウエー)。店員さんの案内も半分位しか理解出来ず、ネットで情報を収集すると、「完全モバイルオーダー制(スマホ注文)蛇口セルフ飲み放題!?」とのこと。安いお酒は1時間398円から飲み放題。その上のランクを注文(蛇口制限無し)すると、空のジョッキとお通しが出され、食べ物はスマホから注文しました。

少し落ち着いて突き当りの壁を良く見てみると、13個の蛇口が付いています。ようやくシステムが分かってきました。蛇口から適当に酒を注いで、氷も炭酸も自分でブレンドして自分で飲め。銭湯をイメージした店舗で、大衆居酒屋という場所で銭湯のような普段使いできる社交場を提供するお店。だそうです。客層の対象はZ世代です。ちび小籠包は1つ70円(税抜)でした。後から男性客が入ってきてホッと一安心。

お店から妻に一軒寄って帰ると連絡すると、そんな予感があったとの反応。お店は一時間で、帰路に着きます。6月からeラーニングが始まり、一日として介護研修の勉強を怠ったことはなく、緊張の連続。偽らざる私の心境は、大袈裟ですが「精も根も尽き果てた」です。束の間の大宮、いい気分転換にはなりました。実は、テストの結果は自分では満足いくものではありませんでした。気力・体力の限界の年回りになったのだと、素直に実感しました。

後は書くことがなく、後日談はここで終わりかなと思っていました。翌日3日、微熱が出て倦怠感があります。私はその日はGHの当直でしたが、その前の週末(8/31)、出所しなくてもよいと代表から連絡が入っていました。その数日前からデイ介護の施設でコロナに感染した利用者や職員が続出し、GHの一人の利用者も感染してしまいました。高齢の私(妻も)を配慮してか、3日のGHの当直を外してくました。代表の判断は、適格でした。

4日になり、体温は37.5度に達し咳き込むようになり、家にあるコロナ検査キットで調べたところ陽性反応がでました。その日のうちに医者に診てもらい薬を出してもらいましたが、症状が緩和したとしても7日(土曜日)まで自宅待機です。テスト前日の1日までは自覚症状が全くなく2日に臨んだのですが、正にピンポイント日の受験となりました。

問題は7日です。その日は、アウエーだった大宮校からホームの西船校に戻り、医療的ケアの実技実施日(一日目)でした。二日目は翌週の14日と続いていました。スクールの事務局に、7日分の他校への振り替えの問い合わせをします。7日の分だけ振り替えても、二回目14日は西船校では受講できないとのことです。つまり一日目の経管栄養を終えてから、二日目に喀痰吸引の順で受講して下さいとの理由でした。要は14日の前に一日目の振り替えが可能ならOKだけれど、それが出来なければ二回目とも他校へ振り替えなくてならないのです。

結局、21日新宿校で一日目、24日町田校で二日目、振替受講予約ができました。西船橋校へ戻ることはなく、またアウエーで最後の研修まで終えることになります。そのような訳で、9月2日の後日談は続きます。因みに、体調は何とか回復し、当直復帰は8日からとなりました。    ~次回に続く~ 

 大衆酒泉テルマエ大宮泉
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近況/職場の変化(その8)

2024年09月07日 06時07分39秒 | Weblog
介護福祉士実務者研修の六回目を、9月2日に終えました。スクーリング全部で八回の中で、この六回目が一番山場となる日でした。終了テスト(筆記・実技)が行われたからです。前回もお伝えしたように、この実務者研修は初任者研修と違って、授業は介護過程と医療ケアがメインです。初任者研修で学んだ他の科目は、更に細部に亘る内容を、eラーニングで自宅学習する形となっていました。

終了テストの筆記は、それらも全部(テキスト5巻分)含めて問題が出されます。筆記といっても、5択から正解1つを選ぶマークシート方式で、問題は全部で50問、制限時間は一時間です。事前に「総復習集」が配られ、45のテーマでそれぞれ五つ正しい答えが書かれていて、その中からテストの問題が出されるとのこと。それを学習すれば、ある程度の点が取れるようになっていました。しかし本番は50問、実際にテストを受けると、総復習集から出された問題は40問位で後10問程は応用問題でした。初任者研修の終了テストの筆記では、総復習集の範囲からしか問題は出されませんでした。

終了テストの実技は、二回目から五回目までの授業で行った内容です。仮定した要介護者のアセスメントから始まって、介護計画の立案、実施の手順書の作成、そしてその実技演習。テストはその実技の検定でした。アセスメントとは、利用者さんの状態や取り巻く状況に関する情報を収集・分析し、利用者さんが求めていることや解決すべき課題を明確にするために行う評価や査定です。介護計画の肝となります。実技については前回でも書きましたが、グループで手順を作り上げていき、後は各自が手直しをして、利用者役は生徒がなり、その人を相手に実技をし、講師の評価を受けるというのがテスト内容です。

当日は午前が筆記テスト、午後が実技テストでした。両方とも、当日やり直しが可能でした。午前は約三時間、一時間が筆記の本番テスト。そこで合格点(50問中35問以上正解)を取れば終わり、後の二時間は合格点が取れなかった人の再挑戦の時間でした。再試の問題は本番と同じ問題で、不正解をやり直すことです。その日は12名生徒がいましたが、半数が一回目で合格、残りの人は12時・3回までがリミットで、35問をクリアすれば合格です。インド人の女性の方がいて、一人最後まで頑張り、リミット直前で合格されました。その瞬間、皆から拍手が沸き上がりました。

午後は約4時間半です。実技のテストは二パターン。介護施設に入居、75歳男性、要介護度4、パーキンソン病を患っています。この利用者を部屋から、⑴トイレに手引き歩行で誘導し排泄してもらう、⑵食堂に車椅子で移動して食事をしてもらう、この二つのパターでした。先述したようにこの二つは、四回目と五回目の授業で手順は既に練習しています。昼休憩の前にグループを二つに分け、くじ引きで⑴か⑵を決めておきます。この時点で皆の緊張が伝わります。午後一番から一時間半程最終練習をして、その後一組ずつ本番のテストとなります。危険行為を行ったり安全確認を怠ったりすると、指摘を受け不合格。後で最初からやり直しをさされます。一発合格は12名の内3名だけでした。全員が合格したのは夕方5時を過ぎていました。ようやく皆の顔に、安堵の色が表れました。

スクール側は全員・当日卒業させることを前提にしています。しかし講師のプライドもあり、決して甘い評価はしません。この実務者研修の上位の資格としては、国家資格の介護福祉士の試験です。介護福祉士の試験は、もう実技検定はなく筆記試験のみになりますが、グレードが上がり問題はひねったものも出るそうです。

実は私は初回から五回までの授業は西船橋校で受けていましたが、このテストの回は大宮校で受けました。西船橋校の六回目開催は8月31日でしたが、その日が外せない予定が入っていたので、振り替えて大宮校にしたからです。東京近辺にスクールが八カ所あり場所を選ばなければ振替が可能です。安全度を踏んで、大宮駅前のホテルに前泊の予定を組みました。

外せない予定とは、ある会の二泊三日の長野への研修旅行でした。初日が8月31日でした。当初は二日目に皆さんと別れ、新幹線で大宮のホテルに宿泊のつもりでした。そこに迷走台風の10号襲来でした。二日目長野から戻れる保証はありませんので、結局30日に旅行全てを見合わせました。それによってテストの直前に、復習時間が十分に確保できました。

私個人のテストの結果ですが、筆記試験は一回で受かり、実技検定はやり直しを一回行いパスしました。アウエーで、山場を何とかクリアできました。実務者研修は残すところ医療的ケアの演習、喀痰吸収と経管栄養の、それぞれ一日ずつとなりました。    ~次回に続く~

 快適な大宮のホテル
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近況/職場の変化(その7)

2024年08月31日 05時43分27秒 | Weblog
このブログのテーマのシリーズ第一回目に、介護福祉士実務者研修を6月から受講することをお伝えしました。受講の動機は、介護職員初任者研修を今年4月に終え、基礎の知識や技術を折角苦労して習得したのに、月日が経つといずれ忘れてしまうとの強迫感のようなものが生まれてきたからです。そして、次の挑戦となったのが実務者研修でした。

介護職員初任者研修は介護の入門で、そのキャリアアップとして介護福祉士実務者研修があります。今回の実務者研修は、6月から通信教育(eラーニング)がスタートし、7月から始まるスクーリングは8回(週一土曜日)で終了します。筆記試験や実技検定に受かれば、卒業は9月下旬となります。その最中、私の職場は心機一転GHに変わることになりました。
 
あらためて介護福祉士実務者研修についてです。この実務者研修は、介護福祉士国家試験を受験するために、必ず受講しなければならない講座です。また、試験を受験するためだけではなく、より質の高い介護サービスを提供するために、実践的な知識と技術の習得も目的としています。介護職員として働く上で必要な介護過程の展開について学ぶことができ、介護の専門家として生涯働き続けるためのスキルを磨くことができる講座です。

2016年度の介護福祉士国家試験から受験資格として、実務者研修の修了が必須となりました。また、介護福祉士国家試験を実務ルートで受験する人は実務経験3年以上、も必要条件です。2019年4月より、訪問介護事業所で配置が必須の「サービス提供責任者」になるためには、実務者研修の修了か介護福祉士の資格が必要となりました。初任者研修や旧ホームヘルパー2級の修了だけでは、サービス提供責任者になることが出来ません。因みに、私は実務経験が約一年半なので受験資格はありません。

実務者研修の具体的な教科です。テキストが五冊、それぞれの表題は、⑴人間と社会、⑵介護Ⅰ、⑶介護Ⅱ、⑷こころとからだのしくみ、⑸医療的ケア、となっています。⑴と⑵と⑷については、初任者研修で学びましたが、さらに詳しく学び直します。初任者研修では⑶と⑸の教科はなく、実務者研修で特に力点をおかれて学習します。⑴人間と社会、⑵介護Ⅰ、⑷こころとからだのしくみ、についてはeラーニングにて自宅学習。期日まで問題集を解く形で、合格点をクリアし、授業に参加できる仕組みです。

⑶介護Ⅱとは、介護過程のことで、アセスメント→計画の立案→実施→評価の四段階で構成されています。つまり介護職が利用者のニーズにもとづいて日々の介護をする基本となるものです。⑸医療的ケアとは、本来医行為である、喀痰吸引と経管栄養について、一定の教育や環境条件(医師の指示)のもとに介護職が行えるようになったケアのことです。[喀痰吸引と経管栄養については欄外にて注釈]

今回私が西船橋の教室で受講した実務者研修の参加者は19名で、8割弱が女性でした。初任者研修とは違い、6~7割が介護福祉士資格を目指す人たちで、真剣さが全く違いました。授業の方も生徒の自主性を引っ張りだすように組み立てられています。座学で一定の知識は学びますが、後は生徒をグループ四つに分け、テーマを与えられ、皆の知恵とアイデアを出し合う形で進めていきます。

授業の五回目までが、先述の⑶介護Ⅱの介護過程の課題が中心となります。例えばパーキンソン病があり施設に入居している利用者の、介護支援計画の作成から、実際の食事や排泄などの介護の方法(手順書作成と実施訓練)の習得です。グループで話し合い導かれたこの実施訓練に、最後は自分で手を加え、演習するのが六回目の実技の検定試験となります。七回目と八回目は、⑸医療的ケアの実習受講、そして検定試験となります。

授業はグループ単位が中心なので(何回か再編成されますが)、都度グループ内の結束が出来上がります。今回も私が最高年齢でしたが、25歳の男性ともコミュニケーションが図れて親しくなりました。昼はそのグループで机を挟み各自用意した昼食を取り、昼休みの残りの時間はほとんどの人がその場に残り、色々な話で盛り上がります。職場の情報交換(処遇や不満)から将来の進路などまで、話は尽きません。色々な話が聞けて、介護職の世間を知る上で、よい機会となりました。

現在のGHの仕事ではこの資格は要りません。しかし実務者研修の知識は、活かされているように思いました。利用者への介護支援計画と実施の面で、利用者に深く入り込むためにも、私にとってはタイムリーな受講となりました。   ~次回に続く~

[注釈]
喀痰吸引:気道内に溜まった痰を除去する行為であり、吸引後は呼吸がスムーズになり、生命の維持や苦痛の軽減に直結する大切な役割を果たします。
経管栄養:自分の口から食事を取れなくなった人に対し、鼻•口から胃まで挿入されたチューブや、胃瘻(いろう)を通じて、栄養剤を胃まで送る方法です。

 実務者研修のテキスト
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近況/職場の変化(その6)

2024年08月24日 04時43分32秒 | Weblog
今回は、GHでの仕事で食事の提供の話しとなります。基本的には夜勤者が食事を作り、当直に入りその日の夕食そして翌日の朝食を、利用者に提供することになります。GHのキッチンには、流し台もガスレンジも冷蔵庫も電子レンジなどもありますので、家庭の台所と全く遜色はありません。

当直シフトについて、触れておきます。現在、当直する職員は4人います。週三日当直出来る者が2人、週一日当直する者が2人です。週三日当直出来る2人の内、1人が私となります。もう1人は看護師の方(女性で60歳代)です。彼女の当直は、金曜日から日曜日までです。私の当直はその後に、二日連続して入り、一日休み、また一日入り、これで週三回となります。当直要員4人は全て、デイ介護施設に関わっていた人たちです。

食事の話しに戻りますが、施設の代表の想いは前にも伝えましたが、規律ある中にもアットホームなGHを目指しており、食事も家庭的なものを提供したいとのことでした。幸いこのGHが、我が家から歩いて5分程の場所にあり、食事について妻の手を借りたいと申し出たところ快諾を得ました。妻がパートとしてGHに関わることになり、思わぬ展開となりました。

私は去年の五月からデイ介護の仕事をし出して、昼からの通勤(片道徒歩計30分)は、去年の夏の暑さは正直体にこたえました。利用者送迎の車の運転も、老化による視力や判断力の低下を考えると、この先何年も続けられる保障はありません。しかしこの仕事は、体力・気力が続く限りしたいと思っていました。そこで代表に、新設するGHのスタッフを現施設の職員の中から採用するなら、エントリーしたいと申し入れをしていました。結果、私と、また妻までがこのGHで働くことになりました。

妻は結婚してから、梶哲商店で経理を一時期手伝っていましたが、子供が産まれてから育児や家事に追われ、40年近く外での仕事はしてきませんでした。どちらかというと外で働くのは苦手のようです。40年の空白もあり、今さら勤務することなど考えていなかったようで、また障害者の方に接するのも初めて、最後は私に説得される形で務めが始まります。

妻の勤務時間は午後4時30分から6時30までの二時間です。スーパーマーケットは自宅の近く(裏手)にあり、GHは自宅の先に位置します。GHに寄ってタイムカードを押して、スーパーに戻ると時間の無駄にもなり、慣れた自宅の台所で調理したい希望もありました。事前に買い物をして、自宅で料理して、それをGHに持ち込み、お世話する。そのような方法で、代表には二時間の出勤扱いを認めてもらいました。

妻は、子供たちが独立し家庭を持ってからは、毎日の食事に悩むことはなくなりました。昔よく作っていた献立も、最近は忘れてしまったといいます。それを思い出すのも今回はいいチャンスです。料理は、食材の調達(古い物の管理)から始まって、盛り付けまで、頭をフル回転させます。他人の食事を作ることは、認知症の予防には、とてもよいのではないでしょうか(人のことばかりいえませんが)。

食費は利用者から定額を月単位で徴収します。始まったばかりですが、その徴収額では、まかなえていないのが現状です。実際掛かった食費から徴収した額を引いた不足分は、GHの負担となります。利用者さんから追加徴収するのか、掛かる食材費を見直しするのか、1~2カ月やってみてからの調整となりそうです。利用者がまだ二人ですので四人(定員)よりも割高になっていること、また当直職員4人が入れ替わるので食材管理(献立)が統一されてないことにも原因はあります。

妻との会話が増えました。GHの食事に関する献立や食材調達については、同じ職場で共同作業となります。前日の当直者が残した食材も、私たちの当直の間に使い切らなければ無駄になり、妻とのその打合せも欠かせません。GHの利用者には戸惑いもあった妻ですが、GさんTさんにも徐々に慣れてきたようです。妻が帰ってから翌日まで、私の二人への関与が気になるようです。仕事が終わって朝自宅に戻っても、妻と私の会話はGHの話題が中心となりました。

私の介護職への転職から、この仕事に妻を巻き込んでしまいました。食事を作ることで、妻は障害者と向き合うことになりました。妻にとってみると、外で働こうなどとは思っていなかったところに、職場が向こうから、それも自宅のすぐ傍に近寄ってきたことになり、まだ戸惑いは消えていないのでしょう。   ~次回に続く~ 

 ある日の夕食
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近況/職場の変化(その5)

2024年08月17日 05時56分17秒 | Weblog
私のGHでの勤務は7月17日からスタートしました。夕方4時に入所して、翌朝9時30分に退所します。利用者が夕方デイ介護施設から戻り翌朝施設に送り出すまで、その間二人の利用者(今のところ二人)を一人で、GHで生活援助することになります。その私の夜勤は週3日です。

二人にはそれぞれ、デイ介護施設所属のサービス管理責任者が作成した「共同生活援助事業所/個別支援計画」があります。それに則って、GHで支援しなくてはなりません。例えば一人の利用者の個別支援計画での総合的方針は、「GHで生活する中で色々経験を積み、自分の事は自分で出来るようになる目標の達成を支援する」、となります。

さらにその支援計画の中には、長期目標と短期目標があります。長期目標は「部屋の整理整頓、掃除や洗濯などルーティーンとして行えるようになる」で、短期目標は「公共交通機関を利用したり自転車を使ったりして、通所施設に通えるようになる」です。あくまでも利用者や家族の生活のニーズ(目標)があり、それに対して介護職員が支援する形になります。

利用者の二人は、障害支援区分としては3(区分は1から6まであり数字が上がる程重い)の方です。支援区分3ではありますが、食事や入浴や排せつなどの介助は必要なく、一人での移動(歩行)も全く問題ありません。つまり身体障害ではなく、精神や知的障害の方です。部屋は6畳ほどの個室となり、施錠も出来ますのでプライベートは守られています。

従って私の仕事は、個別支援計画の遂行の他としては、食事の提供(これについては次回説明します)、日用品の調達・管理、トイレや風呂や共同スペース(食堂・キッチン)の掃除、となります。そして夜間の見回りです。23:00、2:00、5:00がその時間で、個室に施錠してあればマスターキーで開け、異常ないかを確認をします。この仕事がまさに夜勤です。

見回り以外夜は寝ていても問題はないのですが、どうしても睡眠を妨げる要因となります。利用者は2階に居て、私は1階です。夜間にトイレに行くのとまた違います。初回の夜勤で、2:00の見回りが終わってから、寝床が変わったせいもあり、横になっても中々眠れず、結局朝まで起きていました。起きていても、本を読んだりブログを書いたり他にすることはありますが、翌日身体にこたえます。徐々に慣らしていくしかないと思っています。

利用者は男性二人、一人が25歳のGさん、もう一人が39歳のTさんです。二人とは、デイ介護施設からですので、お付き合いは一年三カ月になります。気心知れているとはいえ、昼と夜とでは利用者の違う側面があり、GHがスタートして関係性の難しさを実感しました。デイ介護施設では複数の利用者の中でのGさんとTさんですが、GHではほぼ一対一の関係にあるといえます。生活に必要な課題をみつけ、利用者と深い関係を構築できる可能性があります。

そのGさんは、朝起きることにかなり難点があります。Tさんと違って、Gさんはこちらが声を掛けないとまず起きません。朝食の時間は決まっていますが、その時間は無視されます。当初私も何回か声を掛けましたが、起きないのである段階で諦めざる得ませんでした。デイ介護施設の迎えの車が9時過ぎに来ますが、食事もせずにそれまで寝ている状態です。車で来た職員二人に手伝ってもらって、ようやく起きて出掛けて行きます。

ある日の夕食後、Gさんとじっくり話し合いました。Gさん曰く、「自分は10~12時間寝ないと熟睡感が得られない」「朝起きれないことに自分でも悩んでいる」。そこで気付きます、Gさんは睡眠障害者なのであると。怠惰やわがままで朝起きないのではなく、つまり起きられない一種の病なのです。私の起こし方に何か問題があるのかの質問に、「何回もくどく言われると、かえって起きる気にならない」とのことでした。

そこで本人に起きられる時間を自己申告してもらう。朝食べたいもののリクエストを事前に聞いておく。などを話し合いました。食べたいものは卵が入ったみそ汁、申告時間は8時10分でした。果たしてその翌朝です。「8時10分です」「卵が入ったみそ汁できてます」と、寝ている彼に声を掛けました。それでも起きてこないので、諦めかけたその時、8時20分、一人で起きて下に降りてきました。感動でした。

今までの自分の方法ではなく、この歳で利用者から学ぶことがあります。Gさんには構音障害があります。普通では聞き取りづらく、内容が分からなければ分かったふりをしないで、50音表を使い意思疎通を図ります。件の前夜の話し合いも、一時間半に及びました。  ~次回に続く~

 GHの外観

 

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