この時期の恒例で、名古屋に出掛けます。わが社の仕入先の鉄鋼メーカーが名古屋にあり、その株主総会に先週出席しました。新幹線名古屋駅から在来線に乗換えて、最寄りの駅で降りてその会社に向いますが、徒歩で20分位は掛かります。午前10時開催ということもあり時間に遅れない為に、行きは名古屋駅から楽なタクシーを利用しています。
今回は、地元の地理に詳しくない運転手さんでした。ナビを入れるとのことで、画面の道に従って行こうとすると、通行止め等のアクシデント。それに気を取られ、しばらくメーターを降ろさず走行して、料金が可也安くなりました。「その料金で大丈夫ですか」と尋ねると、「自分のミスですから」と運転手さん。15分前に株主総会の会社へ。
わが社はこの電炉メーカーから、厚板材料の供給を毎月受けて、取引をスタートしたのは30年以上前になります。そして窓口の商社に勧められ取引先の持株会に入り、株数は少ないものの株主となり、株主総会に毎年出席させてもらって12~13年になります。
今週は、他の大手企業の株主総会のピークでした。アクティビスト:物言う株主といわれ、上場企業の経営に自らの考えを表明したり役員等を送り込んだり、経営改革を迫る株主が最近話題になります。また事前に所与の条件のもとに、株主総会の場で議案を提案する、株主提案権を行使する株主も年々増えているようです。
このメーカーの株主構成は、取引先の商社や銀行そして関係先高炉メーカー、更に取引先持株会が加わると、半分近くを占めます。その他は退職者OBの株主が多く、所謂一般投資家は多くないようです。当日の会場の、約200名の出席者のほとんどがOBの方々で、とてもアットホームな感じを受けました。
それでも、議案事項が決議されていく中で、二人の株主から突っ込んだ質問が出されました。「なぜ御社は、これほどまで内部留保を高める必要があるのか」。当期の株主資本利比率(自己資本比率)は80%を超えています。「どうして御社は、東証を目指さないのか」。現在は名古屋証券取引所一部上場ですが、前から株主には指摘されていました。
要点を絞ると、次のようなことが株主の主張です。株主(投資家)は、やはり配当が第一である。株価をもっと上げる努力をして欲しい。株価が安く会社の総資産に含みがあれば、そのアンバランスを突かれ、常に大規模買付行為を仕掛けられる危険性がある。(議案である買収防衛策は継続決議されましたが)
これに対し会社側の、議長である社長が答弁されました。勿論配当性向は今後とも高めていきたいとしながらも、会社の過去、資金不足により経営破綻した話から始めました。装置産業である電炉メーカーの宿命の巨額な設備投資、街中に近い立地ゆえ環境整備や不慮の天災・災害、それらに備えなくてはならないと切々と話されました。そして培った企業価値を死守する、とのトップの重みのある言葉で場の雰囲気が変わりました。
私自身は、地元に根を張った経営で東証上場の必要性は無いと考えますが、投資家には違った見解もあります。大型再編や巨額買収の懸案を抱える、昨今の大手企業の株主総会のような緊迫感はないかもしれませんが、この会社の株主総会の株主の皆さんは真剣に将来を見守っていることは確かです。
私は次に行く予定も迫ってしまい、株主総会の後の社長による会社説明会や、工場見学には参加できませんでした。帰りはその会社から歩いて最寄りの駅へ。昼に近い時間帯の名古屋の日差しは半端ではありません。会社は誰の為にあるのか、ステークホルダーの存在とは。色々なことを考えながら最寄り駅に着いた頃は、額から大粒の汗、ワイシャツまで汗が染み出ていました。
今回は、地元の地理に詳しくない運転手さんでした。ナビを入れるとのことで、画面の道に従って行こうとすると、通行止め等のアクシデント。それに気を取られ、しばらくメーターを降ろさず走行して、料金が可也安くなりました。「その料金で大丈夫ですか」と尋ねると、「自分のミスですから」と運転手さん。15分前に株主総会の会社へ。
わが社はこの電炉メーカーから、厚板材料の供給を毎月受けて、取引をスタートしたのは30年以上前になります。そして窓口の商社に勧められ取引先の持株会に入り、株数は少ないものの株主となり、株主総会に毎年出席させてもらって12~13年になります。
今週は、他の大手企業の株主総会のピークでした。アクティビスト:物言う株主といわれ、上場企業の経営に自らの考えを表明したり役員等を送り込んだり、経営改革を迫る株主が最近話題になります。また事前に所与の条件のもとに、株主総会の場で議案を提案する、株主提案権を行使する株主も年々増えているようです。
このメーカーの株主構成は、取引先の商社や銀行そして関係先高炉メーカー、更に取引先持株会が加わると、半分近くを占めます。その他は退職者OBの株主が多く、所謂一般投資家は多くないようです。当日の会場の、約200名の出席者のほとんどがOBの方々で、とてもアットホームな感じを受けました。
それでも、議案事項が決議されていく中で、二人の株主から突っ込んだ質問が出されました。「なぜ御社は、これほどまで内部留保を高める必要があるのか」。当期の株主資本利比率(自己資本比率)は80%を超えています。「どうして御社は、東証を目指さないのか」。現在は名古屋証券取引所一部上場ですが、前から株主には指摘されていました。
要点を絞ると、次のようなことが株主の主張です。株主(投資家)は、やはり配当が第一である。株価をもっと上げる努力をして欲しい。株価が安く会社の総資産に含みがあれば、そのアンバランスを突かれ、常に大規模買付行為を仕掛けられる危険性がある。(議案である買収防衛策は継続決議されましたが)
これに対し会社側の、議長である社長が答弁されました。勿論配当性向は今後とも高めていきたいとしながらも、会社の過去、資金不足により経営破綻した話から始めました。装置産業である電炉メーカーの宿命の巨額な設備投資、街中に近い立地ゆえ環境整備や不慮の天災・災害、それらに備えなくてはならないと切々と話されました。そして培った企業価値を死守する、とのトップの重みのある言葉で場の雰囲気が変わりました。
私自身は、地元に根を張った経営で東証上場の必要性は無いと考えますが、投資家には違った見解もあります。大型再編や巨額買収の懸案を抱える、昨今の大手企業の株主総会のような緊迫感はないかもしれませんが、この会社の株主総会の株主の皆さんは真剣に将来を見守っていることは確かです。
私は次に行く予定も迫ってしまい、株主総会の後の社長による会社説明会や、工場見学には参加できませんでした。帰りはその会社から歩いて最寄りの駅へ。昼に近い時間帯の名古屋の日差しは半端ではありません。会社は誰の為にあるのか、ステークホルダーの存在とは。色々なことを考えながら最寄り駅に着いた頃は、額から大粒の汗、ワイシャツまで汗が染み出ていました。