かぎろひのうた

無系譜の短歌集団として50年の歴史をもつかぎろひ誌社に参加して、かぎろひ誌社と旭川歌人クラブの活動をお知らせしたい

2023年10月 歌会の歌

2023-10-21 18:02:27 | 仲間の歌
1 あんな目をしていた頃があったんだろうって感じの園児の散歩       桑原憂太郎

2 ひとつづつ手放して逝きし先生の面影の見ゆ時雨の中に          柊 明日香

3 ひだまりに佇む肩に訪ね来しつなぎトンボに癒されおりぬ         神林 正惠

4 母が居る大音量のTVの前で何を見るともなく母は居る          緑川 恵子

5 戦火また燃え上がりをり母と子の恐怖に怯える姿痛まし          清水紀久子

6 枝豆の根粒菌を青空に透かしてみればことに美し             安藤のどか

7 朝八時目覚めて入る洗面所 長(おさ)の化粧の残り香の中         白岩 常子

8 白に白を重ねるように真白なる秋明菊は秋の輝き             及川 文子

9 大時化に打ち上げられしホタテ貝競いて渚にゴメと漁りぬ         本間久美子

10 青空を背負(しょ)って美瑛の丘走るポテトハーベスター(ハーベスター)の朱色際立つ 吉田この実

11 半額のケーキは買いだ今回はメロンの切れ端乗っかっている        福屋みゆき

12 「函館の旅来年は必ず」と宣り直したる神無月かな            上野 節子

13 晩秋の日暮れの後の田園にコンバインの灯りゆらめいており        松平多美子

14 年毎にせねばならぬ事増し来るも迷わず行こう光りを求めて        杉本稚勢子

15 生筋子買ふか買はぬか迷ひつつ底値ならむと自転車走らす         鎌田 章子

16 根がいいなら咲く花だって綺麗だと思う私の根は曲がってる        中島ひかり

17 親思う兄達語る饒舌に命日近付き思いふたたび              風無 光子
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