かぎろひのうた

無系譜の短歌集団として50年の歴史をもつかぎろひ誌社に参加して、かぎろひ誌社と旭川歌人クラブの活動をお知らせしたい

2022年12月歌会の歌

2022-12-17 20:09:14 | 仲間の歌
コンサート終えたる人らの感動を包みてエスカレーターは下る     白岩常子

宝くじの売り場に並ぶ七人の人らの肩に髪に雪降る          杉本稚勢子

思慮深くことば少なき友といて水てっぽう連打するごと吾は      及川文子

逢ひたしと思ふ心も遠退きて家に籠れば雪降りしきる         安藤のどか

二粒の解熱剤飲む夜明け前隠れるように八日目を待つ         緑川恵子

「憧れ」は「こどもごころ」と書くのだと気付く見上げる瞳に射抜かれ 中島ひかり

アカマツの大樹の根方に白き腹毛見せてエゾリス吾を迎える      吉田この実

お向かいさんの娘に前歯が生えたのはにーって私に笑いかけるため   桑原憂太郎

取り敢へずチラシの裏にしたためる一首は成りてその店に行く     土蔵寛二

三度四度同じ問ひかけなし来たる職退く友よわれもまた斯く      鎌田章子

師が逝きて早や一回忌を迎えくる数多の短歌(うた)に在りし日偲ぶ  櫻井若子

赤信号のカバーをなぞり落ちゆける師走なかばの朝のあわ雪      柊明日香

雪霏霏と師走初日に到来の積りし嵩をうとみておりぬ         神林正惠

子の家に電話をすれば孫の声明るく弾み「オッ!ばあちゃん」     清水紀久子

極月に街の雀ら遊ばせて紅い実残る姫林檎の木            松平多美子

花柄の雑巾選び清掃すなぜかワクワク仕事がすすむ          上野節子

振り返る一年の計いかんとせ健康なるはよしと微笑む         風無光子

白燐のような冬日が渡りゆく雪雲かかる盆地の空を          北原さつき
コメント
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