身籠りて労わるる身の苦(にが)しさを吐きたる女(おみな)の言葉迫り来 河原由美子
秀麗な大雪連峰けふもまたキッチンの窓ゆ夫と眺むる 井上 敬子
友達が届け呉れにし大根の肥料袋の新芽がかほる 土蔵 寛二
コロナ禍のさつきの風にチューリップ、れんげう全て黄色に戦ぐ 安藤のどか
美容師の手が代わりしかジグザグからロックミシンのごとき感触 柊 明日香
ひと群れの野に咲く花を残しつつ工場長が夏の草刈る 松平多美子
お日様ありて月もみえたる十五時の通りをあるきて今日を映せり 小山 翔子
いつよりか逢わず年經し寺山の友都忘れの花に想いおり 白岩 常子
中学まで母手作りを着て通いセーラー服は着ずて老いたり 鎌田 章子
コロナ禍に外出自粛の籠る日々さ庭の草取り生き甲斐となす 神林 正惠
花柄の刺繍マスクに施しつ学校再開娘は待ちぬ 智理 北杜
濃緑を映して川は流れゆく六月来れど変事つづけり 西勝 洋一
てふてふの小さな影が通りゆく右に左に緑の庭を 清水紀久子
スポーツも解禁されて少しずつ息吹きかえす日本とわれら 上野 節子
ポツポツとアカシアの花が散りゆくとき変わらずに降れ六月の雨よ 谷口 三郎
新緑の森を揺るがすエゾハルゼミの合唱に吾立ちつくす 吉田この実
公園のベンチにひとり媼居し無心に蟻を杖にてつつく 吹田美津子
お揃いのフィラのTシャツは青空(そら)のいろ児ら駆けてゆくタンポポの路 笹川 淑子
秀麗な大雪連峰けふもまたキッチンの窓ゆ夫と眺むる 井上 敬子
友達が届け呉れにし大根の肥料袋の新芽がかほる 土蔵 寛二
コロナ禍のさつきの風にチューリップ、れんげう全て黄色に戦ぐ 安藤のどか
美容師の手が代わりしかジグザグからロックミシンのごとき感触 柊 明日香
ひと群れの野に咲く花を残しつつ工場長が夏の草刈る 松平多美子
お日様ありて月もみえたる十五時の通りをあるきて今日を映せり 小山 翔子
いつよりか逢わず年經し寺山の友都忘れの花に想いおり 白岩 常子
中学まで母手作りを着て通いセーラー服は着ずて老いたり 鎌田 章子
コロナ禍に外出自粛の籠る日々さ庭の草取り生き甲斐となす 神林 正惠
花柄の刺繍マスクに施しつ学校再開娘は待ちぬ 智理 北杜
濃緑を映して川は流れゆく六月来れど変事つづけり 西勝 洋一
てふてふの小さな影が通りゆく右に左に緑の庭を 清水紀久子
スポーツも解禁されて少しずつ息吹きかえす日本とわれら 上野 節子
ポツポツとアカシアの花が散りゆくとき変わらずに降れ六月の雨よ 谷口 三郎
新緑の森を揺るがすエゾハルゼミの合唱に吾立ちつくす 吉田この実
公園のベンチにひとり媼居し無心に蟻を杖にてつつく 吹田美津子
お揃いのフィラのTシャツは青空(そら)のいろ児ら駆けてゆくタンポポの路 笹川 淑子