かぎろひのうた

無系譜の短歌集団として50年の歴史をもつかぎろひ誌社に参加して、かぎろひ誌社と旭川歌人クラブの活動をお知らせしたい

2024年2月歌会の歌

2024-02-17 19:29:00 | 仲間の歌
1 猛吹雪を家に籠ればテレビより花のたよりに心和みぬ         安藤のどか

2 今し方気が済んだとでも言うように夜来の雪が唐突に止む       松平多美子

3 思い返せば苦き日々多し人生の締めはカツ丼タレを多めに       福屋みゆき

4 灯油タンクの目盛り気になる冬期間昨日すこし減り今日ぐっと減る   及川 文子

5 雪払う息子の頭に白髪のかすかに混じりていたるを見つ        白岩 常子

6 未明にて鴉鳴く声こだまして踏む雪凍りパリリと割るる        神林めぐみ

7 ガリガリと凍結路面を削りゆくタイヤの音に朝を目覚める       吉田この実

8 凍て空に瞬く星は冴えわたり幌都の街を人をも包みぬ         櫻井 若子

9 冬陽さし微風が頬に触れて過ぐ道に佇み深く息吸う          杉本稚勢子

10 ジャガイモの芽を取りイカの腸を抜き経を唱えるわれは何者      柊 明日香

11 花ことばは「努力は実る」ネコヤナギを見上げて歩く今日も三キロ   緑川 恵子

12 気嵐に河畔の雪像かすみをり人らまばらな朝を歩めば         鎌田 章子

13 暮れなずむ空に連なる夕焼けのピンクの色に心のさわぐ        神林 正惠

14 タコさんの形に焼かれるウインナー 始まりはきっと愛と思えり    中島ひかり

15 ぐらぐらになっちゃったけど生きていることが許されているってことを 桑原憂太郎

16 ラッセルの除雪した後を作業員は線路の氷スコップで砕く       上野 節子

17 バス停に人ら待つ故われも待つ行く先知らねど二つ先まで       清水紀久子
コメント
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