かぎろひのうた

無系譜の短歌集団として50年の歴史をもつかぎろひ誌社に参加して、かぎろひ誌社と旭川歌人クラブの活動をお知らせしたい

2020年3月の歌 (北海道新聞2020年4月6日夕刊掲載)

2020-04-08 15:49:20 | 仲間の歌
新型コロナウイルスの蔓延により3月の歌会は中止になりました。中止決定になったのが1週間前。その日までに集まった歌を道新に送ってくれたものです。

秋ふかき山の辺の道は時雨つつ古墳にそいて柿朱く稔る      笹川 淑子

薄雲に宿る夕陽はドロノキの一樹の真中に集まり来たり       吉田この実

先月はたしか金沢、リビングのテーブルにある旅行ガイドは      桑原憂太郎

流氷がついに入ったと知る朝(あした)目覚めの頬も鼻も冷し     杉本稚勢子

白き月きさらぎの昼をわたりゆき人気(ひとけ)少なき街を見おろす   鎌田 章子

二つ三つ飛び帰り行く白鳥を弥生望月見守りており         智理 北杜

目に見えぬ敵に脅ゆる日常を家に籠りて終息希ふ          安藤のどか

この歳になれば完全無欠はならず朝夕に飲むドリンク一本      白岩 常子

沈黙の春にするまじ少女らの颯爽とゆく卒業の朝          松平多美子

残りご飯にごま塩まぶし作り来し父の昼餉のおむすびふたつ      柊 明日香
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする