かぎろひのうた

無系譜の短歌集団として50年の歴史をもつかぎろひ誌社に参加して、かぎろひ誌社と旭川歌人クラブの活動をお知らせしたい

2024年新年歌会の歌

2024-01-21 11:02:13 | 仲間の歌
1 昼間からと言われつ昼間しかできぬ主婦の忘年会に出でゆく       白岩 常子

2 廃屋に取り残された雪かきが遠い昔を寡黙に語る            緑川 恵子

3 生きている喜びかみしめ窓際に猫とたたずむ斜陽が眩し         福屋みゆき

4 降りしきるドカ雪に「もう降参」と恨めしく見あぐ低き雪雲       吉田この実

5 裏金で懐肥やした政治家よ全額能登の被災地に寄付を          上野 節子

6 ふるさとの川のほとりに佇みてひとり迎えし初日の出なり        神林めぐみ

7 注連飾り講習会でやっとこさ作って飾れば稲藁匂う           北原さつき

8 どうみてもそう見えたんじゃないだろうっていう感じの絵が飾られていて 蔵原憂太郎

9 守りたきものあるゆえに床柱かろやかに今日も磨きつづける       及川 文子

10 大地震(なゐ)に崩れし家のかたはらに写りてをりぬ赤い椿が       清水紀久子

11 能登の海を行きし思ひ出顕(た)たせたる元日の地震(なゐ)全知を超えて   鎌田 章子

12 屋根の雪を庭に下ろせば雪山は大雪像の土台のごとし          松平多美子

13 夢にゐる子猫はいまだ小さくて目も開けられずミヤミヤとなく      安藤のどか

14 ベッド起こされ庭に目をやる母の無言暮れゆく空に吸はれてゆきぬ    河原由美子

15 日の丸と大漁旗かかげ港内に底引き船は六隻になり           杉本稚勢子

16 冷えきった関係のまま我々は三十六度の熱で生きてる          中島ひかり

17 羽ばたきを忘れたわけではありませんわれの抱負はいまだに朧      柊 明日香

18 迎えるは一望千里輝ける年明けの里みな笑顔にて            風無 光子

互選の結果、一位は7番北原さつきさん「 注連飾り講習会でやっとこさ作って飾れば稲藁匂う」、二位は中島ひかりさん「冷えきった関係のまま我々は三十六度の熱で生きてる」、三位清水紀久子さん「大地震(なゐ)に崩れし家のかたはらに写りてをりぬ赤い椿が」が選ばれました。
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