1 人の為などと言つてはいけません約るところは自分のために 安藤のどか
2 雪降れば一人寂しき心中に影が映れり 蒼いオマージュ 福屋みゆき
3 色の無い長い季節がやっと明け緑の差し色根回りに覗く 緑川 恵子
4 敬語にて線引きされた二人でも紅茶の一杯くらいはいかが 中島ひかり
5 受診より帰りきたれば風除室にメモ添えられて猫柳あり 柊 明日香
6 寄せられし雪の壁へと幼らはロッククライミングのごと登りいる 白岩 常子
7 雪代を浮かべ岸辺の笹を飲み春の大河は海へ海へと 北原さつき
8 まぎれもなく我は怪獣刃物もて魚の頭を切り落とす時 及川 文子
9 スコップとつるはし持ちて雪解けを促す雪割り私の十八番 吉田この実
10 ルビーより赤き太陽のぼる見ゆ春にいまだの寒きあしたに 清水紀久子
11 三月によろめきながら春来ると詠いしひとの在りしを思う 松平多美子
12 パチンコ店の金属音のひびく道けふも変はらず平和と思ふ 土蔵 寛二
13 颯爽と二十二歳の君行けり思ひ出たくさん吾に預けて 本間久美子
14 没つる陽に染まる利尻岳(りしり)の美しさわが街なれど異国のごとし 櫻井 若子
15 WBC出場選手ダルビッシュと大谷育てしは栗山監督 上野 節子
16 次こそは美味い酢豚が食いたいと酢豚を店で食う度に思う 桑原憂太郎
17 薄日さすたこ漁船にペンキ塗り始まる埠頭に一羽のカモメ 杉本稚勢子
18 旧姓の宛名に届く一枚は奇跡のごとし雪消すすむ日 鎌田 章子
19 コロナ禍で旅立ち巣立つ卒業生家族の笑顔に涙がありて 風無 光子
20 移りゆく季節の中に身を置きて雪解の音に心のおどる 神林 正惠
2 雪降れば一人寂しき心中に影が映れり 蒼いオマージュ 福屋みゆき
3 色の無い長い季節がやっと明け緑の差し色根回りに覗く 緑川 恵子
4 敬語にて線引きされた二人でも紅茶の一杯くらいはいかが 中島ひかり
5 受診より帰りきたれば風除室にメモ添えられて猫柳あり 柊 明日香
6 寄せられし雪の壁へと幼らはロッククライミングのごと登りいる 白岩 常子
7 雪代を浮かべ岸辺の笹を飲み春の大河は海へ海へと 北原さつき
8 まぎれもなく我は怪獣刃物もて魚の頭を切り落とす時 及川 文子
9 スコップとつるはし持ちて雪解けを促す雪割り私の十八番 吉田この実
10 ルビーより赤き太陽のぼる見ゆ春にいまだの寒きあしたに 清水紀久子
11 三月によろめきながら春来ると詠いしひとの在りしを思う 松平多美子
12 パチンコ店の金属音のひびく道けふも変はらず平和と思ふ 土蔵 寛二
13 颯爽と二十二歳の君行けり思ひ出たくさん吾に預けて 本間久美子
14 没つる陽に染まる利尻岳(りしり)の美しさわが街なれど異国のごとし 櫻井 若子
15 WBC出場選手ダルビッシュと大谷育てしは栗山監督 上野 節子
16 次こそは美味い酢豚が食いたいと酢豚を店で食う度に思う 桑原憂太郎
17 薄日さすたこ漁船にペンキ塗り始まる埠頭に一羽のカモメ 杉本稚勢子
18 旧姓の宛名に届く一枚は奇跡のごとし雪消すすむ日 鎌田 章子
19 コロナ禍で旅立ち巣立つ卒業生家族の笑顔に涙がありて 風無 光子
20 移りゆく季節の中に身を置きて雪解の音に心のおどる 神林 正惠