入院せしこの大病院の三階に黄昏の窓辺よ 飽かず佇む 煙山久仁子
暗闇をナースのランプが泳ぎくる近づかむとき瞳を閉じよ 早川 照子
ちちははの重き病を前にして哀しみかたを知らぬ吾がおり 蒔田 明嗣
木枯の吹く夜さみしく夫とゐて祖霊きてゐる戸口のあたり 安藤のどか
下降線辿るばかりの思惟にふと高く飛びゆく鳥探しいる 反怖 陽子
暗闇をナースのランプが泳ぎくる近づかむとき瞳を閉じよ 早川 照子
ちちははの重き病を前にして哀しみかたを知らぬ吾がおり 蒔田 明嗣
木枯の吹く夜さみしく夫とゐて祖霊きてゐる戸口のあたり 安藤のどか
下降線辿るばかりの思惟にふと高く飛びゆく鳥探しいる 反怖 陽子