かぎろひのうた

無系譜の短歌集団として50年の歴史をもつかぎろひ誌社に参加して、かぎろひ誌社と旭川歌人クラブの活動をお知らせしたい

.2022年5月歌会の歌

2022-05-23 10:33:48 | 仲間の歌
爽彩ちやん辛かったよね ごめんなさい 大人は何もしてくれないよね  安藤のどか

胸つまり次の頁をめくれない師への哀惜あふれる歌誌を         杉本稚勢子

マスクして手を洗ふことの大切さ学びて二年習慣となる         土蔵 寛二

空腹をチョコレート一つでごまかしてソワソワ待てり「札幌フィル」開演 白岩 常子

友達とアレグロで話す少年が「母さん」ってピアニシモでいう      及川 文子

ひりひりと痛きニュースに堅香子のはなびら鋭く尖りゆくなり      清水紀久子

痒いところありませんかと美容室ソコと言いかけやはり首ふる      緑川 恵子

爽やかなグリーンアロマの香り立つシーツは吾を森に眠らす       吉田この実

子に添ひて深々と眠る娘の髪の混じりし白髪を指に梳きをり       本間久美子

「嘘つきの孫が生まれた」とお向かいの信ちゃん笑みの四月一日     櫻井 若子

折りからの風に吹き散る山桜今年の春もひとに逢えずに         北原さつき

足下の小さき貝殻見失ひ引潮さらふ杭ぞ残れり             河原由美子

咲きほこる名知らぬ野の花いろ濃くに思いのままに呼び名つけやる    風無 光子

寝返りを繰り返す身を潤せり「ある恋の物語」ラジオを流るる      吹田美津子

夕映の水張り田に風が来て淡く微かなさざ波の立つ           松平多美子

泣かせるのがうまい作家に泣かされるために書店に向かう休日      桑原憂太郎

週一の整体施療と高額のサプリメントにわが身を託す          神林 正惠

トロッコ列車に氷雨降るなり知床の海の底ひの引き波の多寡       鎌田 章子

プーチンが画面に映る度に「死ね〜」と念を送ると一人の男       上野 節子

「五月病」なんて知らずに育ちたり昭和生まれの良きこと一つ      柊 明日香
コメント
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