かぎろひのうた

無系譜の短歌集団として50年の歴史をもつかぎろひ誌社に参加して、かぎろひ誌社と旭川歌人クラブの活動をお知らせしたい

2023年9月歌会の歌

2023-09-16 19:30:19 | 仲間の歌
1 見えなくていいものまでが見えてきて新しくした眼鏡を恨む        北原さつき

2 満月の夜はカーテン開けて寝るこぼれる光枕に集め            緑川 恵子

3 お寺の鐘ゴーンと打つは参り人この地にあらずも心おなじく        風無 光子

4 インターハイの会場づくりと十日間笑みさわやかに孫は出でゆく      白岩 常子

5 パラパラと散り零れゆく萩の花 あじさいの葉をドットに模様す      吉田この実

6 十五からペンキ塗りいる職人に十時と三時にお茶を勧める         及川 文子

7 美術館を清掃しているこの人も作品の一部としての清掃          桑原憂太郎

8 パソコンのトラブル直す術はなく焦れば焦るほどに泥沼          清水紀久子

9 道の辺の名知らぬ草にも眼が止まり朝ドラ「らんまん」佳境に入る     杉本稚勢子

10 湯に浮かぶ乳房ふくらか残年を思へば来し方遥かに遠く          鎌田 章子

11 ふれあいのゴミ収集の前日はスイスイと片付く水曜日           神林 正惠

12 足裏にぬるりとウンチを踏んづけて愛猫睨めど涼しげな顔         福屋みゆき

13 眠られぬ夜の静寂に夫を呼び異世界のことを交々に聴く          安藤のどか

14 あなたから届いたラインの動画には「夏の終わりのハーモニー」の残暑見舞い 上野節子

15 音もなく雲の間に入りゆける夜間飛行の灯りを見つむ           松平多美子

16 たくさんの傘の中から一本を手に取るように僕を選んで          中島ひかり

17 カーテンの隙間に白き早朝(あさ)を見ゆ眠れるままに歩みしひと日     櫻井 若子

18 今頃になりて気付きぬこの夏は一年分の汗をかきしと           柊 明日香
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