かぎろひのうた

無系譜の短歌集団として50年の歴史をもつかぎろひ誌社に参加して、かぎろひ誌社と旭川歌人クラブの活動をお知らせしたい

2020年11月歌会の歌

2020-11-21 21:54:49 | 仲間の歌
いつからか商店街の七福神手作りマスクして見守りぬ            上野節子

ベランダにサファイア色のカメムシが日向ぼっこをシーツ干せない      吹田美津子

朝の露につめたくぬれて秋の色に貴船菊咲く庭におりたつ          笹川淑子

無機質に白濁なせる青い池池に動けるいのちあらなくに           土蔵寛二

大ぶりの鉢に水仙の球根植える病に逝きし友を偲びて            柊明日香
 
暮の秋 庭に咲きいし白菊の花に残れる朝露のあと             小山翔子

ケイタイに日々の歩数を記しつつひたすら京を目指してをりぬ        清水紀久子

若き日に買ひて大事にとり置きし服も今では着るに着られず         井上敬子 

枯れ色に染まる山々陽を受けて最期の時の命耀ふ              安藤のどか

しょうしょうと風吹き過ぎてゆく街に携帯が鳴り訃音聞きたり        西勝洋一

秋深み枝垂れもみじの紅葉の美しき姿に魅せられやまず            神林正惠

霜をよけアリストロメリアを招き入ればたじろぐ如く蕾緩びぬ         松平多美子

秋の陽が小石ばかりの河原にさらさらさらと射していました          谷口三郎

歯の間(あひ)に挟まつたままの胡麻粒のがんと動かず 主(ぬし)のごとかり 鎌田章子

豊作となりたる庭の黒ブドウお礼の追肥をたっぷり施す            吉田この実
コメント
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