Jアラート鳴り前線よぎる日搭乗の遠来の客が着くを待ちおり 杉本稚勢子
いちりんの花に心を慰めて夕ぐるる中にひとり佇む 安藤のどか
霊園に土砂降りの雨避けて待つ一期一会の肩寄せ合いて 白岩 常子
海・山と秋色濃くに揃い踏み近くに冬の足音を聞く 風無 光子
久々の灯油の匂い部屋に満ち外は秋雨『晩秋賦』読む 緑川 恵子
今いかに発言すべきかわからない儘に終わりぬ コーヒー辛き 本間久美子
遡上する鮭と数多の鳥たちと 河口にひしめく命と命 北原さつき
しがみつく竿に一つの赤とんぼ破れし羽に木枯らしの吹く 吉田この実
武装する生ゴミ置き場はつれなくて小雨のなかの一羽のカラス 及川 文子
春先に転んで膝の破れいるジーンズのあり たちまちに秋 柊 明日香
急冷に散りゆく花を惜しみつつ秋明菊にはさみを入れぬ 神林 正惠
漸くに治療を終えて晩秋の幌都の夕べの風に抱かれ 櫻井 若子
脳より指の命じる会話かとメール打つ早さに見とれてをりぬ 河原由美子
仲秋の月のあかるし戦場をわたり行くとき狂気をもつか 清水紀久子
幾冊も読まれず本が積まれてる茜の空ももうすぐ暮れる 谷口 三郎
笑まひつつ他人の悪口言ふ人よ 嵐近しと鉢を取り込む 鎌田 章子
ワクチンを接種し後の待機時にマイナンバーカード勧められおり 松平多美子
菅氏読む弔辞に水をさす男「電通が用意」と調べもせずに 上野 節子
いちりんの花に心を慰めて夕ぐるる中にひとり佇む 安藤のどか
霊園に土砂降りの雨避けて待つ一期一会の肩寄せ合いて 白岩 常子
海・山と秋色濃くに揃い踏み近くに冬の足音を聞く 風無 光子
久々の灯油の匂い部屋に満ち外は秋雨『晩秋賦』読む 緑川 恵子
今いかに発言すべきかわからない儘に終わりぬ コーヒー辛き 本間久美子
遡上する鮭と数多の鳥たちと 河口にひしめく命と命 北原さつき
しがみつく竿に一つの赤とんぼ破れし羽に木枯らしの吹く 吉田この実
武装する生ゴミ置き場はつれなくて小雨のなかの一羽のカラス 及川 文子
春先に転んで膝の破れいるジーンズのあり たちまちに秋 柊 明日香
急冷に散りゆく花を惜しみつつ秋明菊にはさみを入れぬ 神林 正惠
漸くに治療を終えて晩秋の幌都の夕べの風に抱かれ 櫻井 若子
脳より指の命じる会話かとメール打つ早さに見とれてをりぬ 河原由美子
仲秋の月のあかるし戦場をわたり行くとき狂気をもつか 清水紀久子
幾冊も読まれず本が積まれてる茜の空ももうすぐ暮れる 谷口 三郎
笑まひつつ他人の悪口言ふ人よ 嵐近しと鉢を取り込む 鎌田 章子
ワクチンを接種し後の待機時にマイナンバーカード勧められおり 松平多美子
菅氏読む弔辞に水をさす男「電通が用意」と調べもせずに 上野 節子