かぎろひのうた

無系譜の短歌集団として50年の歴史をもつかぎろひ誌社に参加して、かぎろひ誌社と旭川歌人クラブの活動をお知らせしたい

2022年10月歌会の歌

2022-10-15 17:10:48 | 仲間の歌
Jアラート鳴り前線よぎる日搭乗の遠来の客が着くを待ちおり  杉本稚勢子

いちりんの花に心を慰めて夕ぐるる中にひとり佇む       安藤のどか

霊園に土砂降りの雨避けて待つ一期一会の肩寄せ合いて     白岩 常子

海・山と秋色濃くに揃い踏み近くに冬の足音を聞く       風無 光子

久々の灯油の匂い部屋に満ち外は秋雨『晩秋賦』読む      緑川 恵子

今いかに発言すべきかわからない儘に終わりぬ コーヒー辛き  本間久美子

遡上する鮭と数多の鳥たちと 河口にひしめく命と命      北原さつき

しがみつく竿に一つの赤とんぼ破れし羽に木枯らしの吹く    吉田この実

武装する生ゴミ置き場はつれなくて小雨のなかの一羽のカラス  及川 文子

春先に転んで膝の破れいるジーンズのあり たちまちに秋    柊 明日香

急冷に散りゆく花を惜しみつつ秋明菊にはさみを入れぬ     神林 正惠

漸くに治療を終えて晩秋の幌都の夕べの風に抱かれ       櫻井 若子

脳より指の命じる会話かとメール打つ早さに見とれてをりぬ   河原由美子

仲秋の月のあかるし戦場をわたり行くとき狂気をもつか     清水紀久子

幾冊も読まれず本が積まれてる茜の空ももうすぐ暮れる     谷口 三郎

笑まひつつ他人の悪口言ふ人よ 嵐近しと鉢を取り込む     鎌田 章子

ワクチンを接種し後の待機時にマイナンバーカード勧められおり 松平多美子

菅氏読む弔辞に水をさす男「電通が用意」と調べもせずに    上野 節子
コメント
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