かぎろひのうた

無系譜の短歌集団として50年の歴史をもつかぎろひ誌社に参加して、かぎろひ誌社と旭川歌人クラブの活動をお知らせしたい

2022年7月歌会の歌

2022-07-17 14:12:00 | 仲間の歌
1 夕暮れの風にそよげる立葵は三年を経て庭に咲きおり         松平多美子

2 生真面目でやさしい友の手作りパンちんまりもっちり腹もちのよし   及川文子

3 和やかに今日のひと日も過ぎゆかむ三人(みたり)姉妹のお喋り終えて 櫻井若子

4 間延びしたテープのような眠りなり今宵の不快指数八十        柊明日香

5 自己主張何に求める若者のバイクの音のいやにうるさし        安藤のどか

6 人形(ひとがた)に傷み哀しみ背負わせて夏越の祓の列に並びぬ    北原さつき 

7 病院の帰りに回り道をして宝くじ売り場に立ち寄つている       本間久美子

8 降り来るはさながら綿雪・ぼたん雪ポプラの綿毛を両手に受けとむ   吉田この実

9 旭嶺の上の満月淡白く東光の街 静かに暮れる            土蔵寛二

10 無愛想な翁の庭に咲く沙羅が少女の笑顔のやうな明るさ        清水紀久子

11 投票をやれ終えて夫と遠回りビール横目にざるそばを食む       白岩常子

12 そうめんにオクラを入れてくるくるとかき混ぜながら食べる七夕    桑原憂太郎

13 国境の海へ出港巡視船りしりは船尾に日の丸かかげ          杉本稚勢子

14 ランナーの走る喜びテレビから溢れる初夏の美瑛マラソン       上野節子

15 せかいぢゆう極右にかたぶきまたちぢむ終末時計に沙羅の花ちる    鎌田章子

16 間合いよく降り来る雨に水遣りの労軽けれど草のはびこる       神林正惠
コメント
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