かぎろひのうた

無系譜の短歌集団として50年の歴史をもつかぎろひ誌社に参加して、かぎろひ誌社と旭川歌人クラブの活動をお知らせしたい

2023年12月歌会の歌

2023-12-16 17:41:57 | 仲間の歌
1 北愁とふ言葉はじめて知りにけり北の愁ひの沁みる夕やみ          安藤のどか

2 「こんなことしていられぬ」とう病む友のラインに冬陽のオーラが注ぐ    杉本稚勢子

3 この町に夢と憧れ積み重ね天まで伸びるかタワーマンション         清水紀久子

4 手の欠けし珈琲カップが捨てられぬとつくに捨てたる思ひでなのに      本間久美子

5 流行語大賞に「あれ」が選ばれ三番館で飴をもらいぬ            上野 節子

6 雪雲の低く覆える西空へ鴉が鴉を追いて飛びゆく              吉田この実

7 何となく元気なさそうな気がしおり景気づけにほら一杯やれば?       福屋みゆき

8 越して来しマンションの赤子泣く声も久しくなりて初霜の朝         白岩 常子

9 木の幹を自在に歩き回りいるゴジュウカラは忍者のごとし          柊 明日香

10 「雪だよ!」の声に飛び起き窓辺まで一目散に子は駈け出しき        松平多美子

11 わが家の前を通りて新雪に花降るように猫の足あと             及川 文子

12 外は雪薪のはぜる音聞きながら窓辺の鉢にウミガメを描く          緑川 恵子

13 夫には夫の地雷私にも地雷はありて無口な夕餉               北原さつき

14 音楽を聴く行為には才能が必要無いから音楽が好き             中島ひかり

15 雪撥ねに大胸筋の叫びしをこれからだぞと足が諭しぬ             鎌田 章子

16 しょぼくれた初老の男に妬まれてしまう師走の雪のちらちら          桑原憂太郎

17 送る年あれも、これもと居残りて来る年に託し柏手を打つ            風無 光子



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