飛びたちし喉の蝶の代りとぞ日々に六錠のめど怪しき 清水紀久子
流線型、上、上、かさね入道雲山並みも消え芒ぞ侘し 久保田一恵
さびしきよ老いてゆ友と別るるは花舗にピンクの花を選びぬ 早坂 信子
タクシーで近くの店へ出でてゆく「寝たきり」「居たきり」怖るる母は 香月千代子
十月の朝露まとい朝顔は今日も咲いてる 頑張れ私 智理 北杜
鳥の群れ急旋回を繰り返す三日月のかげあはき夕空 松倉美知子
深山に巣を張り獲物を待っている蜘蛛の時間をわれは持たざる 西勝 洋一
鉄路みなその錆色のおだしきに時のま鋭く光る線見ゆ 石山 宗晏
忙しなくほつえしずえを渡りいる日雀にわが眼しばし奪わる 柊 明日香
雲間より枝も真白き岳樺を探して下る姿見の池(すがたみ)は晴れ 鎌田 章子
流線型、上、上、かさね入道雲山並みも消え芒ぞ侘し 久保田一恵
さびしきよ老いてゆ友と別るるは花舗にピンクの花を選びぬ 早坂 信子
タクシーで近くの店へ出でてゆく「寝たきり」「居たきり」怖るる母は 香月千代子
十月の朝露まとい朝顔は今日も咲いてる 頑張れ私 智理 北杜
鳥の群れ急旋回を繰り返す三日月のかげあはき夕空 松倉美知子
深山に巣を張り獲物を待っている蜘蛛の時間をわれは持たざる 西勝 洋一
鉄路みなその錆色のおだしきに時のま鋭く光る線見ゆ 石山 宗晏
忙しなくほつえしずえを渡りいる日雀にわが眼しばし奪わる 柊 明日香
雲間より枝も真白き岳樺を探して下る姿見の池(すがたみ)は晴れ 鎌田 章子