かぎろひのうた

無系譜の短歌集団として50年の歴史をもつかぎろひ誌社に参加して、かぎろひ誌社と旭川歌人クラブの活動をお知らせしたい

2023年5月歌会の歌

2023-05-20 19:22:15 | 仲間の歌
1 眠る猫の背撫でながら飛行機の轟音を聞く春の始まり     福屋みゆき

2 暮れ初めてなお暮れきらぬ茨戸川の流れは温き茜を映す    白岩 常子

3 人がみな愛しく思へりさくら花ふるるふるるる風にうたへば  及川 文子

4 風を得て熾る炭火の照りかへりいつの夜よりか護られて来し  河原由美子

5 嫁として優しくなれぬ時もあった今年も詫びて母の日過ぐる  櫻井 若子

6 夕茜静かに照らす部屋にいて晩年という実りを想う      北原さつき

7 すきバサミに軽き音立てカットなす母の髪型女学生めく    吉田この実

8 携帯で撮った瞬間すっと落ちひびの入った桜をなぞる     緑川 恵子

9 山肌に樹状突起の伸びるごと白樺白き樹皮の冴さ冴え     鎌田 章子

10 CGのように聳える大雪山わざとらしいほど白、青、白、青  中島ひかり

11 水仙がいたるところに咲きいでてわれの両耳くすぐり始む   柊 明日香

12 我が膝の痛みは軽し決意して受診の朝を迎えし今は      杉本稚勢子

13 末枯れても花の形をとどめおる紫陽花の木に若葉の息吹く   松平多美子

14 水張田に映る美瑛岳のてつぺんに登頂せしごと蛙顔出す    本間久美子

15 つるつるの肌にひかれてまた買いぬ今夜も作る白蕪料理    上野 節子

16 花の絵の切手が貼られ友からの便り届きぬ桜のたより     清水紀久子

17 皐月晴れ利尻の山に残雪の皆に見せたき絶景なりて      風無 光子
 
18 一心を賭けて為し得た事もなく人の後ろをついて歩み来    安藤のどか
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