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映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

ハミングバード・プロジェクト 0,001秒の男たち

2019-10-04 | 2019外国語映画


「ハミングバード・プロジェクト 0,001秒の男たち」 キム グエン監督
               カナダ ベルギー合作 ☓

 株の高頻度取引を仕事にしている会社で働いていた主人公が仲間とともにより高速の通信回線を設置しようと身体を張って取り組む姿を描きました。実話です。
 証券会社サッチャー社で働くヴィンセント(ジェシー アイゼンバーグ)は情報をより高速で流すためニューヨークとカンザス間1600キロを光ケーブルでつなぎ16秒で情報伝達をし、数百億の利益をあげようと会社を辞め、いとこのアントン(アレキサンダー スカルスガルト)らと資本家を取り込んでプロジェクトを開始します。しかし、サッチャー社の社長エヴァ(サルマ ハエック)の逆鱗に触れ猛烈な反撃に合います。また、自身の健康も蝕まれていました。そんな中でこのプロジェクトは成功するのでしょうか。
 庶民にはどうでもいい内容かと思いきや、ケーブルを埋設するための地主との交渉場面で多くの現実的な問題を露呈させています。たとえば、ヒスパニック系のマーク(マイケル マンド)が交渉すると門前払いをする人もヴィンセントが相手をすると話を聞く、という人種問題、また、アーミッシュの地域との交渉では、光ケーブルの是非の前に株取引そのものへの疑問が投げかけられます。また、ジンバブエのレモン農家のエピソードも大変印象的でした。
 「資本主義」がそろそろ終焉を迎え「ポスト キャピタリズム」という言葉がおもてに出始めている時期に大変タイムリーな作品でした。さすが、カナダ!アメリカではちょっと無理かな。
 タバコは、ヴィンセントが喫煙するのですが、当然のことのようにタバコが原因で健康を蝕まれます。(病名はネタバレになるのでここでは伏せます。が、タバコでなる病気といえば・・・。)時代は2011年です。


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