kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

日野自動車が完全子会社になる日

2017-12-14 05:46:44 | 日記
13日トヨタとパナソニックが車載電池分野での提携を発表しました。
パナソニックは車載用電池事業でテスラと協業していますからEV
分野ではトヨタとはライバル陣営の関係になります。それでもトヨタ
と提携するのは既にトヨタとはずっと以前からハイブリッド車用電池
で提携関係を築いてきたことで信頼関係が出来上がっていたから
でしょう。

環境車開発でトヨタのロードマップは当面はHVに注力し車両価格
の低下や水素スタンドの整備を徐々に進め燃料電池車(FCV)の
の本格拡販につなげると言うモノでした。ところがフランスやイギリ
スが2040年以降ガソリン車の販売禁止を今年打ち出しました。中
国は2019年に新車販売に占める新エンジン車(EVやPHV)比率を
8%に高めることをメーカーに義務付けるなど急激な環境変化が今
年起相次ぎました。

航続距離の短さや車両価格の高さそれに車載用リチウム電池の廃
棄問題の解決策がすぐに解消できないといった理由でEVには後ろ
向きだったトヨタは今年政策を大転換しました。系列のデンソーやマ
ツダとスズキとEV開発分野で新会社を設立しました。その延長線上
にパナソニックとの提携があったのでしょうか。

今年世界の自動車メーカーは一斉にEVシフトを鮮明にしました。ド
イツの3大メーカーはディーゼル車からEVへ環境車の本命を切り替
えました。中国メーカーも国の政策の後押しもあり一段とEVシフトが
鮮明です。トヨタは今でも次世代環境車の本命はFCVという位置づ
けは変わらないようです。

このまま世界の自動車メーカーがEV開発一本に進んでしまえばFC
Vのガラパゴス化は避けられません。日本の携帯電話メーカーがガ
ラケーに傾斜した結果スマホ開発に出遅れ日本メーカーはスマホ市
場でマイナープレーヤーに追い込まれました。次世代環境車分野で
はその二の舞は避けなければなりません。

航続距離の長いFCVは商用車に向いていると言われています。長距
離トラックの利用をメインとするなら整備の既存のスタンドの数倍の費
用がかかる水素スタンドの設置拠点も少なくて済みます。トヨタは子会
社に商用車大手の日野自動車を抱えています。FCVの普及を後押し
するためにはとにかく水素スタンドが商業ベースに乗らなければ設置
拠点は増えません。バスやトラックと言った商用車での普及を積極化
することが近道になりそうです。

11月にはテスラがEVトラックで商用車市場に参入すると発表しました。
このまま手をこまねいていると商用車市場でもEV車の勢力が増しそう
です。トヨタはダイハツを完全子会社にしました。そのダイハツと軽自動
車で首位を争うライバルのスズキとも資本提携しました。トヨタの一連
の動きは従来考えられなかったことです。それだけ自動車業界が100年
に一度と言われる大変革を向かえ王者トヨタと言えども危機感が強い
証拠です。今後迅速な意思疎通を図るためにトヨタが日野自動車の完
全子会社に踏み切るということもありえない話ではないかもしれません。
コメント
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