同じ「AXIOM80」仲間のSさん(福岡)。
「今週、東京出張の折にオリジナルの<シルヴァー イン タンノイ・オートグラフ>を試聴してきます」とのことだったので、一日千秋の思いで結果のメールを待っていたところ、19日(木)にようやく到着。しかも画像付き。
タイトルは「エクセレント!」
「東京でシルバーinオートグラフを聴いて来ました。感想を一言で言い表すならば「欲しい!」です。
あれが本来のオートグラフの音だったのですね。オートグラフに対する私の偏見は吹き飛びました。中高域はユニットがモニターシルバーなので我が家の音そのものなのですが、低域の豊かさが全く違います。
まあそれは物がオートグラフなので当たり前の事なのでしょうが、これまでに沢山聴いた事があるゴールドやレッドが入ったものと同じ響きを想像していると驚かされます。
オートグラフ特有の低音のボンツキは全然なくて、豊な低音がスピード感を伴って出てきます。ゴールドオートグラフの様な位相がズレたモヤっと感やレッドオートグラフの様な低音と高音のアンバランス感は皆無です。
オペラを聴くと当に眼前にリアルなステージが広がっていました。いや~欲しいです。毎日あれで音楽が聴けたなら本当に幸せですよ。今のところ興味を示している人達は、資金調達と奥様説得のハードルを前に、皆さん悩んでおられるみたいですね~、まあ我が家も同じですが(笑)。」
へぇ~、そうですか・・・・。
およそ1千万近い高値との呼び声高い逸品だが、人間、毎日「1千万」と念じていると次第に感覚が麻痺してきて大した金額ではないと思えてくるから不思議。
たとえば随分スケールが小さくなるが、じぶんの経験では若かりし頃にマーク・レヴィンソンのプリアンプを購入したときがそうだった。たしか150万円ほどのお値段で薄給のサラリーマンにはおいそれと手が出る代物ではなかったが、寝ても覚めても欲しい、欲しいと思っていると次第に大した金額でもないと思えてきて、とうとう購入してしまった。
ちなみに、それは後年ワディアのDAコンバーターに化けてしまった(笑)。
さて、Sさんの話に戻って、代わりに計算してあげよう。
まだお若いのであと30年は楽しめるとして、仮に1千万円として1年あたりにすると33万円。1月あたりにすると27500円。1日当たりにすると916円。およそ、千円かあ・・・。
Sさんは一流会社の重役さんだし、福岡市内の超一等地に豪邸を構えられクルマからしてヴィンテージの英国車だから、それほどの負担には感じられないだろう。
おっと、それに下取り価格を忘れていた!
この世に生きとし生けるもの、すべて生命には限りがある。Sさんも例外ではない。そのときのオートグラフの残存価格ははたしてどのくらいなのか?
おそらく購入価格を下回ることはなさそうな気がする。何しろ同じモノが世界にせいぜい一桁あればというほどの稀少品である。しかも、オーディオ好きの「IT」長者やお金持ちのお医者さんはゴマンといるのでもし市場に売りに出されればすぐに買い手がつくことだろう。そのときにご遺族はきっと「お父さん、いい買い物をしてくれましたねえ!」と感謝されることだろう。
そもそも貴重な文化遺産を音楽芸術を通して毎日愛でる楽しみはお金には代えられようはずがない。
こうしてみるとむしろお得な買い物には違いない(笑)。
いずれにしても全国区のレベルの高い競争相手が沢山いる話なので、けっして思い通りの結果にはいかないかもしれないがSさん、がんばって~。陰ながら応援してます。