「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・読書感想、独り言などを織り交ぜてつれづれなるままに書き記したブログです。

ワケありCDの到着

2016年05月27日 | 音楽談義

3日前に「HMV」からメールが届いた。要約すると「あなたが注文していたCDが入荷しましたので送付します。」

エーッ、何かCDを注文したっけ?

CDのタイトルをそれぞれ見てみると、やっと思い出した。ずっと2年以上も前に注文していたもので、ようやく昨日(26日)になって到着!HMVさんの粘りには少々驚いた。

喩えて言えば注文していた料理がすっかり忘れたころになって冷え切った状態で提供された感じ(笑)。

          

ものごとにはタイミングというものがあって、今となっては“ほとぼり”がすっかり醒めてしまい積極的に聴く意欲もわかないが、まあその誠実さには感謝すべきだろう。

遅延の原因は推測だが「風よ吹け、南から」の稀少盤(外盤)の入荷が遅れたため、他の3枚のCDが足止めをくらったからだろう。

それにしても、はたしてどういう経緯で注文したのかそれぞれのCDの記憶の糸をたどってみよう。

☆ バッハの「マタイ受難曲」(3枚組:クレンペラー指揮)

クラシック歴が40年以上にもなるのにいまだにバッハのマタイに拘っている自分が悲しくなる(笑)。宗教曲の中ではベスト1の位置づけにある有名な曲目なので、カール・リヒター指揮の「マタイ」を購入して聴いてみたが、これまで何回もチャレンジしたもののとうとう馴染めず挫折の連続。

どうしても真面目過ぎるというのか、線香臭さが鼻についてしまう演奏なのだ。己の鑑賞力不足は棚に上げて、これはてっきり「演奏がおかしい」と指揮者の責任にして、クレンペラーの指揮なら波長が合うかもしれないと注文したのが真相に違いない。

生きていくうえでも、たとえ己に非があろうと、何でもかんでも他人の責任にするのは楽だからねえ(笑)。

クレンペラーは「勿体ぶり屋のクレンペラー」と揶揄されるだけあって、どちらかといえば大曲向きの指揮者である。名前が「エンペラー」(皇帝)とダブるのでトクをしているのかもしれない。

「魔笛」(モーツァルト)、「ミサ・ソレムスニス」(ベートーヴェン)、「大地の歌」(マーラー)などがとても印象が良かったので「マタイ」ももしかしてというわけで、夢よもう一度だったろう。

この演奏で「マタイ」に再挑戦だが、もし馴染めなければキレイサッパリ諦めることにしよう(笑)。

☆ パスカル・ロジェの「前奏曲全集」(ドビュッシー)

実を言うと、どうしてこのCDを注文したのかいまだに思い出せない。

ピアノ曲ではモーツァルトのピアノソナタ群は別格としてドビュッシーの作品が大好きでベロフ、アラウ、ミケランジェリ、ギーゼキングと著名なピアニストたちが手元にあるので、結局はなぜ「パスカル・ロジェ」に特定したかという話に落ち着く。

1951年生まれだから当年とって65歳、現代フランス最高のピアニストと称される(CDの帯にそう書いてある!)そうな。おそらくフランス人の作品だからフランス人の演奏で聴いてみたいというのが購入動機だろう。

これからじっくり聴かせてもらうとして、好みに合うといいのだが。

☆ コリン・デービス指揮の「幻想交響曲」(ベルリオーズ)

このCDもまたなぜ注文したのか定かには思い出せない。手元のアバド指揮の「幻想」はなかなかの名演だと思うので満足していたはず。

ところで、ベルリオーズはこの「幻想」だけで後世に名を遺したことになる、一発屋と称されるゆえんである。「幻想」はなかなかの人気曲で、この曲を愛する方といえば元総理の福田康夫さんを思い出す。

福田さんは政界有数のクラシックファンで、ヤナーチェクの作品を愛好されているが、好きな曲目を一つに絞るとすれば「幻想」だと何かの雑誌で読んだことがある。

デービスは大好きな指揮者だったが惜しいことに2013年4月14日に逝去している。計算してみると、どうやら死去後に注文したようなのでいわば「追悼盤」ということなんだろう。

☆ キャスリーン・フェリア「風よ吹け、南から」

フェリアといえばブルーノ・ワルター指揮の「大地の歌」(マーラー)の詠唱を思い出す。

CDの帯にはこうある。

「41歳で早世してしまった英国の伝説的アルト歌手、フェリア。彼女の深く柔らかい声で歌われる英国民謡は子供を見つめる若い母親の眼差しのような優しさのこもったもの、ただ聴いているだけで、心の奥の軋んだ扉が解放されるような感動が広がってきます。

かのデッカのカリスマ・プロデューサー、ジョン・カルショーもその著で“単純さと正直さこそが本質であるこの歌に、キャスリーンは苦も無く生命を吹き込むことができた」と大絶賛しています。良質な英国LPからマーク・オバートが新たに復刻したバランスの良い音質もうれしい限り。」

ハイハイ、素直に真に受けてこれから聴いてみましょう(笑)。

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「ヴィブラフォン」騒動記

2016年05月26日 | オーディオ談義

つい先日のブログ(2016.5.17)でタンノイ・オートグラフ(国産箱)試聴に関する記事を掲載しておいた。

持ち主のMさん(大分市)の「音ではなくて音楽を優先した鳴らし方」に感銘を受け、もし(Mさんが)
我が家にお見えになった時は「ユメユメ鬼面(きめん)人を驚かすようなコケオドシの音は出さないようにしよう」と、固〜く心に誓ったわけだが、そのMさんがとうとう我が家に試聴にお見えになった。

ご一緒されたのは「アルテックA5」を愛好されている真空管アンプビルダーのNさんで、オーディオの猛者(モサ)のお二人を交えての試聴会にはじめからチョッピリ緊張した(笑)。

「ひっそり、しめやかな、そして質感の高い音」を心がけるとともに他人の耳が加わると新たな発見に恵まれることが多いので秘かに胸を弾ませたわけだが、やっぱりというか、とてもタメになったので後日のために記録に残しておくことにした。

それにしても、この日にMさんが持参されたのは何とも再生の難しい意地の悪いCDだった。

           

「モダン・ジャズ・カルテット」といえば、ヴィブラフォン(ミルト・ジャクソン)が有名だそうだが、これをウェストミンスターのシステムで聴いたところ蒼くなってしまった。

            

低音域と中音域の繋がりが悪くて実におかしな音になったのである。ヴィブラフォンという楽器の再生はシステムのアラをたちどころに露わにしてしまうようだ。お客さんのMさん、Nさんも無言のうちに首を傾げるばかり。

そのときのシステム構成は次のとおり。

CDトランスポート(dCS) → DAコンバーター(dCS) → (プリアンプ抜きの直結) → パワーアンプ「71APP」 
 
そしてスピーカーは3ウェイのオールホーン式、ネットワークはYL音響製。

低音域(〜1100ヘルツ) → フィリップスの口径30センチのダブルコーン型(箱はウェストミンスター)

中音域(1100〜9000ヘルツ) → グッドマンのミダックス・ドライバー(オリジナルホーン付き)

高音域(9000ヘルツ〜) → JBL「075」(ステンレス製の特注ホーン付き)

周波数の分担域に応じてそれなりの適切なユニットを配置している積もりだし、他のCDならそこそこの音なのにヴィブラフォンの再生となるとなぜこんなにおかしな音が出るんだろう?

「お前はそんなに駄耳なのか」という評価が恐ろしくて(笑)、「10分ほど時間を貸してください」と、即行動に移った。

急遽、3ウェイから無難な2ウェイへと方向転換してバタバタと結線のやりかえ。な〜に、ドライバー工具1本あれば済む話。

YL音響製の3ウェイ式ネットワークに替えて、パイオニアの2ウェイ式ネットワークのリリーフ登板と相成った。クロスオーバーは4000ヘルツ。低音域はそのままに、4000ヘルツ以上をFane社(イギリス)のコーン型ツィーター(口径10センチ)へと変更。

「いやあ、随分繋がりが良くなりましたよ!」と、一同ご満足のご様子。これでホット一息。

3時間ほどの試聴を終えてお客さんたちが帰途につかれた後でようやく「ヴィブラフォン騒動」の原因らしきものに思い至った。

ウェストミンスターの箱を使って2ウェイや3ウェイにするときはオリジナルユニット以外はクロスオーヴァーを1000ヘルツの設定にしたのが大間違いのもとだったようだ!

あの独特のフロント・ショートホーンの形状がキーポイントでカタログの仕様ではクロス1000ヘルツとされているもののそれはあくまでも同軸2ウェイを使ったときの話で、別のユニットを使うときは少なくともクロス3000ヘルツ以上に設定しなければいけなかったみたい。

道理で、これまでJBL3ウェイシステム(クロス500ヘルツ)がうまく鳴ってくれなかった筈で「今ごろ気付くなんて」と自分のアタマを小突いてやった(笑)。

これで我が家のオーディオは1歩も2歩も前進(?)。

翌日はクロス4000ヘルツをそのままに、コーン型ツィーターからJBLの「075」に変更。能率が110dbとメチャ高いのでアッテネーターの位置は11時ごろと随分控え目に。

駆動するアンプの方も「71APP」からより高域に透明感がある「71Aシングル」(インターステージトランス入り)に代えたところこれが大正解。懸案事項だったシンバルの響きが冴えわたった。

これでクラシックもジャズも何でもござれだ(笑)。

          

メーテルリンクの童話にチルチル(兄)とミチル(妹)の「青い鳥」という戯曲がある。幼い頃に読んだことがある方も多いことだろう。

ひとくちに言えば、「探していた宝物は意外にも身近に手の届くところにあった」というオチだが、これまでツィーターには散々試行錯誤し迷いぬいてきたが、やっぱり昔から使ってきたこの「075」が一番だったようだ(笑)。

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「聴かぬが花」とは

2016年05月24日 | 独り言

東海地方にお住いの「I」さんから、このほど興味あるメールが届いたのでブログのネタにさせてもらった。「I」さん、無断でゴメン(笑)。 

「こんにちは。ホルンホーンの再登場! ウエストミンスターにフィリップスが収まり、上に、決してピカピカではないホルンホーンが乗っている写真を拝見すると、〇〇様の、<囚われない自由な精神性>を感じます。うらやましい限りです。 
 
先日、日曜の午後に老舗の音楽・オーディオショップが規模縮小の形で開店されましたので行ってきました。お客さんもたくさんいて、便乗して端っこで音を聴けそうだなと見込んで出かけたところ、お客さんはゼロ。 
 
仕方がないので、B&Wの802でピアノとオペラアリアを聴かせていただきました。視聴スペースは20畳ほどでしょうか。 
 
大変立体的な音場で驚きました。それに中高音の美しさが凄かったです。何も申し上げることはありません。〇〇とは大違いでした。しかし、お決まりのアキュフェーズのアンプなど、組み合わせ機器も高級で、軽く1000万円を超えます。 
 
こういう場合、まず、買えないこと、そして、世界で唯一の音を出す楽しみがないこと......で、あきらめることにしています。 
 
しかし、15僂離潺奪匹烹械毅哀悒襯弔ら4000ヘルツを担当させるところは、参考になるので、帰宅後早速、チャンデバ、アンプを総見直しして、同じクロスオーバーにしてみました。拙宅はイソフォンの18兮扮澆任后 
 
レベル設定が難しいと思いました。とりあえずのバランスですが、可能性を感じます。私の経験では、このクロスオーバー位の帯域の質が再生音のクオリティの大きく関係すると思っています。 
 
何かに似ているなあと考えたのですが......ロクハンのフルレンジの音に似ています。ロクハンの上下をうまく伸ばせれば、それはいいに決まっています。おもしろくなりそうです。 
 
それにしても、日曜の午後にお客がゼロで、店員さんの元気もない.......大丈夫かいな・・・と、いらぬ心配をしてしまいました。」

以下、このメールに対して所感を述べてみます。

☆ ホントにこのオーディオ店は先が思いやられますね〜。

 「囚われない精神性」と褒めていただきましたが、オーディオの「見てくれ」にはまったくこだわりません。ただし女性の「見てくれ」は別ですが(笑)。とにかく見かけはどうあろうと好きな音さえ出てくれればそれでいいのです。名を捨てて実を取るタイプだと自認しています。

 ミッド(中音域)の周波数が350〜4000ヘルツにはメーカー側の深慮遠謀が感じられて興味深いです。人間にとって一番デリケートに感じる帯域を1つのスピーカーで賄い、ほかの帯域は「付け足し」というポリシーは大いに参考になります。とりわけ低音域が500ヘルツではなくて350ヘルツでハイカットというところがミソだと思います。

 一番興味を惹かれた「B&W 802」について以下詳述します。

実を言うとこれまで聴いたことがないSPですが「さぞやいい音がすることだろうなあ」という印象を持っています。長年、オーディオをやっていると独特の勘が働いて耳元でそうささやいてくれます(笑)。

不要な共振を排した箱のツクリ、スピード感に劣る大口径ユニットを使わずその代わり口径20センチのコーン型ユニットを2本使用、主要な帯域に金属のダイヤフラムとホーンを使わないなどの基本設計にはクラシック、ジャズを問わず音楽と名のつくものはすべてうまく鳴らしてやるぞというメーカー側の矜持が感じられます。
                             
                     

ただ惜しいことに能率が低いですね。90dbですから(昔のSPは通常95db前後)出力を稼ぎやすいトランジスターアンプ(以下「TRアンプ」)の方が圧倒的に駆動しやすいことでしょう。

もし、じぶんがTRアンプを使っていれば「B&W 802」を第一候補に挙げるのにやぶさかではありませんが、もうこれだけ真空管アンプにどっぷり浸かると撤退は不可能に近いですね。

とは言いながら「B&W 802」にはチャンスがあればと、ちょっと食指をそそられます。正確には802D(ダイヤモンド)ですが。

実際に一度聴いてみたい気もしますが、こればかりは「聴かぬが花」なのかもしれませんねえ。何せブレーキが利かないタチですから〜(笑)。

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エクセレント!

2016年05月21日 | オーディオ談義

同じ「AXIOM80」仲間のSさん(福岡)。

「今週、東京出張の折にオリジナルの<シルヴァー イン タンノイ・オートグラフ>を試聴してきます」とのことだったので、一日千秋の思いで結果のメールを待っていたところ、19日(木)にようやく到着。しかも画像付き。

タイトルは「エクセレント!」

「東京でシルバーinオートグラフを聴いて来ました。感想を一言で言い表すならば「欲しい!」です。

あれが本来のオートグラフの音だったのですね。オートグラフに対する私の偏見は吹き飛びました。中高域はユニットがモニターシルバーなので我が家の音そのものなのですが、低域の豊かさが全く違います。

まあそれは物がオートグラフなので当たり前の事なのでしょうが、これまでに沢山聴いた事があるゴールドやレッドが入ったものと同じ響きを想像していると驚かされます。

オートグラフ特有の低音のボンツキは全然なくて、豊な低音がスピード感を伴って出てきます。ゴールドオートグラフの様な位相がズレたモヤっと感やレッドオートグラフの様な低音と高音のアンバランス感は皆無です。

オペラを聴くと当に眼前にリアルなステージが広がっていました。いや〜欲しいです。毎日あれで音楽が聴けたなら本当に幸せですよ。今のところ興味を示している人達は、資金調達と奥様説得のハードルを前に、皆さん悩んでおられるみたいですね〜、まあ我が家も同じですが(笑)。」

                      

へぇ〜、そうですか・・・・。

およそ1千万近い高値との呼び声高い逸品だが、人間、毎日「1千万」と念じていると次第に感覚が麻痺してきて大した金額ではないと思えてくるから不思議。

たとえば随分スケールが小さくなるが、じぶんの経験では若かりし頃にマーク・レヴィンソンのプリアンプを購入したときがそうだった。たしか150万円ほどのお値段で薄給のサラリーマンにはおいそれと手が出る代物ではなかったが、寝ても覚めても欲しい、欲しいと思っていると次第に大した金額でもないと思えてきて、とうとう購入してしまった。

ちなみに、それは後年ワディアのDAコンバーターに化けてしまった(笑)。

さて、Sさんの話に戻って、代わりに計算してあげよう。

まだお若いのであと30年は楽しめるとして、仮に1千万円として1年あたりにすると33万円。1月あたりにすると27500円。1日当たりにすると916円。およそ、千円かあ・・・。

Sさんは一流会社の重役さんだし、福岡市内の超一等地に豪邸を構えられクルマからしてヴィンテージの英国車だから、それほどの負担には感じられないだろう。

おっと、それに下取り価格を忘れていた!

この世に生きとし生けるもの、すべて生命には限りがある。Sさんも例外ではない。そのときのオートグラフの残存価格ははたしてどのくらいなのか?

おそらく購入価格を下回ることはなさそうな気がする。何しろ同じモノが世界にせいぜい一桁あればというほどの稀少品である。しかも、オーディオ好きの「IT」長者やお金持ちのお医者さんはゴマンといるのでもし市場に売りに出されればすぐに買い手がつくことだろう。そのときにご遺族はきっと「お父さん、いい買い物をしてくれましたねえ!」と感謝されることだろう。

そもそも貴重な文化遺産を音楽芸術を通して毎日愛でる楽しみはお金には代えられようはずがない。

こうしてみるとむしろお得な買い物には違いない(笑)。

いずれにしても全国区のレベルの高い競争相手が沢山いる話なので、けっして思い通りの結果にはいかないかもしれないがSさん、がんばって〜。陰ながら応援してます。

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黄金の組み合わせ

2016年05月19日 | オーディオ談義

先日、久しぶりに同じ「AXIOM80」仲間のKさん(福岡)が試聴にお見えになった。

いわば他流試合になるが、独りで聴くのとは違ってディスカッションをしながら聴くと出てくる音の長所も欠点も洗いざらい白日の下にさらされるような気がして、(音の)チェックにはもってこいだった。

この日はKさんがこのほど改造したばかりのアンプを持参されたのでさっそく試聴させてもらった。

          

出力管は「42」で1920年代のラジオ用の球だが、これがまったく振るい付きたくなるほどいい音だった。改造先はチューブ オーディオ ラボ」さん(新潟県)。

試聴盤は協議の結果、「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K・364」(モーツァルト)に選定。

600曲を越える多作家モーツァルトの作品の中でもオペラを除くと一番好きな曲目である。Kさんも大好きで毎日のように聴かれているそうだし、また、日本を代表する作曲家「武満 徹」氏がそのオーケストレーションに感嘆したという曰くつきの名曲である。

演奏者は「五嶋みどり」(ヴァイオリン)さんと「今井信子」(ヴィオラ)さんで日本が世界に誇れる名手たちである。

           

ちなみにグリュミオー盤も持っているので比較の意味で聴いてみたが、日本人コンビの方が上だと意見が一致。五嶋さんの演奏を聴くとグリュミオーは音楽の本質から外れて耽美的な演奏に走り過ぎているように思えてくるから不思議。

「日本人の感性もとうとうここまで来ましたか」と、Kさんともども感無量。

さて、この曲を「42」アンプで聴いていると、音のエッジがクッキリしているのでヴァイオリンとヴィオラの音色の違いを克明に出すことに気が付いた。これが傍熱管のメリットだろうか。

急遽本日のテーマを「ヴァイオリンとヴィオラの音の違いがアンプによってどう変わるか」に設定した。

次にアンプを「71Aシングル」に交換。インターステージトランスが入っていない方のアンプをおよそ1年ぶりに実験的に登板させてみた。

          

はじめに出力管と整流管をST管で聴いたところ、やたらに賑やかな音が出たものの音の奥行き感の乏しさはどうしても否めない。

さあ、ここから名誉挽回だとばかり「球転がし」実験の開始(笑)。

はじめに、Kさんがわざわざ持参されたナス管に交換。出力管、整流管ともども画像の球がそれだが、これで音が激変した。情報量が増し、艶やかな音色、そして適度な奥行き感が醸し出されてまったく言うことなし。使う球のブランド次第でこれだけ変わるんだからまさに「真空管オーディオ」の醍醐味である。

「この球は是非欲しいですね!とても珍しいブランドですがどこで手に入れましたか?」

「苦労しましたよ〜。まだ有名ではないので、オークションに出てもそれほど高値にはなりませんが、滅多に出てこないのが玉にきずです。北国の真空管博士に懇願して譲っていただきました。」

出自が分かってしまうと「道理でいい音がすると思いましたよ!」と、納得。

チョッピリ口惜しくなったので、負けてはならじとばかりとっておきの球を引っ張り出して対抗(笑)。

出力管には「171」(トリタン仕様)、そして整流管にはとても珍しいメッシュプレートのSPARTONの「480」とOKの「X213」。「X213」はこれまた北国の真空管博士に無理をいって分けてもらった稀少球である。

その結果「171」と「X213」のコンビがベストでこれには二人とも唸った!「やっぱり71系は奥が深いですね。たかだか1ワット未満の出力でこれだけの音が出るんですからね〜。」

ちなみに、このとき使用したスピーカーは「AXIOM300+ワーフェデールのコーン型ツィーター」で、2ウェイ方式によりクロスオーヴァーは4000ヘルツ。

           

このスピーカーにはKさんがホトホト感心されて「もしかしてAXIOM80よりも上かもしれませんね・・・。弦楽器に関していえばこれは黄金の組み合わせですよ。」

たしかに、持ち主が言うのも変だが2ウェイだけどまるでフルレンジが鳴っているみたいに音のつながりが良くて違和感がない。音像定位、音の艶、適度な奥行き感、そして周波数レンジの広さにはこれ以上望みようがないほどで、いつもシステムをクルクル替えている自分だが、このスピーカーのコンビだけは絶対に入れ替える気にはなれない。

次に、試聴もいよいよ佳境に入ってウェストミンスターへと移った。このスピーカーは若気の至りで20年以上も前に購入したものだが、聴き込むにつれ音の好みが合わないことに気付いたものの“ときすでに遅し”。

以来、図体の大きさに持て余し気味ながらすっかり実験用と化している。素材が素材だけに「大化け」を夢見てメッタ切りのように内部を改造してやったのが今日の成れの果て。オリジナルとは似ても似つかない様相を呈しているが着実に好みの音に近づいているのはご愛嬌。そもそもオークションに出品しても二束三文は確実なので、もう一緒に心中するしかない(笑)。

このたびYL音響の3ウェイ用ネットワークを導入してから「音遊び」の道具が増えて、中音域のホーンの取り換えで夢のような毎日だが、Kさんは果たしてどんな感想を洩らされるだろうか。

結論から言うと「3ウェイはやはり難しいですね〜。」と、気乗り薄のご様子だった。

駆動したアンプは「WE300Bシングル」(モノ×2台)だったが、先ほど登場した好評の「71Aアンプ」にも再登板の機会を与えたかったが、この日はあいにくの雨ふりで、高速道に靄がかかって通行禁止になるとまずいので帰りを急がなければと惜しくも時間切れ〜。

16時半ごろに辞去されたが、11時ごろにお見えになったので5時間以上に亘っての熱戦だった。

ところで、とうとうこの日もAXIOM80の出番なし。

「いい音が出る」と分かりきっているスピーカーに登板させるほどの時間の余裕は我が家にはないのだ(笑)。

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