「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

柳の下の二匹目のどじょうを狙う

2017年02月21日 | オーディオ談義

このところ新しく作った「AXIOM80」用のエンクロージャーが期待以上にうまく鳴ってくれたのでルンルン気分だが、「欲」は果てしなく広がるのがオーディオマニアの常だ(笑)。

今度は「柳の下の二匹目のどじょう」を狙って、大好きなSPユニット「AXIOM150マークⅡ」(グッドマン口径30センチ)を新たなバッフルに取りつけて「AXIOM80」と入れ替えてみた。いったいどんな音が出るんだろう。

丁度、オーディオ仲間のSさん(福岡)がお見えになっていたので一緒に試聴した結果、二人して「少し音が籠りますね。AXIOM80ほどにはうまくいかないようですよ。おそらく板厚(1.5センチ)の響きと相性が悪いんでしょう。」

「万能という言葉が通用するほどオーディオは甘くない」という冷たい現実を目の前に突き付けられた感じ(笑)。

「七転び八起き」で翌日はすぐに方向転換して今度は同じバッフルにフィリップスのユニット(アルニコマグネット型:口径30センチ)を取りつけてみた。エンクロージャーのネジ受けに鬼目ナットを使用しているので、簡単に交換できて大いに助かる。

            

今度はうまくいった。どうやらこのエンクロージャーはマグネットが比較的軽量タイプのユニットにマッチしているようで、フィリップスが伸び伸びと軽快に歌ってくれてケチのつけようがまったくなし。もともと小編成の音楽には絶対的な強みを発揮していたのだが、大編成にもいささかのゆるぎもない。

流石にモニタースピーカーとして過去に一世を風靡しただけあって低音域から高音域まで音声信号に対する再生の忠実度がずば抜けていて、総合的には「AXIOM80」を上回るかもしれないほど。

常に「どちらか一つの選択」を強いられるので本当に迷ってしまう。

それもこれもユニットの外側からのマウントが大いに利いているようだ。

内側からのマウントに比べてわずかながらも箱の容積の拡大が見込めるし、バッフルとユニットのフレームの厚さによるホーンロードが掛からない利点もあるので音が開放的になって生き生きとした音が出る。

SPユニットは可能な限り外側からのマウントに限ると肝に銘じたことだった。

以上のように、このところ「ウェストミンスター」から「AXIOM80」「フィリップス」と次から次に思い通りに攻略できて笑いが止まらない状況だが、残るは「AXIOM150マークⅡ」(グッドマン)だけとなった。

さあ、このユニットをどう料理しようか。

今回のエンクロージャーづくりで「メーカー製恐るるに足らず」という横着な心境になったので、グッドマン指定のエンクロージャーの旧型バッフルをためらうことなく外して解体し、新たに一枚板でバッフルを作ってみた。

旧型は厚さが4センチほどあって、ベニヤで張り合わせてあったが劣化がひどくて崩壊寸前の状況だったので丁度いいタイミングだった。

しかし、SP周りはやたらと時間がかかり、何と2日がかりの手間と根気のいる気の長~い作業と相成った。

取り付けネジの選択からドリルでの穴開け、ジグソーによる円形のカットなどの作業がごまんとある。もう忙しくて忙しくてたまらん~(笑)。

結果は次のとおり。

         

今回も外側からのマウント、受けネジに鬼目ナットを使用してバッフルの入れ替えを可能にするなどまったく同じやり方を踏襲した。また、グッドマンのユニットにつきものの肝心の「ARU」は純正のものを使用しご覧のとおりバッフルの下部に取り付けた。

「これでおかしな音が出るわけがない」と自信を持っていたが、実際に音出ししてみると、案の定で期待に違わぬ音が出てくれてたいへんハッピー(笑)。

これで我が家のスピーカー群はすべて衣替えした上で完全制覇ということに相成ったが、ここで旧来型の鳴らし方しか知らない
Yさん(別府市)にご意見番として登場していただこう。

以下、続く。

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順番への思惑

2017年02月20日 | 復刻シリーズ

今年(2017)から「月曜日」に限って、これまでのブログの中で今でもアクセスが絶えない記事をピックアップして登載しているが、今回は6年ほど前に投稿したタイトル「順番への思惑」である。それでは以下のとおり。

「阿刀田 高」氏の「ミステリーのおきて102条」
は、ある新聞の日曜版に1996年から1998年まで週1回連載されたエッセイをまとめた本。

              
                 
 
著者によると「新しいミステリーを紹介するんじゃなく、ミステリーの本質を語るような軽いエッセイ」ということで、連載順に102編を列挙してある。

日ごろ、ミステリーと名のつくものは眼がない存在なのでこの本も気持ちよく読ませてもらったが、その中の18編目の「短編集の打順」
が特に面白かった。

内容は、いくつもの短編を編纂して1冊の本にするときにどういう順番で作品を並べると効果的かということにあった。

かいつまんでいえば次のとおり。

著者によると、40冊以上も短編集を出版しているがその都度、どういう順番にするか考え込んでしまうという。

たとえば、短編小説を10本並べて1冊の本を作るとして、10本全てが良い作品であればそれに越したことはないが、現実には困難でどうしても良作は4本程度に絞られてしまう。

どうしてもバラツキが出てくるのは世の中、万事がそうなので仕方がないところ。

たとえば自分のブログにしても記事によって当たりハズレがありバラツキがあるのは十分承知している。中には「意欲作」の積もりが蓋を開けてみると意外にも(アクセス数が)サッパリというのは日常茶飯事だ(笑)。

また、日本で最高峰の難関〔文系)とされ、全国から選りぬきの秀才たちが集まる「東大法学部」でさえ入学してからバラツキが出るという。

たとえば550人の卒業生のうち”とびっきり”優秀なのは1割クラスで、後は”十把(じっぱ)ひとからげ”なんて話を、聞いたか、読んだか、したことがある。まあたいへんなハイレベルでの話だが。

さて、話は戻って短編集の順番だが、良い方から順番にABCDの作品があるとすれば、冒頭にBを置く。2番目に置くのがAである。Cが3番目、そしてDがラスト、つまり10番目に置くとのこと。

もし5本良い作品があれば、さらに”いい”としてその場合はさしずめEとなるが、Eは6番目あたりに置く。

かくて10本の短編を編纂した本は普通の出来栄えの作品を☆とすると「BAC☆☆E☆☆☆D」の順番になる。

理由はお分かりのとおり、やはり最初が良くなくてはいけない。

読者は最初の1編を読んで期待を持つ。これが悪いと、その先を読んでもらえないおそれがある。小説というものは、読者に読まれて初めて存在理由が生ずる。

ただ、一番最初にAを置かないのは、Bで引き込み、さらに面白いAへとつないだ方が運動性が生ずる。

展望が開ける。BからAへと弾みをつけ、3番目もCで、そう悪くはない。ここらあたりで、「良い短編集だ」と読者は思ってくれる。

それ以後が少々劣っても「どれも”いい”ってワケにはいかんよな」
と許してくれる。

そして、最後も、それなりに悪くないDで全体の印象を整える、という寸法である。中だるみのあたりにEを置く理由もこれでお分かりだろう。

著者の作品で言えば直木賞をもらった短編集「ナポレオン狂」では、二番目に「来訪者」(推理作家協会短編賞受賞)を、三番目にちょっとユニークな「サン・ジェルマン伯爵考」、最後に「縄」とおおむね上記の方針に沿って編んでいる。

要約すると以上のとおりだが、これまで短編集を読むときに順番の並べ方などあまり意識したことがなかったのでまったく「目からウロコ」だった。

この並べ方の背景を知っておくとそれぞれの作品がどのように評価されているのかという作者なりの思惑が透けて見えるので興味深い。

これはいろんな方面に応用がききそう。

たとえば、真っ先に思い浮かぶのが音楽のCD盤の曲目の並べ方。

交響曲や協奏曲では楽章の順番がきまっているのでこの限りではないが、歌手や演奏家の名前で銘打たれたCD盤はおおむね該当する。

たとえば、アトランダムに10曲以上収録されているCD盤の中で全てがいい曲かというと絶対にそういうことはない。どんなに気に入った歌手でも曲目によって当たり外れがある。

これまで何番目に気に入った曲が多いのか気にかけたことはないが、手持ちのCD盤を改めて確認してみると、これが以上の内容とかなり当てはまるのである。

取り分け2番目の曲が一番好きというCD盤がかなりあるのに本当に驚いてしまった。しかも、中ほどに1~2曲わりかし気に入ったのがあって、ラストにまあまあの曲が多いのもよく該当する。

たとえば、エンヤのCD盤「ベスト・オブ・エンヤ」。16曲の中で2番目の「カリビアン・ブルー」が一番好きだし、フラメンコの名曲ばかりを集めた「フラメンコ」も2曲目の「タラント~ソン・ソン・セラ」が一番良い。

ジャズ・ライブの名盤とされるビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビー」にしても1曲目と2曲目を抜きにしては語れない     
          


CD盤の曲順以外にも、演奏会などの当日の演目の順番あたりもこれに該当しそう。

世の中、すべての物事に順番はつきものだが、皆様も、手持ちの短編集やCD盤などのほかいろんな順番付けされたものについて確認してみると、意外にもこの「順番への思惑」
に心当たりがあるのではあるまいか。

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18インチの低音ホーン

2017年02月18日 | オーディオ談義
メル友の「I」さん(東海地方)はとてもオーディオに熱心な方で、自分と同様に4系統のシステムを愛用されており、メールのやり取りを通じていろいろ苦労話をお伺いしていると、実際にシステムを聴かなくても「きっといい音がしているだろうなあ。」と思わせるものがある。長年の勘でだいたい分かる(笑)。

その「I」さんからつい先日、次のようなメールが飛び込んできた。

「〇〇さんから、18インチのドライバーを使った低音ホーンを聴きに来ませんかとお誘いがありました。
 
写真にありますのがその低音ホーンです。
 
一辺80数cmのダンボール製です。ドライバー取り付け部は重い木材です。18インチドライバーは映画館で使われていたものだそうです。 
 
音です。いいです。
 
生の音楽の音です。上質なコンサートでは、空気感が一変し、音楽の躍動感が溢れます。そういう低音です。
 
私は、コンクリートホーン等の低音ホーンを、今まで聴いたことがありませんでしたが、なるほどの低音です。低音ホーンは、当方が手を出せることではありませんが、いい経験になりました。」
 
今後の計画も伺いました。このホーンは一辺120㎝に拡大するそうです。最終形は5ウェイになるとのこと。できていく過程を聴かせてもらえると思いますので、大変楽しみです。

            

18インチのユニットといえば「1インチ=2.54センチ」だからおよそ46センチ口径のユニットとなる。

これはもうまったく別世界の音だろう。「段ボール製」というのが、いたく気に入って興味が湧いたので「I」さんから教えていただいた〇〇さんのブログも拝読させていただいたが、その中にとても気になる一節があった。

「音は自然です、と言うより他はないです。箱のスピーカーはどう聴いても、人工物から音が出ているなー、と感じますが、このホーンではスピーカーが空気に触れる、触れ方が自然な為、音像の有り方が誇張される事なく、きわめて自然です。」

日頃から箱に容れたスピーカーに馴染んでいる人間には「人工物から音が出ている」なんて思いだにしないが、もしかして耳が麻痺しているのかもしれない。とにかくホーン主義の方の耳には箱に容れた音がそう映っているのかと、とても興味深い。

長年オーディオに打ち込んできたが最大の難関は低音域の量感と分解能の両立だと思っている。この分野は先達が研究に研究を重ねられていて、とても自分のような未熟者がしゃしゃり出る資格を有しないが、これに対するアプローチの一つがホーンの活用になるのだろう。

すべてプラス、マイナスがあって総合的な視点が求められるオーディオの世界においては、ホーン型式にもプラスとマイナスがあるような気もするが
総じてヨーロッパ系のSPユニットは箱に容れることを前提にして作られている。

たとえば極端な例としてあのグッドマンの「AXIOM80」は、箱の中でユニットの背圧(ユニットの後側へ出る逆相の音)を利用して「ARU」なる器具で低音を出すようにしているほどだ。


その反面、アメリカ系のユニットは箱の利用にはそれほど拘らずユニットの持つ能力をフルに生かそうと「力勝負」みたいなところが見受けられる。JBLのユニットなどはその類だが、これはこれでなかなか捨て難い味がある。
 
いずれにしても、「百聞は一聴に如かず」この46センチ口径の大型ホーンの音をぜひ聴いてみたいものだ。

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内田光子さん、二度目のグラミー賞受賞

2017年02月16日 | 音楽談義

去る13日(月)の早朝のことだった。

「グーブログ」では「リアルタイム解析」という便利な機能があって、読者からの瞬間的なアクセスの状況が分かるようになっているが、ずっと昔に登載した記事「ピアニスト 内田光子さんの魅力」がいきなり爆発的なアクセス数となっていた。

「これは内田さんに何かあったな」と思っていたら、14日付の日経の記事を見てようやくその理由が判明した。

          

「日本発の世界的芸術家の栄えある受賞、まことにおめでとうございます」と、いったところだが、グラミー賞(アメリカ)ってのはクラシック界においてどういう位置づけなんだろう?

けっして水を差すわけではないが内田光子さんの実力と名声からすると「Little」という気がしないでもない(笑)。

ここで丁度いい機会だから該当する5年前の過去記事を要約して掲載しておこう。興味のある方だけご一読ください。

クラシック音楽にとってピアノとヴァイオリンというのは数ある楽器の中でも双璧といっていいくらいの存在だが、前者の場合表現力が多彩なのでたった1台でオーケストラの代役だって務まるのが凄いところ。

音楽鑑賞にも周期があって最近では、不思議とピアノのCD盤に手が伸びることが多い。

しかし、聴くのはどうしてもバックハウス、リパッティやルービンシュタインなど往年の大家といわれるピアニストに偏りがちで”古くて進歩がない”と言われそうだが不思議とこれらの演奏の方が心が落ち着く、ただし惜しむらくは昔のアナログ録音をCDに焼き直したものばかりなので音質(録音)にいまひとつ不満があってもっと鮮度が欲しいところ。

それかといって、音質はいい代わりにいまいちの感がある近年のピアニストの演奏を聴く気には”さらさら”ならない。

そこで出てくるのがいささか贅沢な注文になるが、現役として活躍しており、芸格があって、演奏がうまくて、音質(録音)もいいピアニストがどこかにいないかという話になるが、それが実際に居るのである。これらの条件にピッタリと適うピアニストが~。

それは女流ピアニストの内田光子さん。

いまさら言うまでもなく国際的なピアニストとして功なり名を遂げたといってもいい大ピアニストである。しかも日本人としてこのくらい傑出した芸術家もいないのではあるまいか。

聞くところによると彼女が弾いている愛器「スタンウェイ」(一説によると4千万円で購入?)は特別につくりがよくて抜群の響きだそうだし、しかもフェリップス・レーベルでCDを輩出しているので録音もいいとなると、まさに芸術家としての資質と周辺のテクノロジーが両立した近年稀にみる演奏家だといえそう。

彼女のモーツァルト・ピアノ・ソナタ全集(5枚組)はまさに絶品。→ 

とにかく彼女のCD盤はまずハズレが無い。あのとびっきり難しいベートーヴェンのピアノ・ソナタ32番だってバックハウスに迫る勢いだし、録音がいいだけにむしろ総合力ではこちらの方が上かもしれない。

彼女の根強いファンの一人として改めてこの際いろんな情報を整理してみたが、調べていくうちに演奏家としての活動のほかにいろんな人たち、たとえば音楽評論家などとの対談が非常に多く、これらを通じて音楽への造詣がことのほか深いのに驚かされた。

それでは、まずネット情報から。

「ウィキペディア」によると、1948年静岡県生まれとある。ということは当年とって60歳前後。ずっとロンドン住まいで2001年、英国エリザベス女王より「サー」に続くCBE勲章(大英帝国勲章)を授与されている。

また、音楽評論家濱田滋郎氏との対談「内田光子の指揮者論」によるといろんな音楽を相当深く聴きこんでおり特に指揮者フルトヴェングラーへの傾倒が目を引いた。これだけでも音楽への接し方におよそ見当がつこうというもの。

次に、文献として次の本から。

「ピアノとピアノ音楽」(2008年7月10日、音楽之友社刊) → 

著者の藤田晴子さんは1918年生まれ、昭和13年に日本音楽コンクールピアノ部門の第一位。昭和21年に東京大学法学部の女子第一期生として入学した才媛。

本書の268頁~275頁にかけて、内田光子さんに関する詳しい記述があったので箇条書き風に引用させてもらった。

 ドイツやオーストリアの大使を務めた外交官「内田藤雄」氏のご息女であり、12歳で渡欧、ウィーン音大を最優秀で卒業し、1970年ショパン国際コンクールの第二位という今でも日本人としては最高位の入賞を果たした。

 佐々木喜久氏によると内田光子さんが一気に「世界的」となった契機は1982年6月のロンドンのウィグモア・ホールにおけるモーツァルト・ピアノ・ソナタ全曲演奏だった。このときはリサイタルを5回に分けて火曜日ごとに開き「ウチダの火曜日」(ファイナンシャル・タイムズ)という今や伝説的にさえなった名コピーが生まれたほどの鮮烈なデヴューを果たした。

このときの演奏がもとで、メジャー・レーベル、フィリップスによりモーツァルのソナタと協奏曲の全曲録音という大事業に結びついた。

内田さんも後日、対談で「いろんな試行錯誤を繰り返して、完全に抜け切れたのは、やはり、モーツァルトのソナタを全曲演奏で弾いたとき(’82年)。突然、自分の音楽の形がスパッと見えちゃったんです。」

 次にアメリカでの好評。同じく佐々木氏によるとモーツァルト没後200年に湧くアメリカでの「内田のニューヨーク初のモーツァルト・ソナタ・シリーズは注目の演奏会だった。高名な音楽評論家が、内田さんの初日演奏のあと「モーツァルトを愛する人は、是非ウチダの演奏を聴きに行くべきだ」と批評の中に思わず書かずにいられなかった。」という。

 「この20年はロンドンでひとり住まい」に対して「私がつくっている西洋音楽の世界というものは、私程度の才能では日本に住んだら死んでしまいます。私が勉強したウィーンには伝統の良さと悪さの両方があってモーツァルトはこういうものというような押しつけがましい規則にあふれていました。英国の方が自由な空気があるはずだと本能的に思ったんです。実際にそうでした。ロンドンが私の家。ああ、帰ったなとほっとします。」これで彼女のロンドン好きの謎が解ける。

 本年4月30日の来日記念会見で内田さんは「1000回生まれ変わったら998回はピアニストに」と言っておられる。あと2回はヴァイオリニストにというのも面白い。

 今後「20世紀のものをどんどん取り上げたいですね。シェーンベルクとヴェーベルンを中心に、これを広げて「ウィーン派と新ウィーン派とその友人たち」とするとモーツァルトもシューベルトも入ればベートーヴェンもブラームスもバッハも入る。面白いプログラムをつくってみたいな、と。それと乗りかかった船でベートーヴェンの協奏曲集。シューベルトとシューマンとかドイツ語の世界にも気を引かれます。だから、もう人生短くて、短くて、アホなことやってられない」

※この「アホ」なことに因んで次のような言葉がある。「私は口紅1本持っていません。そんな時間が勿体ないから」

最後になるが、「80歳までピアノを弾き続ける」といわれる内田さん、日本と西洋の「文化と価値観」が合体しているといわれる独自の「内田節」が今後さらに完成度を高めて歴史に名を刻むピアニストにきっとなることだろう。

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グッドマン「AXIOM80」の魅力全開

2017年02月14日 | オーディオ談義

前々回の「新たなエンクロージャー作り」からの続きです。

有名なイソップ童話の中に 「狼少年」 というのがある。 正しくは 「羊飼いと狼」 というタイトルだが、イソップ童話の中でも代表的なものの一つなので、
ご存知の方も多いと思うが内容はこうだ。

「村はずれの牧場で羊の世話をしている羊飼いの少年が、いつも一人ぼっちで淋しくて退屈なので、 いたずらして大人たちを脅かしてやろうと考え、狼が来てもいないのに、「狼が来たぞ~」 と叫ぶ。

その声に驚いて、大勢の村人たちが手に手に棒を持って駆けつけてきたが、どこにも狼は居ないので、やがて帰ってゆく。 面白がった少年は、来る日も来る日も嘘をついて 「狼が来たぞ~」 と叫ぶ。

初めのうちはその度ごとに村人たちが駆けつけて来たが、そのうちに、村人は少年を信用しなくなり、 「狼が来たぞ」 と叫んでも、どうせまた嘘だろうと思って、誰も駆けつけて来なくなってしまう。

ところが、ある日、本当に狼がやって来た。 少年は 「狼が来たぞ~」 と必死で叫ぶが、村人は誰も来てくれず、少年は狼に襲われて喰われてしまった。」

なぜこういう話を冒頭に持ってきたかというと、実は同じようなことが我が家でも起こっているから。

オーディオ部屋にずっと閉じこもって、ひとしきりガサゴソと作業をやった後で食事時になると、必ずといっていいほど家内からこう訊かれる。

「どう、少しは音が良くなったの?」

「ああ、メチャ良くなったぞ。これまでで最高の音だ!」

「ホントかしら?だって作業のたんびにこれまでで最高の音だと、あなたいつも言うじゃない。」

「だから、今度こそホントだってば~」

狼少年と同じであまり信用されていないわけだが、家内に限らずこのブログの読者の方々からも「この人、システムを弄るたびにメチャ音が良くなったとか、最高とか書いてるけどホントかいな?どうせ話半分に聞いておいた方が良さそうだ。」と、疑惑の眼で見られている可能性が大いにある。

だから、今度こそ正真正銘のホントだってば~(笑)。

前々回に記したようにAXIOM80用に作った新たなエンクロージャーは、これまでとはまるっきり違う魅力を引き出してくれた。

          

あまりに「いい音」を出してくれたので感謝の気持ちを込めてさっそく塗装(黒)をしてあげた(笑)。

どこが良くなったか具体的に挙げると、まず「小気味いい低音が出る」「音の余韻が音響空間に漂いながらス~ッと消えていく様がとても美しい」「エッジレスのユニットだけが持つ独特の繊細な分解能、音像定位、音の艶に一層磨きがかかった」といったところ。

おそらく厚さ1.5センチの板の適度な共振、補強材、箱の容積の拡大、外側からのユニットの取り付けなどのいろんな要素がうまくマッチしたのだろう。

その昔、「AXIOM80」を愛用されていた「瀬川冬樹」さん(オーディオ評論家)が「AXIOM80が本領を発揮したときの繊細でふっくらした艶やかな響きは絶品!」と仰っていたが、このうち「ふっくら感」を出すのがとても難しかったがようやく出てくれた感じ。

ただ、本人がどうこう言ってもまるで説得力がないのは分かっている。どうせ、おいらは「狼少年」ならぬ「狼じいさん」なんだから(笑)。

そこで実際に試聴された3名の方々に登場していただこう。

まず、大分市のMさんとNさん。

Nさんには今回の箱作りに大いに加勢していただいたので、お礼の意味を込めて「是非試聴してみてください」と、お誘いしたところ完成した翌日にさっそくMさんともどもお見えになった。

当日のシステムは次のとおり。

CDトランスポート(dCS) → DAコンバーター(dCS) → プリアンプ「大西式真空管プリ」 → パワーアンプ「171シングル」 → スピーカー「AXIOM80」

ご意見を要約すると、「やっとAXIOM80が本領を発揮しましたね。朗々と鳴ってますよ。ひとつひとつの楽器の音がクリヤに出てきてその音の余韻が美しく音響空間に広がっていくのがよく分かります。響きがとても豊かです。これまでとはまるっきり違いますよ。こういう音を聴かされるとAXIOM80が欲しくなりますね~。」

圧巻はジャズボーカルの「エラ&ルイ」(CD)だった。名盤中の名盤だが、サッチモのしわがれ声のリアル感が凄いし、何よりもトランペットの音が凄い勢いで飛んできて脳天がクラクラッとするような鳴り方といえば分っていただけるだろうか。

3時間ほど試聴されて大満足してお帰りになった。

その3日後は今度は同じ「AXIOM80」仲間のSさん(福岡)がお見えになった。1か月ほど前にご連絡があって、出張の合間に時間が取れそうなのでぜひ聴かせてくださいとのことだった。

たまたまタイミングよく今回の新しいエンクロージャーが間に合ったので本当に良かった。

第一声は「あれっ、低音がよく出てますね。」


一般的にAXIOM80の難点というと、「なかなか満足のいく低音が出てくれない」「高音が鋭くてキンキンする」といったところだが、そういう弱点を百も承知のSさんだからこそのご発言。

「とても豊かで美しい響きがしてますよ。箱の厚さや容積とか補強材などいろんな条件がAXIOM80とマッチしたんでしょう。これは素晴らしい音です。いやあ、感動しました。」

5時間ほどみっちり試聴していただいたが、ここでも試聴盤として「エラ&ルイ」が大活躍。Sさんはこの曲目のレコードをお持ちだそうでCDながらも情報量はレコードとヒケを取らないとのことだった。

なお、当然のことながら例によっていろいろ実験を試みた。

まずアンプを「171シングル」から話題沸騰中の「6FD7」アンプに交換して鳴らしてみたところ、悪くはないのだが「171」アンプのリアル感にはとても追い付かない感じ。

そこでプリアンプと相性が悪いのかもしれないのでDAコンバーターと直結して聴いてみたところ、俄然、音に生々しさが出てきた。

我が家で鳴らすときは「6FD7」アンプにプリアンプを繋ぐのはご法度である。ちなみに、この「6FD7」アンプはSさんも注文されており、もうすぐ完成するとのことで「この音なら満足です。とても楽しみです。」とのことだった。

以上、こうして3人の方々から賛辞を浴びると、この気難しい稀代の名ユニット「AXIOM80」をうまく鳴らせたという喜びがふつふつと湧いてこようというもので、(AXIOM80を)実際に聴いたことがない人にはぜひ聴かせてあげたいし、また聴いて満足できなかった人たちもこの音を聴くときっと認識を改められるに違いない。

最後に結びとして一言。

CDプレイヤーやアンプなどは音質がほぼ「お値段」に比例しているのが通例であまり面白くないが、スピーカーのエンクロージャーに関してはお金をそれほどかけずに(手間はかかるが)あっと驚く大逆転劇が可能だ。

SPユニットはエンクロージャー次第で音が千変万化する。

デリケートなユニットほどそういう傾向があるのでメーカー製を信用してそのまま使うのは一考を要する。今にして思えば我が反省点として、AXIOM80をずっとグッドマンの指定箱に容れて鳴らしていたのはとても拙かった。

オーディオは個人ごとに好みが違うので単なる一つの事象だけをとらえて断定するのはとても危険なことを重々承知しているが、このエンクロージャーの問題ばかりは個人ごとの音の好き嫌いで片付けられる次元ではないような気がする。


この世に「AXIOM80」の愛好者は数多いが、もしその魅力を最大限に引き出したいと思ったら是非新たな可能性にチャレンジすべきで、それだけ苦労のし甲斐のあるユニットである。

そもそも今回のエンクロージャーはたまたま当たってくれたが、もっとAXIOM80にマッチしたものがあってもちっとも不思議ではない。

これ以上言うと、「くどい、調子に乗って偉そうに言うな!」と逆効果になりそうなのでこの辺で終わりにしたほうが無難だろう(笑)。

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