「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「北国のおじさん」からお借りした真空管アンプ

2017年01月17日 | オーディオ談義

丁度、2年前(2015)の1月に「北国のおじさんシリーズ」と銘打ったタイトルで3回に分けてブログに掲載したことを覚えておられるだろうか?

         

要は「北国のおじさん」(自称)はアンプ歴が50年以上を誇り、有名な「205D」アンプなどを自作され、SPシステムも中高音域用に独自に加工されたホルンなどを使用されているなど、それはもうたいへんなオーディオ愛好家である。

メールを通じて交流が始まり、ご好意でホルン(1ペア)をいただいたりして、大いに勉強させていただいたが、このブログにも再々登場される「北国の真空管博士」とはクルマで20分程度の距離とのことで、ご昵懇の仲だとか。

そのお二人が協力し合って、このほど「71Aアンプ」を製作されたとお聞きして、これは黙って見逃す手はなく是非聴かせていただこうと申し込んだ。

「71A真空管は大好きです。あつかましいお願いですが一度試聴させていただけませんか?」

すると「売り物ではありませんが、試聴するだけならいいですよ。」とご快諾。

そのアンプがこのほど到着した。梱包を解くとジャジャ~ン。

         

いかにも「歴戦の勇士」が作った凄そうなアンプ。いろんなメーターが付いていて、何から何までマニアックな感じがする。

事前に伺ったお話では、インプットランスはウェスタン製、インターステージ・トランスは「UTC」、出力トランスはアメリカ製、前段管は「AC/HL」(ナス管:英国マツダ)とのことだった。

さあ、いったいどういう音がするんだろう?胸をワクワクさせながら結線した。

CDトランスポート → DAコンバーター → パワーアンプ「71A」 → スピーカー「AXIOM150マークⅡ・イン・ウェストミンスター」というラインアップ。音の傾向をピュアに把握するためにプリアンプはあえて入れない。

はじめに付属していた71A(ST管)で聴いてみたが、どこといって過不足のないいかにも素性のいい模範的な71Aの鳴り方。スピーカーの弱点を殊更責め立てることなくうまくカバーしてくれるので、いかにも「礼節を知る球」としてその特徴がモロに出ている。

「流石だなあ」と、唸りながら今度は「71A」を手持ちの「471ーB」(デフォレ:ナス管)に差し替えてみた。すると、一段と響きが良くなってレンジも拡大。

「これは素晴らしい。」

もっと欲が出て、今度は「471ーB」から「371」(トリタン仕様)に差し替えてみるとこれがまた一段と素晴らしい。結局この球が出力管としてベストだった。

ちなみに、古典管の泰山北斗「北国の真空管博士」によると、「171系はフィラメント電流のバリエーションが豊富で、私が知っているだけでもこれだけあります。」 

「471B  0.125A」 「171A  0.25A」 「071A  0.25A」 「171  0.5A」 「071 0.5A」 「AC171 0.5A」 「171AC 0.5A」 「171AC(Hytron)1.25A」 「C182  0.75A」 「C183(481) 1.25A」 「C182B(482B) 1.25A」  

通常、オークションで取引されているものは「171A 0.25A」が一般的だが、基本的なツクリがしっかりしているので今からおよそ90年前の真空管にもかかわらずこれだけのヴァリエーションがある。このうち大半を所有し、いろいろと差し替えて楽しんでいるが、いまだにまるで深山幽谷に迷い込んだように飽きがこない(笑)。

いずれにしても「このアンプ売り物ではないというけど欲しいなあ!」

いつぞやのブログにも記載したが、我が家のエース級「PX25シングル」アンプと比較すると、71系は「素顔美人」で「PX25」は「お化粧美人」に分類でき、真空管アンプを愛好される方なら「71系」は一家に1台は必要だと思っているが、ただし、我が家にはいまのところ「71」関係のアンプが3台ある。

すべてナス管だが、「371Aプッシュプル」、「171シングル」(インターステージ・トランス内蔵)、「371Aシングル」。

今回のアンプははたしてこの中でどういう位置づけになるんだろうかと考えてみたが、それぞれに捨て難く「いずれ アヤメ か カキツバタ」・・・。

長く置いておくと未練が出そうだし、それかといってすぐに返すのももったいないし、現在「沈思黙考」中(笑)~。

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音楽こぼれ話

2017年01月16日 | 復刻シリーズ

今年(2017)から「月曜日」に限って、過去記事の中で今でもアクセスが絶えないものをピックアップしてお届けしているが、いわば「プレミアム セレクション」とし、カテゴリーは「復刻シリ~ズ」に分類している。

今回は5年半ほど前に投稿したタイトル「音楽こぼれ話」である。それでは以下のとおり。

たまには肩の凝らない話ということで音楽家についてのエピソードや笑い話をいくつか紹介。

いずれも実話で、たわいない話のかげにも芸術家のちょっとした人間性が伺われるところが面白い。
 

「休止符のおしゃべり」(渡辺 護著、音楽の友社刊)  
             
                   

 
ドイツの大ピアニストであるウィルヘルム・バックハウスが中米のある町で演奏したときのこと、客席に一人の女性が幼児を連れて座っていたが、その子が笑ったり、ガタガタ音を立てたりしてうるさくてしようがない。

バックハウスはマネジャーを通じてその夫人に立ち去るよう要請した。彼女は立ち去り際に、憤慨した様子で聞こえよがしにこう言った

「ふん、一人前のピアニストとはいえないね。私の妹なんかは、この子がそばでどんなに騒いでいても、ちゃんとピアノが弾けるんだよ!」

 名指揮者カール・ベームは友人とチレア作曲のオペラ「アドリアーナ・ルクヴルール」を見に行った。しかし、ベームはどうしてもこのオペラにあまり感心できない。

見ると客席の二列前にひとりの老人が気持ち良さそうに眠っていた。ベームは連れの友人に言った。

「あれを見たまえ、このオペラに対する最も妥当な鑑賞法はあれだね!」

「しっ!」友人は驚いて、ベームにささやいた。「あの老人はほかならぬ作曲者のチレアなんだよ!」

 
1956年6月、ウィーン国立歌劇場で「トリスタンとイゾルデ」がカラヤン指揮で上演された。

その総練習のとき、イゾルデ役を演じるビルギット・ニルソンのつけていた真珠の首飾りの糸が切れて、真珠が舞台上にばらまかれてしまった。

みんながそれを拾いはじめたが、カラヤンもまた手助けして数個を拾いあげた。

「これは素晴らしい真珠ですね。きっとスカラ座出演の報酬でお求めになったのでしょう」と、当時ウィーン国立歌劇場総監督の地位にあったカラヤンが皮肉を言った。

ニルソンも負けてはいない。
「いいえ、これはイミテーションです。ウィーン国立歌劇場の報酬で買ったものです。」

 「あいつがぼくよりギャラが高いのは、いったいどういう訳なんだ!」音楽家の間でのこういう”やっかみ”
はよく聞かれること。

作曲家ピエトロ・マスカーニはあるとき、ミラノのスカラ座から客演指揮を依頼された。

「喜んでやりましょう」、彼は答える、「ただその報酬の額についてだが、トスカニーニより1リラだけ高い額を支払ってくださることを条件とします。」

スカラ座のマネジメントはこれを承知した。マスカーニの指揮が成功のうちに終わったあとスカラ座の総監督は彼にうやうやしく金一封を捧げた。

マスカ-ニがそれを開けてみると、ただ1リラの金額の小切手が入っているばかり。「これは何だね?」、総監督は”
ずるそう”に笑って答えた。

「マエストロ(トスカニーニ)がスカラ座で振って下さるときは、決して報酬をお受け取りにならないのです。」

☆ 新米の指揮者がオーケストラから尊敬を得るようにするにはたいへんな努力が要る。ある若い指揮者は自分の音感の鋭さで楽団員を驚かせてやろうと一計を案じた。

第三トロンボーンのパート譜のある音符の前に、ひそかにシャープ(♯)を書き入れておいた。

そして、総練習のとき強烈なフォルティッシモの全合奏のあと、彼は演奏を止めさせ、楽団員に向かって丁寧に言った。

「中断して申し訳ないが・・・、第三トロンボーン、あなたはDから八小節目で嬰ハ音を吹きましたね。これはもちろんハ音でなければならないのです。」

そのトロンボーン奏者はこう返した。

「私は嬰ハ音を吹きませんでしたよ。どこかの馬鹿野郎がハの音符の前にシャープを書き入れたんですが、私はそうは吹きませんでした。だってこの曲を私は暗譜しているんですから」 

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はたして長生きはいいことなのか?

2017年01月14日 | 独り言

今年(2017)に入って一番最初に投稿した記事の中で、年頭所感として「1に健康、2、3が無くて4に音楽&オーディオ」と記し、大いに健康対策に勤しもうと決意したものの、ことはそう単純なものではなさそうだということが分かった。

その理由についてだが、先日の日本経済新聞に次のような記事が掲載されていた。

       

これを読んでいただくと分かるが、(細かい字を読むのは)面倒くさいという方もいそうなので(笑)、要約してみると、

「喫煙する人は健康を害して医療費が余計かかると思われているが、総じて早死にの傾向にあるので総体的な医療費はむしろ抑制される。

その一方、禁煙対策をして健康に留意している人は寿命が延びるのはいいものの70歳以上になると喫煙以外の理由、たとえば加齢によっていろんな疾患に罹ったり認知症になったりするので、生涯にかかる医療費や介護費の総額は喫煙者に比べて逆に増える。」とある。

平たく言えば、医療費の抑制という観点からするとまるで不健康の見本みたいな喫煙者の方が早死にをすることで禁煙者よりも総体的に優っているというわけだ。

何しろ現役の東大教授の説だから信用が置ける記事だろう。

こうなると70歳以上の社会のお役に立たない老人が下手に健康対策をして延命を図るのも考え物である。

第一、国家の財政に迷惑をかける(笑)。

今でこそ長寿者は敬愛される存在になっているが、これからもさらにその割合が増えてくるとなると次第に社会のお荷物になり逆に「疎まれる時代」がやって来ることも十分考えられる。

そのうち「80歳を越えたら病院通いは止めよう」「自分で死を選べるようにしよう」なんて、物騒なキャンペーンが一斉に張られる時代がやってきそうな気がする

おお、怖!

ただし、そうはいっても自分だけはどれだけ医療費がかかっても長生きをして「音楽&オーディオ」を楽しみたいので、これからも健康対策はユメユメ怠りなくやる積もりだ(笑)。

なお、去る1月5日のニュースで「日本老年学会が超高齢社会を迎え、現在65歳以上とされている<高齢者>の定義を75歳以上に引き上げたうえで、それより若い人たちには就労やボランティアなどの社会参加を促すべきだとする提言をまとめました。」とあった。

その発表の裏側には「定年延長、年金支給開始の延期、保険医療費の抑制」が透けて見えるような気がするがどうなんだろう。


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魅惑の真空管アンプ~その11~

2017年01月12日 | 魅惑の真空管アンプ

今年の元旦のお天気のように「新年早々から幸先の良いスタート!」にピッタリ当てはまる出来事があったので、胸を躍らせながら報告しよう(笑)。

テレビ用の真空管「6FD7」を使ったアンプについては「魅惑の真空管アンプ」シリ~ズとして、新たにカテゴリーを設けて連載しているが、次から次に話題が出てくるのでオーディオをますます楽しませてくれる。

このアンプを「デモ用として使っていいですよ。」と「チューブ・オーディオ・ラボ」さん(新潟県)から預かったのは「真空管オーディオフェア」(東京都)が終了した10月上旬のことだった。

音質が我が家のシステムにマッチしていたのですぐに注文したところ、よそ様からの注文が相次いだため「お馴染みさんは後回し」の原則(?)のもとに待たされること3か月、ようやくこのほど待望の完成品が届いた。

舌なめずりしながら、さっそく試聴してみたところ「デモ用アンプ」をさらに上回る出来栄えだった。

          

左側がデモ用アンプで右側が完成品だが基本的な部品の配置は変わっていないものの、いろんなところが改良されている。

列挙してみると、

 電源供給の要となる電源トランスが容量の大きいものに変更され、それに応じて「6FD7」のプレートにかける電圧が190Vから220Vへアップ、また電解コンデンサー(2本)も300Vから500Vへと大幅にアップされている。

 デモ用アンプはグッドマン(能率97db)のときには目立たなかったが、フィリップス(能率100db)のときに微かな残留雑音(ハムノイズ)が感じられてやや気になっていたのだが今回のアンプでは完璧に抑えられていた。つまりSN比が大幅に向上している。

 SPターミナルがネジ式からバナナプラグ式に変更されてSPコードが接続しやすくなった。

さらに肝心の音質だが、周波数レンジの拡大は言うに及ばず、スピード感、透明感から音のゆとり感までまったくケチのつけようがない。

我が家ではこれまで「PX25」アンプが王様として君臨してきたが、その牙城に迫らんとする勢いがある(笑)。

「6FD7」はドライバー管機能と出力管機能が一体化しているので信号の伝達にロスが無く、その辺のメリットが音のスピード感に寄与しているのだろう。我が家のジャジャ馬的な存在の「AXIOM80」(最初期版)との相性では、弱点である中低音域の量感を増やし、鋭すぎる高音域を抑え気味にするなど、このアンプが今のところベストの組み合わせといっていい。

先月(2016・12月)、同じ「AXIOM80」をこよなく愛好されている横浜市のSさんがデモ用アンプを試聴されてこのアンプの購入を決定されたが、完成品はそれ以上の出来栄えなので決して期待を裏切らないと思う。Sさん、あとしばらくの辛抱ですよ~。

さっそく製造元様に次のように申し上げた。

「完成品は素晴らしい仕上がりぶりです。デモ用アンプとはかなり違います。もし、デモ用アンプを借りて試聴したいという申し出があっても、むしろ悪い印象を持たれるとまずいので貸さない方がいいかもしれません。完成品を新たにデモ用としたほうがいいので早急に(完成品を)送付していただくわけにはいきませんか。」

すると、製造元様から「それは分かりますけどフル稼働してもチョット追いつかない状況です。もし希望者がありましたら、おおよその音の傾向とか自宅のシステムとの相性の具合とか、大まかな範囲でよろしければという条件付きで貸していただくわけにはいきませんか。」

「ハイ、それもそうですね。」

ところが皮肉なことにその懸念がすぐに現実のものとなった。

このほど、兵庫県にお住いの「I」さんという方からメールが来て「6FD7」アンプを借りて試聴したいという申し出があったのだ(笑)。

すぐに次のような苦心(?)のメールを発信した。


現在、お貸出しできるデモ用の<6FD7>アンプは手元にありますが、このほどチューブ オ-ディオ ラボさんから別誂えの完成品を受け取りました。

すると、周波数レンジの広さや残留雑音の低減など著しく改良されています。したがって、おおよその音の傾向とかご自宅のシステムとの相性がおおまかに試すという意味でデモ用アンプを試聴されるならいいと思いますが、おかしな先入観を持たれない方がいいので、まずもって完成品の方を聴かれた方がいいと思います。 

完成品を貸し出せる予定はおよそ1月末とのことです

それまでに、どうしてもデモ用アンプを試聴ご希望なら<送料着払い>になりますが送付してもいいですよ。」

すると「それでは待ちましょう。」というメールが返ってきた。

ハイ、それが非常に賢明な選択だと思います(笑)。

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DAコンバーターの英米対決 

2017年01月10日 | オーディオ談義

このほど、およそ1か月半ぶりくらいに我が家に試聴にお見えになったオーディオ仲間のKさん(福岡)。

Kさんはアメリカの「71 → 45 → 50 → 2A3」系統の古典管やSPユニットのローサーやグッドマンをこよなく愛される方だが、音を良くする方法についても日頃からいろいろと示唆を与えていただいている。

それに加えて試聴の際に持参されるCDが実にバラエティに富んでいて、いつも楽しみ~。

今回は持参されたCDを中心に振り返ってみよう。

はじめに歌手の「加藤登紀子」さん。

「彼女の繊細なビブラートがかかった声を十全に再生できるかどうかはシステムの能力如何にかかっています。つまらないシステムだと何の変哲もない歌手になってしまいますから他家を試聴するときのテスト盤にはもってこいですよ。」と、Kさん。

「いやあ、本当にしんみりと聴きこませる歌手ですねえ。微妙な声の震わせ方が絶妙で、聴いているうちに思わず哀愁の世界に引きずり込まれてしまいます。通常の歌謡曲の歌手として簡単に括れる存在ではないですね。」と、今やゾッコン。

使ったシステムはCDトランスポート「ヴェルディ・ラ・スカラ」(dCS) → DAコンバーター「エルガー プラス」(dCS) → パワーアンプ「71Aプッシュプル」 → スピーカー「フィリップス」

次にムラヴィンスキー指揮の「悲愴」(チャイコフスキー)の登場。

      

ボーカルでいかんなく実力を発揮した「フィリップス」がオーケストラになると途端にやや色褪せてしまう(笑)。

そこで今度はグッドマンの「AXIOM150マークⅡ・イン・ウェストミンスター」の出番となった。

「やっとウェストミンスターらしい大型スピーカーの本領が発揮できましたね。低音域が締まっていて音声信号への追従性がとてもいい感じです。これならどんなソースでも対応できますよ。これまで聴かせていただいたウェストミンスターの音ではこれがベストです。今だから言えますけど、ウェストミンスターはそもそも箱のツクリに問題があるそうですよ。」と、Kさん。

「購入してからもう20年以上になりますが、このエンクロージャーとユニットにはほんとに苦労しました。どうしても好みの音が出てくれないので内部の構造を変えたり、ユニットをトッカエヒッカエしましたがようやくグッドマンの150マークⅡで落ち着きました。それでも、弦楽器はいいんですけどピアノの再生となるとまだ不満なところがありますけどねえ。」

次のCDはやおらカバンから取り出された「マタイ受難曲」(クレンペラー指揮:輸入盤)。バッハとは相性が悪くて犬猿の仲ということを知っていて、こういう嫌がらせをするのだからKさんも底意地が悪い(笑)。

小池都知事が念仏みたいに唱えている「都民ファースト」ならぬ「お客さんファースト」なのでお望みどおり3枚セットのCDの内、最後の3枚目を試聴。

「アレッ、なかなかいいですね!いつも1枚目や2枚目を聴いてどうも“線香臭くて”アカンと放り出していたのですが、これならそこそこ聴けますよ。」

「マタイの聴きどころは何といってもラストの方ですよ。私はいつも3枚目しか聴きません。シュワルツコップの訥々とした歌い方にはいつも魅了されます。」
 

ちなみに我が家にもクレンペラー指揮の「マタイ受難曲」があるが、国内盤だった。参考までにKさんの輸入盤と聴き比べてみたがやはり微妙な違いがあった。国内盤はやや音が間延びした印象がする。丁度レコードの回転をちょっと遅くした感じで、Kさんも同様のご感想だった。

次に往年の名ヴァイオリニスト「エルマン」(1891~1967)のご登場。「粘っこく、重厚でヴィオラやチェロの響きを髣髴とさせる」音色は俗に「エルマン・トーン」と称されたという。

ヴァイオリンの独演ともなると、さすがにグッドマンの「AXIOM300」の出番となる。ここからDAコンバーターが変わっていつも繋いでいるのはワディアの「27ixVer.3.0」なので、まずこれで聴いてみた。

CDトランスポート「dCS」 → DAコンバーター「ワディア」 → パワーアンプ「PX25シングル」 → スピーカー「AXIOM300」

エルマンのふくよかで柔らかいヴァイオリンの音色が何とも麗しい。昔のモノラル録音なので、かえってそれが功を奏しているようだ。

しばらくエルマンを堪能してから、今度は「AXIOM300」でオーケストラを試したくなって再び「悲愴」の登場。

しばらく「PX25」アンプで聴いてみたが、ここで話題沸騰中のデモ用の「6FD7」アンプに交換してみた。テレビ用の真空管を使ったミニアンプだが見かけによらず凄い実力の持ち主である。

「何ですか、これは! ウェストミンスター以上の低音が出るじゃないですか。」と驚かれるKさん。

PX25アンプの中高音域の艶のある音色はさておいて、中低音域のエネルギー感に関しては「6FD7」アンプの方が上だった。

ふと思いついて「ここで実験をしてみましょうか?」と提案。

DAコンバーターの「dCS」(イギリス)と「ワディア」(アメリカ)の英米対決である。

デジタル機器の分野では長らく隆盛を誇ってきたワディアだがdCSの登場によって「奈落の底に突き落とされた!」と揶揄されたほどの両者の関係だが、実際に目の前で試聴して比較するに如くはない。

その結果だがワディアはアメリカというお国柄を反映しているせいか陽気さ、伸び伸びとしたおおらかさになかなか捨て難い味があった。

一方dCSの方は細かい音をよく拾うなど緻密な再生に関しては一枚上だが、やや神経質な傾向が垣間見える。

「dCSはデジタルっぽい、ワディアはアナログっぽくて対照的ですね。」(Kさん)と評されるのも仕方がない。全体的に「ワディア」の善戦が目立ち、2倍近い値段ほどの差は感じられなかった。

ただし、使ったパーアンプが「ワディア」とはことのほか相性がいい「6FD7」アンプというアメリカ勢同士だったので、少し割り引く必要があるのかもしれない。

5時間ほどの試聴を終えて辞去されるとき、「これまでに比べると格段に音が良くなってますよ。」

現役時代と違って、音楽&オーディオに没頭する時間が長くなったので、音が良くなって当たり前なのかもしれないが、いろんなお客さんがお見えになって他流試合をしているので、きっとそれが一番功を奏しているに違いない。

つい最近のブログにも記したように「プレイヤーは審判役を兼ねてはいけない」のだ(笑)。

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