「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

ウェスタンと名のつくものなら何でも買います

2013年04月14日 | オーディオ談義

12日(金)にようやく手に入れたオーディオ専門誌「無線と実験」(5月号)。

           

期待の真空管「300B」の12種類のテスト結果を急いで読んでみた。今回は「高域帯域感」「低域帯域感」「瞬発力」「色付け質感」「好感度」という5項目による採点。

結果から言えばオリジナルのウェスタン(以下「WE」)製がダントツで相変わらず激賞されていた。評論家三氏とも、ご意見がほぼ同様なので、やはり信頼のおける評価というべきだろう。

しかし、この泣く子も黙るWE300Bでも製造年代によって音質が異なるから少々厄介な話になってくる。今回のテストでは、参考として、1997年製、1987年製、そして1940年代製のWE刻印の3種類のヒアリング結果が載っていたが、評価の方も見事にこの順番で段々高くなっていく。

別に驚くこともなく、これまで言い尽くされたことなので再確認といったところだが、非常に残念なことにこのWE300Bを手に入れようにも、入手が極めて難しい時代になっている。

この「無線と実験」誌でも、真空管販売の専門店が広告掲載を出しているが「WE300B」については「品切れ」とあった。もう通常の手段と値段では入手不可能といっていいだろう。

たまたま、昨日(13日)の午後お見えになったオーディオ仲間のAさんと試聴していたら、「WE製品の高騰」が話題に上った。

おそらく中国だと思うが、バイヤーがWE製品を買い漁っており、本国アメリカでも手薄になって、今や日本にあるWE製品に目が付けられているという。WE製品を持っているというマニア心理をついたステータスもあるようだが、文化遺産としての投機目的も十分考えられるそうだ。

九州にはウェスタン愛好家が比較的多いそうなので、「ウェスタンと名のつくものなら何でも買います」とバイヤーと専門店の関係者がつるんで、これと目星をつけたところに当たっているというから驚く。

WE製品を持っている方はホクホクだろうが、別に値段が高騰してもマニア心理として売るつもりはないだろうからまあ自己満足程度のレベルの話ではある。別に資産税が上がるわけでもないし迷惑にもならない。

ちなみに、我が家ではWE300Bについては10年以上も前に購入した1950年代前後のものを2ペア、1988年製を1ペア所有しているが、あの頃はまだ薄給のサラリーマンでも手が届く値段だった。こんなに値上がりするとは夢にも思わなかったが、結果としていい時期に手に入れたことになる。

いくら300B用のアンプを持っていてもオリジナルのWE製が手に入らなければ、ずっとその幻影に悩まされ続ける可能性があるので、これから真空管アンプを手に入れようという方は一考の余地があるかもしれない。しかし、ものは考えようで、いつかはオリジナルを手に入れるぞという楽しみもあるので要は当人次第。

五味康祐さんの名著「西方の音」に、「どうしても欲しい骨董品があったらその所有者が死ぬのをじっと待つ」という物騒な話が出てくるが、いまやWE300Bもそういう妄執の対象になってもおかしくないレベルになっている。

さて、自分の場合は誰かに狙われているかな?

念のために遺言しておくとしよう(笑)。

ところで、この日Aさんと試聴する中、WE300Bアンプで1988年製と1950年代製(オールド)の両方を差し替えて試聴してみたところアッサリ勝負がついた。オールドの音が見事に重心が下がって非常に聴きやすくなった。中域の分解能も申し分なし。

「日頃、これで聴くのはもったいないような気がしますね。1988年製で十分ではないでしょうか。」とAさん。

「そうですねえ。WE300Bの寿命はうまく使えば10年以上ですから、耳が丈夫な間は持ちそうな気もしますが・・・」

ウ~ン、悩ましい(笑)。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 世の中には“とてつもない”秀... | トップ | スクラップ アンド ビルド »
最新の画像もっと見る

オーディオ談義」カテゴリの最新記事