この8日(月)、久しぶりに本州からのお客様がお見えになった。
それぞれ岡山と京都からお二人のオーディオ愛好家さんだったが、当方のブログを拝見され「ぜひ聴かせてください」とのことで、日程が決まったのは先月(12月)の中旬だった。
わざわざ遠路はるばるお見えになるのに(我が家のサウンドに)失望させては「末代までの恥になる」と思い(笑)、昨年末にかけオーディオルームの音響空間の拡大を兼ねて大掃除(10日間程)に余念がなかったのも実はそのためだった。
クルマでお見えになるとのことで、当日は時節柄、降雪を一番心配していたのだが何と気温が10度以上にも上昇しての降雨になったので一安心だったが、逆に濃霧が発生してしまい前方が見えにくくて、これでは高速道路が不通になるかもしれないと大いに心配したが、どうにか予定通りカーナビをたよりに午前9時半に到着された。
前日は福岡のオーディオ愛好家を訪問されたとのことで、その方面で一泊されてのご来訪だった。
いやあ、どうもはじめまして~。
いくら初対面とはいえ、お互いに極めてマイナーな趣味の愛好家同士なので打ち解けるのにさほど時間は必要なかった。
和気あいあいの中、談論風発、とても楽しい時間を過ごさせてもらった。
「オーディオは奥が深くてまったく飽きがきませんね~。こんなに面白くて楽しい趣味に巡り会えて私たちは幸せ者ですよ。」で、見事に一致(笑)。
今回の試聴のテーマは我が家の3つのシステムを真空管アンプを交換しながら音の違いを楽しんでいただくことだった。
聴いたシステムの順番は次のとおり。
<スピーカー>
1番目 AXIOM80(最初期版) 2番目 JBLの変則3ウェイシステム 3番目 JBL「D130」(イン・ウェストミンスター)+AXIOM80(復刻版)
<真空管アンプ>
1番目 WE300B (1951年製)シングルアンプ 2番目 「PP5/400」(英国マツダ)シングルアンプ 3番目 171(トリタンフィラメント)シングルアンプ 4番目 TRアンプ+2A3シングルアンプ
試聴盤は「ケニーGのソプラノサックス」、「マルサリスのバロック・デュオと自由への誓い」、「エラ&ルイ」、「ヴァイオリンによる間奏曲」(アーヴェ・テレフセン)、「フラメンコ」その他
お客さんたちからの総評について結論から言うとおおむね好評だった。
まあ、訪問した先でシステムの悪口を面と向かって言う人も珍しいので幾分かは割り引く必要があるが(笑)、それにしても上出来という感じで、終わってからほんとうにホット一息。
近頃、こういう風に大役を果たしたような気分になったのも珍しい(笑)。
いろいろ詳細な話を述べるとキリがないので省略するが、これらアンプ群の中で「ぜひ持って帰りたいと思ったアンプはPP5/400アンプです。響きがとても美くてふわっと広がってきますね。音の出方が違いますよ。」とのことだった。
「英国系の真空管は聴く機会が少ないです。」とのことで、とても珍しがられたし、その一方、定評のある「WE300B」については音を遠くに飛ばすための劇場用の真空管なので、そもそもオーディオ用に向いてないのではとの否定的なコメントだった。
お二人さんとも、JBLの38センチを2発使ったり、ウェスタンの15Aホーンを使ったりされているベテランの方々からこういう言葉を聴くと「WE300B」への評価も様々といったところ。
自分も含めて猫も杓子も「WE300B」だが、実力に比べるとお値段の方がちょっと先走りしているかもしれませんねえ(笑)。
もう一つ、特筆しておきたいことはJBLの「変則3ウェイシステム」を聴いていたときのこと、「恐れ入りますがLE8T単独で聴かせていただけませんか。」とのご要望があった。
「ハイ、いいですよ。」とツィーター(075)とサブウーファー(D123)の結線を難なく外して試聴してみた。LE8T単独で聴くのは久しぶりだったが、実はこれがとても良かった(笑)。
周知のとおり「LE8T」(口径20センチ)という比較的小ぶりのユニットなのでこじんまりとしたサウンドを想像しがちだが、流石は定評のあるユニットだけあってどうしてどうして~。
鳴らすアンプ(PP5/400)次第でこうも変身するのかと我が耳を疑った。
「外す前と後でも、どちらもいいですよ~。音楽ソースに応じて使い分けしたらいかがですか。」との、お客さんの言葉だったが、自分には「シンプル イズ ベスト」の印象を強く受けた。
自分で工夫して取り付けたものはこだわりが出来て、こういう要望でもない限りなかなか取り外せないものだが、ほんとうにいい機会になった。
物凄く熱い時間があっという間に過ぎて昼食をはさんで13時過ぎになった。これから岡山、さらには京都までとなるとたいへんな時間になるので、どうか長い道中お気を付けくださいと家内ともども見送った。
無事のご到着が大いに気になっていたところ、午後8時過ぎに次のメールが届いた。
「本日は、楽しい時間を過ごさせていただきました。岡山から行かせていただいた甲斐がありま した。システムを複数所有されている理由、ツイーターやウーファーを足されている理由とテクニック、納得させられました。
一番の収穫は、「オーディオを楽しまれてる姿を拝見させていただいた」ことです。オーディオは趣味です。「いかに楽しむか」が大切だと思いますから。」
続いて、翌日になって京都の方からも次のメールが届いた。
「充実した楽しいひと時をありがとうございました。アキシオム80の朗々とした鳴りっぷり、年季の入ったマニアでないと出せない音と感じました。
当方が聞いた今までの経験では、もっと神経質でソロのバィオリンとかヴォーカルしか聞けないユニットと勝手に決め付けておりましたが認識を新たにいたしました。
関西方面に来られる時はお声掛下さい。マニア宅にご案内いたします。」
ご両名ともどもたいへんお疲れさまでした。おかげさまで当方にも大きな収穫がありました。詳細は後日、ブログでご報告します。
今後ともお互いに心行くまでオーディオを楽しみましょうねえ(笑)。