ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

七角形

2013-01-15 13:08:39 | 日記・エッセイ・コラム

今日の話題は「七角形」です。

これまでに「〇△□」、「五角形」、「六角形」、「八角形」の話題では書いた事がありましたが、意図的に「七角形」は飛ばしました。七角形は少し難しいからです。

現在、このブログの背景デザインは雪の結晶にしております。その中には七角形の雪の結晶もあり、何となく不自然です。この背景デザインはあらかじめ用意されていたテンプレートの中から選んだものです。以前に使ったテンプレートには五角形の雪の結晶のものもありました。基本的に五角形や七角形の雪の結晶は存在しません。デザインの世界では自然界に存在しないものも作りだせます。以前「石に花咲く」で「実際には起こりえないのたとえ」として話題にした事がありますが、そういう意味の面白さで、あえて七角形の雪の結晶の背景デザインを使っています。

つい先日、「雪の結晶はなぜ六角形なのか」(小林禎作 著 2013年 ちくま学芸文庫)を読みました。読み始めの「はじめに」の序文中にあるように、この本を最後まで読みとおしても、その答えは完全にはあたえられていませんでした。この問いは簡単そうにみえても、実は難しい問いなのです。ただし、その問いへの好奇心には十分に答えられている内容になっていました。この本の中では1998年に証明されたケプラー予想(3次元の単位球の最密充填問題)や双晶の雪の事などにも触れられていて1984年当時どこまで分かっていたかが、読み取れました。今年になって文庫化された事も面白い現象だと思いました。

今日の話題は七角形です。

正七角形は定規とコンパスだけでは作図不可能な形です。(正十七角形は1796年にガウスが19歳の時に作図されました。)正n角形の作図は興味深い数学的問題でもあるのですが、今日は深追いしません。

作図不可能な正七角形。では、本当に自然界には七角形はないのでしょうか?

Web検索するとヒノキチオールという化合物は七角形の分子構造を持っていると出て来ました。自然界には「石に花咲く」ことが起こりうるのです。そういえば、岩石の柱状摂理には六角形以外にも七角形になるものもありますし、花の世界では七角形はあります。また、コンピュータの世界では正確な正七角形は作図可能です。

七角形の面白さはその希少性にあるのかも知れません。五角形の中にある無限性や六角形に見られる合理性とは違った魅力があると思います。正七角形は左右対称の美しい形だと思います。七角形の硬貨や切手があるように人の世界でも少数ながらもしっかり存在しています。

水晶の中にはその錐面の形に七角形と三角形が交互に現れているものが存在します。そのようなものは少数派で、ある意味貴重です。パワーストーンの世界では特別な石ともされているようです。

七角形、その希少性に意味があるのかも知れません。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 割れ目2 | トップ | 方鉛鉱 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記・エッセイ・コラム」カテゴリの最新記事