皆様こんばんは。
本日は永代塾囲碁サロンで指導碁を行いました。
お越し頂いた方々、ありがとうございました。
いつもはのんびり指導碁をしていますが、今日は珍しくお客様が多く、一時4面打ちになりました。
4面打ちしながら全員の棋譜を取り、しかもお客様をお待たせしない・・・。
難しそうに思えるでしょうが、今はタブレットPCで棋譜取りができるので、かなり楽になりました。
自分の対局を振り返ることは、囲碁の上達においてとても大切です。
ネット対局の普及などもあり、囲碁の上達には良い時代になりましたね。
さて、本日は書評第4回・玄妙道策です。
本来なら写真を載せるところですが、携帯のカメラが壊れてしまったので撮れません。
カバー写真は商品ページでご覧ください。
本書は、史上最強の棋士との呼び声が高い本因坊道策の名局・名場面集です。
著者の酒井猛九段は道策に心酔している上、完璧主義者です。
調べ方が半端ではなく、構成担当の故・中山典之七段をして「普通の単行本の十倍ほどの労力を費やした」と言わしめています。
そんな本書は、棋士や県代表クラスの方の多くが一度は読んでいるでしょう。
26年も前に出た本ですが、現在は日本棋院の電子書籍として復刻されています。
道策の名前は、最近ではMaster(AlphaGo)の登場によって注目されていますね。
石を極限まで働かせる打ち方、正確無比な読みに支えられた華麗な捌き、碁盤全体を見た打ち回し・・・。
いずれも、Masterの得意としているところです。
実際、Masterの手を見て道策の名前が浮かぶこともしばしばあります。
例えば、次のような場面・・・。
1図(テーマ図)
道策が2子置かせた碁です。
当時はプロ同士での置き碁も当たり前に行われていました。
総互先が主流になったのは近代に入ってからです。
さて、この局面では上辺は黒の石数が多いことをご確認頂けるでしょう。
この状況で、道策はどう打ったでしょうか?
2図(実戦)
白1のツケ一本で、白3のカケ!
何という飛躍した発想でしょうか。
白Aと逃げる凡手とは次元が違いますね。
3図(実戦)
20手ほど進んだ場面です。
白△が中央を制圧した上、どさくさに紛れて右上隅まで荒らしています。
とても黒石が多かった所とは思えません。
こんな打ち方は恐らく過去に例が無く、道策が自力で編み出したものと考えられます。
現代の棋士は道策を知っているので、このような打ち方を真似することもできます。
しかし、実際にはプロの対局ではあまり見られませんでした。
派手で格好良い打ち方ですが、運用には大変な力が必要になるからです。
ところが、この対局から347年・・・。
ついに使用者が現れました。
自分の後継者が人間ではないとは、流石の道策先生も予測し得ないことですね。
このような場面をはじめとして、道策は素晴らしい打ち回しを見せており、その魅力を酒井九段が余すところなく伝えています。
勉強にもなりますが、何といっても感動の多い本になっていると思います。
高段者を目指す方には必見です。
本日は永代塾囲碁サロンで指導碁を行いました。
お越し頂いた方々、ありがとうございました。
いつもはのんびり指導碁をしていますが、今日は珍しくお客様が多く、一時4面打ちになりました。
4面打ちしながら全員の棋譜を取り、しかもお客様をお待たせしない・・・。
難しそうに思えるでしょうが、今はタブレットPCで棋譜取りができるので、かなり楽になりました。
自分の対局を振り返ることは、囲碁の上達においてとても大切です。
ネット対局の普及などもあり、囲碁の上達には良い時代になりましたね。
さて、本日は書評第4回・玄妙道策です。
本来なら写真を載せるところですが、携帯のカメラが壊れてしまったので撮れません。
カバー写真は商品ページでご覧ください。
本書は、史上最強の棋士との呼び声が高い本因坊道策の名局・名場面集です。
著者の酒井猛九段は道策に心酔している上、完璧主義者です。
調べ方が半端ではなく、構成担当の故・中山典之七段をして「普通の単行本の十倍ほどの労力を費やした」と言わしめています。
そんな本書は、棋士や県代表クラスの方の多くが一度は読んでいるでしょう。
26年も前に出た本ですが、現在は日本棋院の電子書籍として復刻されています。
道策の名前は、最近ではMaster(AlphaGo)の登場によって注目されていますね。
石を極限まで働かせる打ち方、正確無比な読みに支えられた華麗な捌き、碁盤全体を見た打ち回し・・・。
いずれも、Masterの得意としているところです。
実際、Masterの手を見て道策の名前が浮かぶこともしばしばあります。
例えば、次のような場面・・・。
1図(テーマ図)
道策が2子置かせた碁です。
当時はプロ同士での置き碁も当たり前に行われていました。
総互先が主流になったのは近代に入ってからです。
さて、この局面では上辺は黒の石数が多いことをご確認頂けるでしょう。
この状況で、道策はどう打ったでしょうか?
2図(実戦)
白1のツケ一本で、白3のカケ!
何という飛躍した発想でしょうか。
白Aと逃げる凡手とは次元が違いますね。
3図(実戦)
20手ほど進んだ場面です。
白△が中央を制圧した上、どさくさに紛れて右上隅まで荒らしています。
とても黒石が多かった所とは思えません。
こんな打ち方は恐らく過去に例が無く、道策が自力で編み出したものと考えられます。
現代の棋士は道策を知っているので、このような打ち方を真似することもできます。
しかし、実際にはプロの対局ではあまり見られませんでした。
派手で格好良い打ち方ですが、運用には大変な力が必要になるからです。
ところが、この対局から347年・・・。
ついに使用者が現れました。
自分の後継者が人間ではないとは、流石の道策先生も予測し得ないことですね。
このような場面をはじめとして、道策は素晴らしい打ち回しを見せており、その魅力を酒井九段が余すところなく伝えています。
勉強にもなりますが、何といっても感動の多い本になっていると思います。
高段者を目指す方には必見です。