白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

先日の対局

2016年12月14日 23時59分59秒 | 対局
皆様こんばんは。
本日は2週間前の、巻幡多栄子四段との対局を振り返ります。



1図(実戦)
私の黒番です。
かなり迷った末に、黒1のツケコシを放ちました。
ツケコシにはシチョウ関係が重要です。
黒1をシチョウで取れるかどうか、皆さんも確かめてみてください。





2図(変化図)
実は、シチョウは白が良いのです。
白1、3で黒を取る事ができます。
もちろん、うっかりした訳ではありません(笑)。
あえて取らせて、黒4、6と左辺に侵入する狙いです。

普通はポン抜きを許すというのはあり得ないのですが、出来上がり図を見てみると、白△が無駄石ですし、白〇も遊んでいます。
白に2つも働かない石ができるなら、黒が十分打てるという判断です。
また、黒には弱い石が1つもなく、ポン抜きの厚みを生かす場所が無い事もポイントです。





3図(実戦)
と思っていたのですが、全く違う進行になります。
実戦は白1と、ツケコシのお返しをして来ました!
これは完全に予想外でした。
色々と予想外の事が起こるのも、碁の面白い所ですね。
ただ、この手の意味はすぐに分かります。





4図(変化図)
黒1、3と受けさせてから、白4と切ろうというのです。
黒5にはAとBが見合いで、黒が困ります。





5図(実戦)
そこで構わず、黒1と連打しました。
白も2と隅に入り込み、振り替わりの形になりました。
白△が痛んでいるので、黒が悪くない分かれでしょう。

ただ、黒5はちょっとやり過ぎだったかもしれません。
こういう手は、見ている分には面白くて良いのですが、自分で打っていると良し悪しが気になりますね。





6図(実戦)
白も1、3の手筋から、黒を分断して反撃してきました。
白15となった状態は、隅の白が死に残りで、左辺の白3子も弱い石です。
しかし、左辺の黒も生きていませんし、白AやBも狙われています。
お互いに意地を張った結果、命懸けの戦いに発展しました。





7図(実戦)
道中色々ありましたが、黒△まで、お互い無事に分かれました。
この時は黒が良いと思っていましたが、薄い所もあり、案外難しかったかもしれません。

この後も色々と予想外な事が起こりました。
碁は面白いですね。
打っている間は苦しいですが・・・。
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